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業許可への処分 — 業務停止・許可取消し・改善命令は、どの条文にあるか

業の許可に向けられた処分は、薬機法第13章「監督」のなかで条文ごとに分かれています。品質管理の方法や構造設備が厚生労働省令で定める基準に適合しないときの改善命令が第72条、法令違反があったときの業務運営の改善措置命令が第72条の4、許可の取消しと業務の停止が第75条です。業務の停止は第75条だけの処分ではなく、第72条にも置かれています。本ページは、どの条文が誰に何を命じられると書いているかを条文で確認し、最後に2027年5月20日の条番号の移動を示します。

30秒でわかる要点

  • 業の許可に向く処分は条文で分かれている。基準に適合しないときの改善命令が第72条、法令違反があったときの業務運営の改善措置命令が第72条の4許可の取消しと業務の停止が第75条。命ずる者は、製造販売業者等には厚生労働大臣、薬局開設者・販売業者等には都道府県知事
  • 業務の停止は第75条だけの処分ではない。第72条第1項・第2項も、改善を行うまでの間の業務の全部若しくは一部の停止を命じられる。いっぽう第72条・第75条の処分そのものについて、薬機法は手続の条文を置いていない
  • 第75条第1項で許可を取り消されると、第5条第3号イにより、取消しの日から3年は許可を与えないことができる。2027年5月20日からは第72条の4以降が1つずつ繰り下がり、いまの第72条の4は第72条の5になる

業の許可に対する処分には、どのようなものがあるか?

薬機法第13章「監督」が定めています。中心は改善命令(第72条)、業務運営の改善措置命令(第72条の4)、許可の取消しと業務の停止(第75条)の3つです。

命ずる者は条文と項ごとに分かれます。製造販売業者の品質管理等についての命令は厚生労働大臣、薬局開設者・販売業者等への命令は都道府県知事、製造業者・修理業者の構造設備(第72条第3項)は厚生労働大臣又は都道府県知事です。

薬機法は第13章に「監督」を置いています。並んでいるのは立入検査(第69条)、廃棄・回収その他の措置の命令(第70条)、検査命令(第71条)、改善命令(第72条)、許可の取消し等(第75条)です。このうち第70条・第71条が向くのはで、名宛人も要件も、業の許可に向く条文とは別です。

業の許可・登録そのものに向くものを条文の順に並べると、次のようになります。

表1:業の許可・登録に向けられた命令と処分(薬機法第13章)
条文定められている内容命ずる者
第72条(改善命令等)品質管理・製造販売後安全管理の方法、製造管理・品質管理の方法、構造設備が厚生労働省令で定める基準に適合しない場合の改善命令。改善を行うまでの間の業務の停止、施設の使用の禁止第1項・第2項は厚生労働大臣、第3項は厚生労働大臣又は都道府県知事、第4項・第5項は都道府県知事
第72条の2薬局・店舗販売業・配置販売業・地域連携薬局等について、業務を行う体制を整備することの命令都道府県知事
第72条の2の2第9条の2、第18条の2ほかの規定による措置が不十分と認める場合の、改善に必要な措置の命令厚生労働大臣・都道府県知事(名宛人により分かれる)
第72条の3薬局開設者が第8条の2の報告をせず、又は虚偽の報告をしたときの、報告・是正の命令都道府県知事
第72条の4法令違反行為があった場合の業務運営の改善措置命令(第1項)、承認等に付された条件への違反の是正措置命令(第2項)厚生労働大臣・都道府県知事(名宛人により分かれる)
第73条(医薬品等総括製造販売責任者等の変更命令)管理者・責任技術者に法令違反行為があったとき、又は不適当と認めるときの、変更の命令厚生労働大臣・都道府県知事(名宛人により分かれる)
第74条(配置販売業の監督)配置員の法令違反行為に対する、期間を定めた配置販売の業務の停止都道府県知事
第75条(許可の取消し等)許可の取消し、期間を定めた業務の全部又は一部の停止、地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の認定の取消し厚生労働大臣・都道府県知事(名宛人により分かれる)
第75条の2(登録の取消し等)登録の取消し、期間を定めた業務の全部又は一部の停止厚生労働大臣

出典:薬機法(昭和35年法律第145号)第72条〜第75条の2。条文の見出しは e-Gov 法令検索の2026-05-21施行版による。第72条の2・第72条の2の2・第72条の3・第72条の4には条文の見出しが付されていない。

この一覧は業の許可・登録に向く条文に絞ったものです。罰則・課徴金・回収を含めた全体の見取り図は違反したらどうなるかにあります。

改善命令(第72条)は、何が基準に適合しないときに出るのか?

品質管理・製造販売後安全管理の方法、製造管理・品質管理の方法、構造設備が、それぞれ厚生労働省令で定める基準に適合しないときです。

命じられるのは改善だけではありません。改善を行うまでの間の業務の全部若しくは一部の停止、施設の使用の禁止も同じ条文にあります。

第72条は5つの項からなり、項ごとに名宛人と、適合が求められる基準が違います。第1項は製造販売業者の品質管理又は製造販売後安全管理の方法、第2項は製造所における製造管理又は品質管理の方法、第3項から第5項は構造設備です。

第1項が引く第12条の2第1項第1号・第2号は、製造販売業の許可の基準そのものです。どちらも、許可を与えないことができる場合として置かれています。

申請に係る医薬品、医薬部外品又は化粧品の品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき

申請に係る医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売後安全管理(中略)の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき

薬機法 第12条の2第1項第1号・第2号。e-Gov 法令検索 2026-05-21 施行版

許可の後に同じ基準へ適合しなくなった場合の条文が、第72条第1項です。同じ基準が、入口では許可を与えるかどうかの判断に、その後は改善命令の要件に使われています。

第2項が引くのは、承認の要件を定める第14条第2項第4号です。「政令で定めるものであるときは」という限定が、号の冒頭に置かれています。

申請に係る医薬品、医薬部外品又は化粧品が政令で定めるものであるときは、その物の製造所における製造管理又は品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合していると認められないとき

薬機法 第14条第2項第4号。e-Gov 法令検索 2026-05-21 施行版

第72条第2項の要件は、この基準への不適合だけではありません。その製造管理若しくは品質管理の方法によって医薬品等が第56条、第65条若しくは第65条の5に規定する物又は第68条の20に規定する生物由来製品に該当するようになるおそれがある場合も、同じ項に置かれています。

第3項から第5項は構造設備についての規定で、名宛人と命ずる者が項ごとに分かれます。

  • 第3項:医薬品(体外診断用医薬品を除く)・医薬部外品・化粧品・再生医療等製品の製造業者、医療機器の修理業者の構造設備。厚生労働大臣又は都道府県知事が、改善命令、又は改善を行うまでの間の施設の全部若しくは一部の使用の禁止を命じられる
  • 第4項:薬局開設者、医薬品の販売業者、第39条第1項・第39条の3第1項の医療機器の販売業者・貸与業者、再生医療等製品の販売業者の構造設備。都道府県知事
  • 第5項:地域連携薬局等の開設者の構造設備。都道府県知事

要点

第72条第1項・第2項は「改善を命じ、又はその改善を行うまでの間その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる」と書かれています。業務の停止は第75条だけの処分ではありません。

基準そのものを定める厚生労働省令の名称・番号とその内容は、回収と品質・安全管理で扱います。

法令違反があったとき、業務運営の改善を命じる条文はどれか?

第72条の4第1項です。法令違反行為があり、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要と認めるときに命じられます。

第2項は、承認等に付された条件に違反する行為があったときの是正措置命令を、別の要件で定めています。

第72条の4第1項の要件は2つです。この法律又はこれに基づく命令の規定に違反する行為があったこと、そして保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために必要があると認めることです。命じられる内容は「その業務の運営の改善に必要な措置」で、措置の中身は条文に列挙されていません。

条文は「第七十二条から前条までに規定するもののほか」で始まります。第72条(基準への不適合)、第72条の2(体制の整備)、第72条の2の2(措置が不十分な場合)、第72条の3(薬局開設者の報告)とは別に、法令違反行為があった場合の要件を条文で定めている、という位置づけです。

この条文は、令和7年法律第37号により 2027年5月20日 から 第72条の5 へ繰り下がります。空いた番号には別の規定が入ります(第72条の4 は医薬品の製造販売業者の報告義務違反に対する是正命令等になります)。2027年以降に条番号だけを引くと、別の規定に当たります。

この施行日は e-Gov 法令検索に確定した施行日として記録されているものです(施行期日を定める政令の番号は未確認)。これに対し 2028年5月20日 施行分は e-Gov 上も予定日で、政令で確定します。

第2項は要件が別です。承認等に付された条件に違反する行為があったときに、その条件に対する違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命じられます。

条件を付す根拠として第2項が引いているのは、第14条の2の2第1項、第14条の2の2の2第1項、第23条の2の6の2第1項、第23条の2の6の3第1項、第23条の26第1項、第23条の26の2第1項又は第79条第1項です。

同じ並びにある他の命令

  • 第72条の2:薬局・店舗が第5条第2号・第26条第4項第2号の体制の基準に適合しなくなった場合、配置販売業者が第30条第3項の基準に適合しなくなった場合、地域連携薬局等が要件を欠くに至った場合に、基準・要件に適合するよう業務を行う体制を整備することを命じるもの
  • 第72条の2の2:第9条の2、第18条の2、第23条の2の15の2、第23条の35の2、第29条の3、第31条の5又は第36条の2の2の規定による措置が不十分であると認める場合に、その改善に必要な措置を命じるもの
  • 第72条の3:薬局開設者が第8条の2第1項・第2項の報告をせず、又は虚偽の報告をしたときに、期間を定めて報告を行い、又はその内容を是正すべきことを命じるもの
  • 第73条:管理者・責任技術者に法令違反行為があったとき、又は管理者・責任技術者として不適当と認めるときに、その製造販売業者・薬局開設者等に対して変更を命じるもの

いずれも薬機法の条文が命令として定めているものです。条文に根拠を持たない働きかけとの違いは行政指導で扱います。

許可の取消しと業務の停止は、どういうときにできるのか?

薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は第5条第3号の欠格事由に該当するに至ったときです(第75条第1項)。

処分の内容は、許可の取消し、又は期間を定めた業務の全部若しくは一部の停止の2つです。

第75条第1項の要件は2つです。この法律その他薬事に関する法令で政令で定めるもの若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は第5条第3号の規定に該当するに至ったときです。処分の内容も2つで、許可の取消しと、期間を定めた業務の全部若しくは一部の停止です。

命ずる者は名宛人で分かれます。製造販売業者、製造業者、医療機器の修理業者については厚生労働大臣、薬局開設者、医薬品の販売業者、医療機器の販売業者・貸与業者、再生医療等製品の販売業者については都道府県知事です。

第2項は、都道府県知事が製造販売業者等について第1項の処分が行われる必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならないと定めています。

第75条の2は許可ではなく登録についての条文です。厚生労働大臣が、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造業者について、その登録を取り消し、又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じられます。

第75条の2の要件は3つです。

  • 法令違反行為があったとき
  • 不正の手段により第13条の2の2第1項(保管のみを行う製造所の登録)若しくは第23条の2の3第1項の登録を受けたとき
  • 第13条の2の2第5項・第23条の2の3第4項において準用する第5条(第3号に係る部分に限る)の規定に該当するに至ったとき

取消しの後に適用される欠格事由

第75条第1項と第5条第3号は、出口と入口で同じ事実を見ています。許可を取り消すのが第75条第1項で、その取消しを受けた者に許可を与えないことができる場合を挙げるのが第5条第3号イです。

第5条第3号は、許可を与えないことができる場合として、申請者(法人であるときは、薬事に関する業務に責任を有する役員を含む)が次のイからトまでの7つのいずれかに該当するときを挙げています。

  • イ:第75条第1項の規定により許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
  • ロ:第75条の2第1項の規定により登録を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
  • ハ:拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者
  • ニ:イからハまでに該当する者を除くほか、この法律、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者
  • ホ:麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
  • ヘ:心身の障害により薬局開設者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
  • ト:薬局開設者の業務を適切に行うことができる知識及び経験を有すると認められない者

このうち取消し・登録取消しを起点とするのはイとロで、第75条第1項・第75条の2第1項の処分と直接つながっています。ヘとトは第5条が薬局の開設の許可(第4条)についての規定であるため「薬局開設者の業務」と書かれています。

第5条第3号は、製造販売業(第12条の2第2項)、製造業(第13条第6項)、医療機器等の製造販売業(第23条の2の2第2項)、再生医療等製品の製造販売業(第23条の21第2項)などで準用されています。第75条第1項は、これらの準用規定に該当するに至ったときも要件に含めています。

第75条には、このほかに第3項(血液製剤等に関する期間を定めた業務の全部又は一部の停止)、第4項(地域連携薬局の認定の取消し)、第5項(専門医療機関連携薬局の認定の取消し)が置かれています。許可・認定・登録・承認がどう並ぶかは承認・認証・届出・許可の地図で扱います。

処分の前後には、どのような手続が置かれているか?

薬機法が手続の条文を置いているのは、課徴金納付命令(第75条の5の6〜第75条の5の8)と更新の拒否(第76条)です。第72条・第75条にはありません。

第75条の5の18が置く行政手続法第3章の適用除外は、第75条の5の2から第75条の5の16までの処分に限られています。

薬機法が処分の手続を条文で定めているのは2か所です。課徴金納付命令(第75条の5の6から第75条の5の8まで)と、更新を拒む場合(第76条)です。第72条の改善命令と第75条の許可の取消し等については、薬機法の側に手続の条文がありません。

薬機法の条文中で「行政手続法」の語が現れるのは2か所です。第75条の5の18(行政手続法の適用除外)と、第76条の2(聴聞の方法の特例)です。前者は、適用除外の対象になる処分を条文で列挙しています。

厚生労働大臣が第七十五条の五の二から第七十五条の五の十六までの規定によつてする課徴金納付命令その他の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。ただし、第七十五条の五の二の規定に係る同法第十二条の規定の適用については、この限りでない。

薬機法 第75条の5の18(行政手続法の適用除外)。e-Gov 法令検索 2026-05-21 施行版

列挙されているのは第75条の5の2から第75条の5の16までです。第72条(改善命令等)と第75条(許可の取消し等)は、この列挙に入っていません。

課徴金納付命令については、この適用除外を置いたうえで、薬機法自身が手続を定めています。第75条の5の6は「厚生労働大臣は、課徴金納付命令をしようとするときは、当該課徴金納付命令の名宛人となるべき者に対し、弁明の機会を与えなければならない」と定めています。

第75条の5の7が定めるのは弁明の方式です。厚生労働大臣が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面の提出によるとしています。

第75条の5の8が定めるのは通知の方式です。弁明書の提出期限までに相当な期間をおいて、納付を命じようとする課徴金の額、課徴金の計算の基礎及び当該課徴金に係る課徴金対象行為、弁明書の提出先及び提出期限を書面により通知する、と書かれています。

更新を拒む場合にも条文があります。第76条は、許可の更新、認定の更新又は登録の更新を拒もうとするときは、当該処分の名宛人に対し「その処分の理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない」と定めています。

もう1か所の第76条の2は、外国特例承認の取消し等(第75条の2の2第1項第5号のうち選任製造販売業者に係る部分)についての特例です。同項の規定による処分をしようとする場合の行政手続法第3章第2節の適用について、当該処分の名宛人の選任製造販売業者を同法第15条第1項の通知を受けた者とみなす、としています。薬機法の条文中で「聴聞」の語が現れるのは、この条の見出しだけです。

要点

第72条・第75条の処分そのものについて、薬機法は手続の条文を置いていません。行政手続法の本文は本ページの作成時点で取得できていないため、同法が定める手続の内容は本ページでは扱いません。

処分を受けた後

薬機法が審査請求について置いている規定は、機構(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が行う調査・審査等に係る処分についてのものです。第13条の2第5項は「機構が行う調査に係る処分(調査の結果を除く。)又はその不作為については、厚生労働大臣に対して、審査請求をすることができる」と定め、この場合に厚生労働大臣を機構の上級行政庁とみなすとしています。同じ規定が第14条の2の3第7項、第23条の2の7第7項、第23条の23第5項、第23条の27第7項にもあります。

第80条の10第5項も、機構が行う原薬等登録原簿の登録について同様の規定を置いていますが、対象と準用の範囲が違います。対象は「登録若しくはその不作為、申請の却下又は登録の抹消」で、みなしの対象として準用する行政不服審査法の条文は第25条第2項及び第3項、第46条第1項及び第2項並びに第49条第3項です。他の5か所に入っている第47条が入っていません。

逆に第43条第4項は、同条第1項・第2項の検査の結果については審査請求をすることができないと定めています。

厚生労働大臣・都道府県知事がする第72条・第75条の処分そのものについては、薬機法は不服申立てに関する規定を置いていません。薬機法が引用する法律として行政不服審査法(平成26年法律第68号)があります(第13条の2第5項ほか)。同法の手続の内容も、本文を取得できていないため本ページでは扱いません。

2027年5月20日から、これらの条番号はどう動くのか?

第72条の4以降が1つずつ繰り下がります。空いた第72条の4には別の規定が入り、第72条の8(役員の変更命令)も新設されます。

令和7年法律第37号による改正です。同じ入れ替えは第6条系でも起き、第6条の4には健康増進支援薬局が入ります。

令和7年法律第37号(2025年5月21日公布)は、2027年5月20日から第72条系に新しい条を差し込みます。差し込まれる位置が第72条の4であるため、いま第72条の4にある業務運営の改善措置命令は第72条の5へ移ります。

第72条・第72条の2・第72条の2の2・第72条の3は番号が動きません。ただしこのうち第72条・第72条の2・第72条の2の2は同じ日に本文が変わり、登録受渡業者・登録受渡店舗(第29条の5)と健康増進支援薬局(第6条の4)が対象に加わります。

表2:2027年5月20日からの条番号(第72条系と第6条系)
2026年5月21日施行版2027年5月20日から規定の内容
(新設)第72条の4医薬品の製造販売業者が第68条の2第2項・第4項の報告をせず、又は虚偽の報告をしたときの報告・是正の命令、同条第1項の計画の変更命令、同条第6項に違反していると認めるときの改善措置命令
第72条の4第72条の5業務運営の改善措置命令、承認等に付された条件への違反の是正措置命令
第72条の5第72条の6違反広告に係る措置命令等
第72条の6第72条の7損害賠償責任の制限
(新設)第72条の8薬事に関する業務に責任を有する役員の変更命令
(新設)第6条の4健康増進支援薬局。都道府県知事の認定を受けて健康増進支援薬局と称することができる要件と、申請の手続
第6条の4(認定の基準)第6条の5認定の基準。第75条第4項・第5項・第6項により認定を取り消され3年を経過しない者への不認定と、第5条第3号の準用

出典:e-Gov 法令検索の2026-05-21施行版(335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)と2027-05-20施行版(335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)を条単位で照合。新設の第72条の4には条文の見出しが付されていないため、規定の内容を要約して示している。

第6条の4という番号は、いまの薬機法にもあります。2027年5月20日にその番号へ健康増進支援薬局が入り、いま第6条の4にある認定の基準は第6条の5へ移ります。第72条系と同じ入れ替えが、第6条系でも起きます。

新設される第72条の8

第73条が管理者・責任技術者の変更命令であるのに対し、第72条の8は役員の変更命令です。

要件として挙げられているのは3つです。法令違反行為があった場合、その役員が第12条の2第2項等において準用する第5条(第3号に係る部分に限る)の規定に該当するに至った場合、そして許可・登録を受けた時点で既に該当していたことが判明した場合です。

第75条と第75条の2も同じ日に変わります。第75条には第6項が加わり、都道府県知事が健康増進支援薬局の認定を取り消すことができる場合が定められます。同項第2号が挙げるのは「第六条の五第一項の規定又は同条第二項において準用する第五条(第三号に係る部分に限る。)の規定に該当するに至つたとき」で、認定の基準が第6条の5へ移った後の番号で引かれています。

第75条の2には「都道府県知事は、登録受渡業者について」が加わり、第29条の5第1項の登録(登録受渡店舗に係る登録。同日新設)が取消し・業務停止の対象に入ります。

2027年5月20日より後に条番号だけを引くと、別の規定に当たります。処分・罰則・課徴金を含めた全体の見取り図は違反したらどうなるかにあります。

理解の確認

第72条第1項が命じる業務の停止と、第75条第1項が命じる業務の停止は、要件と停止の終わり方でどう違うか。

第72条第1項の停止は、品質管理又は製造販売後安全管理の方法が厚生労働省令で定める基準に適合しないことを要件とし、「改善を行うまでの間」として改善で終わります。第75条第1項の停止は、薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は第5条第3号に該当するに至ったときを要件とし、「期間を定めて」命じられます。要件も終わり方も別に組み立てられているため、業務の停止を第75条だけの処分として読むと、基準に適合しなくなった場面が抜け落ちます。

根拠:薬機法第72条第1項・第75条第1項(法令確認日 2026-09-08、2026年5月21日施行版)

第72条・第75条の処分について薬機法が手続の条文を置いていないことは、これらの処分に手続が要らないことを意味するか。

意味しません。薬機法が自ら手続を書いているのは、課徴金納付命令(弁明の機会・弁明の方式・通知の方式を第75条の5の6から第75条の5の8までが定める)と、更新を拒む場合(第76条)の2か所です。課徴金納付命令については行政手続法第3章の適用除外が第75条の5の18に置かれていますが、その列挙は第75条の5の2から第75条の5の16までで、第72条・第75条は入っていません。薬機法に手続の条文が無いことは、薬機法が自前の手続を用意していないという意味にとどまります(行政手続法が定める手続の内容は本ページでは扱っていません)。

根拠:薬機法第75条の5の6〜第75条の5の8・第75条の5の18・第76条(法令確認日 2026-09-08、2026年5月21日施行版)

2027年5月20日より後に、古い資料に書かれた「第72条の4」という番号だけを引くと、何に当たるか。

同じ番号にある別の規定に当たります。いま第72条の4にある業務運営の改善措置命令は第72条の5へ移り、空いた第72条の4には医薬品の製造販売業者の報告義務違反に対する是正命令等が入るためです。第6条系でも同じ入れ替えが起き、いまの第6条の4(認定の基準)は第6条の5へ移り、第6条の4には健康増進支援薬局が入ります。繰り下がりで番号が空席になるわけではないので、番号だけを引き写すと別の条文を読むことになります。

根拠:薬機法第72条の4・第72条の5、第6条の4・第6条の5(令和7年法律第37号による改正、2027年5月20日施行。法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第5条第3号、第12条の2、第14条第2項、第69条〜第76条の3、第80条の10 出典元(2026-09-08 確認。2026-05-21施行版)
  • 薬機法 2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)第6条の4、第6条の5、第29条の5、第72条〜第72条の8、第75条、第75条の2 出典元(2026-09-08 確認)
  • 行政手続法(平成5年法律第88号)(URL未確認・2026-09-08 時点。法令番号は薬機法第75条の5の18の引用による。同法の本文は取得しておらず、条文の内容は引いていない)
  • 行政不服審査法(平成26年法律第68号)(URL未確認・2026-09-08 時点。法令番号は薬機法第13条の2第5項の引用による。同法の本文は取得しておらず、条文の内容は引いていない)