30秒でわかる要点
- 薬機法の5つの区分は、物の由来や製法ではなく「何に使用されることが目的とされているか」で決まる。医療機器と再生医療等製品は、それに加えて政令で定めるものに限られる(第2条第4項・第9項)。
- 再生医療等安全性確保法について、令和7年5月30日の事務連絡は、培養上清とセクレトームは細胞が含まれないことが明らかである場合には法の対象外である、と記載している。条件はこの一つで、満たされない場合の扱いには触れていない。
- 薬機法の側は別に動く。令和6年7月31日の事務連絡は、医薬品的効果効能を標ぼうし、又は暗示する製品を無承認無許可医薬品として指導・取締りの対象とし、あわせて、エクソソーム等と称する製品に薬機法の承認を受けた医薬品は存在しない、と書いている。
薬機法は、規制の対象となる物をいくつの区分に分けているのか
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の5つです。いずれも、その物が何に使用されることが目的とされているかによって定義されています。
医療機器と再生医療等製品は、この定義に加えて「政令で定めるもの」に限られます(第2条第4項・第9項)。
薬機法が規制の対象とする物は、第2条で5つに分けられています。医薬品が第1項、医薬部外品が第2項、化粧品が第3項、医療機器が第4項、再生医療等製品が第9項です。
定義の軸になっているのは、その物が何に由来するかではありません。何に使用されることが目的とされているかです。
再生医療等製品の定義は第9項に置かれています。第1号は、そこに掲げる医療又は獣医療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したものを指します。
ただし条文は、これに当たる物すべてを再生医療等製品としているわけではありません。「政令で定めるもの」という限定が付いています。
二つの定義を並べると、書き方の癖が見えます。第1項第2号は医薬部外品と再生医療等製品を、第3号はそれに化粧品を加えた3つを、かっこ書きで除いています。第9項も、冒頭で医薬部外品と化粧品を除いています。定義どうしが互いを名指しで外し合う形にして、同じ物の置き場所が重ならないようにしてあります。
「政令で定めるもの」はどこにあるか
この政令が薬機法施行令(昭和36年政令第11号)です。同令第1条は、法第2条第4項の医療機器を別表第一のとおりとすると定めています(同条で「法」の略称を置いています)。第1条の2は「法第二条第九項の再生医療等製品は、別表第二のとおりとする」と定めています。
つまり区分は二段で書かれています。法律の側が定義で入口の広さを決め、政令の側が別表で対象物を挙げる、という構えです。この区分が加わった経緯は「再生医療等製品」— 2014年に加わった5つ目の区分で扱います。
薬機法上、ある物が医薬品に当たるかどうかは何で決まるのか
薬機法第2条第1項第2号・第3号は、医薬品を「使用されることが目的とされている物」と定義しています。目的の判断要素は昭和46年6月1日の通知が挙げています。
この通知の別紙が対象としているのは、人が経口的に服用する物です。
決め手になるのは使用の目的です。第2条第1項第2号・第3号は、いずれも「使用されることが目的とされている物」という書き方をしています。物の由来や製法は、要件になっていません。条文は前節のカードのとおりです。
では、その目的をどう判断するのか。厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(昭和46年6月1日 薬発第476号。最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)の別紙「医薬品の範囲に関する基準」が、判断の要素を挙げています。
人が経口的に服用する物が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項第2号又は第3号に規定する医薬品に該当するか否かは、医薬品としての目的を有しているか、又は通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識するかどうかにより判断することとなる。通常人が同項第2号又は第3号に掲げる目的を有するものであると認識するかどうかは、その物の成分本質(原材料)、形状(剤型、容器、包装、意匠等をいう。)及びその物に表示された使用目的・効能効果・用法用量並びに販売方法、販売の際の演述等を総合的に判断すべきものである。
無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」冒頭挙げられているのは、その物の成分本質(原材料)、形状、その物に表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、販売の際の演述等です。これらを総合的に判断すべきものである、と書かれています。
この基準には、読む範囲に二つの限りがあります。一つは対象です。別紙の書き出しのとおり、扱っているのは人が経口的に服用する物です。
もう一つは位置づけです。同通知の本体の「記」の1は、医薬品の該当性は法第2条における定義に照らし合わせて判断されるべきものである、と書いています。基準そのものは、過去の判断を例示しているものである、とされています。
エクソソーム等と称する製品について出された事務連絡
令和6年7月31日、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課が、各都道府県・各保健所設置市・各特別区の衛生主管部(局)あてに事務連絡を出しています。
この事務連絡は、まず用語を二段階で定めています。ヒトの幹細胞の培養上清液及び当該上清液に含まれる可能性のある細胞外小胞等の細胞の分泌物を「エクソソーム等」と呼びます。そのうち、疾病の治療又は予防の目的に用いるものではなく試薬と称した製剤として医療機関向けに広告・販売するものを「エクソソーム試薬」と呼んでいます。
そのうえで、次のように書いています。
エクソソーム試薬のうち医薬品と誤認させるものや医薬品的効果効能を標ぼうし、又は暗示するものについては、下記のとおり、無承認無許可医薬品として貴管下販売業者等に対する薬機法に基づく指導及び取締りの徹底をお願いいたします。
エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課 事務連絡)本文指導の対象となる製品の6つの類型は、記の1に挙げられています。
さらに記の3は、この方針がエクソソーム等を称する製品に限られないと書いています。疾病の治療等に用いることを目的としていないにも関わらず医薬品と誤認させるものや、医薬品的効果効能を標ぼうし、又は暗示する製品についても同様である、としています。
6つの類型の中身は令和6年7月31日 事務連絡 — エクソソーム試薬に係る監視指導の6類型で扱います。「研究用」等の表示があることで何が決まるかは「研究用」表示は何を意味するかで扱います。
培養上清液やセクレトームは、再生医療等安全性確保法の対象になるのか
対象外とされているのは「細胞が含まれないことが明らかである場合」に限られ、それは品質、有効性又は安全性が確認されていることを意味しません。
この条件は、令和7年5月30日 事務連絡の A.1-1-07 および A.1-1-08 に記載されています。
令和7年5月30日の事務連絡は、培養上清とセクレトームについて「細胞が含まれないことが明らかである場合は、法の対象外である」と記載しています。付いている条件はこの一つです。条文からこの記載までを、順に追います。
再生医療等安全性確保法(平成25年法律第85号)が対象とするのは、再生医療等技術を用いて行われる医療です。第2条第2項は再生医療等技術を定義していますが、第1号・第2号に掲げる技術のすべてではなく、そのうち「政令で定めるもの」に限っています。薬機法の区分と同じ二段の構えです。
ここでいう政令は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令(平成26年政令第278号)です。令和7年5月30日の事務連絡は、冒頭でこの政令を挙げ、「施行令」と呼んでいます。
第1号の「細胞加工物」の定義は、同条第4項に置かれています。
この定義に対して、厚生労働省医政局研究開発政策課が令和7年5月30日に事務連絡「再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて」を出しています。その中に、エクソソームを含む細胞外小胞、培養上清、セクレトームについての記載があります。
いわゆるエクソソームを含む細胞外小胞を用いた医療技術については、細胞を含まないことが明らかである場合には、法の対象外である。
再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&A(令和7年5月30日 事務連絡)A.1-1-07培養上清に細胞が含まれないことが明らかである場合は、法の対象外である。セクレトームについては、細胞から細胞外に分泌されるタンパク質全般を指す呼称である。当該物質に細胞が含まれないことが明らかである場合は、法の対象外である。
同 A.1-1-08いずれにも「細胞を含まないことが明らかである場合」という条件が付いています。この条件が満たされない場合の扱いに、A.1-1-07 と A.1-1-08 は触れていません。
もう一点、この2つの記載が答えているのは再生医療等安全性確保法の適用範囲についてであり、薬機法上の取扱いを述べたものではありません。薬機法の側は、前節のとおり別の条文と別の事務連絡で動きます。
第1種から第3種までの区分と、この法律が医療機関に課している手続は再生医療等安全性確保法の射程で扱います。
細胞に由来する物であれば、一律に法の適用から外れるのか
外れません。同じ事務連絡は、細胞を加工して得たミトコンドリアを特定細胞加工物に該当するとし、これを用いる医療技術を法の対象としています。
一方、サイトカイン(成長因子を含む。)のみを投与する医療技術は、法の対象外と記載されています。
令和7年5月30日の事務連絡は、細胞に由来する物をひとまとめに扱っていません。項目ごとに問いと答えを分け、法の対象になるものとならないものを書き分けています。
表1に、対象該当性について記載された内容を並べます。
| 問いの対象となった医療技術 | 事務連絡の記載 | 根拠 |
|---|---|---|
| エクソソームを用いる医療技術 | いわゆるエクソソームを含む細胞外小胞を用いた医療技術については、細胞を含まないことが明らかである場合には、法の対象外である | 令和7年5月30日 事務連絡 A.1-1-07 |
| 培養上清やセクレトームを用いる医療技術 | 培養上清に細胞が含まれないことが明らかである場合は、法の対象外である。セクレトームについても、当該物質に細胞が含まれないことが明らかである場合は、法の対象外である | 同 A.1-1-08 |
| サイトカインを用いる医療技術 | サイトカイン(成長因子を含む。)のみを投与する医療技術については、法の対象外である | 同 A.1-1-09 |
| 細胞を加工して得たミトコンドリアを用いる医療技術 | 細胞を加工して得たミトコンドリアは特定細胞加工物に該当し、当該特定細胞加工物を用いた医療技術は法の対象である | 同 A.1-1-10 |
| 自己の末梢血を遠心分離せず、自然に凝固させた血餅(フィブリンクロット)として用いる医療技術 | 末梢血を自然に凝固させる操作は、加工には該当せず、当該医療技術は法の対象外である | 同 A.1-1-11 |
| 歯科インプラントと多血小板血漿(PRP)を併用して用いる場合 | PRPは、細胞加工物に該当するため、当該医療技術については、法の対象である | 同 A.1-1-14 |
「事務連絡の記載」の列は、各答の内容です。品質、有効性又は安全性の評価を示すものではありません。
「加工」に触れた答は、このほかにもあります。A.1-1-15 は、脂肪組織から脂肪組織間質細胞を採取し、酵素処理・遠心分離を行うことが、法第2条第4項に規定する「細胞加工物」の定義における「加工」に該当するかを問うています。答えは「該当する。」の一文だけです。
エクソソーム等と称する製品に、薬機法の承認を受けた医薬品はあるのか
令和6年7月31日の事務連絡は、現時点においてエクソソーム等と称する製品に、薬機法に基づく承認を受けた医薬品は存在しない、と記載しています。
同じ日付で医政局が出した事務連絡も、諸外国を含め有効性・安全性が示され薬事承認を得て製造販売されている医薬品はない、としています。
令和6年7月31日、厚生労働省の二つの課がそれぞれ事務連絡を出し、どちらも承認の不存在に触れています。まず医薬局監視指導・麻薬対策課の事務連絡の「記」の2です。
なお、現時点において、エクソソーム試薬を含め、エクソソーム等と称する製品に、薬機法に基づく承認を受けた医薬品は存在しないことに留意すること。
エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課 事務連絡)記2もう一つは、同じ日付で厚生労働省医政局研究開発政策課が再生医療等提供機関の管理者あてに出した事務連絡です。
ヒトの幹細胞の培養上清液及び当該上清液に含まれる可能性のある細胞外小胞等の細胞の分泌物(以下「エクソソーム等」という。)を用いた医療(以下「当該医療」という。)については、現時点で、使用されるエクソソーム等で諸外国を含め有効性・安全性が示され、薬事承認を得て製造販売されている医薬品はありません。
幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)(令和6年7月31日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)日本再生医療学会のガイダンス(第1版)にも「現状においてはEVsを主な有効成分とする医薬品に薬事上の販売承認を与えた国はなく」との記載があります。
以上はいずれも医薬品についての記載です。これらの事務連絡およびガイダンスは、再生医療等製品の承認については述べていません。
要点
医薬局の事務連絡は、エクソソーム試薬について「薬機法に基づく承認を受けておらず、疾病の治療等に用いた場合の品質、有効性及び安全性が確認されたものではありません」と書いています。ある区分に当たらないことと、品質、有効性及び安全性が確認されていることとは、別の物差しです。行政の文書も、この二つを別の事項として書き分けています。
行政は何を出し、何を参照するよう求めているのか
厚生労働省医政局研究開発政策課が令和6年7月31日に事務連絡を出し、日本再生医療学会のガイダンスを適宜参照するよう求めています。
このガイダンスは学会が作成した文書であり、法令でも行政の通知でもありません。
令和6年7月31日、厚生労働省医政局研究開発政策課が再生医療等提供機関の管理者あてに事務連絡を出し、学会の文書を参照するよう求めています。名宛人は医療機関の側です。
なお、一般社団法人日本再生医療学会より「細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンス(第1版)」が発出されており、同学会ウェブサイトにおいて公表されております。当該医療を行う際には、その品質やリスクの管理等について、当該ガイダンスも適宜参照の上、安全な実施に努めていただきますようお願いいたします。
幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)(令和6年7月31日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)末尾の(参考)欄に、ガイダンスのURLが記載されています。
行政が参照を求めている学会文書には何が書かれているか
ガイダンス(第1版)は2024年4月30日付で、一般社団法人日本再生医療学会が日本細胞外小胞学会の協力を得て作成した文書です。座長は寺井崇二。本体は「1. リスク・プロファイリング」「2. 調製工程(製造工程)・品質」「3. EV調製物のチェック項目並びに効果検証」の3部で構成されています。
法令上の位置づけについて、ガイダンスは冒頭の「現状確認項目」で次のように書いています。
EVsを医師または歯科医師の指示の下に調製(製造)しこれらの所属する医療機関の患者に施用する医療行為は、国内では「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(安確法)の対象外とされており、特定認定再生医療等委員会や認定再生医療等委員会の審査を受けることはない。したがって薬事未承認のEVs(EV調製物)を用いた治療(EV療法)を提供する医師または歯科医師は、EV調製物の品質及びリスクのプロファイルに関して自ら十分に理解した上で患者の安全確保に努めなければならない。
細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンス(第1版)1-1. リスク・プロファイリングの概要「現状確認項目」日付にも意味があります。この文書は2024年4月30日付で、再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律(令和6年法律第51号)の施行日(令和7年5月31日)より前にあたります。前節までに引いた令和7年5月30日の事務連絡よりも前です。
このほか、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の科学委員会が、2023年1月17日付で報告書を公表しています。表題は「エクソソームを含む細胞外小胞(EV)を利用した治療用製剤に関する報告書」です。ガイダンスは、この報告書を参照した旨を記載しています。
この扱いは今後変わるのか
改正法の附則第2条が、施行後二年を目途として、細胞の分泌物を用いる先端的な医療技術への法の適用の在り方を検討すると定めています。
改正法の施行日は令和7年5月31日です。
再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律(令和6年法律第51号。2024年6月14日公布)の附則第2条第1項が、検討規定を置いています。
検討の対象として「細胞の分泌物」が名指しで挙がっています。目途は施行後二年で、改正法の施行日は令和7年5月31日です。
令和7年5月30日の事務連絡も、A.1-1-07 と A.1-1-08 の末尾でこの附則に触れています。
なお、改正法の附則において、細胞の分泌物を用いる医療技術については、改正法施行後2年を目途として、法の適用の在り方等について検討を加えること等が定められている。
再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&A(令和7年5月30日 事務連絡)A.1-1-08検討はどこで行われているか
- 厚生労働省医政局の「再生医療等安全性確保法の見直しに係るワーキンググループ」が、2026年7月1日に第7回を開催しています。議題は「再生医療等安全性確保法の見直しに係るワーキンググループについて」「再生医療等安全性確保法の施行状況等について」「本ワーキンググループでの検討事項について(案)」です。
- 第117回厚生科学審議会再生医療等評価部会に、令和7年度厚生労働科学特別研究「再生医療に関連した新技術領域に関するリスク評価および妥当性評価のための総合的研究」の総括研究報告(研究代表者 岡田潔)が提出されています。この報告は、研究項目の第1に「細胞の分泌物を再生法の規制下とする場合の論点整理とリスク分類の考え方」を挙げています。
改正法の施行日が令和7年5月31日であることは、令和7年5月30日の事務連絡の冒頭に記載されています。同じ附則第2条の第2項は、施行後五年を目途とする別の検討を定めています。
理解の確認
「培養上清液は細胞そのものではないから、薬機法上の医薬品には当たらない」という説明は、同法第2条第1項第2号・第3号のどこと食い違うか。
同号は医薬品を「使用されることが目的とされている物」と定義しており、その物が何に由来するか、どう作られたかを要件にしていません。由来を根拠にした説明は、定義の軸をすり替えています。目的の判断についても、昭和46年6月1日 薬発第476号の別紙(人が経口的に服用する物を対象とする基準)は、成分本質(原材料)だけでなく、形状、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、販売の際の演述等を総合的に判断すべきものとしています。原材料は判断の一要素にとどまります。
根拠:薬機法第2条第1項第2号・第3号/無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」冒頭(法令確認日 2026-09-08)
令和7年5月30日の事務連絡が、培養上清やセクレトームを用いる医療技術と、細胞を加工して得たミトコンドリアを用いる医療技術とで、再生医療等安全性確保法の対象該当性を書き分けているのはなぜか。
分かれ目は、その物が細胞加工物に当たるかどうかです。同法第2条第4項は細胞加工物を「人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの」と定義しており、A.1-1-10 は細胞を加工して得たミトコンドリアを特定細胞加工物に該当するとしています。培養上清とセクレトームについては、A.1-1-08 が「細胞が含まれないことが明らかである場合」という条件を付けたうえで、法の対象外である、と記載しています。細胞に由来することだけで一律に法の適用から外れる、という読み方はできません。
根拠:再生医療等安全性確保法第2条第4項/再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて(令和7年5月30日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)A.1-1-08・A.1-1-10(法令確認日 2026-09-08)
「再生医療等安全性確保法の対象外」とされていることは、その物の薬機法上の取扱いや、品質・有効性・安全性について何かを決めるか。
決めません。令和7年5月30日の事務連絡が答えているのは同法の適用範囲であって、薬機法上の取扱いは別の条文と別の事務連絡で動きます。令和6年7月31日の医薬局の事務連絡は、エクソソーム試薬について、薬機法に基づく承認を受けておらず、疾病の治療等に用いた場合の品質、有効性及び安全性が確認されたものではない、と書いています。ある区分に当たらないことと、品質、有効性及び安全性が確認されていることとは、別の物差しです。
根拠:再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて(令和7年5月30日 事務連絡)A.1-1-08/エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課 事務連絡)記2(法令確認日 2026-09-08)
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- 1-5 「再生医療等製品」— 薬機法に5つ目として置かれた区分 薬機法が扱う製品の区分は5つあります。
- 5-4 再生医療等安全性確保法の射程 — 第1〜3種と2025年の条番号繰下げ 再生医療等安全性確保法の第1種から第3種までの定義は、2025年5月31日から法第2条第7項・第8項・第9項に置かれています。
- 5-1 令和6年7月31日 事務連絡 — エクソソーム試薬に係る監視指導の6類型 令和6年7月31日の事務連絡は、エクソソーム試薬のうち記1の(1)から(6)までに当たるものを無承認無許可医薬品として、指導及び取締りの徹底を求めるものです。
- 5-2 「研究用」表示は何を意味するか — 表示の有無だけでは決まらない 「研究用」と表示しても、それだけで薬機法の外に出るわけではありません。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項・第4項・第9項 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第1条・第1条の2 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」 厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第2条第2項・第4項 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律(令和6年法律第51号)附則第2条 衆議院 制定法律(2026-09-08 確認)
- 再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて(令和7年5月30日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)A.1-1-07・A.1-1-08・A.1-1-09・A.1-1-10・A.1-1-11・A.1-1-14・A.1-1-15 厚生労働省(2026-09-08 確認)
- エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課 事務連絡)厚生労働省 法令等データベース(2026-09-08 確認)
- 幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)(令和6年7月31日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンス(第1版・2024年4月30日/一般社団法人日本再生医療学会、協力:日本細胞外小胞学会)日本再生医療学会(2026-09-08 確認)
- エクソソームを含む細胞外小胞(EV)を利用した治療用製剤に関する報告書(2023年1月17日/PMDA科学委員会 専門部会)医薬品医療機器総合機構(2026-09-08 確認)
- 再生医療等安全性確保法の見直しに係るワーキンググループ(第7回・2026年7月1日)厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 令和7年度厚生労働科学特別研究「再生医療に関連した新技術領域に関するリスク評価および妥当性評価のための総合的研究」総括研究報告(第117回厚生科学審議会再生医療等評価部会)厚生労働省(2026-09-08 確認)