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再生医療等安全性確保法の対象と第1〜3種は、どう決まる? — 2025年の条番号の移動も

あるクリニックの事務長が、再生医療等安全性確保法(再生医療等の安全性の確保等に関する法律。以下「法」)を調べています。この法律は、対象の医療技術を第1種〜第3種の3つに分けています。手元の解説には、第1種の定義は法第2条第5項にある、と書かれています。ところが今の条文で第5項を開くと、別の定義が出てきます。2025年5月31日から、第1種〜第3種の定義は第7項〜第9項に移っているためです。区分を分けるのは、人の生命及び健康に与える影響の程度です。区分が違えば、手続の4つの点が変わります。このページでは、対象になる技術、区分の分かれ目、区分で変わる点、条番号の動き方を、例を交えて説明します。

30秒でわかる要点

  • 区分の分かれ目は、人の生命及び健康に与える影響の程度:第1種と第2種に当たる技術の種類(類型)は、施行規則(厚生労働大臣が定める省令)の第2条と第3条が挙げています。どちらにも当たらないものが第3種です。
  • 区分で変わるのは4つの点:意見を聴く委員会(提供計画について意見を述べる委員会)と、提供計画(提供の前に医療機関が出す計画)の提出先です。残りの2つは、提供を始められる時期と、守らなければならない再生医療等提供基準(再生医療等を提供するときに守る基準)の範囲です。第1種だけは、提出から90日の期間(延長・短縮あり)が過ぎるまで提供できません。
  • 第1種〜第3種の定義は、2025年5月31日から法第2条第7項〜第9項:それまでの第5項〜第7項から、2つずつ後ろへ移りました。空いた第5項と第6項には、核酸等(遺伝情報を含む核酸など)と特定細胞加工物等の定義が入りました。特定細胞加工物等は、再生医療等に使う細胞加工物(加工した細胞)と核酸等のうち、再生医療等製品などを除いたものです。再生医療等製品は、人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品などです。古い番号のまま引くと、別の定義に当たります。

1. この法律は、どんな医療技術を対象にしているのですか?

細胞加工物(人や動物の細胞に培養などの加工をしたもの)か核酸等を用いる医療技術のうち、政令(内閣が定める決まり)で定めるものです。政令は、核酸等の側を、政令の末尾の一覧表(別表)に挙げた物に限り、両方の側から一部の技術を外しています。

範囲を定めているのは、法第2条第2項と、再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令第1条です。

この法律(再生医療等の安全性の確保等に関する法律。平成25年法律第85号)は、「再生医療等技術」と呼ぶ医療技術を対象にしています。核酸等は、遺伝情報を含む核酸や、それを加工する働きを持つ物などです。条文の番号では、条の中の段落を「項」、箇条書きの項目を「号」と呼びます。

法第2条第1項は、この法律でいう「再生医療等」を、再生医療等技術を用いて行われる医療としています。ただし、薬機法第80条の2第2項に規定する治験(国の承認を申請するための資料を集める臨床試験)に当たるものは除かれます。承認は、製品ごとに国が審査して、製造販売を認めることです。

法の下には、細かい点を決める決まりとして、施行令と施行規則があります。施行令(平成26年政令第278号)は、政令です。施行規則(平成26年厚生労働省令第110号)は、省令(大臣が定める決まり)です。どの技術が対象になるかは、法と、この2つをあわせて読むと分かります。

施行通知が示す、対象の見方

厚生労働省の施行通知(2025年5月)は、対象の範囲を、次のように2つの要件と政令の列挙に分けて書いています。施行通知は、法律の施行(決まりが効力を持ち始めること)にあわせて、国の役所が運用のしかたを示す通知です。

  • 要件1(目的) 人の体の構造や機能の再建・修復・形成、または人の病気の治療・予防を目的とする医療技術であること
  • 要件2(使う物) 細胞加工物か、核酸等を用いるものであること
  • 政令の列挙 政令が挙げる6つの医療技術は、対象から外れること

要件2の2つは、法第2条第2項の第1号と第2号にあたります。第1号が細胞加工物を用いる医療技術、第2号が核酸等を用いる医療技術です。

ただし、第1号・第2号に当たるものが、すべて対象になるわけではありません。法第2条第2項は、対象を「政令で定めるもの」に限っています。その政令が、施行令第1条です。核酸等の側は、政令の別表でさらに絞られます。何が外れ、何に絞られるかは、このあと順に見ます。第2条第2項の条文そのものは、『5-3 培養上清液・セクレトームは、どの法律のどこに入る?』の記事に載せています。

例

あるクリニックが、患者本人から採った細胞を培養し、傷んだ組織の修復を目的に投与する医療技術を考えているとします。この場合は、目的(要件1)と、細胞加工物を用いること(要件2)に当たるかが問題になり得ます。そのうえで、政令が外す6つのどれかに当たるかを見ることになります。

原文で確かめる(施行令第1条・施行通知Ⅱ(1))

「再生医療等技術」とは、人の身体の構造若しくは機能の再建、修復若しくは形成又は人の疾病の治療若しくは予防を目的とした医療技術であって(要件1)、細胞加工物又は核酸等を用いるもの(要件2)のうち、次に掲げる医療技術以外のものをいう。

「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則」等の取扱いについて(令和7年5月15日 医政研発0515第18号)Ⅱ(1)

政令が対象から外している6つ

施行通知は、「法の対象とならない医療技術として政令で列挙するもの」という見出しの下に、6つを並べています。4つが細胞加工物の側、2つが核酸等の側です。一覧に出てくる「認証」は、国に登録された機関が、基準に合っているかを確かめて認めることです。やさしく言い直すと、次のとおりです。

  • 細胞加工物を用いる輸血
  • 造血幹細胞の提供に関する法律が定める造血幹細胞移植
  • 人の精子・未受精卵・受精胚に培養などの加工をしたものを用いる医療技術(人の胚性幹細胞(ES細胞)を用いるものなどは、この例外に入りません)
  • 承認や認証を受けた医療機器などを、その承認・認証どおりの使い方で用いて加工した細胞加工物だけを、同じ使い方で用いる医療技術
  • 承認や認証を受けた医療機器などを、その承認・認証どおりの使い方で用いて生成した核酸等だけを、同じ使い方で用いる医療技術
  • 病気の予防に使う医薬品のうち、外国で販売などが認められている核酸等(感染症の予防に必要なものとして厚生労働大臣が定めるものに限る)だけを用いる医療技術

例

6つのうち最初に挙がっているのは、細胞加工物を用いる輸血です。細胞加工物を用いる医療技術ではありますが、施行通知は、これを法の対象とならない医療技術として並べています。

原文の言い回しで確かめる(6つの一覧)

施行通知Ⅱ(1)が並べている6つは、次のとおりです。

  • 施行令第1条第1号イ — 細胞加工物を用いる輸血
  • 施行令第1条第1号ロ — 移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律(平成24年法律第90号)第2条第2項に規定する造血幹細胞移植
  • 施行令第1条第1号ハ — 人の精子若しくは未受精卵又は受精胚に培養その他の加工を施したものを用いる医療技術(人の胚性幹細胞又は当該胚性幹細胞に培養その他の加工を施したものを用いる医療技術を除く。)
  • 施行令第1条第1号ニ — 既承認医療機器等を、当該既承認医療機器等について受けた承認又は認証に係る使用方法等で用いて人又は動物の細胞に培養その他の加工を施した細胞加工物のみを、当該使用方法等で用いる医療技術
  • 施行令第1条第2号イ — 既承認医療機器等を当該既承認医療機器等について受けた承認又は認証に係る使用方法等で用いて生成した核酸等のみを、当該使用方法等で用いる医療技術
  • 施行令第1条第2号ロ — 人の疾病の予防に使用されることが目的とされている医薬品のうち、外国において販売等が認められている核酸等(感染症の予防のために必要なものとして厚生労働大臣が定める核酸等に限る。)のみを用いる医療技術

核酸等の側は、使う物が別表で絞られている

核酸等の側(法第2条第2項第2号)は、使う物そのものが施行令の別表で絞られています。施行令第1条第2号は、別表に挙げた物を、人の体内で、その人の細胞に導入する医療技術を挙げています。

別表が挙げる物は、次の4つです。

  • 第1号:遺伝子の発現に必要な遺伝情報を含む核酸
  • 第2号:第1号の物を加工する働きを持つ物
  • 第3号:厚生労働省令で定める物(ヒストン)を加工する働きを持つ物
  • 第4号:第1号〜第3号の物を含む物(細胞の分泌物を除く)

別表第3号の「厚生労働省令で定める物」は、施行規則第1条の3が、ヒストン(細胞の核の中にあるたんぱく質の一種)と定めています。

別表第4号には「細胞の分泌物を除く。」という括弧書きが付いています。同じ括弧書きは、施行規則第2条第5号ニにも置かれています。細胞の分泌物を用いる医療技術については、行政が示している記載があります。改正法の附則(法律の本則の後に置かれ、施行日などを定める部分)には、施行後の見直しについての定め(検討規定)があります。どちらも、『5-3 培養上清液・セクレトームは、どの法律のどこに入る?』の記事で扱います。

第2条第2項の第1号・第2号が今の内容になったのは、2024年の改正法が施行された2025年5月31日からです。改正前の第2項にも第1号・第2号は置かれていましたが、そこに書かれていたのは医療技術の目的でした。

第1号が「人の身体の構造又は機能の再建、修復又は形成」、第2号が「人の疾病の治療又は予防」です。細胞加工物を用いるものであることは、柱書(各号の前に置かれた書き出しの部分)が書いていました。改正で、目的の列挙が柱書へ移り、号には用いる物による2つの類型が入りました。

2. 第1種・第2種・第3種は、何で分かれるのですか?

人の生命及び健康に与える影響の程度で分かれます。第1種と第2種に当たる技術の種類(類型)は、施行規則(厚生労働省令)が挙げています。どちらにも当たらないものが第3種です。

定義は法第2条第7項から第9項まで、類型は施行規則第2条と第3条にあります。

3つの区分を定めているのは、法第2条第7項から第9項までです。分ける観点は、人の生命及び健康に与える影響の程度です。

  • 第1種(第7項) 人の生命及び健康に与える影響が明らかでない、又は相当の注意をしても重大な影響を与えるおそれがあることから、法の措置が必要なものとして厚生労働省令で定めるもの
  • 第2種(第8項) 相当の注意をしても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることから、法の措置が必要なものとして厚生労働省令で定めるもの(第1種に当たるものを除く)
  • 第3種(第9項) 第1種にも第2種にも当たらないもの

施行通知も、法は再生医療等技術を3つ(第一種・第二種・第三種再生医療等技術)に分類している、と書いています。そして、それぞれに応じた手続を定めているとしています。

原文で確かめる(法第2条第7項〜第9項・施行通知Ⅲ(1))

「第三種再生医療等技術」とは、第一種再生医療等技術及び第二種再生医療等技術以外の再生医療等技術をいうこととしており、第一種再生医療等技術及び第二種再生医療等技術に該当しない場合は、第三種再生医療等技術となる。分類については、図2を参考とすること。

令和7年5月15日 医政研発0515第18号 Ⅲ(1)法第2条第7項から第9項まで関係

この記事にある、法の条文カードの「施行日」欄は、e-Gov 法令検索(国が法令の本文を公開しているサイト)が現行として示している版の施行日です。法の現行版は、令和4年法律第68号による改正のものです。第7項から第9項までが動いたのは、その1つ前の版です。その版は2024年の改正法によるもので、施行日は2025年5月31日です。

順にふるいに掛けて決まる

第7項と第8項が任せている省令が、施行規則です。第1種の類型は第2条に、第2種の類型は第3条に並んでいます。

決まり方は、順にふるいに掛ける形です。まず、施行規則第2条の各号で第1種を拾います。次に、第3条の各号で第2種を拾います。どちらにも掛からずに残ったものが第3種です。

表1:第1種・第2種・第3種の類型と、その根拠
区分掲げられている医療技術根拠
第1種人の胚性幹細胞、人工多能性幹細胞又は人工多能性幹細胞様細胞に培養その他の加工を施したものを用いる医療技術施行規則第2条第1号
第1種遺伝子を導入若しくは改変する操作を行った細胞又は当該細胞に培養その他の加工を施したものを用いる医療技術施行規則第2条第2号
第1種動物の細胞に培養その他の加工を施したものを用いる医療技術施行規則第2条第3号
第1種投与を受ける者以外の人の細胞に培養その他の加工を施したものを用いる医療技術施行規則第2条第4号
第1種人の体内で当該人の細胞(精子及び未受精卵並びに精子と未受精卵との受精により生ずる胚を除く。)に、イからニまでに掲げる物を導入する医療技術施行規則第2条第5号
第2種培養した幹細胞又は当該細胞に培養その他の加工を施したものを用いる医療技術施行規則第3条第1号
第2種培養した細胞又は当該細胞に培養その他の加工を施したものを用いる医療技術のうち人の身体の構造又は機能の再建、修復又は形成を目的とする医療技術施行規則第3条第2号
第2種細胞の相同利用ではない医療技術施行規則第3条第3号
第3種第一種再生医療等技術及び第二種再生医療等技術以外の再生医療等技術法第2条第9項

施行規則第2条第2号から第4号までと第3条第2号・第3号には、それぞれ前の号に掲げるものを除く旨の括弧書きが付いています。施行規則第3条の柱書は「法第二条第六項の厚生労働省令で定める再生医療等技術は、前条各号に掲げる医療技術以外であって、次のいずれかに該当する医療技術とする。」と定めています(この「第六項」については、この節の最後の囲みで補足します)。第2条第5号ハの「前条に規定する物」は、施行規則第1条の3が施行令別表第3号の厚生労働省令で定める物としているヒストンです。

表1の「人の胚性幹細胞」はES細胞、「人工多能性幹細胞」はiPS細胞のことです。

例

表1で考えます。投与を受ける人とは別の人から採った細胞に、培養などの加工をして用いる医療技術があるとします。この法律の対象になる技術で、政令が外す6つのどれにも当たらないことが前提です。この場合は、施行規則第2条第4号が挙げる第1種の類型に当たるかが問題になり得ます。

患者本人の細胞を培養して、体の構造の再建に用いる医療技術なら、まず第2条の各号に当たるかを見ます。当たらなければ、第3条の各号を順に見ます。第3条第2号は、培養した細胞を再建などの目的で用いる医療技術を挙げています。

施行規則第2条第5号は、核酸等を体内で導入する技術

表1の5行目にある「イからニまで」は、施行規則第2条第5号が挙げている、導入する物のことです。この第5号は、令和7年厚生労働省令第15号により、2025年5月31日から加わりました。e-Gov 法令検索で施行日2025年4月1日の版を開くと、施行規則第2条は第1号から第4号までです。

原文で確かめる(施行規則第2条第5号)

施行規則第2条と第3条の柱書(各号の前の書き出し)は、引いている法の項番号が違います。第2条の柱書は、令和7年厚生労働省令第15号(2025年5月31日施行)で改められました。「法第二条第五項の厚生労働省令で定める再生医療等技術は」が、「法第二条第七項の厚生労働省令で定める再生医療等技術は」になっています。

第3条の柱書は、同じ改正の前後を通じて「法第二条第六項の厚生労働省令で定める再生医療等技術は」のままです。e-Gov 法令検索の施行日2025年4月1日版・施行日2025年5月31日版・現行版を比べて確かめました(2026-09-08)。現行法の第2条第6項は、特定細胞加工物等・製造・特定細胞加工物等製造施設の定義で、第二種再生医療等技術の定義は第8項です。

施行規則第2条と第3条の規定を定め、又は改廃しようとするときの手続も決まっています。厚生労働大臣は、あらかじめ厚生科学審議会(厚生労働省に置かれた審議会の1つ)の意見を聴かなければならないとされています(法第55条第2号)。同号は、法第2条第2項第1号・第2号、第7項および第8項の厚生労働省令と、法第40条第1項の特定細胞加工物等製造施設を定める厚生労働省令を挙げています。

3. 第2種と第3種の境目にある「相同利用」とは、何ですか?

採取した細胞が、再生医療等の対象となる部位の細胞と同様の機能を持つ場合の、細胞の投与方法をいいます。定義は施行規則第1条第4号にあります。

判断の例は、厚生労働省の施行通知(2025年5月)の、第2種についての項に示されています。

「相同利用」という言葉が出てくるのは、施行規則第3条第3号です。同号は、「細胞の相同利用ではない医療技術(前二号に掲げるものを除く。)」を第2種の類型に挙げています。

そのため、第1種に当たらない技術で、相同利用ではないものは、第2種になります。第1種の類型にも第2種の類型にも当たらない技術は、法第2条第9項により第3種になります。相同利用かどうかが、第2種と第3種の境目になり得るのはこのためです。

相同利用が見ているのは、細胞の種類ではありません。採った細胞と、投与する部位との関係です。なお、施行規則の定義は細胞の投与方法と書いていますが、施行通知は同じ語を「細胞加工物の投与方法」と書いています。

例

施行通知は、2つの例を挙げています。

  • 腹部から脂肪細胞を採り、脂肪組織由来幹細胞(ほかの種類の細胞に変わる力を持つ細胞)を分離して、乳癌の術後の患部に乳房再建の目的で投与する場合です。施行通知は、これを相同利用に該当するとしています。一方、脂肪組織由来幹細胞を糖尿病の治療目的で静脈から投与する場合は、脂肪組織の再建を目的としていないため、該当しないとしています。
  • 末梢血(体内を流れる血液)を遠心分離(高速で回して成分を分けること)し、培養せずに用いる場合です。施行通知は、皮膚や口腔内への投与は該当するとしています。関節腔内(関節の内側のすき間)など、血流の乏しい組織への投与は該当しないとしています。

どちらの例も、採った細胞と投与する部位との関係で分けています。同じ細胞でも、投与する先が変われば結論が変わります。

原文で確かめる(施行規則第1条第4号・施行通知Ⅲ2(3))

「相同利用」については、採取した細胞が再生医療等を受ける者の再生医療等の対象となる部位の細胞と同様の機能を持つ細胞加工物の投与方法をいい、例えば、腹部から脂肪細胞を採取し、当該細胞から脂肪組織由来幹細胞を分離して、乳癌の術後の患部に乳房再建目的で投与することは相同利用に該当するが、脂肪組織由来幹細胞を糖尿病の治療目的で経静脈的に投与することは、脂肪組織の再建を目的としていないため相同利用には該当しない。また、末梢血を遠心分離し培養せずに用いる医療技術については、例えば、皮膚や口腔内への投与は相同利用に該当するが、関節腔内等、血流の乏しい組織への投与は相同利用に該当しない。

令和7年5月15日 医政研発0515第18号 Ⅲ 2 第二種再生医療等技術について(3)省令第3条第3号関係

4. 区分が違うと、手続の何が変わるのですか?

変わるのは4点です。意見を聴く委員会(提供計画について意見を述べる委員会)と、提供計画の提出先が変わります。提供を始められる時期と、守らなければならない再生医療等提供基準(再生医療等を提供するときに守る基準)の範囲も変わります。

根拠は法第7条・第8条・第9条・第11条と、厚生労働省の施行通知(2025年5月)のⅣおよびⅤです。

区分にかかわらず共通しているのは、再生医療等提供計画(以下「提供計画」)を出すことです。提供計画は、再生医療等を提供しようとする病院や診療所の管理者が、あらかじめ出す計画です。これは法第4条第1項が求めています。変わるのは、その先です。

提供計画の記載事項と手続は、『5-5 エクソソームなどを使う自由診療で、医療機関が守るルールは?』の記事で扱います。ここでは、区分によって変わる部分だけを見ます。

意見を聴く委員会と、提供計画の提出先

医療機関の管理者は、提供計画について、認定再生医療等委員会(国の認定を受けて、提供計画について意見を述べる委員会)の意見を聴きます。第1種と第2種では、提供計画に記載される委員会が、特定認定再生医療等委員会でなければなりません。第1種は法第7条、第2種は法第11条が定めています。

「特定認定再生医療等委員会」は、認定再生医療等委員会のうち、法第26条第4項の各号に挙げる要件のすべてに合うものです(法第7条の括弧書き)。

提出先も分かれます。施行通知Ⅴの表(表2)では、第1種は、地方厚生局長(厚生労働省の地方の機関の長)を経由して厚生労働大臣です。第2種と第3種は、地方厚生局長です。

表2:区分ごとの、意見を聴く委員会と再生医療等提供計画の提出先
提供計画の種類意見を聴く認定再生医療等委員会提出先根拠
第一種再生医療等提供計画特定認定再生医療等委員会地方厚生局長を経由して厚生労働大臣法第7条/令和7年5月15日 医政研発0515第18号 Ⅴ
第二種再生医療等提供計画特定認定再生医療等委員会地方厚生局長法第11条/同通知 Ⅴ
第三種再生医療等提供計画認定再生医療等委員会地方厚生局長同通知 Ⅴ

「意見を聴く認定再生医療等委員会」と「提出先」の2列は、厚生労働省の施行通知(2025年5月)のⅤが掲げている表の記載です。同じⅤは、この表の前に「再生医療等を提供しようとする医療機関の管理者は、再生医療等提供計画について認定再生医療等委員会の意見を聴いた上で、あらかじめ、厚生労働大臣又は地方厚生局長に提出しなければならない。」と書いています。

例

あるクリニックが、第2種に当たる再生医療等を提供しようとしているとします。表2によれば、意見を聴くのは特定認定再生医療等委員会で、提出先は地方厚生局長です。第3種に当たる場合は、意見を聴くのが認定再生医療等委員会になり、提出先は地方厚生局長のままです。

提供を始められる時期

第1種にだけ、提出から一定の期間が置かれています。この期間が過ぎるまでは、提供できません(法第9条)。

この期間には、厚生労働大臣が、計画の変更などを命じることができます。計画に書かれた第1種の再生医療等が、再生医療等提供基準(提供するときに守る基準)に合っていないと認めるときです。命じることができるのは、提出があった日から数えて90日以内に限られます(法第8条第1項)。

この期間は、法第8条第2項により延長されることがあり、同条第3項により短縮されることがあります。どちらの場合も、再生医療等提供機関(提供計画を出した医療機関)の管理者への通知が求められています。法第10条第1項は、第8条と第9条を、第1種の提供計画の変更にも準用しています(読み替えて同じように使うこと)。

法第13条第2号は、医師又は歯科医師が第1種の再生医療等を行おうとするときに、この期間が過ぎていることを確認しなければならないとしています。第2種と第3種について、これに当たる規定は置かれていません。

例

あるクリニックの管理者が、第1種の提供計画を出したとします。出した日から90日の期間が過ぎるまでは、その計画に書いた第1種の再生医療等を提供できません。その間に延長や短縮の通知があったときは、通知された期間によります。

原文で確かめる(法第8条第1項・第9条)

守らなければならない提供基準の範囲

再生医療等提供基準は、法第3条第1項に基づいて、厚生労働省令で定められています。施行規則第4条により、同規則の第5条から第26条の13までがこれに当たります。

施行通知Ⅳは、区分ごとに守る範囲を表で示しています(表3)。第1種と第2種は、第5条から第26条の13までの全部です。第3種は、第7条からになります。施行通知Ⅳが、第5条と第6条を、第1種と第2種の再生医療等を提供する医療機関が守る事項としているためです。ただし第5条第3項は、第3種の医療機関が実施責任者(再生医療等に関する業務の責任者)を置く場合には守るべきものとされています。

表3:提供する再生医療等の内容ごとの、遵守しなければならない事項
提供する再生医療等の内容遵守しなければならない事項根拠
第一種再生医療等省令第5条から第26条の13までに掲げる事項令和7年5月15日 医政研発0515第18号 Ⅳ
第二種再生医療等省令第5条から第26条の13までに掲げる事項令和7年5月15日 医政研発0515第18号 Ⅳ
第三種再生医療等省令第7条から第26条の13までに掲げる事項/省令第5条第3項に掲げる事項(実施責任者を置く場合に限る。)令和7年5月15日 医政研発0515第18号 Ⅳ

表の「省令」は再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則です。3行とも、厚生労働省の施行通知(2025年5月)のⅣが掲げている表の記載を写しています。

第5条と第6条の中身は、次のとおりです。

  • 施行規則第5条第1項 — 第1種又は第2種の再生医療等を提供する医療機関は、実施責任者を置かなければなりません。同条第2項は、第3種の再生医療等を提供する医療機関について「置くことができる」としています。
  • 施行規則第6条 — 第1種又は第2種の再生医療等を提供する医療機関は、救急医療を行うために必要な施設又は設備を持っていなければなりません。救急医療の相手は、そこで再生医療等を受ける人です。ただし書(「ただし」で始まる例外の部分)は、他の医療機関と連携することで、必要な体制があらかじめ確保されている場合を除いています。

例

あるクリニックが、これまで第3種の再生医療等だけを提供していて、新たに第2種の再生医療等も提供しようとしているとします。表3では、第2種の欄は第5条から始まります。そのため、第5条(実施責任者)と第6条(救急医療の施設・設備)も、守る事項に入ってきます。

原文で確かめる(施行通知Ⅳ)

省令第5条及び第6条は、第一種再生医療等及び第二種再生医療等の提供を行う医療機関が遵守すべき事項について規定するものであること。ただし、省令第5条第3項は、第三種再生医療等の提供を行う医療機関が実施責任者を置く場合は遵守すべきものであること。

令和7年5月15日 医政研発0515第18号 Ⅳ 再生医療等提供基準について

5. 2025年5月31日に、第2条の条番号はどう動いたのですか?

第1種から第3種までの定義が、法第2条第5項〜第7項から、第7項〜第9項へ移りました。空いた第5項と第6項には、別の定義が入っています。

この移動は、2024年6月に公布された改正法(令和6年法律第51号)によるもので、施行日は2025年5月31日です。

動いたのは、第1種から第3種までの定義です。法第2条第5項から第7項までにあったものが、第7項から第9項までへ、2つずつ後ろへ移りました(繰下げ)。空いた第5項と第6項には、核酸等と特定細胞加工物等の定義が新しく入りました。特定細胞加工物等は、再生医療等に使う細胞加工物(再生医療等製品を除く)と核酸等(医薬品・再生医療等製品を除く)をあわせた呼び名です。

直感的なポイント

本棚の段を2つずつ下へずらし、空いた段に別の本を入れたようなものです。段の番号だけを頼りに取り出すと、別の本を手に取ってしまいます。条文も、番号だけを頼りに引くと、同じ番号から別の定義が出てきます。

動かしたのは、令和6年法律第51号「再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律」です。この改正法は、令和6年6月14日に公布されました(公布は、成立した法律を国民に知らせること)。改正法は、あわせて法第2条第2項の柱書と号も書き換えています。

表4:再生医療等安全性確保法第2条の各項が置いている定義(令和7年5月31日の前後)
条項令和7年5月30日まで令和7年5月31日から
第2条第2項柱書=「次に掲げる医療に用いられることが目的とされている医療技術であって、細胞加工物を用いるもの(中略)のうち(中略)政令で定めるもの」/第1号=人の身体の構造又は機能の再建、修復又は形成/第2号=人の疾病の治療又は予防柱書=「人の身体の構造若しくは機能の再建、修復若しくは形成又は人の疾病の治療若しくは予防に用いられることが目的とされている医療技術であって、次に掲げるもののうち(中略)政令で定めるもの」/第1号=細胞加工物を用いる医療技術/第2号=核酸等を用いる医療技術
第2条第3項細胞(「この法律において」)細胞(「この法律(第五項を除く。)において」)
第2条第4項細胞加工物、特定細胞加工物、製造、細胞培養加工施設細胞加工物、特定細胞加工物
第2条第5項第一種再生医療等技術・第一種再生医療等核酸等、特定核酸等
第2条第6項第二種再生医療等技術・第二種再生医療等特定細胞加工物等、製造、特定細胞加工物等製造施設
第2条第7項第三種再生医療等技術・第三種再生医療等第一種再生医療等技術・第一種再生医療等
第2条第8項特定細胞加工物製造事業者第二種再生医療等技術・第二種再生医療等
第2条第9項(規定なし)第三種再生医療等技術・第三種再生医療等
第2条第10項(規定なし)特定細胞加工物等製造事業者

「令和7年5月30日まで」の列は改正前、「令和7年5月31日から」の列は改正後の条文です。改正前は e-Gov 法令検索の施行日2024年6月14日版、改正後は施行日2025年6月1日版の第2条によります(2026-09-08 確認)。第1項は、どちらの版でも「再生医療等」の定義です。

変わったのは、項の位置だけではありません。呼び名も変わっています。旧第2条第4項の「細胞培養加工施設」は、現行第2条第6項の「特定細胞加工物等製造施設」になりました。旧第2条第8項の「特定細胞加工物製造事業者」は、現行第2条第10項の「特定細胞加工物等製造事業者」になりました。

例

冒頭の事務長の場面で考えます。手元の解説は、第1種の定義が法第2条第5項にあると書いていました。これは、2024年の改正法が施行される前の条文に基づく説明です。今の第2条第5項を開くと、核酸等と特定核酸等の定義が出てきます。第1種の定義を確かめるなら、第7項を開きます。

古い説明と、現行とを並べる

改正の前の条文や通知に基づく説明と、現行の姿を並べます。1つ目は施行規則の書き出し、2つ目は法・施行令・施行規則の取扱いを示した通知です。この通知は2025年5月に新しいものへ替わり、2014年の旧通知は2025年5月31日付けで廃止されました。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

第一種再生医療等技術の類型を定める省令は、「法第二条第五項の厚生労働省令で定める再生医療等技術」として、第1号から第4号までを掲げている。

現行

「法第二条第七項の厚生労働省令で定める再生医療等技術」として、第1号から第5号までを掲げている。第5号は、人の体内で当該人の細胞に核酸等を導入する医療技術に関するもので、令和7年5月31日から加わった。

根拠:再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則第2条。e-Gov 法令検索の施行日2025年4月1日版と施行日2025年5月31日版の同条を比較して確認(2026-09-08 確認)

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

この法律・施行令・施行規則の取扱いを示した通知は、平成26年10月31日 医政研発1031第1号(厚生労働省医政局研究開発振興課長通知)である。

現行

令和7年5月15日 医政研発0515第18号(厚生労働省医政局研究開発政策課長)である。令和7年5月31日から適用され、旧通知は同日付けで廃止された。

根拠:令和7年5月15日 医政研発0515第18号 本文。同通知は「なお、本通知は改正法の施行の日(令和7年5月31日)から適用することとし、この施行に伴い、(中略)(平成26年10月31日付け医政研発1031第1号厚生労働省医政局研究開発振興課長通知)は、同日付けで廃止します。」と記載している

この法律の条項を引くときは、法・施行令・施行規則の3つを、同じ時点の版でそろえます。確かめ方は7.の節で説明します。

6. 特定細胞加工物等をつくる側には、何が求められるのですか?

法は、特定細胞加工物等の製造について、施設ごとに、許可・認定(外国で製造する場合)・届出のいずれかの手続を置いています。医療機関が製造を委託する相手も、これらを経た特定細胞加工物等製造事業者に限っています(法第12条)。

許可は、届出の対象者を除く製造者が施設ごとに厚生労働大臣から受けるもので、届出は、行政に知らせる手続で、審査して認めるものではありません。

つくる側の決まりは、委託先の決まり(法第12条)と、施設ごとの手続(法の第4章)の2つです。まず、委託先の決まりを条文で見ます。

「特定細胞加工物等」とは

「特定細胞加工物等」は、特定細胞加工物と特定核酸等をあわせた呼び名です(法第2条第6項)。その製造をする施設が「特定細胞加工物等製造施設」です。

  • 特定細胞加工物 再生医療等に用いられる細胞加工物のうち、再生医療等製品であるもの以外のもの(第2条第4項)
  • 特定核酸等 再生医療等に用いられる核酸等のうち、医薬品および再生医療等製品であるもの以外のもの(第2条第5項)

再生医療等製品は、人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品などで、薬機法が扱う製品の区分の1つです。くわしくは『1-5 「再生医療等製品」とは、どんな製品?』の記事で扱います。

施設ごとに置かれた3つの手続

製造をする側の手続は、法の第4章(第35条から第54条まで)に置かれています。施設ごとの手続は、次の3つです。

  • 許可(法第35条第1項) 特定細胞加工物等の製造をしようとする者は、製造施設ごとに、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。下の届出の対象になる者(第40条第1項に当たる者)は除かれます。
  • 認定(法第39条第1項) 外国で製造をしようとする者は、施設ごとに、厚生労働大臣の認定を受けることができます。対象は、日本で行われる再生医療等に用いられる特定細胞加工物等の製造です。
  • 届出(法第40条第1項) 病院や診療所に設けられた施設など、限られた特定細胞加工物等製造施設で製造をしようとする者が対象です。施設ごとに、厚生労働大臣に届け出なければなりません。

許可と認定の有効期間は5年です。法第36条第1項(法第39条第2項において準用する場合を含む)の政令で定める期間として、施行令第5条が定めています。

法第2条第10項は、次の3つのどれかに当たる者を、「特定細胞加工物等製造事業者」としています。法第35条第1項の許可を受けた者、第39条第1項の認定を受けた者、第40条第1項の規定による届出をした者です。法第12条の委託先は、この3つのいずれかに当たる者です。

例

再生医療等の提供計画を出したクリニックの管理者が、その再生医療等に用いる細胞の培養(特定細胞加工物の製造)を、外部の会社に委託しようとしているとします。この場面では、相手が許可・認定・届出のどれかを経た特定細胞加工物等製造事業者かどうかが問題になり得ます(法第12条)。

クリニックが院内に設けた施設で自ら製造する場合は、法第40条第1項の届出の対象になり得ます。

2024年の改正法の附則は、特定核酸等の製造について経過措置を置いていました。経過措置は、改正の前後をつなぐための一時的な扱いです。

附則第6条の対象は、施行の際に現に(その時点ですでに)特定核酸等の製造をしている者です。施行日から数えて6月を経過する日までの間は、許可を受けないで製造を続けられるとしていました。その期間内に許可の申請をした場合は、その申請について許可又は許可の拒否の処分があるまでの間です。附則第7条は、届出について同じ期間を置いています。施行日は2025年5月31日です。

7. 今の条文と通知は、どこで確かめられるのですか?

法・施行令・施行規則は、e-Gov法令検索(国が法令を公開しているサイト)で、施行日ごとの版を見比べます。通知は、出した役所が公開している原文で確かめます。

3つの法令は、「現行」として示される版の施行日が、それぞれ異なります。

この法律の中身は、法律・政令・省令の3層に分かれています。条番号を引くときは、この3つを同じ時点の版でそろえます。e-Gov 法令検索では、次の法令ID(法令ごとに付いた番号)で開けます。

  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)— e-Gov 法令検索の法令ID 425AC0000000085
  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令(平成26年政令第278号)— 426CO0000000278
  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(平成26年厚生労働省令第110号)— 426M60000100110

2026年9月8日に確認した時点で、e-Gov 法令検索が現行として示している版の施行日は、次のとおりでした。法が2025年6月1日、施行令が2025年5月31日、施行規則が2025年11月20日です。

そのため、改正の前後を比べるときは、それぞれの沿革(版の一覧)から版を選んで見比べます。法の場合、2024年の改正法による版は、現行版の1つ前の版です(施行日2025年5月31日。2.の節で説明)。施行日ごとに何が変わったかは、『8-6 2025年の薬機法改正は、いつから、どの条が変わる?』の記事で追えます。

例

冒頭の事務長が、第2条の定義がどう入れ替わったかを、自分で確かめたいとします。法の沿革から、施行日2024年6月14日の版と、施行日2025年6月1日の版を開き、第2条を見比べます。この記事の表4も、この2つの版を比べて作っています。

通知の側は、後から出た通知が、前の通知を廃止することがあります。厚生労働省の施行通知(2025年5月)は、本文で、適用日と旧通知の廃止を書いています(5.の節の2つ目の対比)。手元の記述が現行の条文と食い違っていないかを確かめる手順は、『8-7 手元の解説は、いまの条文と合っている?』の記事で扱います。

理解の確認

2025年5月31日より後に法第2条第5項を開いても、第1種の定義が出てこないのはなぜですか?

第1種から第3種までの定義が、第5項〜第7項から第7項〜第9項へ、2つずつ繰り下がったからです。空いた第5項と第6項には、核酸等と特定細胞加工物等の定義が新しく置かれました。項が削られたのではなく、別の内容が入ったので、古い番号で引いても条文自体は表示されます。そのため、取り違えたことに気づけません。棚の段をずらしたうえで、空いた段に別の物を入れた状態です。番号だけを頼りにせず、引いた条文の中身と、見ている版の施行日をあわせて確かめる必要があります。

根拠:再生医療等の安全性の確保等に関する法律第2条(e-Gov 法令検索の施行日2024年6月14日版と施行日2025年6月1日版の比較)/令和6年法律第51号(法令確認日 2026-09-08)

施行通知は、脂肪組織由来幹細胞を、乳房再建の目的で患部に投与する場合と、糖尿病の治療目的で静脈から投与する場合とで分けています。相同利用の定義が何を見ているからですか?

施行規則第1条第4号の「相同利用」は、採取した細胞が、再生医療等の対象となる部位の細胞と同様の機能を持つ細胞の投与方法をいうものとされています。つまり、細胞の種類ではなく、採った細胞と投与する部位との関係を定義しているからです。そのため、同じ細胞でも、投与先が変われば結論が変わります。培養せずに用いる末梢血で、皮膚や口腔内への投与と、関節腔内など血流の乏しい組織への投与とが分けられているのも、同じ理由です。相同利用ではない医療技術は、施行規則第3条第3号により第2種に入ります。そのため、この線引きは第2種と第3種の境目に直結します。

根拠:再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則第1条第4号・第3条第3号/令和7年5月15日 医政研発0515第18号 Ⅲ2(3)省令第3条第3号関係(法令確認日 2026-09-08)

第1種だけ、提供計画を出してから一定の期間が過ぎるまで提供できないのは、その期間に何が予定されているからですか?

厚生労働大臣は、計画に書かれた第1種の再生医療等が再生医療等提供基準に合っていないと認めるとき、計画の変更その他必要な措置を命じることができます。それができるのは、提出があった日から数えて90日以内に限られます(法第8条第1項)。法第9条の提供の制限は、この命令を出せる期間が終わるまで、提供を止めるものです。期間は、行政が計画を確かめる時間として置かれています。だから期間は固定ではありません。法第8条第2項により延長され、第3項により短縮されることがあり、その場合は通知された期間によります。法第13条第2号が、第1種を行おうとする医師又は歯科医師に、この期間が過ぎたことの確認を求めているのも同じ流れです。第2種と第3種には、これに当たる規定は置かれていません。

根拠:再生医療等の安全性の確保等に関する法律第8条第1項から第3項まで・第9条・第13条第2号(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第2条・第3条・第4条・第7条〜第13条・第26条・第35条・第36条・第39条・第40条・第55条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。現行として示されている版は施行日2025年6月1日〈令和4年法律第68号〉、比較に用いた改正前の版は施行日2024年6月14日)
  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令(平成26年政令第278号)第1条・第5条・別表 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。現行として示されている版は施行日2025年5月31日)
  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(平成26年厚生労働省令第110号)第1条第4号・第1条の3・第2条・第3条・第4条〜第6条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。現行として示されている版は施行日2025年11月20日、比較に用いた改正前の版は施行日2025年4月1日および施行日2025年5月31日)
  • 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則」等の取扱いについて(令和7年5月15日 医政研発0515第18号、厚生労働省医政局研究開発政策課長)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律(令和6年法律第51号)附則第6条・第7条 衆議院 制定法律(2026-09-08 確認)。附則の本文は、e-Gov 法令検索に収録されている同法附則により確認