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2025年の薬機法改正は、いつから、どの条が変わる? — 施行日で追う改正の時間軸

化粧品会社の広報担当者が、社内の広告ルールの資料を見直す場面です。資料には、違反広告への措置命令(違反の中止などを命じる役所の命令)の根拠が「第72条の5」とだけ書かれています。ここでいう2025年の薬機法改正は、2025年5月21日公布の改正法によるものです。この改正法(令和7年法律第37号)による薬機法の施行日(決まりが効き始める日)は5つです。広告の決まりを定める第66条〜第68条の本文は、この改正で変わりません。ただし2027年5月20日に、この措置命令の条などの番号が動くため、番号だけの記述は点検の対象になります。このページでは、施行日ごとの変化と動く番号を、表と例で説明します。

30秒でわかる要点

  • 施行日は5つ、うち予定日は1つ:令和7年法律第37号による薬機法の施行日(決まりが効き始める日)は5つです。4つは確定した日で、e-Gov 法令検索(国が法令の条文を公開しているサイト)に予定日として記録されているのは、2028年5月20日の1つだけです。
  • 2027年5月20日に、違反広告への措置命令の条番号が第72条の6へ動く:第72条の4に新しい規定が入り、いまの第72条の4〜第72条の6が1つずつ後ろへずれます。違反広告に係る措置命令(違反の中止などを命じる役所の命令)の規定は、第72条の5から第72条の6になります。第72条の8も新しく置かれます。
  • 広告の条(第66条・第67条・第68条)の本文は、この改正で変わらない:動くのは、これらの条を引いている側の条番号です。番号が動く条を番号だけで書いた記述は、点検の対象になります。

令和7年法律第37号による薬機法の改正は、いつから効き始めるのですか?

この改正の施行日(決まりが効き始める日)は5つです。そのうち4つは確定した日で、2028年5月20日の1つが予定日です。

確定した4つは、2025年5月21日・11月20日、2026年5月1日、2027年5月20日です。

この改正法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律)は、2025年5月21日に公布されました。公布は、成立した法律を国民に知らせることです。

ただし、公布の日に薬機法の条文がすべて変わったわけではありません。改正法は、施行日を1つに定めていません。どの規定がいつから効くかは、区分ごとに分かれています。

表1の読み方

表1は、5つの施行日を1行ずつ並べたものです。右端の列の本則は法律の本体部分で、施行日などを定める附則を除いた部分です。

版は、e-Gov 法令検索(国が法令の条文を公開しているサイト)が施行日ごとに置いている条文のまとまりです。各版は「法令ID_施行日_改正法令ID」の形の版IDで見分けます。法令IDは、法令ごとに振られた番号です。

表1:令和7年法律第37号による薬機法の施行日
施行日日付の別薬機法の版ID本則の変化
2025年5月21日(公布の日)確定335AC0000000145_20250521_507AC0000000037本ページでは照合していない
2025年11月20日確定335AC0000000145_20251120_507AC00000000373条が加わり、2条が改正
2026年5月1日確定335AC0000000145_20260501_507AC00000000375条が加わり、79条が改正
2027年5月20日確定335AC0000000145_20270520_507AC000000003721条が加わり、101条が改正。第72条系の条番号が動く
2028年5月20日予定335AC0000000145_20280520_507AC0000000037第13条の3の2が削られ、32条が改正

本則の変化は、本則(附則を除く部分)を条単位で照合した結果です。2025年11月20日の行は2025年6月1日施行版と、以降の各行は直前の版との比較によります。2025年5月21日(公布の日)施行版は、本ページでは本則を照合していません。版IDと日付の別は、e-Gov 法令APIの沿革によります。日付の別は、その日付が施行日の欄に記録されているか、予定の施行日の欄に記録されているかによります(2026-09-08 取得)。

例

表1の2027年5月20日の行の版IDは、335AC0000000145_20270520_507AC0000000037 です。先頭の335AC0000000145は、薬機法の法令IDです。真ん中の20270520は施行日で、末尾は、この版をつくった改正法令のIDです。行を右へ読むと、この日に21条が加わり、101条が改正され、第72条系の条番号が動くことがわかります。

同じ施行日に、版が2つ以上置かれることもあります。そのため、施行日だけでは版が1つに決まりません(最後の節で扱います)。

この改正の施行日5つのうち、「予定」は2028年5月20日だけ

e-Gov 法令API(プログラムから条文を取り出す窓口)には、沿革(改正の履歴)の記録があります。この改正法による5つの版のうち、沿革で予定の施行日の欄に日付を持つのは、2028年5月20日の版だけです。

この版は、施行日に関するコメントの欄にも文言を持っています。「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」です。政令は内閣が定める命令で、この文言の意味は後の節で説明します。ほかの4つの日付は、この2つの欄が空です。

そのため、2027年5月20日を「予定」と書くと、沿革の記録と食い違います。沿革のどの欄を見るかは『8-7 手元の解説は、いまの条文と合っている?』で扱っています。

例

ある会社の研修資料に、改正された薬機法は2025年5月21日から施行、とだけ書かれていたとします。表1のとおり、この日は公布の日で、5つある施行日の1つにすぎません。ほかの規定は、表1のほかの行の日付から効き始めます(2028年5月20日は予定日)。

すでに効き始めた2025年11月20日と2026年5月1日には、どの条が加わったのですか?

2025年11月20日には第18条の3から第18条の5までの3条が、2026年5月1日には第14条の2の2の2など5条が加わりました。

2025年11月20日には、第2条の定義に、市販薬などを除いた医薬品を指す「特定医薬品」の項も置かれています。

2025年11月20日:特定医薬品の供給についての3条

2025年11月20日には3条が加わり、2条が改正されました。加わった3条は、いずれも特定医薬品の供給の状況に関する報告・届出(決められた事項を行政に知らせる手続。審査して認めるものではない)の規定です。

  • 第18条の3(出荷停止等のおそれの報告)
  • 第18条の4(出荷停止等の届出)
  • 第18条の5(報告徴収)

報告徴収は、役所が報告を求めることです。

改正されたのは、第2条(定義)と第69条(立入検査等)です。第2条には、この日に「特定医薬品」の定義が置かれました。

特定医薬品とは、医薬品のうち、次の4つにあたらないものです。もっぱら動物に使うための医薬品は、特定医薬品に入りません。

  • 要指導医薬品(薬剤師による指導が必要とされる薬)
  • 一般用医薬品(いわゆる市販薬のうち、要指導医薬品を除くもの)
  • 薬局が自らの設備と器具で製造し、その薬局で直接売ったり渡したりする医薬品。体外診断用医薬品(体に直接使わず、病気の診断に使う医薬品)を除き、厚生労働大臣が指定する有効成分以外の有効成分を含まないものに限ります。
  • 製造販売や販売の状況を把握する必要がないとして、厚生労働省令(厚生労働大臣が定める命令)で定める医薬品
原文で確かめる(第2条第17項)

掲げたのは現行版(2026年5月21日施行版)の条文です。この項が加わったのは2025年11月20日で、カードの施行日は引用した版の施行日を示しています。

2026年5月1日:加わった5条

2026年5月1日には5条が加わり、79条が改正されました。加わったのは次の5条です。下の一覧にある承認は、製品ごとに国が審査して、製造販売を認めることです。

  • 第14条の2の2の2(緊急承認)
  • 第14条の8の2(小児用の医薬品に係る開発の促進)
  • 第23条の2の6の3(緊急承認)
  • 第23条の8の2(承継)
  • 第36条の11(指定濫用防止医薬品に関する情報提供等)

承継は、前の者の地位を引き継ぐことです。

改正された79条には、第14条の2の2(現行の見出しは「条件付承認」)や第72条の4も含まれます。

ここでいう「加わった」「改正された」は、前の版と条番号の単位で照合した結果です。ある番号に置かれる規定が別のものに入れ替わる場合も、番号の側から見れば「改正」として現れます。条文の対応を見るときは、番号ではなく見出しと本文で確かめます。

例

表1の2026年5月1日の行には、5条が加わり、79条が改正、とあります。この5条が、上に並べた5つです。第72条の4も、改正された79条の1つです。次の節で見るとおり、2027年5月20日には番号も動きます。

施行に伴う通知(国の役所が、法律の運用のしかたを自治体などに示す文書)も、施行区分ごとに公表されています。

原文の言い回しを見る(通知の題名と番号)

2026年5月1日施行分については「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律等の施行等について」(令和7年12月26日医薬発1226第2号)が、厚生労働省の改正のページに掲げられています。厚生労働省の改正のページは、この改正の資料をまとめたものです。指定濫用防止医薬品については、同じページに「指定濫用防止医薬品の販売等について」(令和7年12月26日医薬発1226第16号)が置かれています。

本ページは施行日と条番号の違いを扱うもので、加わった条の中身は扱いません。

2027年5月20日に、第72条系の条番号はどう動くのですか?

第72条の4に新しい規定が入り、いまの第72条の4から第72条の6までが1つずつ後ろへずれます。第72条の8も新しく置かれます。

違反広告に係る措置命令等の規定は第72条の6へ移るため、番号だけで引くと別の規定に当たります。

このページでいう「第72条系」は、下の表2に並べた、第72条の4から第72条の8までの条のことです。番号が動くとき、見出しの付いている条は、見出しも移った先に付いて動きます。

直感的なポイント

条番号を席、規定をそこに座る人にたとえると、第72条の4という席に新しい規定が座り、もとの3つが1つずつ隣へずれる形です。見出しは席ではなく人の側に付いて動きます。

表2の読み方

表2は、同じ条番号に、いまと2027年5月20日施行版とで、どの規定が置かれるかを並べたものです。同じ行を左右で見比べると、同じ番号の中身が入れ替わることがわかります。

表2:2027年5月20日に動く第72条系の条番号
条番号2026年9月8日時点(現行)2027年5月20日施行版
第72条の4業務の運営の改善に必要な措置の命令(条見出しなし)医薬品の製造販売業者の報告義務違反等に対する是正命令等(条見出しなし・新設)
第72条の5違反広告に係る措置命令等業務の運営の改善に必要な措置の命令(現行の第72条の4/本文も改正)
第72条の6損害賠償責任の制限違反広告に係る措置命令等(現行の第72条の5)
第72条の7置かれていない損害賠償責任の制限(現行の第72条の6)
第72条の8置かれていない薬事に関する業務に責任を有する役員の変更命令(新設)

現行は版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063 です。2027年5月20日施行版は版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037 です。いずれも2026-09-08 に取得したものです。この2版の本文を条単位で照合した結果です。2027年5月20日施行版の第72条の4・第72条の5と、現行の第72条の4には条見出しが置かれていないため、条文の内容を要約して示しています。

例

冒頭の社内資料には、措置命令の根拠として「第72条の5」とだけ書かれていました。表2の第72条の5の行を見ると、いまは違反広告に係る措置命令等の規定です。2027年5月20日施行版では、同じ番号に、業務の運営の改善に必要な措置の命令が入ります。違反広告に係る措置命令等は、第72条の6の行に移っています。番号だけの記述は、この日を境に別の規定を指すことになります。

中身もそのまま移るのか

動くのが番号だけとは限りません。移る3組のうち2組は、本文がそのまま移ります。

  • いまの第72条の5(違反広告に係る措置命令等)は、第72条の6へ移ります。本文は1字も変わりません。
  • いまの第72条の6(損害賠償責任の制限)は、第72条の7へ移ります。本文は1字も変わりません。

残る1組は、本文も改正されます。いまの第72条の4(業務の運営の改善に必要な措置の命令)は、第72条の5へ移ります。それと同時に、第1項の2か所に「登録受渡業者」が加わります。登録受渡業者は、一般用医薬品(いわゆる市販薬)を受け取る人に引き渡すため、店舗ごとに登録を受けた事業者などです。薬局や店舗販売業者(店舗で市販薬などを売る許可を受けた事業者)の委託を受けて、代わりに引き渡します。

都道府県知事が、業務の運営の改善に必要な措置をとるよう命ずることができる相手方に、登録受渡業者が入ります。第2項の本文は変わりません。

番号を引いている条も、同じ日に改まる

この番号を引用している条も、同じ日に読み替えられます。その1つが、課徴金(違反で得た売上などをもとに、国が納めさせるお金)の納付命令の条(第75条の5の2)の第3項第1号です。

いまの同号は「第七十二条の四第一項又は第七十二条の五第一項の命令をする場合」です。2027年5月20日施行版では、これが「第七十二条の五第一項又は第七十二条の六第一項の命令をする場合」になります。新しい番号は、表2で規定が移った先の番号です。

課徴金の率(100分の4.5)と、納付を命ずることができない額(225万円未満)は、どちらの版でも同じです。罰則の第85条が引いている番号の書き換えは、『8-7 手元の解説は、いまの条文と合っている?』で扱っています。

動く条文と、新しく置かれる条文

いまの第72条の6は、特定電気通信役務提供者(ネット上の発信の場を提供する事業者など)の損害賠償責任について定めています。対象は、特定違法広告の送信を防止する措置を講じた場合です。特定違法広告は、第66条第1項又は第68条に違反する広告を指す、条文上の用語です。違反広告に係る措置命令等の条にある、第72条の5第2項の要請を受けて講じた場合と、そのほかに講じた場合の両方を含みます。

その措置が、その情報が不特定の人に送られるのを防ぐために必要な限度で行われたものだとします。その場合、その事業者は、送信を止められた情報の発信者に生じた損害を賠償する責任を負いません。

原文で確かめる(いまの第72条の6と、番号が動くことの注記)

この条文は、令和7年法律第37号により 2027年5月20日 から 第72条の7 へ繰り下がります。空いた番号には別の規定が入ります(第72条の6 は違反広告に係る措置命令等になります)。2027年以降に条番号だけを引くと、別の規定に当たります。

この施行日は e-Gov 法令検索に確定した施行日として記録されているものです(施行期日を定める政令の番号は未確認)。これに対し 2028年5月20日 施行分は e-Gov 上も予定日で、政令で確定します。

新しく置かれる第72条の8は、薬事に関する業務に責任を有する役員の変更命令です。対象は、医薬品等(薬機法が扱う5つの製品)の製造販売業者(製品を市場に出す責任を負う事業者)又は製造業者です。これらの者に違反行為があった場合の規定です。違反の対象は、薬機法や、薬事に関する法令のうち政令で定めるもの、またはそれらに基づく処分です(カードの条文は途中を略しています)。厚生労働大臣は、保健衛生上の危害を防ぐために必要な業務の運営の改善が、その役員を変えなければ見込まれないと認めるとき、役員の変更を命ずることができます。

原文で確かめる(第72条の8)

この条は、業許可(製造や販売を仕事として行うために、国や都道府県から受ける許可)を受けた者に対する命令の規定に、新しく加わるものです。現行の処分の枠組みは『6-3 業務停止や許可の取消しは、どの条文で決まる?』で扱っています。違反したときにどのルートが動くかは、『6-1 薬機法に違反すると、どうなる?』で扱っています。

広告の決まりを定める第66条・第67条・第68条は、この改正で変わるのですか?

変わりません。第66条・第67条・第68条の本文は、現行版(2026年5月21日施行版)と2027年5月20日施行版で同じです。

2028年5月20日施行予定分で改正される32条にも、この3か条は含まれていません。

3か条の見出しは、次のとおりです。

  • 第66条(誇大広告等)
  • 第67条(特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限)
  • 第68条(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)

見出しにある再生医療等製品は、人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品などのことです。

両罰規定(違反した人だけでなく、その人が属する会社も罰する決まり)を定める第90条も、現行版と2027年5月20日施行版で一致します。

変わるのは、これらの条を引いている側

第66条第1項又は第68条の規定に違反した者に対する措置命令の条は、前の節のとおり、第72条の5から第72条の6へ動きます。

一方、課徴金納付命令の対象になる行為は、第66条第1項の規定に違反する行為です。この定めは動きません。

例

冒頭の広報担当者が、第66条から第68条の本文が2027年に変わるのかを確かめる場面で考えます。社内資料のうち、第66条から第68条のいまの本文を写した部分は、2027年5月20日施行版の本文と同じです。一方、措置命令の根拠を「第72条の5」と番号で書いた箇所は、点検の対象になります。

条文が変わらないことと、行政の文書が変わらないことは別です。広告該当性の基準や監視指導の考え方は通知・ガイドラインの側にあり、これらは法律の施行日とは別の日付で発出・改正・廃止されます。通知は表題ではなく発出日と文書番号で特定します。

各条の内容は、『2-2 医薬品や化粧品などの広告で、事実と違う・大げさな表現は禁止ですか?』と2-3 承認前の医薬品・医療機器などは、広告できますか?で扱っています。どの表示が広告に当たるかの基準は条文の側になく、通知が示しています(『2-1 そもそも薬機法の「広告」とは?』)。

施行日は、どの文書で決まっているのですか?

2段構えです。改正法の附則(法令の末尾で施行日などを定める部分)が期間の幅を示し、その中の日付を政令(内閣が定める命令)が決めます。

厚生労働省のページには、施行期日を定める政令が2本掲げられています。

1段目は、改正法の附則です。附則は、区分ごとに「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」といった形で、幅を示します。公布の日から数えて〇年以内のどこかで、政令で決める日、という形です。

2段目は、施行期日を定める政令です。幅の中のどの日になるかは、この政令が決めます。

e-Gov 法令APIの沿革は、この附則の文言を、施行日に関するコメントとして記録しています。最初の節で見た、2028年5月20日の版のコメントが、これにあたります。

例

厚生労働省の改正のページには、表題の終わりが「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(令和8年5月1日)施行事項関係」となっている通知があります。前半の「1年を超えない範囲内」が、附則の示す幅です。かっこの中が、その幅の中で実際に決まった日です。令和8年5月1日は、2026年5月1日です。

厚生労働省のページに載っている施行期日政令

法律の改正には、政令・省令(各省の大臣が定める命令。ここでは厚生労働省令)・告示(国の機関が決めた事項を、広く知らせる形式)の改正が伴います。厚生労働省は、この改正について、概要資料・整備政令・整備省令・整備告示・関係通知を1つのページにまとめています。整備政令・整備省令・整備告示は、法律の改正に合わせて、関係する政令・省令・告示を改めるものです。

2本の政令と、その公布についての通知は、下の「原文で確かめる」にあります。

原文の言い回しを見る(政令と通知の題名と番号)

施行期日を定める政令として掲げられているのは、次の2本です。

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和7年政令第271号)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(令和8年政令第209号)

同じページの関係通知の欄には、この2本それぞれの公布についての通知が置かれています。上の並びと同じ順です。

  • 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令の公布について」(令和7年7月25日医薬発0725第1号・産情発0725第1号)
  • 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令の公布について」(令和8年6月24日医薬発0624第1号、産情発0624第5号)

後者は「2年以内施行関係(全体)」という区分の下にあります。

先の例の通知は、関係通知の欄に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律等の施行等について(公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(令和8年5月1日)施行事項関係)」(令和7年12月26日医薬発1226第2号)として掲げられています。

ただし、本ページはこれらの政令の条文を確認していません。どの規定をどの日に施行させるかは、政令の条文で確かめる必要があります。

自分で確かめる3つの手順

  1. 改正法の附則を見る

    調べたい区分の「公布の日から起算して〇年を超えない範囲内において政令で定める日」を探し、〇年の幅を控えます。

  2. 施行期日を定める政令を探す

    厚生労働省の改正のページで、施行期日を定める政令の題名と番号を探します。

  3. 沿革で日付の欄を見る

    版ごとに、施行日・予定の施行日・施行日に関するコメントの3つの欄を控えます。

施行日をまたぐときの扱いや、政令・省令・告示は、どこにまとまっているのですか?

厚生労働省の改正のページです。整備政令・整備省令・整備告示と、経過措置(施行日をまたぐときの取扱い)に関する政令が、施行区分ごとに番号付きで並んでいます。

本ページはそこに掲げられている題名と番号を写したもので、条文は確認していません。

改正は、法律・政令・省令・告示・通知の5つの層に分かれて公表されます。

厚生労働省のページの区分の見出しは、「令和7年11月施行分」「令和8年5月施行分」「令和9年5月施行分」のように和暦です。表3では、1列目の区分のかっこの中に西暦を添えています。2列目が政令、3列目が省令です。

表3:厚生労働省のページに掲げられている政令・省令
施行区分政令省令
令和7年11月施行分(2025年11月)令和7年政令第357号(整備政令)令和7年厚生労働省令第103号
令和8年5月施行分(2026年5月)令和7年政令第354号(経過措置に関する政令)/令和7年政令第362号(整備政令)令和7年厚生労働省令第117号
令和9年5月施行分(2027年5月)令和8年政令第210号(整備政令)令和8年厚生労働省令第110号

厚生労働省のページの区分と掲載に従って写したものです。政令・省令の条文は確認していないため、各条がどの規定をどう改めるかは本ページでは扱いません。告示も同じページに掲げられています。令和7年11月施行分は令和7年厚生労働省告示第286号ほか、令和8年5月施行分は令和7年厚生労働省告示第324号ほかです。

例

2026年5月に効き始めた規定について、細かい決まりを探す場面で考えます。表3で、1列目のかっこの中が2026年5月の行を見ます。政令は2本(うち1本は経過措置に関する政令)、省令は1本が掲げられています。題名と番号がわかれば、それぞれの条文を探す手がかりになります。

施行日をまたぐときの取扱い(経過措置)

経過措置は、改正法の附則と、それを受けた政令に置かれます。表3の令和7年政令第354号が、経過措置に関する政令です。その公布と施行についての厚生労働省の通知(2025年10月)も、同じページの関係通知の欄にあります。

原文の言い回しを見る(政令の題名と通知の番号)

表3の令和7年政令第354号は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置に関する政令」という題名です。その公布及び施行についての通知(令和7年10月17日医薬発1017第1号)が、同じページの関係通知の欄にあります。

例えば、施行日の前から続いている手続が、施行日の後にどう扱われるかを知りたいとします。こうした取扱いを調べるときに見るのは、改正後の条文ではなく、この附則と政令です。

薬機法の版を増やしているのは、令和7年法律第37号だけですか?

いいえ。いまの版(2026年5月21日施行版)は、別の改正法によるものです。2027年6月4日にも、別の法律による版が予定日として記録されています。

2027年6月4日の版は、本則(附則を除く部分)に変更がありません。

2026年9月8日時点の現行版は、2026年5月21日施行版です。この版をつくったのは、令和5年法律第63号です。版IDの末尾は、その版を作った改正法令のIDを指します。

表4は、令和7年法律第37号以外の改正法による薬機法の版を並べたものです。対象は、2025年6月1日以降に施行日がある版です。表4の「刑名」は、刑の名前のことです。

表4:令和7年法律第37号以外の改正法による薬機法の版(2025年6月1日以降)
施行日日付の別改正法薬機法の本則の変化
2025年6月1日確定令和4年法律第68号(刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律)罰則の刑名の改正
2026年5月21日確定令和5年法律第63号(デジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律)第75条の5の8、第75条の5の15から第75条の5の17まで、第83条の5条が改正
2026年5月21日確定令和4年法律第48号(民事訴訟法等の一部を改正する法律)本ページでは照合していない
2027年6月4日予定令和8年法律第31号(健康保険法等の一部を改正する法律)本則に変更なし

対象は、e-Gov 法令APIの沿革に2025年6月1日以降の施行日で記録されている版です(2026-09-08 取得)。そのうち、令和7年法律第37号以外の改正法による版を並べています。日付の別は、予定の施行日の欄と施行日に関するコメントの欄に値があるかによります。刑名の改正の内容は『8-7 手元の解説は、いまの条文と合っている?』で扱っています。令和5年法律第63号で改正された5条のうち4条は、課徴金の手続に関する条です。4条が扱うのは、弁明の機会の付与の通知の方式、送達に関する民事訴訟法の準用、公示送達、電子情報処理組織の使用です。残る1条は、動物用医薬品等に関する第83条です。

同じ日に版が2つある場合

2026年5月21日には、版が2つあります。1つは令和5年法律第63号による版で、e-Gov 法令APIの沿革はこれを現行の版としています。もう1つは令和4年法律第48号による版で、前の版として記録されています。前者の版IDは 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063 です。後者は 335AC0000000145_20260521_504AC0000000048 です。

本ページは後者の本則を照合していません。施行日だけでは版が1つに決まらないのは、こうした場合があるためです。

例

冒頭の広報担当者が、いまの条文を社内資料に控える場面で考えます。2026年5月21日施行版、とだけ書くと、2つある版のどちらかがわかりません。版IDまで書いておくと、末尾の改正法令のIDで、どちらの版かを見分けられます。

2027年6月4日の版は予定日

この版をつくるのは、令和8年法律第31号です。同法の公布日は2026年6月5日です。版IDは 335AC0000000145_20270604_508AC0000000031 です。この版の本則は、2027年5月20日施行版と条単位で一致します。

沿革では、この版の予定の施行日の欄に2027年6月4日が入っています。施行日に関するコメントの欄には「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」と記録されています(2026-09-08 取得)。表4で「予定」としているのは、この2欄に値があることによります。

版が増えても、本則が変わらないことがあります。改正が附則にとどまる場合や、他の法律の改正に伴う整理(言葉や引用の手直し)だけの場合です。

逆に、本則の条番号が動く改正は、その番号を引いている手元の記述をすべて点検する対象になります。点検の手順は『8-7 手元の解説は、いまの条文と合っている?』で扱っています。

理解の確認

2027年5月20日以降に、「第72条の5」という番号だけで違反広告に係る措置命令の規定を探すと、別の規定に当たります。なぜですか?

同じ日に第72条の4へ新しい規定が置かれ、いまの第72条の4から第72条の6までが1つずつ後ろへ動くためです。新しい規定は、医薬品の製造販売業者の報告義務違反等に対する是正命令等です。見出しは、条番号の側ではなく規定の側に付いて移ります。そのため、違反広告に係る措置命令等は第72条の5から第72条の6へ動きます。空いた第72条の5には、いまの第72条の4(業務の運営の改善に必要な措置の命令)が入ります。同じ番号が、版によって違う規定を指すことになります。条文は、番号ではなく見出しと本文で確かめます。

根拠:薬機法 2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)第72条の4〜第72条の8と現行版(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)の条単位の照合(法令確認日 2026-09-08)

第66条・第67条・第68条の本文は、この改正で変わりません。それなのに、これらの条を引いている手元の記述が点検の対象になるのはなぜですか?

動くのは、これらの条を引用する側の条番号だからです。第66条第1項又は第68条の規定に違反した者に対する措置命令の条は、2027年5月20日に第72条の5から第72条の6へ動きます。課徴金納付命令の第75条の5の2第3項第1号も、「第七十二条の四第一項又は第七十二条の五第一項の命令をする場合」から「第七十二条の五第一項又は第七十二条の六第一項の命令をする場合」に変わります。引用される側の本文が同じでも、番号で指している記述は、施行日を境に指す先がずれます。

根拠:薬機法第66条・第67条・第68条、第72条の5、第75条の5の2第3項第1号(現行版と2027年5月20日施行版の照合、法令確認日 2026-09-08)

「施行日が分かれば、その日の薬機法の版は1つに決まる」という考えは、本文のどこと食い違いますか?

同じ施行日に複数の版が置かれることがある、という点と食い違います。2026年5月21日には、版が2つあります。令和5年法律第63号による版と、令和4年法律第48号による版です。e-Gov 法令APIの沿革は、前者を現行の版、後者を前の版として記録しています。版は「法令ID_施行日_改正法令ID」の形の版IDで見分けるもので、施行日はその一部でしかありません。条文を控えるときは、施行日に加えて、どの改正法による版かまで併せて記録する必要があります。

根拠:e-Gov法令API 沿革(law_revisions/335AC0000000145、2026-09-08 取得)/版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063・335AC0000000145_20260521_504AC0000000048

次に読む

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号/2026年5月21日施行版・版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 同法 2027年5月20日施行版(令和7年法律第37号による改正後/版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 令和7年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について(令和7年法律第37号/施行期日政令・整備政令・整備省令・整備告示・関係通知の一覧)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 薬機法の沿革(改正履歴)— 各版の施行日、予定の施行日、施行日に関するコメントの記録(法令ID 335AC0000000145)e-Gov 法令API(2026-09-08 確認)
  • 健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号/2026年6月5日公布)による薬機法の版(版ID 335AC0000000145_20270604_508AC0000000031)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)