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薬機法とは何を規制する法律か — 目的・5区分・条文の地図

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、昭和35年法律第145号)が扱うのは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の5つです。目的は第1条、定義は第2条にあり、その先は18の章に分かれています。どの規制がどこにあるかは、章の表題をたどれば見つかります。このページは第1条・第2条・本則18章の並びを e-Gov 法令検索の条文で確認し、条番号が動く2027年5月20日に何が変わるかも示します。

30秒でわかる要点

  • 第1条が挙げるのは3つの措置——医薬品等の規制、指定薬物の規制、研究開発の促進。これらによって保健衛生の向上を図ることが、目的として末尾に置かれている。
  • 対象は「医薬品等」=医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の5区分。定義は第2条第1項・第2項・第3項・第4項・第9項に分かれて置かれ、間の第5項から第8項までは医療機器の分類なので5区分ではない。
  • 本則は18章。製造販売業・製造業と承認は第4章から第6章、広告は第10章、監督は第13章、罰則は第18章。2027年5月20日に第72条の4以降が1つずつ繰り下がる。

薬機法は、何を目的とする法律だと条文に書かれているか

第1条が、医薬品等の規制、指定薬物の規制、研究開発の促進という3つの措置を挙げ、これらにより保健衛生の向上を図ることを目的としています。

第1条の括弧書きは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品をまとめて「医薬品等」と呼ぶことも定めています。

第1条は、講ずべき措置を3つ並べたうえで、それによって到達する事項を末尾に1つ置く形で書かれています。

3つの措置は、次のとおりです。

  1. 医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うこと
  2. 指定薬物の規制に関する措置を講ずること
  3. 医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずること

末尾に置かれているのは「保健衛生の向上を図ることを目的とする」という一文です。規制と、研究開発の促進が、同じ条の中に並べて書かれています。

第1章には、目的と定義のほかに何があるか

第1章(総則)は、第1条から第2条までです。第1条の後に責務と役割の規定が続き、第2条の定義で第1章は終わります。

  • 第1条の2 … 国の責務
  • 第1条の3 … 都道府県、保健所を設置する市及び特別区の責務
  • 第1条の4 … 医薬品等関連事業者等の責務
  • 第1条の5 … 医薬関係者の責務
  • 第1条の6 … 国民の役割

要点

第1条の本文は、令和7年法律第37号による改正の後も変わりません。e-Gov 法令検索の2027年5月20日施行版の第1条は、現行と同じ文言です。

この法律が扱う「医薬品等」とは、どの5つか

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の5つです。第1条の括弧書きが、この5つをまとめて「医薬品等」と呼ぶと定めています。

個々の定義は第2条の第1項、第2項、第3項、第4項、第9項に置かれ、医療機器と再生医療等製品は範囲を政令に委ねています。

総称を置いているのは第1条の括弧書きで、定義そのものは第2条にあります。第2条は「この法律で「医薬品」とは」という書き出しの各項が並ぶ構成で、5つの区分に対応するのは第1項、第2項、第3項、第4項、そして少し離れた第9項です。

間に挟まる第5項から第8項までは、高度管理医療機器・管理医療機器・一般医療機器・特定保守管理医療機器という医療機器の分類の定義で、5区分ではありません。業の許可と承認の規定は、区分ごとに章が分かれています。

表1:「医薬品等」の5区分と、定義および製造販売業・製造業の規定の所在
区分定義の条項条文の書き方(抜粋)製造販売業・製造業の章
医薬品第2条第1項「日本薬局方に収められている物」(第1号)/「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの」(第2号)/「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの」(第3号)第4章
医薬部外品第2条第2項「次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なもの」第4章
化粧品第2条第3項「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」第4章
医療機器第2条第4項「(中略)目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるもの」第5章
再生医療等製品第2条第9項「次に掲げる物(医薬部外品及び化粧品を除く。)であつて、政令で定めるもの」第6章

出典は薬機法(昭和35年法律第145号)第1条、第2条第1項から第4項まで及び第9項、および第4章から第6章までの章名(e-Gov 法令検索、法令確認日 2026-09-08)。抜粋は条文の一部で、括弧書きの一部を省いています。

区分どうしは、括弧書きで仕切られている

5つの定義は、互いを名指しで除く括弧書きで書き分けられています。同じ物が2つの区分に同時に入らないよう、定義そのものの中に仕切りが立ててあるという形です。

  • 医薬品の第2号(第2条第1項第2号)には「(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)」
  • 医薬品の第3号(第2条第1項第3号)には「(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)」
  • 医療機器の第4項(第2条第4項)には「(再生医療等製品を除く。)」
  • 再生医療等製品の第9項(第2条第9項)には「(医薬部外品及び化粧品を除く。)」

範囲そのものが政令に委ねられている2区分

医療機器と再生医療等製品は、どこまでがその区分かを条文が定めきらず、政令に送っています。受け皿は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)の第1条と第1条の2です。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「法」という。)第二条第四項の医療機器は、別表第一のとおりとする。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第1条

法第二条第九項の再生医療等製品は、別表第二のとおりとする。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第1条の2

別表第二に何が掲げられているかは「再生医療等製品」— 薬機法に5つ目として置かれた区分で扱います。医薬品の定義が3つの号に分かれていること、そのうち第2号と第3号が使用目的を要件にしていることの扱いは、別ページで扱います。

5つの区分のほかに、第2条は何を定義しているか

第2条は全19項です。5区分以外の項(第5項〜第8項、第10項〜第19項)に、医療機器の分類・生物由来製品・薬局・製造販売・治験などが定義されています。

この法律の条文を読むときに意味を確かめる語の多くは、第2条のいずれかの項に置かれています。

第2条は全19項です。5つの区分の定義が置かれているのは第1項から第4項までと第9項で、残りの項には、区分の中の細分や、手続の名宛人を決める語の定義が並びます。

  • 第5項から第8項:高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器、特定保守管理医療機器(いずれも厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの)
  • 第10項・第11項:生物由来製品、特定生物由来製品
  • 第12項:薬局
  • 第13項:製造販売
  • 第14項:体外診断用医薬品
  • 第15項:指定薬物
  • 第16項:希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器、希少疾病用再生医療等製品、先駆的医薬品、先駆的医療機器、先駆的再生医療等製品、特定用途医薬品、特定用途医療機器、特定用途再生医療等製品
  • 第17項:特定医薬品
  • 第18項:治験
  • 第19項:この法律にいう「物」の範囲

日常語とは意味が違う語

第13項の「製造販売」は、日常語の製造や販売とは別に定義されています。条文が「製造販売」と呼ぶのは、製造をし、又は輸入をした医薬品等を販売し、貸与し、若しくは授与すること、又は医療機器プログラムを電気通信回線を通じて提供することです。他から委託を受けて製造をする場合は、ここから除かれています。

第19項は「この法律にいう「物」には、プログラムを含むものとする。」と定めています。第2条第1項第2号の括弧書きが置く「機械器具等」の定義にも、プログラム及びこれを記録した記録媒体が含まれています。

第17項の「特定医薬品」はいつ入ったか

第17項の「特定医薬品」は、令和7年法律第37号による改正で第2条に加わりました。e-Gov 法令検索の沿革では、2025年11月20日施行の版から第2条にこの項が現れます。

厚生労働省の改正のまとめページも、6月以内施行関係として、特定医薬品一般の安定供給確保に関する規定の施行通知(令和7年11月20日 医政産情企発1120第1号、感予発1120第2号、医薬血発1120第1号)を掲げています。

条文の書き方は、除外による定義です。第17項は次の医薬品を各号に挙げ、これら以外の医薬品を特定医薬品としています(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く)。

  • 要指導医薬品
  • 一般用医薬品
  • 薬局開設者が当該薬局における設備及び器具をもつて製造し当該薬局において直接需要者に販売し、又は授与する医薬品
  • その他製造販売又は販売の状況を把握する必要がないものとして厚生労働省令で定める医薬品

どの規制が、どの章に置かれているか

本則は18章です。製造販売業・製造業と承認が第4章から第6章、販売業等が第7章、広告が第10章、監督が第13章、罰則が第18章に置かれています。

章の並びと表題は、2027年5月20日施行版でも同じです。

薬機法は、総則と定義の後を、規制の対象と場面ごとに章で分けています。条番号だけを手がかりに探すより、章の表題から入るほうが所在をたどれます。

表2:薬機法 本則の章立てと、各章に置かれた条の範囲
表題条の範囲
第1章総則第1条〜第2条
第2章地方薬事審議会第3条
第3章薬局第4条〜第11条
第4章医薬品、医薬部外品及び化粧品の製造販売業及び製造業第12条〜第23条
第5章医療機器及び体外診断用医薬品の製造販売業及び製造業等第23条の2〜第23条の19
第6章再生医療等製品の製造販売業及び製造業第23条の20〜第23条の42
第7章医薬品、医療機器及び再生医療等製品の販売業等第24条〜第40条の7
第8章医薬品等の基準及び検査第41条〜第43条
第9章医薬品等の取扱い第44条〜第65条の5
第10章医薬品等の広告第66条〜第68条
第11章医薬品等の安全対策第68条の2〜第68条の15
第12章生物由来製品の特例第68条の16〜第68条の25
第13章監督第69条〜第76条の3の3
第14章医薬品等行政評価・監視委員会第76条の3の4〜第76条の3の12
第15章指定薬物の取扱い第76条の4〜第77条
第16章希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器及び希少疾病用再生医療等製品等の指定等第77条の2〜第77条の7
第17章雑則第78条〜第83条の5
第18章罰則第83条の6〜第91条

出典は薬機法(昭和35年法律第145号)本則の章名と条の並び(e-Gov 法令検索、法令確認日 2026-09-08)。第5章、第7章、第9章はさらに節に分かれています(第5章=第1節 医療機器及び体外診断用医薬品の製造販売業及び製造業/第2節 登録認証機関、第7章=第1節 医薬品の販売業/第2節 医療機器の販売業、貸与業及び修理業/第3節 再生医療等製品の販売業、第9章=第1節 毒薬及び劇薬の取扱いから第6節 再生医療等製品の取扱いまでの6節)。附則は表に含めていません。

章の並びには順序がある

章の並びは、物が作られて世に出てから、使われ、行政に見張られるまでの道筋をなぞっています。前半は、物を作って世に出す側の規制(第3章から第6章まで)と、それを流通させる側の規制(第7章)です。

続いて、物そのものの基準と検査(第8章)、容器や添付文書などの取扱い(第9章)、広告(第10章)、市販後の安全対策(第11章)、生物由来製品の特例(第12章)と進みます。最後に置かれているのが、行政の権限(第13章)と罰則(第18章)です。

製造販売業・製造業の章が区分ごとに分かれているため、同じ「承認」でも条文の場所が異なります。医薬品は第14条、医療機器及び体外診断用医薬品は第23条の2の5、再生医療等製品は第23条の25です。どの手続がどの条に基づくかは、別ページで扱います。

広告と監督の規定は、どこにあるか

広告は第10章(第66条から第68条まで)、監督は第13章(第69条から第76条の3の3まで)にあります。罰則は第18章です。

第10章に置かれているのは3条だけです。

第10章「医薬品等の広告」を構成するのは、次の3条です。

この3条は「広告」という語を使いますが、どの表示が広告にあたるかの基準は条文の側に書かれていません。その基準の所在はそもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件で扱います。

第13章に並ぶ条

第13章「監督」は、行政の権限を定める章です。主な条の見出しは次のとおりです。

  • 第69条(立入検査等)、第69条の2(機構による立入検査等の実施)、第69条の3(緊急命令)
  • 第70条(廃棄等)、第71条(検査命令)
  • 第72条(改善命令等)、第72条の2、第72条の2の2、第72条の3、第72条の4(第72条の2から第72条の4までは見出しの無い条です)
  • 第72条の5(違反広告に係る措置命令等)、第72条の6(損害賠償責任の制限)
  • 第75条(許可の取消し等)、第75条の2(登録の取消し等)
  • 第75条の5の2(課徴金納付命令)から第75条の5の19(省令への委任)まで
  • 第76条の3の3(関係行政機関の連携協力)

罰則は第18章(第83条の6から第91条まで)です。第90条は、法人の代表者や従業者などが違反行為をしたときに、行為者を罰するほか法人又は人に対しても罰金刑を科す規定で、第91条は過料の規定です。

行政と刑事のそれぞれのルートは薬機法に違反するとどうなるか — 行政指導から刑事罰までの6ルート、業の許可に対する処分は業許可への処分 — 業務停止・許可取消し・改善命令は、どの条文にあるかで扱います。

この法律の題名は、いまの条文でどう書かれているか

現行の題名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。法令番号は昭和35年法律第145号のままです。

行政の通知には、発出された当時の題名がそのまま残ります。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

この分野の法律の名は「薬事法」である。

現行

題名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。法令番号は昭和35年法律第145号で、e-Gov 法令検索でもこの題名と番号で公開されている(法令ID 335AC0000000145)。

根拠:e-Gov 法令検索における当該法令の題名と法令番号(法令確認日 2026-09-08)

題名が改められても、法令番号は変わりません。同じ昭和35年法律第145号が、いまは別の題名で公開されています。条文を引くときに法令番号を併記しておくと、題名の表記が資料ごとに違っていても同じ法令を指していることが分かります。

e-Gov 法令検索が記録しているこの法令の公布の日は1960年(昭和35年)8月10日です。題名と条文が改正を重ねても、公布日と法令番号は法令を特定する手がかりとして残ります。

行政の通知は、発出された当時の題名のまま引かれ続けることがあります。表題に旧題名が残る通知が現に引かれている例はそもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件にあります。

いつ、どの改正法によって題名が改められ、5つ目の区分が加わったかは、本ページでは扱いません。その経緯は「再生医療等製品」— 薬機法に5つ目として置かれた区分で確認できます。手元の記述が現行の条文と食い違っていないかの確かめ方は古い理解の一覧 — 現行の条文と食い違う記述を更新するで扱います。

この条文の地図は、いつ書き換わるのか

令和7年法律第37号が段階的に施行され、2027年5月20日には第72条の4以降の条番号が1つずつ繰り下がります。

第72条から第72条の3まで、本則の章の構成、第1条・第2条第1項から第9項までの文言は、その日以降も変わりません。

令和7年法律第37号(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律)は2025年5月21日に公布され、規定ごとに施行日が分かれています。厚生労働省のまとめページは、公布についての通知(令和7年5月21日 医薬発0521第1号・産情発0521第4号)と、施行期日を定める政令を掲げています。

表3:令和7年法律第37号による薬機法の改正の施行日
施行日e-Gov 法令検索の沿革での扱い厚生労働省のまとめページに掲げられた通知
2025年5月21日(公布日)確定した施行日(版ID 335AC0000000145_20250521_507AC0000000037)公布についての通知(令和7年5月21日 医薬発0521第1号・産情発0521第4号)。施行事項別の欄は無い
2025年11月20日確定した施行日「6月以内施行関係」の欄に、特定医薬品一般の安定供給確保に関する規定の施行通知ほか(令和7年11月20日 医政産情企発1120第1号ほか)
2026年5月1日確定した施行日「1年以内施行関係(全体)」の欄に、施行についての通知(令和7年12月26日 医薬発1226第2号)。表題に「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(令和8年5月1日)施行事項関係」とある
2027年5月20日確定した施行日(未施行)「2年以内施行関係(全体)」の欄に、一部の施行期日を定める政令の公布通知(令和8年6月24日 医薬発0624第1号、産情発0624第5号)ほか。同欄に施行日そのものの記載は無い
2028年5月20日予定日(「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」)(2026年9月8日時点で掲載なし)

出典は e-Gov 法令検索の当該法令の沿革(版ID 335AC0000000145_20250521_507AC0000000037 ほか)と、厚生労働省「令和7年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について」(法令確認日 2026-09-08)。同ページの「整備政令」欄には、施行期日政令として令和7年政令第271号(施行期日を定める政令)と令和8年政令第209号(一部の施行期日を定める政令)が掲げられています。各政令の条文は本ページでは確認していないため、どの規定がどの日に施行されるかの対応は示していません。

2027年5月20日に動く番号

この日に、第13章の第72条の4以降が1つずつ繰り下がります。第72条(改善命令等)、第72条の2、第72条の2の2、第72条の3は、番号も見出しも現行のままです。

動くのは番号だけではありません。空いた番号には、別の規定が入ります。いま第72条の5に置かれているのは、次の条文です。

この条文は、令和7年法律第37号により 2027年5月20日 から 第72条の6 へ繰り下がります。空いた番号には別の規定が入ります(第72条の5 は業務の運営の改善に必要な措置の命令(現行の第72条の4の規定)になります)。2027年以降に条番号だけを引くと、別の規定に当たります。

この施行日は e-Gov 法令検索に確定した施行日として記録されているものです(施行期日を定める政令の番号は未確認)。これに対し 2028年5月20日 施行分は e-Gov 上も予定日で、政令で確定します。

2027年5月20日施行版では、第72条の4に、医薬品の製造販売業者の報告義務違反に対する是正命令等が新たに置かれます。これに押し出される形で、現行の3つの条が1つずつ後ろへ移ります。

  • 現行の第72条の4(業務の運営の改善に必要な措置の命令の規定)→ 第72条の5
  • 現行の第72条の5(違反広告に係る措置命令等)→ 第72条の6
  • 現行の第72条の6(損害賠償責任の制限)→ 第72条の7

あわせて、第72条の8(薬事に関する業務に責任を有する役員の変更命令)が加わります。条番号の追い方は業許可への処分 — 業務停止・許可取消し・改善命令は、どの条文にあるかで扱っています。

2027年5月20日でも変わらない部分

本則の章の数と表題は、2027年5月20日施行版でも現行と同じ18章です。第1条の本文、および第2条第1項から第9項までの文言も、同版で現行と同一です(第2条は第17項と第18項の引用条番号が読み替えられます)。

手元の記述がどの時点のものかは、e-Gov 法令検索で当該法令の沿革を開き、施行日ごとの版を比べれば確かめられます。

理解の確認

第1条が、規制のための措置と研究開発の促進のための措置を同じ条に並べているのは、両者が何に対してどのような関係に立つからか。

第1条は講ずべき措置を3つ並べたうえで、末尾に「保健衛生の向上を図ることを目的とする」を置く形で書かれています。3つの措置はいずれも目的そのものではなく、保健衛生の向上へ到達するための手段として並んでいます。だから規制と研究開発の促進は対立するものではなく、同じ一つの目的へ向かう別々の措置として、同じ条に収まっています。

根拠:薬機法(昭和35年法律第145号)第1条(法令確認日 2026-09-08)

第2条の5区分の定義に、互いを名指しで除く括弧書きが置かれているのは、何を避けるためか。

医薬品の第2条第1項第2号には「(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)」、医療機器の第2条第4項には「(再生医療等製品を除く。)」というように、定義そのものの中に仕切りが立ててあります。同じ物が2つの区分に同時に入ることを避けるためです。区分が1つに定まれば、製造販売業・製造業の章も1つに定まり(医薬品・医薬部外品・化粧品は第4章、医療機器及び体外診断用医薬品は第5章、再生医療等製品は第6章)、同じ「承認」でも根拠となる条が分かれます。

根拠:薬機法第2条第1項第2号・第3号、第2条第4項、第2条第9項、および本則第4章から第6章までの章名(法令確認日 2026-09-08)

薬機法の条文を引くときに、条番号だけでなく施行日の版も併せて確かめる必要があるのは、条番号が動くとどのようなことが起きるからか。

2027年5月20日に第72条の4より後の条が1つずつ繰り下がり、空いた番号には別の規定が入るためです。現行で「違反広告に係る措置命令等」が置かれている第72条の5は、同日に第72条の6へ移ります。同じ番号が版によって別の規定を指すことになるので、番号だけを手がかりにせず、条の見出しと施行日の版を合わせて特定する必要があります。

根拠:薬機法 2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)第72条の4から第72条の6までと、現行版(2026年5月21日施行)の同条との対照(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第1条・第2条・第4章〜第6章・第10章(第66条〜第68条)・第13章(第69条〜第76条の3の3)・第18章(第83条の6〜第91条)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 薬機法 2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)第1条・第2条・第72条〜第72条の8および本則の章立て e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • e-Gov 法令API 沿革(改正履歴)エンドポイント(薬機法の施行日ごとの版の一覧。公布日施行分は版ID 335AC0000000145_20250521_507AC0000000037)e-Gov(2026-09-08 確認)
  • 令和7年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について(令和7年法律第37号。施行期日政令=令和7年政令第271号・令和8年政令第209号、公布通知=令和7年5月21日 医薬発0521第1号・産情発0521第4号、6月以内施行関係の通知=令和7年11月20日 医政産情企発1120第1号ほか、1年以内施行関係の通知=令和7年12月26日 医薬発1226第2号、2年以内施行関係の通知=令和8年6月24日 医薬発0624第1号・産情発0624第5号)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第1条(医療機器の範囲。別表第一)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第1条の2(再生医療等製品の範囲。別表第二)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)