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「医薬品」の定義3類型 — 食品が医薬品と判断される仕組み

医薬品かどうかは、成分ではなく「何を目的とする物か」で決まります。薬機法第2条第1項は医薬品を3つの号に分け、第1号は日本薬局方に収められている物、第2号は疾病の診断・治療・予防に使用されることが目的とされている物、第3号は身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物としています。その目的を何から読み取るかを定めたのが昭和46年6月1日 薬発第476号で、成分本質(原材料)のリストは令和2年に別の通知へ移りました。このページは、条文と通知の原文でその仕組みを確認します。

30秒でわかる要点

  • 医薬品かどうかは、成分そのものではなく「何を目的とする物か」で決まる。薬機法第2条第1項の第2号は疾病の診断・治療・予防に使用されることが目的とされている物、第3号は身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物。収載されているかどうかという形式で決まるのは、日本薬局方の第1号だけ。
  • その「目的」は、成分本質(原材料)、形状、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、販売の際の演述等から総合的に判断される(昭和46年6月1日 薬発第476号)。薬理作用の有無は問題とならず、「医薬品ではありません。」と標ぼうしても、そのことをもって医薬品に該当しないことにはならない。
  • 成分本質(原材料)のリストは46通知の別添2・別添3にはない。令和2年3月31日 薬生発0331第33号でそれらは削られ、いまは例示通知(令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号)の別添1・別添2にある。最終改正は令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号。

薬機法は「医薬品」をどう定義しているのか

薬機法第2条第1項の3つの号です。第1号は日本薬局方収載品、第2号は疾病の診断・治療・予防の目的の物、第3号は身体の構造又は機能に影響を及ぼす目的の物です。

第2号と第3号には「機械器具等でないもの」という限定と、他の区分を除く括弧書きが付いています。

定義は薬機法第2条第1項に置かれています。3つの号が並び、医薬品とされる理由が号ごとに違います。第1号は「日本薬局方に収められている」という一点で決まります。第2号と第3号は、その物が何でできているかではなく、何を目的とする物かで区切っています。

第2号は「使用されることが目的とされている物」、第3号は「影響を及ぼすことが目的とされている物」という書き方です。どちらの号にも「機械器具等でないもの」という限定が付き、さらに括弧書きで他の区分が除かれます。第2号が除いているのは医薬部外品と再生医療等製品、第3号が除いているのは医薬部外品・化粧品・再生医療等製品です。

括弧書きで除かれている区分は、いずれも同じ第2条の別の項で定義されています。医薬部外品は第2項、化粧品は第3項、再生医療等製品は第9項です。条文は入れ子の除外で書かれていて、先に別の区分として定義した物を医薬品の側から差し引くことで、同じ物に複数の区分が重ならないようになっています。

再生医療等製品の定義は「再生医療等製品」— 薬機法に5つ目として置かれた区分で扱います。

医療機器だけは、外れ方が違います。医療機器は、第2号・第3号の括弧書きには書かれていません。医療機器が第2号・第3号から外れるのは「機械器具等でないもの」という限定によるもので、括弧書きによる除外とは経路が違います。

医療機器の定義は第2条第4項に置かれ、同項は「機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるもの」としています。

第2号の括弧書きが定義する「機械器具等」には、プログラム及びこれを記録した記録媒体が含まれます。第2条第19項は、あわせて「この法律にいう「物」には、プログラムを含むものとする。」と定めています。

第2条には、この3つのほかに何が置かれているか

第2条第1項が「医薬品」の範囲を決めるのに対し、同条の他の項は医薬品の中の区分を置いています。体外診断用医薬品は第14項、希少疾病用医薬品・先駆的医薬品・特定用途医薬品は第16項です。第17項の「特定医薬品」は、令和7年法律第37号により2025年11月20日から施行されている定義です。

この定義は、第18条の3(出荷停止等のおそれの報告)、第18条の4(出荷停止等の届出)、第18条の5(報告徴収)が名宛人と対象を特定するために使われています。第18条の3から第18条の5までも、令和7年法律第37号により2025年11月20日から施行されています。

第2条は2027年5月20日にも改正されますが、変わるのは第17項と第18項が引いている条番号だけです。第17項の「第四条第五項第三号」「第四条第五項第四号」は「第四条第九項第三号」「第四条第九項第四号」に、第18項が引く第14条第13項は第14条第14項になります。第1項から第9項までの製品区分の定義は変わりません。e-Gov 法令検索の2026年5月21日施行版と2027年5月20日施行版の第2条を照合して確認しました。

「目的とされている物」かどうかは、何を見て判断されるのか

昭和46年6月1日 薬発第476号(46通知)が、成分本質(原材料)、形状、表示された効能効果・用法用量、販売方法等を総合的に判断すべきものとしています。

通知が挙げているのは、成分本質(原材料)、形状(剤型、容器、包装、意匠等)、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、販売の際の演述等です。

第2条第1項第2号・第3号は「目的とされている物」と書くだけで、その目的をどう認定するかまでは書いていません。人が経口的に服用する物について認定の基準を示しているのが、昭和46年6月1日 薬発第476号(以下、通知の側の呼び方にならい46通知と記します)の別紙「医薬品の範囲に関する基準」です。

別紙の冒頭には、昭和58年から令和2年までの19件の改正が列記されています。最終改正は令和2年3月31日 薬生発0331第33号です。

人が経口的に服用する物が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項第2号又は第3号に規定する医薬品に該当するか否かは、医薬品としての目的を有しているか、又は通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識するかどうかにより判断することとなる。通常人が同項第2号又は第3号に掲げる目的を有するものであると認識するかどうかは、その物の成分本質(原材料)、形状(剤型、容器、包装、意匠等をいう。)及びその物に表示された使用目的・効能効果・用法用量並びに販売方法、販売の際の演述等を総合的に判断すべきものである。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号、最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」柱書。全角数字を半角に改めた

通知が挙げている材料は、成分本質(原材料)、形状(剤型、容器、包装、意匠等)、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、販売の際の演述等です。どれか1つで決まるのではなく、総合的に判断すべきものとされています。

この判断の性格をさらに明示しているのが、昭和62年9月22日 薬監第88号の別添として定められた「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」(最終改正 平成27年4月1日 薬食監麻発0401第3号)です。

法の立法趣旨が、前述のとおり医薬品の使用によってもたらされる国民の健康への積極的、消極的被害を未然に防止しようとする点にあるとすると、法第2条第1項第2号又は第3号に規定する医薬品には、法第14条又は第19条の2に基づいて承認を受けた医薬品のみならず、その物の成分本質(原材料)、形状、効能効果、用法用量等を総合的に判断して、その物が「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている」又は「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている」と通常人が認識する物も含まれる。すなわち、口から摂取される物が医薬品に該当するか否かは、その物が法第2条第1項第2号又は第3号に掲げる目的を持つものと認識されるか否かによって判断されることとなる。この場合、その薬理作用の有無は問題とはならないと解される。

無承認無許可医薬品の監視指導について(昭和62年9月22日 薬監第88号、最終改正 平成27年4月1日 薬食監麻発0401第3号)別添「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」Ⅰの2。全角数字を半角に改めた

ここには2つのことが書かれています。1つは、口から摂取される物の該当性が、第2条第1項第2号又は第3号に掲げる目的を持つ物と通常人が認識するかどうかで決まるということ。もう1つは、その薬理作用の有無は問題とはならないと解される、ということです。

表示の側についても、同じマニュアルが書いています。

なお、「医薬品ではありません。」等医薬品でない旨標ぼうしたとしても、そのことをもって医薬品に該当しないということにはならない。

同マニュアル Ⅱの1

表示に何と書かれているかと該当性の関係は、研究用試薬の表示についても同じ形で論じられています。「研究用」表示は何を意味するか — 表示の有無だけでは決まらないで扱います。

要点

第2条第1項第2号・第3号は目的で書かれており、その目的は、成分本質(原材料)、形状、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、販売の際の演述等から総合的に判断されるものとされています。

食品と医薬品の境目は、どの条文で切られているのか

食品衛生法第4条第1項が、食品を全ての飲食物とし、薬機法に規定する医薬品・医薬部外品・再生医療等製品を含まないと定めています。

46通知が扱っているのは、人が経口的に服用する物が薬機法第2条第1項第2号又は第3号の医薬品に該当するかどうかです。

薬機法は「食品」を定義していません。定義しているのは食品衛生法で、その定義は医薬品等を除く形で書かれています。

2つの定義を重ねると、口から入る物の行き先は2つしかありません。監視指導マニュアルは、この関係を次のように書いています。

医薬品の定義及び食品の定義により明らかなように、口から摂取される物は、医薬品等と食品のどちらかに該当することになり、口から摂取される物のうち、医薬品等に該当しないもののみが食品とされることになる。

無承認無許可医薬品監視指導マニュアル Ⅰの2

だからこそ、食品として製造販売されている物が、薬機法第2条第1項第2号又は第3号の定義に当たる場合があります。46通知の本文は、その本質、形状、表示された効能効果、用法用量等から判断して医薬品とみなされるべき物が食品の名目のもとに製造販売されている事例が少なからずみうけられていることを、この通知が作られた背景として挙げています。

あわせて、その弊害を4つ列記しています。

  • 正しい医療を受ける機会を失わせること
  • 不良品及び偽薬品が製造販売されること
  • 医薬品及び食品に対する概念を崩壊させること
  • 一般消費者に不当な経済的負担を負わせること

46通知が対象としているのは、人が経口的に服用する物が第2条第1項第2号又は第3号に規定する医薬品に該当するか否かの判断です。健康食品・サプリメントの側の表示制度は健康食品・サプリメント — 食薬区分と表示制度にまとめています。

食品が医薬品とみなされるのは、どういう場合か

46通知の別紙「医薬品の範囲に関する基準」のⅡが「判定方法」を定め、医薬品とみなす範囲を(一)と(二)の2つに分けて示しています。

(二)は、医薬品的な効能効果の標ぼう、専ら医薬品的な形状、医薬品的な用法用量の3つを挙げています。

別紙は、Ⅰで「医薬品の判定における各要素の解釈」を4つに分けています。

  • Ⅰの1 物の成分本質(原材料)からみた分類
  • Ⅰの2 医薬品的な効能効果の解釈
  • Ⅰの3 医薬品的な形状の解釈
  • Ⅰの4 医薬品的な用法用量の解釈

この検討を踏まえて、Ⅱが判定の枠組みを定めています。医薬品とみなす範囲は(一)と(二)に分かれ、(一)は成分本質(原材料)だけで決まる場合、(二)はそれ以外の要素で決まる場合です。

人が経口的に服用する物について、Ⅰの「医薬品の判定における各要素の解釈」に基づいて、その成分本質(原材料)を分類し、その効能効果、形状及び用法用量について医薬品的であるかどうかを検討のうえ、以下に示す医薬品とみなす範囲に該当するものは、原則として医薬品とみなすものとする。なお、2種以上の成分が配合されている物については、各成分のうちいずれかが医薬品と判定される場合は、当該製品は医薬品とみなすものとする。(中略)

(一)効能効果、形状及び用法用量の如何にかかわらず、判断基準の1.に該当する成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合は、原則として医薬品の範囲とする。

(二)判断基準の1.に該当しない成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合であって、以下の①から③に示すいずれかに該当するものにあっては、原則として医薬品とみなすものとする。 ①医薬品的な効能効果を標ぼうするもの ②アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの ③用法用量が医薬品的であるもの

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号、最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」Ⅱ。全角数字を半角に改めた

Ⅱには、この本文に続けてただし書が付いています。挙げられているのは、当該成分が薬理作用の期待できない程度の量で着色、着香等の目的のために使用されているものと認められ、かつ、当該成分を含有する旨標ぼうしない場合、又は当該成分を含有する旨標ぼうするがその使用目的を併記する場合等です。総合的に判断して医薬品と認識されるおそれのないことが明らかな場合には、この限りでないとするものです。

形状の扱いは、通知の中で改められている

Ⅰの3は、剤型による判断がどう変わったかを、その経緯とともに書いています。

しかし、現在、成分によって、品質管理等の必要性が認められる場合には、医薬品的形状の錠剤、丸剤又はカプセル剤であっても、直ちに、医薬品に該当するとの判断が行われておらず、実態として、従来、医薬品的形状とされてきた形状の食品が消費されるようになってきていることから、「食品」である旨が明示されている場合、原則として、形状のみによって医薬品に該当するか否かの判断は行わないこととする。ただし、アンプル形状など通常の食品としては流通しない形状を用いることなどにより、消費者に医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合は、医薬品と判断する必要がある。

同別紙 Ⅰの3

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

錠剤・丸剤・カプセル剤といった剤型であれば、それだけで医薬品と判断される。

現行

「食品」である旨が明示されている場合、原則として、形状のみによって医薬品に該当するか否かの判断は行わない。ただし、アンプル形状など通常の食品としては流通しない形状を用いることなどにより、消費者に医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合は、医薬品と判断する必要があるとされる。

根拠:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号、最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの3。同項は、原則として医薬品的形状であった場合は医薬品に該当するとの判断が「行われてきた」と過去形で述べたうえで、上記のとおり定めている。

Ⅰの2とⅠの4には、栄養機能食品についての読み替えが置かれています。

Ⅰの2は、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第11号の規定に基づき栄養成分の機能の表示をする栄養機能食品について、その表示等を医薬品的な効能効果と判断しないこととして差し支えないとしています。

Ⅰの4は、栄養機能食品にあっては時期、間隔、量等摂取の方法を記載することについて医薬品的用法用量には該当しないこととして差し支えないとしています。ただし、「食前」「食後」「食間」など通常の食品の摂取時期等とは考えられない表現を用いるなど医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合においては、引き続き医薬品的用法用量の表示とみなすとしています。

成分本質(原材料)のリストは、いまどこにあるのか

例示通知(令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号)の別添1と別添2です。最終改正は令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号です。

令和2年3月31日 薬生発0331第33号により、46通知の別添2・別添3は削られました。

リストは46通知の中にはありません。46通知のⅠの1は、成分本質(原材料)が専ら医薬品として使用されるものかどうかを、別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(同項が「判断基準」と呼んでいるもの)により判断するとしています。そのうえで、リストそのものの掲載先を別の通知に振っています。

判断基準の1に該当すると判断されたものは、例示通知の別添1「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に例示として掲げられます。該当しないと判断されたものは、関係者の利便を考え、参考として同別添2「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に掲げられます。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

成分本質(原材料)のリストは、46通知の別添2・別添3にある。

現行

リストは「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」(令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号)の別添1・別添2にある。46通知の別添2・別添3は削られている。

根拠:医薬品の範囲に関する基準の一部改正について(令和2年3月31日 薬生発0331第33号)記の1は、別添2及び別添3の内容を課長通知に規定することに伴い「別添2及び別添3を削る等、所要の改正を行うこととした」と述べている。改正後の46通知の別紙Ⅰの1も、リストの掲載先を例示通知の別添1・別添2として書いている。

例示通知は改正が続いています。最終改正は令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号で、別添1の「1.植物由来物等」の表に学名欄を追加する記載整備のほか、別添1の「2.動物由来等」の表と別添2の「1.植物由来等」の表について個別の改正が行われました。たとえば別添1のセンソは、部位等が「毒腺分泌物」から「耳腺分泌物」に改められています。改正後のリストの表には「2026.8.5更新」と記載されています。

リストの位置づけについては、46通知の別紙に注意書きが置かれています。

なお、当該リストは医薬品の該当性を判断する際に参考とするために作成するものであり、食品としての安全性等の評価がなされたもののリストではないことに留意されたい。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号、最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの1

どちらのリストにも収載されていない成分本質(原材料)については、照会の手続が定められています。定めているのは、46通知の別添(判断基準)の「2.新規成分本質(原材料)の判断及び判断する際の手続き」です。そうした成分本質(原材料)を含む製品を輸入販売又は製造する事業者は、あらかじめ資料を都道府県薬務担当課(室)を通じて厚生労働省の監視指導・麻薬対策課あて提出し、その判断を求めることができるとされています。

提出することとされている資料は、次のものです。

  • 当該成分本質(原材料)の学名、使用部位
  • 薬理作用又は生理作用
  • 毒性
  • 麻薬・覚せい剤様作用
  • 国内外での医薬品としての承認前例の有無
  • 食習慣等

同課は、提出された資料により学識経験者と協議を行って該当性を判断し、リストは定期的に公表するものとするとされています。

46通知の別添(判断基準)は提出先を「厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課」と書いていますが、これは令和2年改正当時の局名です。令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号の発出者は、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課長です。

これらの資料の入口は、厚生労働省の「無承認無許可医薬品情報」のページです。同ページの「(参考)関連通知」の欄には、次のものが並んでいます。

  • 無承認無許可医薬品の指導取締りについて
  • 「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の一部改正について(令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号)
  • 参考としての別添1・別添2
  • 新規成分本質(原材料)の判断に関する照会の際の様式

条番号や通知の所在が古いまま説明されている例は、古い理解の一覧 — 現行の条文と食い違う記述を更新するにまとめています。

判定を要しないとされている物はあるか

46通知の別紙は3つを挙げ、原則として通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えないとしています。

明らかに食品と認識される物、特別用途食品、機能性表示食品の3つです。

あります。別紙は、Ⅰ・Ⅱによる検討に入る前のただし書として、3つの物を挙げています。

ただし、次の物は、原則として、通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えない。

1 野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに食品と認識される物

2 健康増進法(平成14年法律第103号)第26条の規定に基づき許可を受けた表示内容を表示する特別用途食品

3 食品表示法(平成25年法律第70号)第4条第1項の規定に基づき制定された食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第10号の規定に基づき届け出た表示内容を表示する機能性表示食品

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号、最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」柱書のただし書。全角数字を半角に改めた

1つ目について、監視指導マニュアルは、通常の食生活においてその物の食品としての本質を経験的に十分認識していて、その外観、形状等より容易に食品であることがわかるものを指すとしています。該当するかどうかは「食生活の実態を十分勘案し、外観、形状及び成分本質(原材料)からみて社会通念上容易に食品と認識されるか否かにより判断する」としています。

同マニュアルは、続けて「通常人が社会通念上容易に通常の食生活における食品と認識するもの」の例を4つ挙げています。

  • ①生鮮食料品及びその乾燥品(ただし、乾燥品のうち医薬品としても使用される物を除く。)
  • ②加工食品
  • ③①、②の調理品
  • ④調味料

この4つの例示に先立って、次のただし書が置かれています。

ただし、特定の成分を添加したもの、遺伝子組み換え技術を用いたものなど、医薬品としての目的を持つことが疑われるものについては、個別に判断をする必要がある。

無承認無許可医薬品監視指導マニュアル Ⅱの4の(2)

2つ目と3つ目について、同マニュアルは、これらの表示内容については栄養・食品担当部局の指導が行われるものであるとしています。容器包装、説明書、広告、パンフレット等に許可を受けた表示内容を超える等の医薬品的な効能効果の標ぼうが行われた場合にも、その標ぼう内容について、まず栄養・食品担当部局に照会するよう指導することとしています。

通知の記載と、現行の条文

通知の記載

46通知の別紙および監視指導マニュアルは、特別用途食品の根拠を「健康増進法(平成14年法律第103号)第26条の規定に基づき許可を受けた表示内容を表示する特別用途食品」と書いている。

現行の条文

現行の健康増進法で特別用途表示の許可を定めているのは第43条第1項(第七章 特別用途表示等)で、許可権者は内閣総理大臣である。同法第26条は第六章(受動喫煙防止)の「関係者の協力」である。

根拠:46通知の別紙柱書のただし書2、および無承認無許可医薬品監視指導マニュアルⅡの5の(1)(いずれも現行の通知本文)。現行条文は e-Gov 法令検索の健康増進法(2025年12月12日施行版、2026-09-08 確認)による。通知側の記載が第26条のままである理由は、公表資料からは確認できていない。

承認も許可も受けずに医薬品に該当する物を製造販売するとどうなるのか

第12条第1項の製造販売業の許可と第14条第1項の承認が必要です。第84条は、これらの違反を3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金の対象としています。

厚生労働省は、これらを受けていない物を「無承認無許可医薬品」と呼び、専用のページで情報を公表しています。

医薬品の製造販売には、業の許可と品目ごとの承認の2つが要ります。第12条第1項は、医薬品の種類に応じた製造販売業の許可を受けた者でなければ、業として医薬品の製造販売をしてはならないと定めています。承認の側は第14条第1項です。

監視指導マニュアルは、この2つの制度の趣旨と、承認・許可を得ていない物の扱いを次のように書いています。

医薬品を製造販売しようとする者は、その医薬品について承認を受ける必要があり(その物の有効性及び安全性を確認するために必要である。)、その有効性及び安全性が確認された医薬品を製造しようとする者は、製造所ごとに許可を受ける必要がある(承認された物を承認されたとおりに製造できるような人的物的要件を確認するために必要である。)。また、医薬品を販売しようとする者は、販売業の許可を受ける必要がある。これら必要な承認・許可を取得していない医薬品は、無承認無許可医薬品として取り締まらなければならない。

無承認無許可医薬品監視指導マニュアル Ⅰの1

販売等の側は第55条第2項が受け持ちます。同項は、第14条第1項等の規定に違反して製造販売をされた医薬品について、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならないと定めています。

罰則は第84条です。同条は各号のいずれかに該当する場合について「三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定めています。第12条第1項違反は同条第2号、第14条第1項違反は第3号、第55条第2項違反は第18号に置かれています。

薬機法違反に対して行政と司法がとる手段の全体像は、薬機法に違反するとどうなるか — 行政指導から刑事罰までの6ルートで扱います。

厚生労働省は、承認・許可を受けていないこれらの物について「無承認無許可医薬品情報」というページを設け、報道発表、健康被害情報、医薬品成分が検出された製品の情報を掲載しています。同ページは、無承認無許可医薬品の位置づけを次のように書いています。

無承認無許可医薬品は、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく品質・有効性・安全性の確認がなされていません。検出された医薬品成分の含有量は、必ずしも均一でなく、いちどに摂取すると健康被害を生じるおそれがある量が含まれている場合があります。また、不衛生な場所や方法で製造されたものであるおそれがあり、有害な不純物等が含まれている可能性が否定できません。

厚生労働省「無承認無許可医薬品情報」本文(照会先:医薬局監視指導・麻薬対策課)

理解の確認

第2条第1項第2号・第3号は医薬部外品や再生医療等製品を括弧書きで除いているのに、医療機器がその括弧書きに書かれていないのはなぜか。

医療機器は、括弧書きではなく「機械器具等でないもの」という限定によって外れるからです。第2号は「機械器具等」を機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム及びこれを記録した記録媒体と定義したうえで、医薬品を「機械器具等でないもの」に限っており、第2条第4項が「機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるもの」とする医療機器は、この限定の段階ですでに第2号・第3号の外にあります。括弧書きのほうは、機械器具等でない物のうち、先に第2条の別の項で定義した区分(医薬部外品は第2項、化粧品は第3項、再生医療等製品は第9項)を医薬品の側から差し引くための書き方で、同じ物に複数の区分が重ならないようにしています。除外の経路が2つあるということです。

根拠:薬機法(昭和35年法律第145号)第2条第1項第2号・第3号、同条第2項・第3項・第4項・第9項(法令確認日 2026-09-08、2026年5月21日施行版)

「薬理作用が確かめられていない」「容器に『医薬品ではありません』と書いてある」ことを理由に医薬品に該当しないとする説明は、無承認無許可医薬品監視指導マニュアルのどこと食い違うか。

同マニュアルⅠの2は、口から摂取される物の該当性は第2条第1項第2号又は第3号に掲げる目的を持つ物と通常人が認識するか否かで判断され、「この場合、その薬理作用の有無は問題とはならないと解される」としています。表示の側についてはⅡの1が、「医薬品ではありません。」等医薬品でない旨標ぼうしたとしても、そのことをもって医薬品に該当しないということにはならない、としています。判断されるのは通常人の認識する目的であって、成分に作用があるかどうかや、打消しの一文があるかどうかではないため、どちらもそれ自体では該当性を否定する理由になりません。

根拠:無承認無許可医薬品の監視指導について(昭和62年9月22日 薬監第88号、最終改正 平成27年4月1日 薬食監麻発0401第3号)別添「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」Ⅰの2・Ⅱの1(法令確認日 2026-09-08)

医薬品的な効能効果を標ぼうしていない食品でも医薬品とみなされる場合があるのは、46通知の別紙Ⅱがみなす範囲をどう分けているからか。

別紙Ⅱは、みなす範囲を成分本質(原材料)で決まる(一)と、それ以外の要素で決まる(二)に分けています。(一)は判断基準の1に該当する成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合で、「効能効果、形状及び用法用量の如何にかかわらず」原則として医薬品の範囲とされます。標ぼうの有無が結論を左右するのは(二)のほうで、判断基準の1に該当しない成分本質(原材料)のときに、①医薬品的な効能効果の標ぼう、②アンプル形状など専ら医薬品的形状、③医薬品的な用法用量のいずれかに当たると医薬品とみなすものとされています。

根拠:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号、最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」Ⅱ(法令確認日 2026-09-08)

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  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項・第4項・第17項・第19項、第12条第1項、第14条第1項、第18条の3から第18条の5まで、第55条第2項、第84条(2026年5月21日施行版)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号、最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」および令和2年3月31日 薬生発0331第33号「医薬品の範囲に関する基準の一部改正について」厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の一部改正について(令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号。例示通知は令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 無承認無許可医薬品の監視指導について(昭和62年9月22日 薬監第88号、各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省薬務局監視指導課長通知。最終改正 平成27年4月1日 薬食監麻発0401第3号)別添「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 無承認無許可医薬品情報 厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 食品衛生法(昭和22年法律第233号)第4条第1項(2025年6月1日施行版)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 健康増進法(平成14年法律第103号)第26条・第43条第1項(2025年12月12日施行版)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)