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食薬区分 — 医薬品と判断される4つの要素と、判定を要しない3類型

人が経口的に服用する物が薬機法第2条第1項第2号又は第3号の医薬品に当たるかどうかは、条文の側では決まりません。判断の枠組みを置いているのは昭和46年6月1日 薬発第476号の別紙「医薬品の範囲に関する基準」で、成分本質(原材料)、効能効果、形状、用法用量の4つの要素と、判定を要しない3つの類型を定めています。成分本質のリストは令和2年の改正でこの通知から分離され、別の課長通知に移りました。このページは、その構造と現在のリストの所在を、通知の原文で確認します。

30秒でわかる要点

  • 判断の枠組みは条文ではなく通知にある。昭和46年6月1日 薬発第476号の別紙「医薬品の範囲に関する基準」が、成分本質(原材料)・効能効果・形状・用法用量の4要素に、販売方法と販売の際の演述を加えて総合的に判断すると定めています。
  • 判定を要しないとされているのは3つ。明らかに食品と認識される物、特別用途食品、機能性表示食品です。あとの2つは、健康増進法の許可と食品表示基準に基づく届出という手続を条件にしています。
  • 成分本質のリストは46通知には無い。令和2年3月31日の改正で例示通知(薬生監麻発0331第9号/最終改正 令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号)の別添1・別添2へ移りました。非医リストへの掲載は、食品としての安全性等の評価を示すものではないと通知が注記しています。

経口的に服用する物が医薬品にあたるかは、何を見て判断されるのか

条文ではなく46通知の別紙です。成分本質(原材料)、形状、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法や販売の際の演述を総合して判断します。

判断の枠組みを置いているのは条文ではなく、昭和46年6月1日 薬発第476号の別紙「医薬品の範囲に関する基準」です。

判断の枠組みを置いているのは、条文ではなく通知です。昭和46年6月1日 薬発第476号「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」がそれにあたります。同通知は最終改正が令和2年3月31日 薬生発0331第33号で、現在も指導取締りの基準として使われています。

薬機法は第2条第1項で「医薬品」を3つの号に分けて定義しています。第1号は日本薬局方に収められている物、第2号と第3号は使用の目的によって定義された物です。人が経口的に服用する物がこの第2号又は第3号に当たるかどうかは、条文の文言だけでは決まりません。

46通知の本文は、この基準の位置づけを次のように書いています。

医薬品の該当性については、法第2条における定義に照らし合わせて判断されるべきものであり、本基準は、当該判断に資するよう、過去の判断を例示しているものであることから、医薬品の該当性は、その目的、成分本質(原材料)等を総合的に検討の上、判断すること。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)記の1

別紙の柱書は、何を見て総合的に判断するのかを列挙しています。

人が経口的に服用する物が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項第2号又は第3号に規定する医薬品に該当するか否かは、医薬品としての目的を有しているか、又は通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識するかどうかにより判断することとなる。通常人が同項第2号又は第3号に掲げる目的を有するものであると認識するかどうかは、その物の成分本質(原材料)、形状(剤型、容器、包装、意匠等をいう。)及びその物に表示された使用目的・効能効果・用法用量並びに販売方法、販売の際の演述等を総合的に判断すべきものである。

同 別紙「医薬品の範囲に関する基準」柱書

別紙が置いている4つの要素

別紙は、判断の手順を2段階に分けています。まずⅠの「医薬品の判定における各要素の解釈」に基づいて成分本質(原材料)を分類し、効能効果・形状・用法用量が医薬品的であるかどうかを検討します。そのうえで、Ⅱの「判定方法」により判断します。

柱書の列挙は5項目です。上の4つのほかに、販売方法と販売の際の演述が挙げられています。Ⅰが個別の解釈を置いているのは、このうち次の4つの要素です。

表1:医薬品の判定における各要素の解釈
要素別紙の項通知が置いている取扱い
成分本質(原材料)Ⅰの1別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(別紙が「判断基準」と呼ぶもの)により分類する。分類の結果は、例示通知の別添1・別添2に例示として掲げられる
医薬品的な効能効果Ⅰの2容器、包装、添付文書並びにチラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物あるいは演述による表示説明を見る
医薬品的な形状Ⅰの3「食品」である旨が明示されている場合、原則として形状のみによる判断は行わない
医薬品的な用法用量Ⅰの4服用時期、服用間隔、服用量等の記載がある場合は、原則として医薬品的な用法用量とみなす

出典はいずれも、無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙のⅠです。項の番号は別紙の見出しに付されたものです。

この基準が対象としているのは「人が経口的に服用する物」です。別紙は柱書でも判定方法でも、その範囲を明示しています。

判定を要しないとされているのは、どういう物か

46通知の別紙が挙げているのは3つです。野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに食品と認識される物、特別用途食品、機能性表示食品です。

いずれも「原則として」であり、通知は「判断して差し支えない」という書き方をしています。

別紙の柱書には、ただし書が続いています。判定の手順に入る前に、原則として通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えない物として、3つが挙げられています。

ただし、次の物は、原則として、通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えない。

1 野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに食品と認識される物

2 健康増進法(平成14年法律第103号)第26条の規定に基づき許可を受けた表示内容を表示する特別用途食品

3 食品表示法(平成25年法律第70号)第4条第1項の規定に基づき制定された食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第10号の規定に基づき届け出た表示内容を表示する機能性表示食品

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 柱書のただし書

3つのうち2番目と3番目は、他の法律に基づく許可・届出という手続を条件にしています。特別用途食品は内閣総理大臣の許可を受けて特別用途表示をする食品、機能性表示食品は食品表示基準が定める事項を消費者庁長官に届け出た食品です。1番目だけが、手続ではなく外観・形状による区分になっています。

2番目が引く健康増進法の条番号

2番目について、通知が引く条番号と現行の健康増進法の条番号は一致しません。46通知の別紙は「健康増進法(平成14年法律第103号)第26条の規定に基づき許可を受けた表示内容を表示する特別用途食品」と書いています。

現行の健康増進法で特別用途表示の許可を定めているのは第43条第1項です。本邦において販売に供する食品につき外国において特別用途表示をしようとする者についての承認は、第63条第1項にあります。第26条は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙を防止するための措置の総合的かつ効果的な推進を図るための関係者の連携協力を定めた規定です。

同じ制度を引く現行の府令は、書き方が違います。食品表示基準第2条第1項第10号ハ(1)は、機能性表示食品から除かれる食品の一つとして特別用途食品を挙げています。その条文の文言は「健康増進法(平成14年法律第103号)第43条第1項の規定に基づく許可又は同法第63条第1項の規定に基づく承認を受け、特別の用途に適する旨の表示をする食品(以下「特別用途食品」という。)」です。

46通知の別紙が第26条と書いている点は、厚生労働省が公表する通知本文(000658257.pdf)でも、同省の法令等データベースの本文でも同じです。

3類型の数え方については、古い記述との食い違いがあります。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

判定を要しないのは、明らかに食品と認識される物と、特別用途食品の2つ。

現行

別紙のただし書は3つを挙げており、3番目に、食品表示基準第2条第1項第10号の規定に基づき届け出た表示内容を表示する機能性表示食品が入っている。

根拠:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 柱書のただし書。厚生労働省が公表する通知本文(2026-09-08 確認)

古い記述と現行の対応は古い理解の一覧 — 現行の条文と食い違う記述を更新するで扱います。

「医薬品的な効能効果」として、通知は何を挙げているのか

3つです。疾病の治療又は予防を目的とする効能効果、身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果、そしてこれらの暗示です。

見る対象は、容器・包装・添付文書のほか、チラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物と演述です。

別紙のⅠの2は、医薬品的な効能効果を3つに分けています。(一)疾病の治療又は予防を目的とする効能効果、(二)身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果、(三)医薬品的な効能効果の暗示です。

どこでの表示説明を見るかも、先に決めています。容器、包装、添付文書のほか、チラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物、そして演述が挙げられています。名称、含有成分、製法、起源等の記載説明で同様の効能効果を標ぼうし又は暗示するものも、同じ扱いになります。

その物の容器、包装、添付文書並びにチラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物あるいは演述によって、次のような効能効果が表示説明されている場合は、医薬品的な効能効果を標ぼうしているものとみなす。また、名称、含有成分、製法、起源等の記載説明においてこれと同様な効能効果を標ぼうし又は暗示するものも同様とする。

なお、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第11号の規定に基づき、内閣総理大臣が定める基準に従い、栄養成分の機能の表示をする栄養機能食品(以下「栄養機能食品」という。)にあっては、その表示等を医薬品的な効能効果と判断しないこととして差し支えない。

(一) 疾病の治療又は予防を目的とする効能効果

(例) 糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に、胃・十二指腸潰瘍の予防、肝障害・腎障害をなおす、ガンがよくなる、眼病の人のために、便秘がなおる等

(二) 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果 ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りでない。

(例) 疲労回復、強精(強性)強壮、体力増強、食欲増進、老化防止、勉学能力を高める(中略)健胃整腸、病中・病後に、成長促進等

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの2

引用の中の「なお」書きが、この規定に対する例外です。食品表示基準第2条第1項第11号の栄養機能食品については、その表示等を医薬品的な効能効果と判断しないこととして差し支えないとされています。

(二)には、ただし書が付いています。栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りでない、とされています。

3つ目の「暗示」の内訳

Ⅰの2の(三)は「医薬品的な効能効果の暗示」で、暗示の経路を5つに分けています。それぞれに通知の例が付いています。

  • (a) 名称又はキャッチフレーズよりみて暗示するもの
  • (b) 含有成分の表示及び説明よりみて暗示するもの
  • (c) 製法の説明よりみて暗示するもの
  • (d) 起源、由来等の説明よりみて暗示するもの
  • (e) 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより暗示するもの

通知は(e)の例として、医学博士の談話を引用する形の記載を挙げています。

ここで見ているのは、薬機法上の医薬品に該当するかどうかの判断です。表示や広告が広告規制の対象になるかどうかは別の枠組みで判断されており、その3要件はそもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件で扱います。景品表示法・健康増進法・食品表示法の側の規律は、別ページで扱います。

成分本質(原材料)のリストは、どこに載っているのか

46通知ではなく例示通知です。令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号(最終改正 令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号)の別添1と別添2にあります。

令和2年3月31日の改正で、46通知の別添2・別添3が削られ、内容が例示通知に移りました。

2つのリストは、46通知ではなく例示通知に載っています。「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」(令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号)の別添1と別添2がそれです。最終改正は令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号です。

46通知の別紙のⅠの1は、分類の考え方と、分類の結果を別々の文書に置いています。考え方は同通知の別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(別紙が「判断基準」と呼ぶもの)に、分類の結果である個別の成分本質の例示は、さらに別の通知に置かれています。判断の物差しを載せた文書と、名前を並べた名簿とが、別の通知に分かれている形です。

この分かれ方の経緯は、令和2年3月31日の改正の趣旨に書かれています。

通知の別紙「医薬品の範囲に関する基準」の別添2「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」及び別添3「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」の内容を、「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」(令和2年3月31日付け薬生監麻発0331第9号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)に規定することに伴い、別添2及び別添3を削る等、所要の改正を行うこととした。

医薬品の範囲に関する基準の一部改正について(令和2年3月31日 薬生発0331第33号、厚生労働省医薬・生活衛生局長)記の1

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

成分本質のリストは、46通知の別添2・別添3に載っている。

現行

46通知の別添2・別添3は令和2年3月31日の改正で削られ、内容は例示通知(令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号)の別添1・別添2に移った。最終改正は令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号。

根拠:医薬品の範囲に関する基準の一部改正について(令和2年3月31日 薬生発0331第33号)記の1/「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の一部改正について(令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課長)

例示通知の別添1が「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」、別添2が「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」です。令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号は、前者を「専ら医リスト」、後者を「非医リスト」と呼んでいます。

どちらのリストも「1.植物由来物等」「2.動物由来物等」「3.その他(化学物質等)」の3区分からなります。表には更新日(2026.8.5更新)が入っています。

表の欄は区分によって異なります。植物由来物等の表は名称・学名・他名等・部位等・備考の欄を持ちます。動物由来物等とその他(化学物質等)の表には学名の欄が無く、名称・他名等・部位等・備考です。

専ら医リストの「2.動物由来物等」の注1は、「「名称」及び「他名等」の欄については、生薬名、一般名及び基原動物名、該当する部位等を記載している。」としています。備考欄の記号については、専ら医リストでは「非医」が非医リストへの掲載を示し、非医リストでは「医」が専ら医リストへの掲載を示すと、各区分の末尾に注記されています。

リストは改正される

例示通知は改正を重ねています。直近の令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号は、改正の概要として次のようなものを挙げています。区分の呼び方は、通知本文とリストの表の見出しで表記が異なる箇所があります。

  • 専ら医リストの「1.植物由来物等」の表について、学名欄を追加するとともに、名称欄等について、必要な記載整備を行う
  • 専ら医リストの「2.動物由来等」の表(表の見出しは「2.動物由来物等」)について、センソの他名等に「アジアヒキガエル」を追加し、部位等を「毒腺分泌物」から「耳腺分泌物」に改正する
  • 非医リストの「1.植物由来等」の表(表の見出しは「1.植物由来物等」)について、クラミドモナス・ラインハルチーの学名の欄に記載されている「Chlamydomonas reinhardtii」では学名の特定が困難であることから、学名の欄を「※1」とし、「Chlamydomonas reinhardtii」を他名等とする

名称・部位・学名の記載は、このように改正の対象になります。個別の成分本質については、リストの版と更新日を確認したうえで原典に当たることになります。

どういう成分本質が専ら医リストに載るのか

収載の考え方は、46通知の別添(別紙が「判断基準」と呼ぶもの)の1.に置かれています。

表2:「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」の考え方
区分通知の記載
(1) 専ら医薬品としての使用実態のある物解熱鎮痛消炎剤、ホルモン、抗生物質、消化酵素等、専ら医薬品として使用される物
(2)① 毒性毒性の強いアルカロイド、毒性タンパク等、その他毒劇薬指定成分に相当する成分を含む物(食品衛生法で規制される食品等に起因して中毒を起こす植物性自然毒、動物性自然毒等を除く)
(2)② 麻薬・向精神薬等麻薬、向精神薬及び覚せい剤様作用がある物(当該成分及びその構造類似物並びにこれらの原料植物)
(2)③ 処方せん医薬品相当処方せん医薬品に相当する成分を含む物であって、保健衛生上の観点から医薬品として規制する必要性がある物
(2)の除外(2)は(1)以外の動植物由来物(抽出物を含む。)、化学的合成品等が対象で、一般に食品として飲食に供されている物を除く。注1により、ビタミン、ミネラル類及びアミノ酸も除く(ビタミン誘導体は、食品衛生法の規定に基づき使用される食品添加物である物を除き、例示通知の別添1に収載される物とみなす)

出典はいずれも、無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)の別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(別紙が「判断基準」と呼ぶもの)の1.です。(2)①がいう毒劇薬指定基準と、注1にいうアミノ酸の名称は、この別添に付された別紙に列挙されています。

非医リストに載っていることは、食品に使ってよいという意味なのか

そうは書かれていません。46通知は、リストは該当性を判断する際の参考であり、食品としての安全性等の評価がなされたもののリストではないとしています。

令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号は、別添1を「専ら医リスト」、別添2を「非医リスト」と呼んでいます。

非医リストに載っていることは、食品として使ってよいという意味ではありません。46通知は、例示通知の別添2のリストを掲げる根拠を述べたうえで、そのリストが何ではないかを続けて書いています。

また、判断基準の1.に該当しないと判断された成分本質(原材料)については、関係者の利便を考え、参考として例示通知の別添2「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に例示として掲げることとする。

なお、当該リストは医薬品の該当性を判断する際に参考とするために作成するものであり、食品としての安全性等の評価がなされたもののリストではないことに留意されたい。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの1

リストの表題自体も、条件付きの書き方になっています。例示通知の別添2の表題は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」です。

46通知の別紙のⅡの(二)は、判断基準の1.に該当しない成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合について定めを置いています。次の①から③のいずれかに該当するものは、原則として医薬品とみなすものとするとされています。

  • ① 医薬品的な効能効果を標ぼうするもの
  • ② アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの
  • ③ 用法用量が医薬品的であるもの

どちらのリストにも注記がある

表3:リストへの掲載と扱いの関係についての通知の注記
注記の内容出典
例示通知の別添2に収載されている原材料であっても、水、エタノール以外の溶媒による抽出を行った場合には、当該抽出成分について再度検討を行い、例示通知の別添1に収載すべきかどうか評価する46通知 別添(判断基準)1.注3
例示通知の別添1に収載されていても、薬理作用の期待できない程度の量で着色、着香等の目的のために使用されていると認められ、含有する旨を標ぼうしない場合等、医薬品と認識されるおそれがないことが明らかな場合には、医薬品とみなさない46通知 別添(判断基準)1.注2
例示通知に掲げられた成分本質(原材料)であっても、医薬部外品として承認を受けた場合には、当該成分本質(原材料)が医薬部外品の成分として使用される場合がある46通知 別紙 Ⅰの1
例示通知の別添1及び別添2は、今後、新たな安全性に関する知見等により、必要に応じて変更することがある46通知 別添(判断基準)3.

「46通知」は、無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)を指します。「別添(判断基準)」は、その別紙が「以下「判断基準」という。」として引く別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」です。3行目の原文は「なお、例示通知掲げられた成分本質(原材料)であっても」で、別添の番号は書かれていません(助詞が欠けたままの表記で、厚生労働省が公表する通知本文と同省の法令等データベースの双方で同じです)。

要点

2つのリストは、成分本質(原材料)という1つの要素についての例示です。46通知の記の1が書いているとおり、基準そのものが過去の判断の例示であり、該当性は目的・成分本質等を総合的に検討したうえで判断されるとされています。

形状や用法用量の記載は、それだけで医薬品と判断される理由になるのか

形状は、「食品」である旨が明示されていれば原則として形状のみで判断されません。用法用量は、服用時期や服用量等の記載があれば原則として医薬品的とみなされます。

形状の側にも用法用量の側にも、通知はただし書を置いています。

形状

Ⅰの3は、まず経緯を書いています。錠剤、丸剤、カプセル剤及びアンプル剤のような剤型は、一般に医薬品に用いられる剤型として認識されてきました。そのため、原則として医薬品的形状であれば医薬品に該当するとの判断が行われてきた、というのがその経緯です。

そのうえで、現在の取扱いが続きます。

しかし、現在、成分によって、品質管理等の必要性が認められる場合には、医薬品的形状の錠剤、丸剤又はカプセル剤であっても、直ちに、医薬品に該当するとの判断が行われておらず、実態として、従来、医薬品的形状とされてきた形状の食品が消費されるようになってきていることから、「食品」である旨が明示されている場合、原則として、形状のみによって医薬品に該当するか否かの判断は行わないこととする。ただし、アンプル形状など通常の食品としては流通しない形状を用いることなどにより、消費者に医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合は、医薬品と判断する必要がある。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの3

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

錠剤・丸剤・カプセル剤は医薬品的形状なので、その形にした時点で医薬品と判断される。

現行

「食品」である旨が明示されている場合、原則として形状のみによる判断は行わない。ただし書は、アンプル形状など通常の食品としては流通しない形状を用いることなどにより誤認させることを目的としていると考えられる場合を、なお医薬品と判断する必要がある場合としている。

根拠:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの3。なお、Ⅱの判定方法の(二)②は「アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの」を挙げている

容器又は被包の意匠及び形態が市販されている医薬品と同じ印象を与える場合についても、Ⅰの3が言及しています。

用法用量

Ⅰの4は、医薬品が用法用量を定めることの必要性から書き起こしています。そのうえで、記載があった場合の原則を置いています。

したがって、ある物の使用方法として服用時期、服用間隔、服用量等の記載がある場合には、原則として医薬品的な用法用量とみなすものとし、次のような事例は、これに該当するものとする。ただし、調理の目的のために、使用方法、使用量等を定めているものについてはこの限りでない。

(中略)

(例)1日2〜3回、1回2〜3粒(中略)お休み前に1〜2粒

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの4

(中略)で省いたのは、次の定めです。同じⅠの4は、食品であっても過剰摂取や連用による健康被害が起きる危険性その他合理的な理由があるものについては、むしろ積極的に摂取の時期、間隔、量等の目安を表示すべき場合があるとしています。これらの実態等を考慮して、栄養機能食品については、時期、間隔、量等摂取の方法を記載することが医薬品的用法用量に該当しないこととして差し支えないとされています。

この例外にも、ただし書が付いています。栄養機能食品の場合でも、「食前」「食後」「食間」など通常の食品の摂取時期等とは考えられない表現を用いるなど、医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合は、引き続き医薬品的用法用量の表示とみなすとされています。

2種以上の成分が入っている場合や、どちらのリストにも無い成分は、どう扱われるのか

別紙のⅡは、いずれかの成分が医薬品と判定されれば製品全体を医薬品とみなすとしています。どちらのリストにも無い成分本質には、判断を求める手続が置かれています。

手続の窓口は都道府県薬務担当課(室)で、そこを通じて監視指導・麻薬対策課へ資料を提出します。

別紙のⅡが判定方法です。要素ごとの検討を経たあとで、どの範囲を医薬品とみなすかを定めています。

人が経口的に服用する物について、Ⅰの「医薬品の判定における各要素の解釈」に基づいて、その成分本質(原材料)を分類し、その効能効果、形状及び用法用量について医薬品的であるかどうかを検討のうえ、以下に示す医薬品とみなす範囲に該当するものは、原則として医薬品とみなすものとする。なお、2種以上の成分が配合されている物については、各成分のうちいずれかが医薬品と判定される場合は、当該製品は医薬品とみなすものとする。

(中略)

医薬品とみなす範囲は次のとおりとする。

(一)効能効果、形状及び用法用量の如何にかかわらず、判断基準の1.に該当する成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合は、原則として医薬品の範囲とする。

(二)判断基準の1.に該当しない成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合であって、以下の①から③に示すいずれかに該当するものにあっては、原則として医薬品とみなすものとする。① 医薬品的な効能効果を標ぼうするもの ② アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの ③ 用法用量が医薬品的であるもの

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅱ

(中略)で省いたのは、2種以上の成分についての定めに続くただし書です。当該成分が薬理作用の期待できない程度の量で着色、着香等の目的のために使用されているものと認められ、かつ、当該成分を含有する旨標ぼうしない場合は、この限りでないとされています。当該成分を含有する旨標ぼうする場合でも、その使用目的を併記する場合等、総合的に判断して医薬品と認識されるおそれのないことが明らかな場合は、同じくこの限りでないとされています。

どちらのリストにも無い成分本質についての手続

46通知の別添(判断基準)の2.は、新規の成分本質についての手続を定めています。

  1. 事業者が資料をそろえる

    当該成分本質(原材料)の学名、使用部位、薬理作用又は生理作用、毒性、麻薬・覚せい剤様作用、国内外での医薬品としての承認前例の有無、食習慣等の資料。

  2. 都道府県薬務担当課(室)を通じて提出する

    例示通知の別添1にも別添2にも収載されていない成分本質を含む製品を輸入販売又は製造する事業者は、あらかじめ、監視指導・麻薬対策課あてに提出し、その判断を求めることができるとされている。

  3. 学識経験者との協議を経て判断される

    監視指導・麻薬対策課が、提出された資料により別添(判断基準)の1.の考え方に基づいて学識経験者と協議を行い、専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)への該当性を判断する。事業者に対し追加資料の要求をする場合がある。

  4. リストが公表される

    例示通知の別添1に該当せず、効能効果の標ぼう等からみて食品としての製造(輸入)、販売等が行われる場合には、食品安全部関係各課(室)(通知の表記)に情報提供が行われる。また、リストは定期的に公表するものとされている。

この手続を書いている46通知の別添(判断基準)は、提出先を「厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課」と表記しています。組織の名称は改編されており、直近の例示通知(令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号)は厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課長の名で発出されています。

ハーブについては、46通知の別添(判断基準)の末尾に、参考として文献が列挙されています。Dictionary of Plant Toxins、The Complete German Commission E Monographs、Botanical Safety Handbook、WHO monographs on selected medicinal plants、中薬大辞典、和漢薬などです。判断の材料として通知が名指ししている文献は、これらです。

理解の確認

人が経口的に服用する物が医薬品にあたるかどうかを、薬機法第2条第1項の文言だけでは決められないのはなぜか。

第2条第1項第2号・第3号は、物の名前ではなく「使用されることが目的とされている物」「影響を及ぼすことが目的とされている物」という使用目的による定義になっており、その目的があるかどうかを何から読み取るかまでは条文に書かれていないためです。46通知の別紙の柱書は、通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識するかどうかを、成分本質(原材料)、形状、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、販売の際の演述等から総合的に判断すべきものとしています。同通知の記の1は、この基準自体が過去の判断を例示したものであり、該当性は法第2条の定義に照らして判断されるべきものだと位置づけています。

根拠:薬機法第2条第1項第2号・第3号/無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)記の1・別紙 柱書(法令確認日 2026-09-08)

判定を要しないとされる3つの物のうち、明らかに食品と認識される物と、残りの2つとでは、当てはまるかどうかの決まり方がどう違うか。

1つ目は「野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに食品と認識される物」で、物そのものの外観・形状で決まります。残りの2つは、特別用途食品なら健康増進法に基づく特別用途表示の許可、機能性表示食品なら食品表示基準第2条第1項第10号に基づく届出という手続を経たうえで、その許可・届出をした表示内容を表示していることが条件になっています。つまり後の2つは、手続と表示が伴わなければこのただし書には乗らず、柱書の総合的な判断に戻ります。

根拠:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 柱書のただし書(法令確認日 2026-09-08)

非医リストに載っている成分本質だから食品としての安全性の評価も済んでいる、という説明は、46通知のどの記述と食い違うか。

別紙Ⅰの1の「なお」書きが、当該リストは医薬品の該当性を判断する際に参考とするために作成するものであり、食品としての安全性等の評価がなされたもののリストではないことに留意されたい、と明記しています。このリストが答えているのは、成分本質(原材料)という1つの要素についての医薬品該当性だけです。表題も「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」という条件付きの書き方で、標ぼう次第で結論が変わることを示しています。

根拠:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの1(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」/医薬品の範囲に関する基準の一部改正について(令和2年3月31日 薬生発0331第33号、厚生労働省医薬・生活衛生局長)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 無承認無許可医薬品の指導取締りについて(改正を織り込んだ本文。厚生労働省 法令等データベース)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の一部改正について(令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号/最終改正 令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課長)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト(例示通知 別添1。令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号 別紙1)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト(例示通知 別添2。令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号 別紙2)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 健康増進法(平成14年法律第103号)第43条第1項・第63条第1項・第26条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第10号・第11号 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 食品表示法(平成25年法律第70号)第4条第1項 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)