30秒でわかる要点
- 該当性の基準は、一つの文書にまとまっていない。物の区分と広告とで、要件を置いている文書が別々です。物の側は薬機法第2条の定義と昭和46年6月1日 薬発第476号などの通知、広告の側は平成10年9月29日 医薬監第148号と医療広告等ガイドラインです。
- プログラムの医療機器該当性は、表示・説明資料・広告等に基づいて、使用目的とリスクの程度で判断される。プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日制定、令和5年3月31日一部改正)の3の記載です。同じ機能でも、使用目的が異なれば判断は異なる可能性があるとされています。
- 医療広告の要件には「一般人が認知できる状態であること」が入っていない。薬機法の側(医薬監第148号 記)は誘引の意図・商品名の明示・一般人の認知可能性の3つ。医療広告等ガイドライン第2の1−1は、誘引性・特定性に加えて「医業等に関する内容であること」を置いています。
「該当性」を判断する枠組みは、いくつ置かれているのか
一つではありません。物がどの区分に当たるかと、表示が広告に当たるかとで、基準を置いている文書が別々です。
表1に、それぞれの問いと、基準を置いている文書の該当箇所を並べています。
薬機法と医療法の「該当性」は、一つの文書が通しで決めているわけではありません。物がどの区分に当たるかを扱う文書と、表示が広告に当たるかを扱う文書は別で、それぞれ基準の置き場所が違います。1枚の地図があるのではなく、区画ごとに別々の図面が置かれている状態です。まず、どの問いをどの文書が受け持っているのかを並べます。
| 問い | 枠組みを置いている文書と該当箇所 | 扱っているページ |
|---|---|---|
| 経口的に服用する物が医薬品に当たるか | 無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」柱書・Ⅰ・Ⅱ | 食薬区分 — 医薬品と判断される4つの要素と、判定を要しない3類型 |
| 物が医薬品・医薬部外品・化粧品のどれに当たるか | 薬機法第2条第1項から第3項まで(定義) | 「医薬品」の定義3類型/医薬部外品と化粧品 |
| 機械器具等が医療機器に当たるか | 薬機法第2条第4項(使用目的の要件と、政令で定めるものであること) | 「医療機器」の定義とクラス分類/医療機器か雑貨か |
| プログラムが医療機器に当たるか | プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日制定、令和5年3月31日一部改正)3 | 医療機器か雑貨か — 該当性の判断はどこを見るか |
| 表示が薬機法上の広告に当たるか | 平成10年9月29日 医薬監第148号 記 | そもそも「広告」とは — 広告該当性の3要件 |
| 情報物が医療法上の医療広告に当たるか | 医療法第6条の5第1項(括弧書きが「広告」の語の意味を置く)/医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正)第2の1−1(要件の並び) | 医療広告規制はなぜ限定列挙なのか |
表の各行に挙げた文書は、その問いについて定義または基準を置いている一次資料です。当サイトが独自に組み立てた区分は置いていません。3列目は、この解説ハブで公開しているページです。
薬機法の側は、第2条が医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の定義を置いています。通知やガイドラインは、その定義に当てはめるときに用いる要素を示す役割です。広告について要件を挙げているのは、平成10年9月29日 医薬監第148号です。薬機法の条文と同通知の関係はそもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件で扱います。
医療法は造りが違います。「広告」の語の意味が条文の側に置かれていて、第6条の5第1項が「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以下この節において単に「広告」という。)」と書いています。そのうえで、該当性の要件の並びを医療広告等ガイドライン第2の1−1が挙げています。条文の括弧書きと指針の要件は、本ページの後の節で並べます。
同じ物、同じ表示について、複数の問いが同時に立つこともあります。医療広告等ガイドライン第1の3は、医療広告等の規制について「法に基づく規定の他に、景表法、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法」という。)等があり」と書き、他法令に抵触する内容について広告しないことは当然であるとしています。法律どうしの重なりの整理はどの法律で見るか — 薬機法・景品表示法・健康増進法・医療法の重なりで扱います。
経口的に服用する物が医薬品に当たるかは、どの文書が枠組みを置いているのか
昭和46年6月1日 薬発第476号の別紙「医薬品の範囲に関する基準」です。成分本質・形状・表示・用法用量等から総合的に判断すると書かれています。
最終改正は令和2年3月31日 薬生発0331第33号です。
枠組みを置いているのは、昭和46年6月1日 薬発第476号の別紙「医薬品の範囲に関する基準」です。判断に用いる要素として挙がっているのは、成分本質(原材料)、形状、その物に表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、販売の際の演述で、これらを総合的に判断すべきものとされています。
この通知は令和2年3月31日 薬生発0331第33号まで改正が重ねられており、最後の改正で別添2・別添3の成分本質(原材料)リストが例示通知へ移されています。基準の柱書は、判断の対象と、判断に用いる要素を次のように書いています。
人が経口的に服用する物が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項第2号又は第3号に規定する医薬品に該当するか否かは、医薬品としての目的を有しているか、又は通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識するかどうかにより判断することとなる。通常人が同項第2号又は第3号に掲げる目的を有するものであると認識するかどうかは、その物の成分本質(原材料)、形状(剤型、容器、包装、意匠等をいう。)及びその物に表示された使用目的・効能効果・用法用量並びに販売方法、販売の際の演述等を総合的に判断すべきものである。
無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」柱書通知は判断の物差しを示しているだけで、当てはめる先は条文の定義です。基準が指しているのは、薬機法第2条第1項第2号と第3号です。
通知の本体(記の1)も、そのことを明記しています。
医薬品の該当性については、法第2条における定義に照らし合わせて判断されるべきものであり、本基準は、当該判断に資するよう、過去の判断を例示しているものであることから、医薬品の該当性は、その目的、成分本質(原材料)等を総合的に検討の上、判断すること。
同通知 記の1(各都道府県知事あて)基準が置いている節の並び
- 柱書 — 判断の対象と要素、および、原則として通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えないとされる3類型(ただし書)
- Ⅰ 医薬品の判定における各要素の解釈 — 1 物の成分本質(原材料)からみた分類/2 医薬品的な効能効果の解釈/3 医薬品的な形状の解釈/4 医薬品的な用法用量の解釈
- Ⅱ 判定方法 — Ⅰの各要素を検討したうえで、医薬品とみなす範囲を(一)(二)に分けて示す
ただし書の3類型の中身、各要素の解釈、成分本質(原材料)のリストの所在、複数の成分が配合されている場合の扱いは食薬区分 — 医薬品と判断される4つの要素と、判定を要しない3類型で扱います。同ページは、ただし書の2番目が引く健康増進法の条番号が現行の条番号と一致しない点も扱っています。
プログラムが医療機器に当たるかは、何を見て判断すると書かれているか
製造販売業者等による表示、説明資料、広告等に基づき、使用目的及びリスクの程度が医療機器の定義に該当するかにより判断される、と書かれています。
プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日制定、令和5年3月31日一部改正)3の記載です。
プログラムの医療機器該当性は、中身の作りだけでは決まりません。プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日制定、令和5年3月31日一部改正)の3が、製造販売業者等による表示、説明資料、広告等に基づいて、使用目的とリスクの程度を見ると書いているためです。同じ機能を持つプログラムでも、使用目的が異なれば判断は異なる可能性があるとされています。
このガイドラインは、条文と政令のほかに置かれた判断の考え方です。改正は令和5年3月31日 薬生機審発0331第1号・薬生監麻発0331第4号で行われ、制定時の通知は令和3年3月31日 薬生機審発0331第1号・薬生監麻発0331第15号です。同ガイドラインの3は、何に基づいて何を見るかを次のように書いています。
特定のプログラムが、医薬品医療機器等法の医療機器に該当するか否かは、製造販売業者等による当該製品の表示、説明資料、広告等に基づき、当該プログラムの使用目的及びリスクの程度が医療機器の定義に該当するかにより判断される。同じ機能を有するプログラムであっても、使用目的が異なれば、医療機器該当性の判断は異なる可能性がある。
プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日制定、令和5年3月31日一部改正)3 該当性の基本的考え方同じ3は、複数の機能を持つ場合について「少なくとも1つの機能が医療機器プログラムの定義を満たす場合、全体として医療機器としての流通規制を受けることになる」と書いています。ここでいう「全体」には脚注が付き、「同時に流通する不可分なプログラムをいい、別々に流通可能なものは全体に含まれない」とされています。条文の側の定義と政令への委任の構造は「医療機器」の定義とクラス分類 — 雑貨との境界で扱います。
ガイドラインが挙げている、定義を満たさないとされる使用目的
同ガイドラインの4は、次の4つを使用目的とする単一のプログラムについて、医療機器の定義を満たさないため医薬品医療機器等法の規制対象とはならないと書いています。
- (1)患者説明を目的とするプログラム
- (2)院内業務支援、メンテナンスを目的とするプログラム
- (3)使用者(患者や健康な人)が自らの医療・健康情報を閲覧等することを目的とするプログラム
- (4)生命及び健康に影響を与えるリスクが低いと考えられるプログラム
同じ4には、留意点として「複数の機能を有するプログラムの場合は、機能ごとに分類して確認を行い、いずれの機能も医療機器プログラムの定義を満たさない場合は医薬品医療機器等法の規制対象外となる」と書かれています。続けて、例示は全てのプログラムを網羅しているわけではなく、今後事例が追加される場合があるとされています。
リスクの程度をどう見るか
リスクの程度は、原則としてGHTFクラス分類ルールにより判定するとされています。それによって判断し難い場合に考慮する点として、次の2点が挙げられています。
①医療機器プログラムにより得られた結果の重要性に鑑みて疾病の治療、診断等にどの程度寄与するのか。
②医療機器プログラムの機能の障害等が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれ(不具合があった場合のリスク)を含めた総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか。
同ガイドライン 6 人の生命及び健康に影響を与えるリスクの程度の考え方同ガイドラインの5は、該当性を確かめる順序も置いています。使用者・使用目的・処理方法などの整理、一般的名称の検索、それでも相当するものが無い場合の別紙1のフローチャート、という並びです。一般的名称やクラス分類の調べ方と、プログラムの該当性の相談先は医療機器か雑貨か — 該当性の判断はどこを見るかで扱います。
表示が薬機法上の広告に当たるかは、どの文書が要件を置いているのか
平成10年9月29日 医薬監第148号です。3つの要件のいずれも満たす場合に広告に該当するものと判断している、と書かれています。
この通知は、都道府県衛生主管部(局)長あてに発出されたものです。
物の区分とは別に、表示が「広告」に当たるかという問いがあります。薬機法の側で要件を挙げているのは、平成10年9月29日 医薬監第148号です。この通知は都道府県衛生主管部(局)長あてに発出され、本文でインターネットの普及と個人輸入の状況に触れたうえで、要件を記に列挙しています。
薬事法における医薬品等の広告の該当性については、かねてより、下記のいずれの要件も満たす場合、これを広告に該当するものと判断しているので、ご了知の上、今後とも薬事法に基づく広告の監視指導について、よろしくご配慮を煩わせたい。
記
顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
一般人が認知できる状態であること
薬事法における医薬品等の広告の該当性について(平成10年9月29日 医薬監第148号、都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省医薬安全局監視指導課長通知)本文および記。法律名は発出当時の表記書きぶりが、物の側の枠組みと違います。46通知の記の1は、基準について「過去の判断を例示しているもの」と書いていました。医薬監第148号は「かねてより、下記のいずれの要件も満たす場合、これを広告に該当するものと判断している」と書き、既に行われている判断の内容を都道府県に示す形をとっています。
この3つの要件の呼称、要件のうち欠けるものがある場合の扱い、インターネット上の表示への当てはめ、現在もこの通知が引かれているかどうかはそもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件で扱います。
表現ごとの根拠の対照は表現と根拠の対照表、媒体ごとの形態の扱いはWebは全部広告か、事業者間の情報提供の射程は事業者間の情報提供はどこまで広告かで扱います。
医療法の医療広告の該当性は、薬機法の広告該当性とどこが違うのか
要件の並びが違います。医療広告の側は誘引性・特定性に加え、医業等に関する内容であることを置き、一般人が認知できる状態であることは挙げていません。
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正)第2の1−1の記載です。
医療法にも広告の規律があり、「広告」に関する記述は条文と指針の両方に置かれています。条文の側は第6条の5第1項で、括弧書きが「広告」の語の意味を与えています。
該当性の要件の並びを挙げているのは、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正)の第2の1−1です。指針の表紙には「(医療広告等ガイドライン)」が併記されており、第1の1(2)に「医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号)による見直しについて」が置かれています。
次の①~③までのいずれの要件も満たす場合に、法第6条の5第1項に規定する「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所」に関する「広告」(「医療広告」)に該当するものと判断されたい。
① 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
② 医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院、診療所若しくはオンライン診療受診施設の名称が特定可能であること(特定性)
③ 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する内容であること
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正)第2の1−1薬機法の側の3要件と並べると、次のようになります。医薬監第148号の記には番号が振られていないため、記の側は順序で指します。
- 記の1つ目と、指針の①。医薬監第148号は「顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること」、指針は「患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)」
- 記の2つ目と、指針の②。医薬監第148号は「特定医薬品等の商品名が明らかにされていること」、指針は「医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院、診療所若しくはオンライン診療受診施設の名称が特定可能であること(特定性)」
- 記の3つ目と、指針の③。医薬監第148号は「一般人が認知できる状態であること」、指針は「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する内容であること」
指針が挙げている3つの中に、一般人が認知できる状態であることは入っていません。指針は①に「誘引性」、②に「特定性」の呼称を括弧書きで付けており、③には呼称を付けていません。
①でいう「誘引性」について、指針は、広告に該当するか否かを判断する情報物の客体の利益を期待して誘引しているか否かにより判断することとしています。そのうえで、新聞記事は特定の病院等を推薦している内容であったとしても①でいう「誘引性」の要件を満たさないものとして取り扱うこと、と書いています。②でいう「特定性」については「複数の提供者又は医療機関等を対象としている場合も該当する」ものであるとしています。
同じ指針の中には、要件の組がもう1つ置かれています。第2の1−2が、オンライン診療受診施設に関する広告について別の①~③を置いているためです。中身は次の3つです。
- 誘引性の対象がオンライン診療受診施設でのオンライン診療の受診等であること
- 特定性の対象がオンライン診療受診施設の名称であること
- 内容が医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関するものではなくオンライン診療受診施設に関するものであること
広告可能な事項が限定列挙になっている理由と条文の並びは医療広告規制はなぜ限定列挙なのか — 医療法第6条の5から第6条の8まで、限定解除の要件は限定解除の4要件と、未承認医薬品等を用いる場合の追加記載で扱います。
ある記載があること、無いことを、それぞれの文書はどこでどう扱っているか
文書ごとに別々の箇所に書かれています。46通知は要素の総合的な検討、プログラムのガイドラインは脚注12、医療広告等ガイドラインは第2の2と第2の3です。
3つの記述は、対象も発出元も違う文書に、それぞれ別の文脈で置かれています。
46通知、プログラムのガイドライン、医療広告等ガイドラインは、対象も発出元も違います。ある記載があること、または無いことを、それぞれの文書がどこでどう書いているかを、原文で並べます。
46通知 — 4つの要素を総合的に検討する(別紙 柱書)
46通知の別紙は、柱書に続けて次のように書いています。
したがって、医薬品に該当するか否かは、個々の製品について、上記の要素を総合的に検討のうえ判定すべきものであり、その判定の方法は、Ⅰの「医薬品の判定における各要素の解釈」に基づいて、その物の成分本質(原材料)を分類し、効能効果、形状及び用法用量が医薬品的であるかどうかを検討のうえ、Ⅱの「判定方法」により行うものとする。
無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 柱書ここで検討の対象として挙げられているのは、成分本質(原材料)、効能効果、形状、用法用量の4つです。判定の順序は、Ⅰの「医薬品の判定における各要素の解釈」に基づいて検討したうえで、Ⅱの「判定方法」により行うものとされています。
プログラムのガイドライン — 「医療機器ではない」旨の記載の扱い(8(1)の脚注12)
プログラムのガイドラインは、医療機器ではないプログラムについて「当該プログラムは医療機器ではない」旨の記載、表示を行うことが望ましいと8(1)に書いています。そのうえで、その記載の扱いを脚注12に置いています。
「当該プログラムは、疾病の診断、治療又は予防に使用されることを目的としていない」又は「当該プログラムは医療機器ではない」旨の記載、表示があることをもって、当該プログラムが医療機器ではないことの根拠とはならない。そのような記載があっても、疾病の疑いを判断できるなどと医療機器との認識を与える広告・標ぼうをする製品は医療機器に該当する。
プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン 8(1)の脚注12医療広告等ガイドライン — 外形上の回避と、暗示的・間接的な表現(第2の2・第2の3)
医療広告等ガイドラインは、外形を整えることで要件を回避しようとする場合を、第2の2に置いています。冒頭は「広告規制の対象となることを避ける意図をもって外形的に上記1及び2の誘引性及び特定性に該当することを回避するための表現を行う者があることが予想される」と書き出しています。
そのうえで、「これは広告ではありません。」との記述があるが病院名等が記載されている場合などを挙げて、実質的に誘引性と特定性の要件をいずれも満たす場合には広告に該当するものとして取り扱うことが適当であるとしています。続く第2の3は、暗示的又は間接的な表現の取扱いとして次のように書いています。
医療広告等は、直接的に表現しているものだけではなく、当該情報物を全体でみた場合に、暗示的や間接的に医療広告等であると一般人が認識し得るものも含まれる。
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正)第2の3要点
この3つの記述の置き場所は、46通知の別紙柱書、プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン8(1)の脚注12、医療広告等ガイドライン第2の2および第2の3です。
表示の文言そのものが何を意味するかは、別ページで扱っています。研究用である旨の表示については「研究用」表示は何を意味するか — 表示の有無だけでは決まらない、体験談や口コミが誰の表示になるかについては体験談・口コミは誰の表示かで扱います。
判断がつかないとき、それぞれの文書は誰に照会すると書いているのか
宛先は文書ごとに違います。プログラムは監視指導・麻薬対策課、医療広告は都道府県等から医政局総務課へ照会すると書かれています。
46通知と医薬監第148号には、照会先の定めが置かれていません。
照会先の定めがある文書と、無い文書があります。プログラムのガイドラインは監視指導・麻薬対策課、医療広告等ガイドラインは都道府県等から厚生労働省医政局総務課へ、という宛先を書いています。46通知と医薬監第148号には、照会先の定めが置かれていません。
名宛人の書かれ方も文書ごとに違います。本ページで確認した4つの資料のうち、46通知・プログラムのガイドライン・医薬監第148号は、発出通知の宛先を本文に含んでいます。医療広告等ガイドラインは指針の本体で、発出通知の日付・番号・宛先を含んでいません。
| 文書 | 名宛人 | 判断がつかない場合について書かれていること |
|---|---|---|
| 昭和46年6月1日 薬発第476号(最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号) | 別紙に「(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)」、令和2年3月31日 薬生発0331第33号の冒頭に「各 都道府県知事 保健所設置市長 特別区長 殿」 | 記載なし。記の1が、医薬品の該当性は法第2条の定義に照らして総合的に検討のうえ判断することを求めている |
| プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日制定、令和5年3月31日一部改正) | 令和5年3月31日の改正通知の冒頭に「各 都道府県 保健所設置市 特別区 衛生主管部(局)長 殿」 | 5(3)および7に、個々の具体的な事例における法の適用につき判然としない場合は監視指導・麻薬対策課の相談・助言等を活用することと記載 |
| 平成10年9月29日 医薬監第148号 | 「(都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省医薬安全局監視指導課長通知)」 | 記載なし。要件を示したうえで、広告の監視指導への配慮を求めている |
| 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正) | 本ページで確認した資料は指針の本体で、発出通知の宛先を含まない。第5の4が「医療広告等に対する指導等の措置は、各都道府県、保健所設置市又は特別区において、個別の事例に応じてその実状を踏まえつつ、効果的かつ柔軟に対応すべきものである」と書いている | 第5の4(1)②に、都道府県等が広告に該当するか判断できない情報物は、別添2の様式により厚生労働省医政局総務課あてに照会すると記載 |
2列目・3列目とも、各文書の本文に書かれていることだけを写しています。「記載なし」は、その文書に照会先の定めが置かれていないという意味で、他の文書に定めが無いという意味ではありません。4行目の2列目は、本ページで確認した資料が指針の本体であり、発出通知の宛先を含まないため、宛先を書いていません。
プログラムのガイドラインの記載は、次のとおりです。
個々の具体的な事例における医薬品医療機器等法の適用につき判然としない場合には、監視指導・麻薬対策課において相談・助言等を行っていることから、これを活用すること。
プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン 5(3)。脚注9に「プログラムの医療機器該当性の相談について」(令和3年3月31日付け事務連絡)を挙げている医療広告等ガイドラインは、都道府県等の職員が採る手順として書いています。
② 都道府県等において、広告に該当するか判断できない情報物や違反しているかどうか判別できない広告については、その内容について、別添2の様式により、都道府県等の職員から厚生労働省医政局総務課あてにEメール等によって照会する
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正)第5の4(1)広告内容の確認どちらも、行政の内部で用いられる照会の手順として書かれたものです。事業者の側からの相談窓口については、都道府県が公表している資料と、プログラムの該当性の相談先を医療機器か雑貨か — 該当性の判断はどこを見るかで扱っています。通知やガイドラインが現行のものかどうかを自分で確かめる手順は法令・通知の読み方 — 一次資料へ自分で辿り着くで扱います。
理解の確認
昭和46年6月1日 薬発第476号の別紙「医薬品の範囲に関する基準」に当てはめれば経口的に服用する物の医薬品該当性が決まる、という理解は、同通知のどの記述と食い違うか。
同通知の記の1は、医薬品の該当性は法第2条における定義に照らし合わせて判断されるべきものであり、本基準は当該判断に資するよう過去の判断を例示しているものである、と書いています。つまり基準は定義への当てはめを助ける材料であって、定義に取って代わる判定表ではありません。別紙の柱書も、成分本質(原材料)・効能効果・形状・用法用量の4つの要素を総合的に検討のうえ判定すべきものとし、Ⅰの各要素の解釈に基づいて検討したうえでⅡの判定方法により行うという順序を置いています。
根拠:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)記の1および別紙 柱書(法令確認日 2026-09-08)
「これは広告ではありません。」との記述や「当該プログラムは医療機器ではない」旨の記載があっても該当し得るとされるのは、それぞれの文書が該当性を何によって見るとしているからか。
医療広告等ガイドライン第2の2は、規制の対象となることを避ける意図で外形的に誘引性・特定性への該当を回避する表現があっても、病院名等が記載されている場合など実質的に両要件をいずれも満たすときは広告に該当するものとして取り扱うことが適当だとしています。プログラムのガイドライン8(1)の脚注12は、その旨の記載があることをもって医療機器ではないことの根拠とはならず、疾病の疑いを判断できるなどと医療機器との認識を与える広告・標ぼうをする製品は医療機器に該当するとしています。どちらも、表示に置かれた打消しの文言ではなく、情報物や製品の実質の側で該当性を見る形になっています。
根拠:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正)第2の2/プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日制定、令和5年3月31日一部改正)8(1)の脚注12(法令確認日 2026-09-08)
医療広告等ガイドラインが、新聞記事は特定の病院等を推薦している内容であっても誘引性の要件を満たさないものとして取り扱うとしているのは、誘引性を何によって判断するとしているからか。
指針は誘引性を、広告に該当するか否かを判断する情報物の客体の利益を期待して誘引しているか否かにより判断することとしています。新聞記事はその客体の利益を期待して誘引するものではないため、特定の病院等を推薦している内容であっても①の要件を満たさないものとして取り扱われます。指針は①から③までのいずれの要件も満たす場合に医療広告に該当すると判断されたいとしているので、①を満たさない情報物は医療広告に当たらないことになります。
根拠:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(令和8年3月30日最終改正)第2の1−1(法令確認日 2026-09-08)
次に読む
- 8-4 表現と根拠の対照表 表現の可否を一覧にしても、根拠が付いていなければ後から確かめられません。
- 3-1 食薬区分 — 医薬品と判断される4つの要素と、判定を要しない3類型 人が経口的に服用する物が薬機法第2条第1項第2号又は第3号の医薬品に当たるかどうかは、条文の側では決まりません。
- 2-1 そもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件 薬機法上の「広告」にあたるかどうかは、顧客誘引性・特定性・一般認知性の3要件で判断されます。
- 4-3 医療機器か雑貨か — 該当性の判断はどこを見るか 医療機器かどうかを分けるのは、物の形や仕組みではなく、その物に与えられた使用目的です。
- 無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」厚生労働省(2026-09-08 確認)
- プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日制定 薬生機審発0331第1号・薬生監麻発0331第15号/令和5年3月31日一部改正 薬生機審発0331第1号・薬生監麻発0331第4号)厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 薬事法における医薬品等の広告の該当性について(平成10年9月29日 医薬監第148号、厚生省医薬安全局監視指導課長)厚生労働省法令等データベース(2026-09-08 確認)
- 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。令和8年3月30日最終改正)第1の3・第2の1・第2の2・第2の3・第5の4厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条 e-Gov 法令検索(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、施行日 2026-05-21。2026-09-08 確認)
- 医療法(昭和23年法律第205号)第6条の5 e-Gov 法令検索(版ID 323AC0000000205_20260605_508AC0000000031、施行日 2026-06-05。2026-09-08 確認)