30秒でわかる要点
- 区分を決めているのは、成分ではなく使用の目的。薬機法第2条第2項(医薬部外品)と第3項(化粧品)は、どちらも、その物が何のために使われるかと、人体に対する作用が緩和であることで書かれています。両項の条文に「有効成分」の語は置かれていません。
- 第2条第2項第3号だけは、厚生労働大臣の指定がなければ医薬部外品にならない。第1号(イからハまでの3つの使用目的)と第2号(生物の防除)が使用目的の側だけで書かれているのに対し、第3号は指定を要件にしています。
- 区分が決まると、手続・表示・広告がまとめて分かれる。製造販売業の許可の種類は第12条、品目ごとの承認の要否は第14条、届出の相手方は第14条の9・第14条の10と施行令、直接の容器の記載事項は第59条・第61条、広告でうたえる効能効果等の上限は医薬品等適正広告基準 第4の3が定めています。
薬機法は「医薬部外品」をどう定義しているか
第2条第2項が、人体に対する作用が緩和な物のうち、3つの号に掲げる物を医薬部外品と定めています。
第1号は使用目的を3つ挙げ、第2号は生物の防除、第3号は厚生労働大臣が指定するものです。
医薬部外品の定義は、薬機法第2条第2項に置かれています。柱書きの「人体に対する作用が緩和なもの」という限定が全体に掛かり、そのうえで3つの号が並びます。
第1号は、イからハまでに3つの使用目的を掲げます。第2号は、人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除です。
この2つの号には、同じ形の括弧書きが付いています。掲げられた使用目的のほかに、第1項第2号又は第3号に規定する目的のために併せて使用される物を、そこから除くものです。第1項第2号は疾病の診断、治療又は予防、第3号は身体の構造又は機能に影響を及ぼすことで、いずれも医薬品の定義が使う目的です。
第3号だけ、書き方が違う
第3号は、使用目的を条文が列挙しません。第1項第2号又は第3号に規定する目的のために使用される物(前2号に掲げる物を除く)のうち、厚生労働大臣が指定するものを医薬部外品としています。
第1号・第2号が使用目的の側だけで書かれているのに対し、第3号は、同じ目的の物であっても厚生労働大臣の指定があるものに限られます。
第3号にいう厚生労働大臣の指定を受けた医薬部外品には、別の定めが2つ置かれています。直接の容器又は直接の被包の記載事項を定める第59条第7号と、同条第3号を受ける薬機法施行規則第219条の2です。どちらも後の節で扱います。
第1項第2号・第3号が使う「目的とされている物」が何を見て判断されるかは「医薬品」の定義3類型 — 食品が医薬品と判断される仕組みで扱います。5つの区分の定義がどう並んでいるかは薬機法とは何を規制する法律かにまとめています。
「化粧品」の定義は、どこが医薬部外品と違うのか
違いは、使用の方法が条文に書かれている点です。第2条第3項は本文に塗擦・散布等の方法を置き、ただし書きで医薬品の用途を併せ持つ物と医薬部外品を除きます。
人体に対する作用が緩和であることは、医薬部外品と同じく本文に置かれています。
化粧品の定義は、医薬部外品の次の項に置かれています。本文とただし書きが1つの文で続く形です。
本文は3つの要素でできています。
- 使用の目的 — 人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つため
- 使用の方法 — 身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されること
- 作用の程度 — 人体に対する作用が緩和なもの
このうち使用の方法が条文に書かれている点は、医薬部外品の第2項には無い要素です。
ただし書きが除いている2つ
- 本文の使用目的のほかに、第1項第2号又は第3号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物
- 医薬部外品
同じ向きの括弧書きは、医薬品の定義の側にもあります。第1項第2号には「(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)」、第1項第3号には「(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)」が付いています。第2項第3号の指定を受けた物は、第3項ただし書きにより化粧品から外れます。
要点
第2条第1項第3号は化粧品を除き、第2条第3項ただし書きは医薬部外品を除きます。同じ物が2つの区分に同時に入らないよう、条文が互いに相手を押し出す形で書かれています。
同じ成分・同じ中身でも、区分が変わるのはなぜか
定義が成分ではなく使用目的で書かれ、第2条第2項第3号は厚生労働大臣の指定を要件にしているためです。
第2条第2項と第3項の条文に「有効成分」の語は置かれていません。
2つの定義に共通するのは、成分の側から書かれていないことです。条文が置いている要件は次の3つです。
- 使用の目的が、どの項・どの号に掲げられた目的にあたるか(第2条第2項各号、第3項本文)
- 人体に対する作用が緩和であるか(第2条第2項柱書き、第3項本文)
- 第2項第3号にあたる物では、厚生労働大臣の指定があるか(第2条第2項第3号)
3つ目だけ、書き方が違います。1と2は条文が物の側に置いている要件、3は厚生労働大臣の指定という要件です。
そのため、第2項第1号・第2号に掲げられた目的に当たらない物は、第1項第2号又は第3号に規定する目的のために使用される物であっても、厚生労働大臣の指定が無ければ第2項第3号の医薬部外品にはなりません。
よく見かける説明と、現行
よく見かける説明
医薬部外品と化粧品の違いは、有効成分が入っているかどうかで決まる。
現行
薬機法第2条第2項と第3項は、いずれも成分ではなく、使用される目的と、人体に対する作用が緩和であることで書かれている。第2項第3号はこれに加えて厚生労働大臣の指定を要件にしている。
第2項が掲げる目的には、第2号の「人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除」のように、第3項本文の「身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されること」とは別の使用の方法をとるものも含まれている。
両項の条文に「有効成分」の語は置かれておらず、第2条で同語が現れるのは第17項第3号である。「有効成分の名称(一般的名称があるものにあつては、その一般的名称)及びその分量」が出てくるのは、直接の容器又は直接の被包の記載事項を定める第59条第7号で、その対象は「厚生労働大臣の指定する医薬部外品」に限られる。成分の記載は化粧品の側にもあり、第61条第4号が、厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品について、その成分の名称を記載事項としている。
根拠:薬機法(昭和35年法律第145号。版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、施行日 2026年5月21日)第2条第2項・第3項、第59条第7号、第61条第4号。第2条第2項・第3項に「有効成分」の語が置かれていないことは、e-Gov 法令検索で取得した同法第2条の全文(第1項から第19項まで)を検索して確認(2026-09-08)。同条で「有効成分」の語が現れるのは第17項第3号である。
使用の目的が何を見て判断されるかについては、医薬品の定義の側に行政の基準があります。その基準は「医薬品」の定義3類型 — 食品が医薬品と判断される仕組みで扱います。
区分が変わると、必要な許可・承認・届出はどう変わるのか
第12条の許可の種類、第14条の承認の要否、そして第14条の9の届出を誰が受けるかが、区分で分かれます。
化粧品の届出に係る事務は都道府県知事が行い、医薬部外品には機構へ届け出る場合の規定が置かれています。
区分で分かれるのは3つです。製造販売業の許可の種類、品目ごとの承認の要否、そして承認の対象でない品目の届出を誰が受けるか。順に条文を見ます。
許可の種類は、第12条第1項の表で分かれる
第12条第1項は、表の上欄に掲げる医薬品(体外診断用医薬品を除く)、医薬部外品又は化粧品の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に定める厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ、業として製造販売をしてはならないと定めています。下欄は、医薬部外品には医薬部外品製造販売業許可、化粧品には化粧品製造販売業許可です。
同条第4項は、この許可が「三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」と定めています。
品目ごとの承認の要否は、第14条第1項で分かれる
医薬部外品は、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除いて、品目ごとの承認の対象です。化粧品が承認の対象になるのは、厚生労働大臣の指定する成分を含有するものです。第14条第1項に該当しない品目については、第14条の9第1項が届出を定めています。
届出の方法は省令にあります。薬機法施行規則第70条第1項は、法第14条の9第1項の規定による届出について、こう定めています。
様式第三十九による届書(厚生労働大臣に提出する場合にあつては正本一通及び副本二通、都道府県知事に提出する場合にあつては正副二通)を提出することによつて行うものとする
同条第2項は、届け出た事項を変更したときの届出を様式第40による届書とし、通数の書き分けは第1項と同じです。同条第3項は、法第14条の10第1項の規定により機構に届け出ることとされている場合について、この括弧内を「正副二通)を機構に」と読み替えます。
提出先として厚生労働大臣・都道府県知事・機構の3つが省令に現れるのは、届出に係る事務が政令で振り分けられているからです。
届出の相手方は、政令が区分ごとに振り分けている
化粧品の届出に係る事務は、都道府県知事が行います。薬機法施行令第80条第2項は、医薬品(体外診断用医薬品を除く)、医薬部外品又は化粧品に係る同項各号の厚生労働大臣の権限に属する事務を、都道府県知事が行うこととしています。その第8号が「法第十四条の九に規定する権限に属する事務のうち、化粧品の製造販売業者に係るもの」です。
どの都道府県知事かは、同項柱書きが書いています。第8号に掲げる権限に属する事務については、その化粧品を製造販売しようとする者の法第17条第2項に規定する医薬品等総括製造販売責任者がその業務を行う事務所の所在地の都道府県知事が行う、というものです。同条第9項は、第2項の場合においては、法の規定中これらの規定により都道府県知事が行う事務に係る厚生労働大臣に関する規定は、都道府県知事に関する規定として都道府県知事に適用があるものとする、と定めています。
医薬部外品の側には、機構(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が届出を受理する規定があります。法第14条の10第1項が対象にしているのは、厚生労働大臣が第14条の2の3第1項の規定により機構に審査を行わせることとしたときです。
その場合、医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く)、医薬部外品(同)又は化粧品のうち政令で定めるものについての前条の規定による届出をしようとする者は、機構に届け出なければなりません。その「政令で定めるもの」の範囲を書いているのが施行令第33条です。
この条が掲げているのは医薬品と医薬部外品で、化粧品は掲げられていません。
| 事項 | 医薬部外品 | 化粧品 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 定義の条項 | 第2条第2項(3つの号) | 第2条第3項(本文とただし書き) | 薬機法 第2条第2項・第3項 |
| 製造販売業の許可の種類 | 医薬部外品製造販売業許可 | 化粧品製造販売業許可 | 薬機法 第12条第1項の表 |
| 品目ごとの製造販売の承認 | 必要(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く) | 厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品について必要 | 薬機法 第14条第1項 |
| 承認の対象でない品目の手続 | あらかじめ品目ごとに届出(様式第39)。厚生労働大臣が機構に審査を行わせることとしたときは、施行令第33条が掲げる範囲について機構に届け出る | あらかじめ品目ごとに届出(様式第39)。法第14条の9に規定する権限に属する事務のうち化粧品の製造販売業者に係るものは、医薬品等総括製造販売責任者がその業務を行う事務所の所在地の都道府県知事が行う。施行令第33条は化粧品を掲げていない | 薬機法 第14条の9第1項・第14条の10第1項/薬機法施行令 第33条・第80条第2項第8号及び同条第9項/薬機法施行規則 第70条第1項 |
| 直接の容器又は直接の被包の記載事項 | 12の号(「医薬部外品」の文字を含む。第7号の有効成分の名称及びその分量は厚生労働大臣の指定する医薬部外品が対象) | 7の号(名称、指定する成分の名称ほか) | 薬機法 第59条/第61条 |
| 広告における効能効果等の表現の上限 | 承認等を要するものは承認等を受けた効能効果等の範囲(第4の3(1))、要しないものは医学、薬学上認められている範囲(同(2)前段) | 承認等を要するものは承認等を受けた効能効果等の範囲(第4の3(1))、承認を要しないものは平成23年7月21日 薬食発0721第1号に定める範囲(同(2)後段) | 医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)・(2) |
各行の根拠は根拠列のとおりです。条文の引用は e-Gov 法令検索で取得した現行版(薬機法 版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、施行日 2026年5月21日/薬機法施行令 版ID 336CO0000000011_20260501_507CO0000000362、施行日 2026年5月1日/薬機法施行規則 版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104、施行日 2026年6月19日)により、通知は厚生労働省が公開している原文によります(2026-09-08 確認)。記載事項の数は号の数で、第59条・第61条のいずれにも「厚生労働省令で別段の定めをしたときは、この限りでない」というただし書きが付いています。
本ページで引いた第2条、第12条、第14条、第14条の9、第14条の10、第59条及び第61条は、令和7年法律第37号による改正を織り込んだ2027年5月20日施行版でも同じ条番号のままです(e-Gov 法令検索 版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037 で確認)。施行日ごとに動く条文は改正の時間軸 — 施行日別に変わった条文を追うにまとめています。
直接の容器や被包の表示は、区分でどう変わるのか
第59条は医薬部外品に12の記載事項を、第61条は化粧品に7の記載事項を定めています。
医薬部外品は、第2条第2項のどの号に当たるかによって、容器に記載する文字が変わります。
記載事項は、医薬部外品が第59条、化粧品が第61条に置かれています。どちらも「その直接の容器又は直接の被包に、次に掲げる事項が記載されていなければならない」という書き出しで、末尾に「ただし、厚生労働省令で別段の定めをしたときは、この限りでない」というただし書きが付きます。
第59条第11号と、第61条第6号は、どちらも第42条第2項を引いています。第42条第2項は、厚生労働大臣は、保健衛生上の危害を防止するために必要があるときは、医薬部外品、化粧品又は医療機器について、薬事審議会の意見を聴いて、その性状、品質、性能等に関し、必要な基準を設けることができる、という規定です。両号は、その基準が定められた医薬部外品・化粧品について、基準において直接の容器又は直接の被包に記載するように定められた事項を、記載事項としています。
「医薬部外品」の文字は、号によって変わる
第59条第3号がいう「厚生労働省令で定める文字」は、施行規則が区分ごとに書き分けています。
第59条第3号が対象としているのは、法第2条第2項第2号と第3号に規定する医薬部外品です。施行規則第219条の2第1項の上欄も、この2つの号の医薬部外品を区分として並べています。
第2項第3号のうち第59条第7号の指定を受けたものには「指定医薬部外品」の字句が置かれており、前の節で見た厚生労働大臣の指定は、ここに現れます。同条第2項は、これらの字句が記載されている場合には、法第59条第2号に規定する「医薬部外品」の文字が記載されているものとする、としています。
この省令の条文は、e-Gov 法令検索で取得した版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104(施行日 2026年6月19日)によります。同検索のメタデータには2026年8月24日施行の版がありますが、本ページの作成時点でその本文を取得できていないため、同日の改正が第219条の2に及んでいる可能性があります。
うたえる効能・効果の範囲は、区分ごとにどこで決まるのか
医薬品等適正広告基準第4の3が、承認等を要するものは承認等を受けた範囲、要しないものは医学、薬学上認められている範囲としています。
承認を要しない化粧品については、平成23年7月21日 薬食発0721第1号に定める範囲と書かれています。
広告における効能効果等の表現の上限は、条文ではなく通知に置かれています。医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3です。
(1)は、承認等を要する医薬品等について、その効能効果又は性能についての表現は、明示的又は暗示的であるかを問わず承認等を受けた範囲をこえてはならないと定めています。
(2)は、承認等を要しない医薬品等を2つに分けます。化粧品を除くものについては医学、薬学上認められている範囲、承認を要しない化粧品については平成23年7月21日 薬食発0721第1号「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲が、それぞれ上限です。
(2)の原文と、そこにいう「医学、薬学上認められている範囲」がこの基準のどこに置かれているかは医薬品等適正広告基準 — 本体(薬生発0929第4号)の構成と、解説通知の位置づけで扱っています。第4の3が置く(1)から(8)までの8つの号の一覧は第66条 — 虚偽・誇大広告の禁止の表1にあります。
分岐に使われているのは、区分の名前ではない
第4の3が(1)と(2)を分けるのに使っているのは「承認等を要する」かどうかであり、医薬部外品・化粧品という区分の名前ではありません。承認等の要否を定めているのは薬機法第14条第1項で、その内容は前の節のとおりです。
したがって、(2)の後段が対象としているのは「承認を要しない化粧品」です。承認を要する化粧品——第14条第1項にいう厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品——は(1)の対象になります。
同じ分岐は、名称の側にもあります。同基準の第4の1は、名称についての表現の範囲を2つに分けています。
- (1)承認又は認証を要する医薬品等 — 承認等を受けた名称又は一般的名称
- (2)承認等を要しない医薬品等 — 日本薬局方に定められた名称、法第14条の9若しくは第23条の2の12の規定に基づく届出を行った一般的名称又は届け出た販売名
要点
効能効果等の表現の上限は、医薬部外品か化粧品かという区分の名前ではなく、その品目が承認等を要するかどうかで分けて書かれています。承認を要しない化粧品についてだけ、(2)の後段が別の通知を名指しし、その通知に定める範囲を上限としています。
(2)の後段が名指ししている平成23年7月21日 薬食発0721第1号の別表第1に並ぶ56項目と、化粧品の成分の記載については化粧品でうたえる56項目と、成分の書き方 — 範囲を定めているのはどの通知かで扱います。医薬部外品の効能・効果の範囲は本ページでは扱いません。区分ごとの効能の範囲をまとめて見る入口は化粧品・医薬部外品・医療機器 — 区分と効能の範囲です。
理解の確認
「医薬部外品と化粧品の違いは有効成分が入っているかどうかで決まる」という説明は、薬機法第2条第2項・第3項の書き方とどこで食い違うか。
両項はいずれも成分の側から書かれておらず、その物が何のために使用されるかと、人体に対する作用が緩和であることで区分を定めている。条文に「有効成分」の語は置かれておらず、第2条で同語が現れるのは第17項第3号である。「有効成分の名称及びその分量」が出てくるのは直接の容器又は直接の被包の記載事項を定める第59条第7号で、その対象は厚生労働大臣の指定する医薬部外品に限られる。つまり成分が出てくるのは表示の場面であって、区分そのものを決める要件ではない。
根拠:薬機法第2条第2項・第3項、第2条第17項第3号、第59条第7号(法令確認日 2026-09-08)
医薬部外品の定義(第2条第2項)と化粧品の定義(第2条第3項)に、互いに相手を除く括弧書き・ただし書きが付いているのはなぜか。
どちらの定義も使用の目的で書かれているため、目的が重なる物が生じ得るからである。そこで第2項第1号・第2号は、掲げた目的のほかに第1項第2号又は第3号(医薬品の定義が使う目的)のために併せて使用される物を括弧書きで除き、第3項ただし書きは同じ用途を併せ持つ物と医薬部外品を除いている。医薬品の側にも同じ向きの括弧書きがあり、第1項第2号には「(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)」、第1項第3号には「(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)」が付いている。互いに相手を押し出す書き方によって、同じ物が2つの区分に同時に入らないようにしている。
根拠:薬機法第2条第1項第2号・第3号、第2条第2項第1号・第2号、第2条第3項ただし書き(法令確認日 2026-09-08)
医薬品等適正広告基準第4の3が(1)と(2)を分けるのに区分の名前を使っていないことは、化粧品についてどのような結果になるか。
第4の3は承認等を要する医薬品等(1)と要しない医薬品等(2)とで分かれており、承認等の要否を定めているのは薬機法第14条第1項である。化粧品は厚生労働大臣の指定する成分を含有するものだけが品目ごとの承認を要するので、同じ化粧品でも承認を要するものは(1)にあたり、承認等を受けた効能効果等の範囲が上限になる。それ以外の化粧品は(2)の後段にあたり、平成23年7月21日 薬食発0721第1号に定める範囲が上限になる。区分の名前で分けてしまうと、この化粧品の中の分かれ目を書き分けられない。
根拠:医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)・(2)、薬機法第14条第1項、平成23年7月21日 薬食発0721第1号(法令確認日 2026-09-08)
次に読む
- 4-1 化粧品でうたえる56項目と、成分の書き方 — 範囲を定めているのはどの通知か 化粧品の効能としてうたえる範囲は、法律の条文ではなく通知に置かれています。
- 4-2 医薬部外品の効能・効果の範囲 — 承認された範囲をどう書くか 医薬部外品の効能・効果の上限を決めているのは、通知に載っている表ではなく、品目ごとの承認です(薬機法第14条第1項、医薬品等適正広告基準 第4の3(1))。
- 4 化粧品・医薬部外品・医療機器 — 区分と効能の範囲
- 1-1 薬機法とは何を規制する法律か — 目的・5区分・条文の地図 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、昭和35年法律第145号)が扱うのは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の5つです。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、施行日 2026年5月21日)第2条第1項から第3項まで・第17項、第12条第1項・第4項、第14条第1項、第14条の9、第14条の10、第42条第2項、第59条、第61条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 同法 2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037。令和7年法律第37号による改正後)— 第2条、第12条、第14条、第14条の9、第14条の10、第59条、第61条の条番号が現行と同じであることの確認に使用 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号。版ID 336CO0000000011_20260501_507CO0000000362、施行日 2026年5月1日)第33条、第80条第2項第8号・同項柱書き・同条第9項 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104、施行日 2026年6月19日)第70条第1項から第3項まで、第219条の2 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)。同検索のメタデータには2026年8月24日施行の版がありますが、本ページ作成時点でその本文を取得できていないため、同日の改正は反映されていない可能性があります
- 医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号、厚生労働省医薬・生活衛生局長)別紙「医薬品等適正広告基準」第4の1(1)・(2)、第4の3(1)・(2) 厚生労働省(2026-09-08 確認)