30秒でわかる要点
- 法令ではなく、通知の別紙:基準は、法律や政令・省令(法令)ではありません。厚生労働省の局長が都道府県知事などに宛てた通知(2017年9月)の別紙です。通知本文は、宛先の自治体に、関係業者などへの周知と、広告の監視指導(行政が広告を確認し、必要に応じて指導すること)への配慮を求めています。解説にあたる通知は、同じ日に別の番号で出ています。
- 番号は、別紙の中の位置:構成は第1(目的)・第2(対象となる広告)・第3(広告を行う者の責務)・第4(基準)の4つです。第4は1から14までの項に分かれます。実務で引かれる番号のほとんどは、第4の下の項と号(基準の中の小さな区切り)です。行政の文書が引く「第4の3(5)」は、別紙の第4の中の3番目の項の、(5)の号を指します。
- 承認等がいらない医薬品等にも上限がある:承認は、製品ごとに国が審査して、製造販売を認めることです。認証は、国に登録された機関が、基準に合っているかを確かめて認めることです。適正広告基準は、この2つをまとめて「承認等」と書いています。医薬品等(薬機法が扱う5つの製品:医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品)のうち、承認等を要しないものにも、表現の上限があります。第4の3の(2)・(4)・(7)は、「医学、薬学上認められている範囲」を上限にしています。承認を要しない化粧品の効能効果(効き目や働き)の表現は、別の通知(2011年7月)が定める範囲が上限です。
1. 「医薬品等適正広告基準」は、どこにあるのですか?
厚生労働省の通知(2017年9月)に添えられた「別紙」です。基準そのものは、通知の本文ではなく、この別紙に書かれています。
行政の文書が「第4の3(5)」のように引く番号は、すべてこの別紙の側の番号です。
名前にある「医薬品等」は、薬機法(医薬品や医療機器などについて定めた法律)が扱う5つの製品をまとめた呼び方です。基準の第1が、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品をまとめて「医薬品等」と呼んでいます。
医薬部外品は、医薬品よりも作用がおだやかな製品で、薬用化粧品などがあたります。再生医療等製品は、人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品などです。
この基準は、1通の通知の中に2つの部分がある形で示されています。
- 通知本文:送り状にあたる部分です。基準を改めた理由(改正の趣旨)と、古い通知(旧通知)の廃止を述べています。
- 別紙:基準そのものです。第1から第4までの定めが、ここに置かれています。
例
冒頭の場面で考えます。化粧品の会社の広報担当者が、行政の資料で「第4の3(5)」という番号を見かけたとします。この番号は、薬機法の条文の番号ではありません。通知の別紙にある、基準の中の番号です。どう読むかは7.の節で説明します。
古い基準との関係
通知本文によれば、この通知は基準を全面的に改め、それまでの旧通知を廃止しました。旧通知は1980年10月に出た通知で、2002年3月に改正されていました。
旧通知が廃止されたことは『2-2 医薬品や化粧品などの広告で、事実と違う・大げさな表現は禁止ですか?』で、現行の条文・通知と食い違う記述の見分け方は『8-7 手元の解説は、いまの条文と合っている?』で扱っています。
原文で確かめる(通知本文と旧通知の番号)
医薬品等の広告を巡る環境の変化に伴い、今般、一般用医薬品及び指定医薬部外品に関する部分を中心に見直しの検討を行い、別紙のとおり医薬品等適正広告基準を全面的に改正しました。つきましては、貴管下関係業者、関係団体等に対し、周知方御取り計らいの上、医薬品等の広告に係る監視指導について格段の御配慮をお願いいたします。
なお、本通知をもって、旧通知は廃止します。
医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)本文通知本文がいう「旧通知」は、昭和55年10月9日 薬発第1339号です。平成14年3月28日 医薬発第0328009号の通知で改正されていました。
本ページは、旧通知の本文を確認していません。旧通知の番号と、廃止されたという事実は、2017年9月の通知の本文の記載によります。旧基準の項番号と今の基準の項番号との対応表は、本ページには置いていません。
2. この基準は法律ですか? だれに向けたものですか?
法律でも、政令・省令(法律にもとづく国の命令)でもありません。厚生労働省の局長が、都道府県知事などに宛てた通知の別紙です。
通知の宛先は都道府県知事などですが、基準の第3は「医薬品等の広告を行う者」に向けた責務を定めています。
通知を出したのは厚生労働省医薬・生活衛生局長です。宛先は、都道府県知事、各保健所設置市長(保健所を置いている市の市長)及び特別区長(東京23区の区長)です。
通知本文は、宛先の自治体に、それぞれの受け持ち区域の関係業者や関係団体などへ周知するよう求めています。あわせて、医薬品等の広告の監視指導に特に配慮するよう求めています。監視指導とは、行政が広告を確認し、必要に応じて指導することです。
通知本文は、それまで医薬品等の広告の監視指導が、都道府県等を中心に行われてきたと書いています。そのよりどころとして通知本文が挙げるのは、薬機法第66条から第68条まで(広告についての条文)の規定と、旧通知です。通知は、そう書いたうえで基準を全面的に改めています。
基準が対象とする媒体(第2)と、何が「広告」にあたるかは『2-1 そもそも薬機法の「広告」とは?』で、条文の側にどの措置が置かれているかは『6-1 薬機法に違反すると、どうなる?』で扱っています。
基準の目的(第1)と、広告を行う者の責務(第3)
第1は、基準の目的を、医薬品等の広告が虚偽(うそ)や誇大(大げさ)にならないようにし、その適正を図ることと書いています。
第3の定めが向けられているのは、「医薬品等の広告を行う者」です。第3は、次の2つを求めています。
- 使う人がその医薬品等を適正に使えるよう、正確な情報を伝えるよう努めること
- 医薬品等の品位を損なったり、信用を傷つけたりするおそれのある広告をしないこと
例
A社が、自社の化粧品のウェブ広告を作る場面で考えます。第2は、ウェブサイトやSNSを含むすべての媒体の広告を対象にしています(3の節の表1)。A社は、第3がいう「医薬品等の広告を行う者」にあたり得ます。第3の2つの責務は、そうした者に向けられた定めです。
原文で確かめる(第3)
第3(広告を行う者の責務)
1 医薬品等の広告を行う者は、使用者が当該医薬品等を適正に使用することができるよう、正確な情報の伝達に努めなければならない。
2 医薬品等の広告を行う者は、医薬品等の本質に鑑み、医薬品等の品位を損なう又は信用を傷つけるおそれのある広告は行ってはならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第33. 基準の中身は、どのように並んでいるのですか?
第1(目的)・第2(対象となる広告)・第3(広告を行う者の責務)・第4(基準)の4つです。第4は1から14までの項に分かれています。
実務で引かれる番号のほとんどは、第4の下に置かれた項と号の番号です。
分量のほとんどは第4にあります。第4の中は「項」(1、2、3…)に分かれ、項の中はさらに「号」((1)、(2)…)に分かれることがあります。
表1の読み方
表1は、基準の全体を1枚にまとめたものです。左の「位置」が番号、まん中の「見出し」が別紙の見出しそのままです。右の「置かれている定め」の列は、別紙の本文の要約です。
知りたい話題があるときは、まん中の見出しの列から探すと、どの項を読めばよいかの見当がつきます。表には、誹謗(悪く言うこと)、射こう心(偶然の利益をねらう気持ち)といった見慣れない言葉も出てきます。
| 位置 | 見出し | 置かれている |
|---|---|---|
| 第1 | 目的 | 広告が |
| 第2 | 対象と | 新聞、 |
| 第3 | 広告を | 正確な |
| 第4の1 | 名称関係 | (1)承認又は |
| 第4の2 | 製造方 | 実際の |
| 第4の3 | 効能効果、 | (1)から |
| 第4の4 | 過量消費又は | 過量消費又は |
| 第4の5 | 医療用医薬品等の | (1) |
| 第4の6 | 一般向 | 医師又は |
| 第4の7 | 習慣性医薬品の | 厚生労働大臣の |
| 第4の8 | 使用及び取扱い上の | 使用及び取扱い上の |
| 第4の9 | 他社の | 品質、 |
| 第4の10 | 医薬関係 | 医薬関係者、 |
| 第4の11 | 懸賞、 | (1) |
| 第4の12 | 不快、 | そのような |
| 第4の13 | テレビ、 | (1)出演者に |
| 第4の14 | 医薬品の | これらの |
出典は医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第1から第4まで。号によっては但書(「ただし」で始まる例外の部分)や適用範囲の限定が付くため、引用する場合は別紙の本文にあたってください。第4の3の各号の見出しと内容の一覧は、『2-2 医薬品や化粧品などの広告で、事実と違う・大げさな表現は禁止ですか?』の表1にあります。
例
表1の第4の8の行を読んでみます。見出しは、使用及び取扱い上の注意を、広告に付記(文字で書き添えること)し、または付言(言葉で言い添えること)すべき事項です。右の列を見ると、対象は注意を特に要する医薬品等の広告です。かっこ書きで、看板等の工作物で商品名のみを広告する場合を除く、とあります。このように、項によっては適用される範囲が限られています。
例
項の中には、具体的な行為を並べているものもあります。第4の12は、広告に接した人に不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある表現や方法を用いた広告を制限しています。そのうえで、電子メールによる広告について、次の3つを挙げています。
- 医薬品販売業者の電子メールアドレス等の連絡先を表示すること
- 消費者の請求又は承諾を得ずに一方的に送る場合は、メールの件名欄に広告である旨を表示すること
- 受け取りを希望しない場合に、その旨の意思を表示するための方法を表示すること
使用前・後の写真や、医薬関係者等の推せん(第4の10)の扱いは、『2-8 使用前後の写真・推せん・受賞歴は、どこで扱われますか?』で扱っています。
第4の7が引く条番号と、今の薬機法第50条
第4の項のうち、薬機法の条番号を本文で引いているものがあります。第4の7(習慣性医薬品の広告に付記し、又は付言すべき事項)です。習慣性は、使い続けると、やめにくくなる性質のことです。
第4の7が扱うのは、「法第50条第11号」の規定にもとづいて厚生労働大臣が指定する医療用医薬品です。第4の5(1)の書き方にならうと、医療用医薬品は、医師や歯科医師が自ら使う、またはその処方せんや指示によって使うことを目的に供給される医薬品です。この指定を受けた医療用医薬品を広告するときは、習慣性がある旨を付記し、または付言しなければならない、としています。
ところが、今の薬機法の第50条では、第11号は別の事柄を定める号です。習慣性があるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品に「注意―習慣性あり」の文字を記載することを定めているのは、第13号です。
ここでいう「今の薬機法」は、2026年5月21日に施行された版です(施行は、法律の決まりが効力を持ち始めること)。この版の第50条は、医薬品の直接の容器や直接の被包(じかに包むもの)に記載する事項を、第1号から第17号まで挙げています。このうち第11号は、第42条第1項の規定で基準が定められた医薬品について、貯法(保管の方法)、有効期間などの記載を定める号です。
例
第4の7を読んだ人が、「法第50条第11号」を今の薬機法で開いたとします。出てくるのは、貯法や有効期間などの記載を定める号です。習慣性の記載を定めているのは、第13号のほうです。通知の別紙は、法律が改正されても、それに合わせて書き換わるわけではありません。そのため、別紙に書かれた号の番号が、今の条文とずれたまま残っています。
原文で確かめる(第4の7)
7 習慣性医薬品の広告に付記し、又は付言すべき事項
法第50条第11号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医療用医薬品について広告する場合には、習慣性がある旨を付記し、又は付言しなければならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の7第50条は、令和7年法律第37号により改正されています。この改正の施行は、2026年5月1日です。本ページが条文を確かめた2026年5月21日施行版は、その後の版です。e-Gov 法令検索(国の法令データベース)の2027年5月20日施行版でも、第11号と第13号の内容は2026年5月21日施行版と同じです。
4. 承認等がいらない医薬品等の表現には、どんな上限がありますか?
第4の3の(2)・(4)・(7)が、「医学、薬学上認められている範囲」を上限にしています。承認を要しない化粧品の効能効果の表現は、(2)により別の通知の範囲が上限です。
承認等を要する医薬品等については、(1)と(4)が、承認等を受けた範囲を上限にしています。
まず言葉を確かめます。承認は、製品ごとに国が審査して、製造販売を認めることです。認証は、国に登録された機関が、基準に合っているかを確かめて認めることです。基準は、承認や認証を要する医薬品等と、承認等を要しない医薬品等とを書き分けています(たとえば表1の第4の1)。
承認等を要しない医薬品等について上限を置いているのは、第4の3の(2)、(4)、(7)です。3か所とも、「医学、薬学上認められている範囲」という言葉を使っています。
- (2) 効能効果等の表現の範囲:承認等を要しない医薬品等(化粧品を除く)の効能効果等の表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない、としています。
- (4) 用法用量:上限は、承認等を要する医薬品等では承認等を受けた範囲、承認等を要しない医薬品等では医学、薬学上認められている範囲です。これをこえた表現や不正確な表現などを用いて、効能効果等や安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしてはならない、という書き方です。
- (7) 速効性・持続性など:医薬品等の速効性、持続性等についての表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない、としています。
「医学、薬学上認められている範囲」が何を指すかについて、基準の別紙本文に定義は置かれていません。本ページは、この言葉の範囲を示す資料を確認できていないため、その中身は扱っていません。
第4の3は、効能効果、性能及び安全性について(1)から(8)までの8つの号を置いています。各号の見出しと内容の一覧は、『2-2 医薬品や化粧品などの広告で、事実と違う・大げさな表現は禁止ですか?』の表1にあります。ここで見ているのは、上限の置き方が共通している号です。承認を受けた医薬部外品の効能・効果の範囲は、『4-2 医薬部外品の効能は、広告でどこまで書ける?』で扱っています。
化粧品の効能効果は、別の通知の範囲が上限
(2)は、承認等を要しない医薬品等を、化粧品とそれ以外に分けています。範囲を定める別の通知が名指しで引かれているのは、化粧品についてだけです。
例
A社が、承認を要しない化粧品の広告を作る場面で考えます。(2)によると、効能効果の表現の上限は、「医学、薬学上認められている範囲」ではありません。厚生労働省の通知(2011年7月)「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲です。その範囲の中身は、『4-1 化粧品がうたえる効能は、どこまで?』で扱っています。
原文で確かめる(第4の3(2))
(2)承認等を要しない医薬品等についての効能効果等の表現の範囲
承認等を要しない医薬品等(化粧品を除く。)の効能効果等の表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない。
また、承認を要しない化粧品の効能効果についての表現は、平成 23 年7月 21 日薬食発第 0721 第1号医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲をこえてはならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(2)原文が引く通知は、平成23年7月21日 薬食発0721第1号「化粧品の効能の範囲の改正について」です。
5. 一般の人向けの広告を制限しているのは、どの項ですか?
第4の5(医療用医薬品等の広告の制限)と、第4の6(一般向広告における効能効果についての表現の制限)の2つの項です。
どちらも本文に「医薬関係者以外の一般人を対象とする広告」という言葉を置いています(医薬関係者は、医師や薬剤師など)。
2つの項は、対象の区切り方が違います。第4の5は、どの品目かで区切っています。第4の6は、どんな病気についての表現かで区切っています。
第4の5:品目で区切る
第4の5の見出しは「医療用医薬品等の広告の制限」です。その対象を具体的に書いているのが、(1)と(2)です。
(1)の対象は、医師や歯科医師が自ら使うこと、またはその処方せんや指示によって使うことを目的に供給される、医薬品と再生医療等製品です。再生医療等製品は、人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品などです。(1)は、これらについて、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告を行ってはならない、としています。
(2)は医療機器について、次の2つの要件で対象をしぼったうえで、(1)と同様にするとしています。
- 医師、歯科医師、はり師等医療関係者が自ら使用することを目的として供給される医療機器のうち、一般人が使用するおそれのないものを除くこと
- 一般人が使用した場合に保健衛生上の危害(健康への害)が発生するおそれのあるものであること
例
ある製薬会社が、医師の処方せんによって使うことを目的に供給される医薬品について、一般の人向けのテレビ広告を考えたとします。この場面は、第4の5(1)の対象になり得ます。
第4の5(1)は、医薬品と並べて再生医療等製品を挙げています。この区分が薬機法上どこに置かれているかは、『1-5 「再生医療等製品」とは、どんな製品?』で扱っています。
第4の6:病気で区切る
第4の6が扱うのは、医師や歯科医師の診断・治療によらなければ、一般的に治癒が期待できない病気です。そうした病気について、診断や治療によらずに治癒ができるかのような表現を、一般人を対象とする広告に使ってはならない、としています。
第4の6は、品目を限っていません。そのため、医薬品等のうち第4の5の対象にならないものの広告でも、この表現の制限は別に働きます。
例
A社が、医薬品等のうち第4の5の対象にならない品目について、一般の人向けの広告を作る場面で考えます。広告の中に、医師や歯科医師の診断・治療によらなければ一般的に治癒が期待できない病気について、それによらずに治るかのような表現があるとします。この場面では、第4の6が問題になり得ます。
原文で確かめる(第4の5・第4の6)
5 医療用医薬品等の広告の制限
(1)医師若しくは歯科医師が自ら使用し、又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用することを目的として供給される医薬品及び再生医療等製品については、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告を行ってはならない。
(2)医師、歯科医師、はり師等医療関係者が自ら使用することを目的として供給される医療機器で、一般人が使用するおそれのないものを除き、一般人が使用した場合に保健衛生上の危害が発生するおそれのあるものについても(1)と同様にするものとする。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の56 一般向広告における効能効果についての表現の制限
医師又は歯科医師の診断若しくは治療によらなければ一般的に治癒が期待できない疾患について、医師又は歯科医師の診断若しくは治療によることなく治癒ができるかの表現は、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告に使用してはならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の66. 基準の「解説」にあたる通知は、どこにありますか?
基準の本体(2017年9月の通知)と同じ日に、別の番号で出た「解説及び留意事項等」の通知です。東京都の資料は、本体と同じ章に並べて載せています。
本ページは、この解説通知の原文を確認できていないため、その記載内容は扱っていません。
日付は、本体と同じ2017年9月29日です。2本の違いは次のとおりです。
- 本体:薬生発0929第4号。局長通知(厚生労働省の局長の名前で出された通知)で、基準にあたる部分だけを別紙として示しています。
- 解説通知:薬生監麻発0929第5号。題名は「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」です。
東京都保健医療局は、医薬品等広告講習会の資料を公開しています。その冊子の第2章「医薬品等適正広告基準に関する通知集」に、この2本が並べて載っています。本ページは、解説通知の番号と題名を、この資料の目次で確かめたにとどまります。
例
冒頭の広報担当者が、東京都の冊子で基準の本文を探す場面で考えます。第2章を開くと、本体と解説通知が並んでいます。2本は日付が同じなので、どちらを読んでいるかは、上に示した番号で見分けられます。
東京都の資料の構成
冊子「医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の広告と表示について」の章立ては、次のとおりです。末尾には、索引と講習会資料のスライドが置かれています。
- 第1章 広告関係医薬品医療機器等法令抜粋
- 第2章 医薬品等適正広告基準に関する通知集
- 第3章 医薬品等の表示について
- 第4章 表示・広告関連通知等
- 第5章 その他参考事項
この冊子は東京都が作成した資料で、法令・通知そのものではありません。東京都の運用を示すもので、全国一律の基準ではありません。
資料は年度版で、年度ごとに更新されます。今掲載されているのは、令和7年度の資料です。更新日は2025年10月31日です。同じページには、令和8年度の講習会の開催の案内も置かれています。
東京都の資料の掲載ページには、広告・表示の相談が予約制であることが書かれています。製造販売業者(医薬品などを自社の責任で市場に出す許可を受けた事業者)と、広告代理店・放送事業者等とで、問い合わせ先が分かれることも書かれています。同じページには、他の道府県に本店のある事業者は、それぞれの道府県の薬務主管課に問い合わせるよう書かれています。薬務主管課は、都道府県で、医薬品などに関する事務を受け持つ課です。名称は自治体により異なります。
7. 行政の文書は、この基準をどう引いているのですか?
「第4の3(5)」「第4の10」のように基準の番号を挙げて、どの項・号に関わるのかを示す形で引いています。
厚生労働省の事務連絡(役所が、運用上の注意などを担当者あてに伝える文書)のQ&A(2018年8月)の回答が、その形をとっています。
行政の文書は、この基準を、番号で位置を特定して引きます。「医薬品等適正広告基準第4の3(5)」「医薬品等適正広告基準第4の10」といった形です。
直感的なポイント
基準の番号は、住所に似た働きをしています。第4、3、(5)と順に絞り込んで、初めてどの定めを指すかが決まります。「第4の3」だけでは、町名まで書いて番地を書かない住所のようなものです。同じ第4の3でも、号が違えば定めている事項が違います。
2018年8月の事務連絡「医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)」が、この形をとっています。この事務連絡は、回答の中で、基準の号の番号を挙げています。Q&Aが取り上げている個別の論点は、『2-2 医薬品や化粧品などの広告で、事実と違う・大げさな表現は禁止ですか?』で扱っています。
この事務連絡の正式な日付は、平成30年8月8日です。この事務連絡は、平成29年度に行われた全国医薬品等広告監視協議会の協議結果にもとづいて作られました。
例
冒頭の広報担当者が見かけた「第4の3(5)」を、表1で読んでみます。第4は、見出しが「基準」の部分です。3はその中の「効能効果、性能及び安全性関係」の項で、(5)はこの項にある8つの号の1つです。(5)の中身は、第66条のページの表1で確かめられます。
基準を引くときの4つの点
番号で引かれるということは、基準を参照するときに、通知の番号だけでは足りないということでもあります。社内の資料などでこの基準を引くときは、次の4つに気をつけると、どの文書のどこを見たのかが読み手に伝わります。
通知を発出日と番号で特定する
別紙の題名は、現行のものも旧基準のものも「医薬品等適正広告基準」です。題名だけでは区別が付かないため、通知の発出日と番号(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)を添えます。
通知本文と別紙を区別する
改正の趣旨と旧通知の廃止は通知本文に、基準そのものは別紙にあります。「第4の3(1)」は別紙の側の番号です。
項と号まで書く
「第4の3(5)」のように号まで書きます。理由は、上の住所のたとえのとおりです。
本体と解説通知を分けて示す
本体は薬生発0929第4号、解説及び留意事項等は薬生監麻発0929第5号です。番号が違うので、どちらを見たのかが引用からわかるようにします。
理解の確認
この基準を文書で引くとき、題名の「医薬品等適正広告基準」だけでは足りないのはなぜですか?
別紙の題名は、現行のものも旧基準のものも同じ「医薬品等適正広告基準」で、題名だけでは両者の区別が付かないからです。また、1通の通知が2つの部分に分かれています。改正の趣旨と旧通知の廃止は通知本文に、基準そのものは別紙にあり、行政の文書が引く「第4の3(5)」は別紙の側の番号です。さらに、同じ2017年9月29日付けで、解説及び留意事項等の通知(薬生監麻発0929第5号)が別の番号で出ています。そのため、発出日と番号を添えなければ、どの文書のどこを見たのかが読み手に伝わりません。
根拠:医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)本文および別紙/医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)(法令確認日 2026-09-08)
第4の7が引く「法第50条第11号」を、今の薬機法第50条でそのまま読むと、習慣性医薬品の記載事項にたどり着かないのはなぜですか?
この基準は法令ではなく、2017年9月29日に出た通知の別紙だからです。第50条はその後、令和7年法律第37号により改正されています。この改正は、2026年5月1日に施行されています。しかし、通知の本文が法令の改正に合わせて書き換わるわけではないため、別紙に書かれた号の番号は、今の条文とずれたまま残ります。ここでいう今の薬機法第50条は、この改正より後の2026年5月21日施行版です。その第11号は、第42条第1項の規定で基準が定められた医薬品について、貯法・有効期間などを定める号です。「注意―習慣性あり」の文字の記載を定めているのは、第13号です。
根拠:医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の7/薬機法(昭和35年法律第145号)第50条第11号・第13号(e-Gov 法令検索・2026年5月21日施行版、法令確認日 2026-09-08)
第4の5と第4の6は、どちらも一般の人(医薬関係者以外の一般人)を対象とする広告を制限しています。対象の区切り方は、どう違いますか?
第4の5は品目で区切っています。対象は、医師や歯科医師が自ら使うこと、またはその処方せんや指示によって使うことを目的に供給される医薬品と再生医療等製品です。一定の要件を満たす医療機器も対象です。第4の6は病気で区切っています。対象は、医師や歯科医師の診断・治療によらなければ、一般的に治癒が期待できない病気です。そうした病気について、それによらずに治癒ができるかのような表現を、一般人を対象とする広告に使ってはならないとしています。第4の6は品目を限っていないため、第4の5の対象にならない品目の広告でも、この表現の制限は別に働きます。
根拠:医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の5・第4の6(法令確認日 2026-09-08)
次に読む
- 2-8 使用前後の
写真・推せん・ 化粧品会社の広報担当者が、商品ページに、使う前と使った後の肌の写真を並べたいと考えたとします。受賞歴は、 どこで 扱われますか? — 医薬品等適正 広告基準 - 4-1 化粧品が
うたえる 化粧品会社の広報担当者が、化粧水の広告を考えているとします。効能は、 どこまで? — 56項目の 一覧と、 成分の 書き方 - 4-2 医薬部
外品の 薬用化粧水の広告をつくるとき、通知に載っている効能の一覧表を見て、ここにある言葉なら使えると考えていませんか。効能は、 広告で どこまで 書ける? — 承認の 範囲と 通知の表 - 2-2 医薬品や
化粧品などの 化粧品の会社で、新商品の広告を作っているとします。広告で、 事実と 違う・ 大げさな 表現は 禁止ですか? — 薬機法第66条
- 医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号、厚生労働省医薬・生活衛生局長)別紙「医薬品等適正広告基準」厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第50条・第66条から第68条まで e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 薬機法 2027年5月20日施行版条文(e-Gov 版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)(平成30年8月8日 事務連絡、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課)厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 医薬品等広告講習会 資料(令和7年度、更新日 2025年10月31日。冊子の第2章「医薬品等適正広告基準に関する通知集」に、平成29年9月29日付 薬生発0929第4号と同日付 薬生監麻発0929第5号が収載されている)東京都保健医療局健康安全部薬務課(2026-09-08 確認)。東京都が作成した資料で、全国一律の基準ではありません