30秒でわかる要点
- 上限は、品目ごとの承認:医薬品等適正広告基準は、医薬品などの広告について厚生労働省が示した基準です。承認が必要な品目について、この基準は、それとなく伝える場合も含めて、承認を受けた効能・効果の範囲をこえてはならないとしています。承認が要らない医薬部外品の上限は「医学、薬学上認められている範囲」です。
- 通知の表は「参考」:よく引かれる効能・効果の表は3つあります。解説通知(基準の読み方と注意点を示した厚生労働省の通知)が、「参考とされたい」として掲げたものです。表の側に範囲を定める旨の記載はなく、表に載っている言葉であることは、承認の範囲を広げる理由になりません。
- 「○○を防ぐ」を単に「○○に」とする表現は、原則として認められない:解説通知は、「○○を防ぐ」で承認されたものを、単に「○○に」等と書く表現は認められないとしています。ただし、承認された効能効果が、広告の中に別にはっきり書かれていれば、この取扱いは及ばない(原文は「この限りでない」)としています。「シワ改善」の広告表現の留意点は、業界団体の日本化粧品工業会が自主的に作成した文書で、行政の通知ではありません。
1. 医薬部外品の効能・効果は、広告でどこまで書けるのですか?
承認が必要な品目は、承認を受けた効能・効果の範囲までです。医薬品等適正広告基準は、それとなく伝える場合も含めて、この範囲をこえてはならないとしています。
承認が要らない医薬部外品については、同じ基準の別の項が「医学、薬学上認められている範囲」を上限にしています。
広告で書ける効能・効果の上限は、その品目に承認が必要かどうかで、決まり方が2つに分かれます。
承認が必要な品目:上限は、その品目の承認
薬機法は、医薬部外品を製造販売しようとする人に、品目ごとに厚生労働大臣の承認を受けるよう求めています(第14条第1項)。承認が要らないのは、厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品に限られます。
広告の表現については、厚生労働省が「医薬品等適正広告基準」を示しています。医薬品等(薬機法が扱う5つの製品:医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品)の広告についての基準です。
この基準の第4の3(1)は、承認を受けた効能・効果の範囲をこえてはならないとしています。はっきり書く(明示的)か、それとなく伝える(暗示的)かは問いません。つまり、承認を受けた品目の上限は、その品目が受けた承認そのものです。
承認等を要する医薬品等の効能効果又は性能(以下「効能効果等」という。) についての表現は、明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず承認等を受けた効能効果等の範囲をこえてはならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)原文で確かめる(薬機法 第14条第1項)
基準そのものの位置づけと項の並びは、『2-4 医薬品等適正広告基準とは何ですか?』で扱っています。範囲を定めている箇所の一覧は、『8-4 広告の表現の範囲は、どの資料のどこに書いてある?』にあります。
承認が要らない医薬部外品:上限は「医学、薬学上認められている範囲」
基準は、承認が必要な医薬品等と、承認が要らない医薬品等とで、項を分けています。承認が要らない医薬部外品に掛かるのは、第4の3(2)です。
この基準には、厚生労働省が読み方と注意点を示した通知があります(2017年9月)。このページでは「解説通知」と呼びます。解説通知は、第4の3(2)の<共通>(医薬品等に共通の注意点)に、1文を置いています。「医学、薬学上認められている範囲内」かどうかの判断に、国内外の文献や専門家の意見などを参考にする、という内容です。
なお、2.の節から4.の節で見る3つの表は、この(2)ではなく、承認が必要な品目についての(1)の下に置かれています。
原文で確かめる(基準 第4の3(2))
承認等を要しない医薬品等(化粧品を除く。)の効能効果等の表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(2)承認の範囲の項(第4の3(1))について、解説通知が示す注意点
解説通知は、第4の3(1)の下に、医薬品等に共通の注意点(<共通>)と、医薬部外品についての注意点(<医薬部外品>)を置いています。<共通>の最初の3つは、次のとおりです。
- (1)承認前の効能・効果:実際にその働きがあり、追加で申請すれば承認されうる場合でも、まだ承認されていない効能・効果は広告してはならない、としています。
- (2)承認されていない表現の振り分け:承認されていない効能・効果の表現のうち、薬理学的に(成分が体に働くしくみの面から見て)その製品の作用と関係あるものは、基準第4の3(1)に違反するとしています。作用とは認められないものは、基準第4の3(8)「本来の効能効果等と認められない表現の禁止」に違反するとしています。
- (3)二次的、三次的効果:ここでいう二次的、三次的効果は、効能・効果そのものではなく、そこから先に生じる効果のことです。効能効果等の二次的、三次的効果等の表現は、基準第4の3(1)に抵触する(反する)ため行わないこととしています。
例
A社の薬用化粧水が、承認された効能のほかに、別の働きも実際に持っているとします。A社は、その効能を追加で申請する準備をしています。<共通>(1)は、こうした場面でも、まだ承認されていない効能・効果は広告してはならないとしています。
原文で確かめる(解説通知 <共通>(1))
医薬品等が承認等されている効能効果等以外の効能効果等を実際に有しており、追加申請すればその効能効果等が実際に承認等されうる場合であっても、その未承認等の効能効果等を広告してはならない。
医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<共通>(1)うその広告や大げさな広告(虚偽又は誇大な記事の広告)そのものを禁じているのは、薬機法第66条第1項です。同条の内容は『2-2 医薬品や化粧品などの広告で、事実と違う・大げさな表現は禁止ですか?』(第66条)で扱っています。
2. 効能・効果の一覧表は、どこにあり、どんな位置づけですか?
厚生労働省の解説通知の中にあります。通知は表を「参考とされたい」として掲げており、表の側に範囲を定める旨の記載はありません。
通知は、表の前で、医薬部外品の範囲を示した7本の局長通知(国の役所の局長名で出された通知)を挙げています。
医薬部外品の効能・効果の一覧としてよく引かれるのは、解説通知の第4の3(1)<医薬部外品>(3)にある表です。この項はまず、医薬部外品の範囲は7本の局長通知で示されている、と述べます。
そのうえで、「効能効果の範囲については概ね次表のとおりであるので参考とされたい」と書いて、表を掲げています。表は、おおよその範囲を示す参考として置かれています。
この(3)の下には、表が3つ続きます。医薬部外品15種類の本表と、「別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲」、「新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)」です。新指定医薬部外品は、3つ目の表の題名にある区分名です。この表には、のど清涼剤やビタミンC剤などの製品群が並びます。
直感的なポイント
表と承認の関係は、路線図と切符に似ています。路線図は目安で、乗れる区間を決めるのは切符です。路線図に載っている駅でも、切符に無い区間には乗れません。承認が必要な品目では、表に載っている言葉であることは、承認の範囲を広げる理由になりません。
例
冒頭の薬用化粧水の場面で考えます。A社の薬用化粧水が承認を受けた効能は、薬用化粧品の表の「化粧水」の行にある言葉の一部だけだとします。この場合、広告の上限は、A社のその品目の承認です。同じ行にあっても承認に無い言葉を広告に書くと、第4の3(1)が問題になり得ます。
原文で確かめる(表を掲げている項)
医薬部外品の範囲については、昭和36年2月8日薬発第44号薬務局長通知、昭和36年7月17日薬発第287号薬務局長通知、昭和36年11月18日薬発第470号薬務局長通知、昭和37年9月6日薬発第464号薬務局長通知、昭和55年10月9日薬発第1341号薬務局長通知、平成11年3月12日医薬発第280号医薬安全局長通知及び平成16年7月16日薬食発第0716002号医薬食品局長通知により示されているが、効能効果の範囲については概ね次表のとおりであるので参考とされたい。
医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)よく見かける説明では、1980年10月9日に出た旧い基準の通知が、今も広告の基準として紹介されていることがあります。この通知と、その解説にあたる旧通知は、どちらも2017年9月に廃止されています。一方、表の項が挙げる7本の中にも、同じ日付で番号の近い通知があります。こちらは、廃止された2本のどちらでもありません。
原文で確かめる(旧い通知との関係)
よく見かける説明と、現行
よく見かける説明
医薬部外品の広告の基準は、昭和55年10月9日 薬発第1339号「医薬品等適正広告基準について」である。
現行
薬発第1339号は、平成29年9月29日 薬生発0929第4号により廃止された。解説の側の旧通知(昭和55年10月9日 薬監第121号 厚生省薬務局監視指導課長通知)も、同日の薬生監麻発0929第5号により廃止されている。これに対し、医薬部外品の効能効果の範囲について解説通知が現在も挙げている昭和55年10月9日 薬発第1341号は、日付が同じで番号も近いが、廃止された2本のいずれでもない。
医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)本文/医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)本文および第4の3(1)<医薬部外品>(3)
3. 1つ目の表には、どんな医薬部外品が並んでいますか?
口中清涼剤からソフトコンタクトレンズ用消毒剤まで、15の種類です。種類ごとに、使用目的、主な剤型(液・クリーム・粉のような製品の形)、効能又は効果が並んでいます。
10.薬用化粧品の効能又は効果の欄は「別掲(次表参照)」となっていて、中身は次の節で見る表にあります。
1つ目の表(このページでは「本表」と呼びます)の欄は、「医薬部外品の種類」「使用目的の範囲と原則的な剤型」「効能又は効果の範囲」の3つです。2つ目の欄は、さらに「使用目的」と「主な剤型」に分かれています。
下の引用は、本表の「医薬部外品の種類」欄と「効能又は効果」欄を抜き出したものです。番号と表記は原文のままで、両欄の対応を示すために「:」を補っています。
1.口中清涼剤:口臭、気分不快。
2.腋臭防止剤:わきが(腋臭)、皮膚汗臭、制汗。
3.てんか粉類:あせも、おしめ(おむつ)かぶれ、ただれ、股ずれ、かみそりまけ。
4.育毛剤(養毛剤):育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛。
5.除毛剤:除毛。
6.染毛剤(脱色剤、脱染剤):染毛、脱色、脱染。
7.パーマネント・ウェーブ用剤:毛髪にウェーブをもたせ、保つ。くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛髪をのばし、保つ。
8.衛生綿類:生理処理用品については生理処理用、清浄用綿類については乳児の皮膚・口腔の清浄・清拭又は授乳時の乳首・乳房の清浄・清拭、目、局部、肛門の清浄・清拭。
9.浴用剤:あせも、荒れ性、打ち身(うちみ)、くじき、肩の凝り(肩のこり)、神経痛、湿しん(しっしん)、しもやけ、痔、冷え性、腰痛、リウマチ、疲労回復、ひび、あかぎれ、産前産後の冷え性、にきび。
10.薬用化粧品(薬用石けんを含む):別掲(次表参照)
11.薬用歯みがき類:歯を白くする、口中を浄化する、口中を爽快にする、歯周炎(歯槽膿漏)の予防、歯肉炎の予防。歯石の沈着を防ぐ。むし歯を防ぐ。むし歯の発生及び進行の予防、口臭の防止、タバコのやに除去、歯がしみるのを防ぐ。
12.忌避剤:蚊成虫、ブユ(ブヨ)、サシバエ、ノミ、イエダニ、トコジラミ(ナンキンムシ)等の忌避。
13.殺虫剤:殺虫。はえ、蚊、のみ等の衛生害虫の駆除又は防止。
14.殺そ剤:殺そ。ねずみの駆除、殺滅又は防止。
15.ソフトコンタクトレンズ用消毒剤:ソフトコンタクトレンズの消毒。
医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)の表「医薬部外品の効能・効果の範囲」の「医薬部外品の種類」欄および「効能又は効果」欄表は、種類ごとの効能・効果の範囲を、おおよそつかむための参考です。承認が必要な品目の広告で書けるのは、その品目の承認の範囲までです(1.の節)。
限定が書かれているのは「使用目的」の欄
「使用目的」の欄には、剤型や目的の記載に続けて、2か所だけ限定が書かれています。1つは6.染毛剤の「毛髪を単に物理的に染毛するものは医薬部外品には該当しない。」です。もう1つは9.浴用剤の「(浴用石鹸は浴用剤には該当しない。)」です。どちらも、効能又は効果の欄ではなく、使用目的の欄に置かれています。
例
9.浴用剤の行では、効能又は効果の欄に、あせも、冷え性、腰痛などが並んでいます。一方、浴用石鹸は浴用剤にあたらない、という限定は、使用目的の欄のほうにあります。表を読むときは、使用目的の欄も合わせて見ることになります。
「使用目的」は、薬機法第2条第2項が医薬部外品を定義するときに使っている語です。条文は、医薬部外品を、第1号から第3号に挙げた物で、人体に対する作用が緩和なものと定めています。各号は、使用目的などで物を挙げています。
原文で確かめる(医薬部外品の定義)
第3号の「厚生労働大臣が指定するもの」の指定を行っている告示については、本ページでは告示番号を特定できていないため扱いません。
「主な剤型」の欄が空欄になっているのは、14.殺そ剤と15.ソフトコンタクトレンズ用消毒剤の2つです。10.薬用化粧品は、剤型の欄には記載があり、効能又は効果の欄だけが「別掲(次表参照)」となっています。
4. 本表に続く2つの表には、何が並んでいますか?
薬用化粧品の効能・効果の範囲(8つの種類)と、新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)です。どちらも本表と同じ(3)の下にあります。
薬用歯みがき類は別の表ではなく、本表の11.に効能又は効果が直接書かれています。
2つ目の表は、本表で「別掲(次表参照)」とされた、10.薬用化粧品の効能又は効果を示したものです。シャンプー、化粧水、日やけ止め剤、薬用石けんなど、8つの種類が並びます。
別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲
| 種類 | 効能・効果 |
|---|---|
| 1. | ふけ、 |
| 2.リンス | ふけ、 |
| 3. | 肌あれ。 |
| 4. | 肌あれ。 |
| 5. | かみそりまけを |
| 6. | 日やけ・ |
| 7. | 肌あれ。 |
| 8. | <殺菌剤主剤> |
出典は、医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)の「別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲」です。原文は各効能を改行で並べており、区切りの「/」と、1.シャンプー・2.リンスの括弧内の注記は、本ページで補ったものです。
この表には、注が2つ付いています。注1は、作用機序(成分が働くしくみ)によっては、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」も認められるとしています。注2は、化粧品の効能の範囲だけを標ぼうする(うたう)ものは、医薬部外品としては認められないとしています。
原文で確かめる(注1・注2)
(注1)作用機序によっては、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」も認められる。
(注2)上記にかかわらず、化粧品の効能の範囲のみを標ぼうするものは、医薬部外品としては認められない。
同通知 第4の3(1)<医薬部外品>(3)の「別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲」注1・注2例
(注1)の印は、表1の化粧水、クリーム等、日やけ止め剤、パックの4つの行で、日やけによるしみ・そばかすを防ぐ、の後ろに付いています。ただし、承認が必要な品目では、個々の品目の広告の上限は、その品目の承認です。
新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)
3つ目の表には、のど清涼剤、外皮消毒剤、ビタミンC剤、カルシウム剤などの製品群が並びます。通知の表は、製品群・剤型・効能又は効果・用法用量・代表的成分の5つの欄からなります。表題に「(抜すい)」とあるとおり、新指定医薬部外品の全体ではなく、抜き出したものです。
例
表2の「のど清涼剤」の行では、効能又は効果の欄に、たんや、のどの炎症による声がれ・のどの痛みなどが並んでいます。のど清涼剤は、この表では、新指定医薬部外品の製品群の1つとして挙がっています。
表2を開く(製品群と効能又は効果)
| 製品群 | 効能又は効果 |
|---|---|
| の | たん、のどの |
| 健胃清涼剤 | 食べ過ぎ、 |
| 外皮消毒剤 | すり傷、 |
| きず消毒保護剤 | すり傷、 |
| ひび・ | ひび・ |
| ひび・ | ひび・ |
| ひび・ | ひび・ |
| あせも・ | あせも・ |
| う | う |
| かさつき・ | 手足のかさつき・ |
| ビタミンC剤 | 肉体疲労時、 |
| ビタミンE剤 | 中 |
| ビタミンEC剤 | 肉体疲労時、 |
| ビタミン | (1) |
| カルシウム剤 | 妊娠授乳期・ |
出典は、同通知 第4の3(1)<医薬部外品>(3)の表「新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)」です。剤型・用法用量・代表的成分の3欄は本ページでは省いています。表題に「(抜すい)」とあるとおり、この表は新指定医薬部外品の全体を示したものではありません。また、(3)が挙げる7本の局長通知と、(3)の下に掲げられた3つの表との対応関係は、通知の本文には書かれていません。
5. 薬用化粧品の広告に、化粧品の効能の言葉を使えますか?
解説通知は、3つの事項に配慮すれば使用できるとしています。使えるのは、化粧品の効能表現のうち、それぞれの類別(種類ごとの区分)に対応する部分です。
対象は化粧品的医薬部外品(いわゆる薬用化粧品)と薬用歯みがきで、原則は承認の範囲内で広告することです。
薬用化粧品と薬用歯みがきの効能・効果は、品目ごとに成分と分量を審査したうえで承認されたものです。そのため解説通知は、承認の範囲内で広告することを原則としています。
そのうえで、次の3つの事項に配慮すれば、化粧品の効能表現のうち、それぞれの類別に対応する部分を広告の中で使えるとしています。
- ①医薬部外品本来の目的:本来の目的が隠されて、化粧品であるかのような誤解を与えないこと
- ②化粧品的な使用方法等:化粧品のような目的や使い方をしたときに、保健衛生上(健康や衛生の面で)問題となるおそれのあるもの(殺菌剤配合のシャンプー又は薬用石けんなど)ではないこと
- ③効能効果:その効能効果が、医薬部外品の効能効果として承認を受けたものであるかのような誤認を与えないこと
解説通知の原文が「<化粧品>(2)の表」と呼んでいる一覧は、化粧品の効能の範囲(56項目)です。原文は、使い方を、同じ解説通知の<化粧品>(1)に準じるとしています。どちらの内容も『4-1 化粧品がうたえる効能は、どこまで?』で扱っています。
例
A社が、薬用化粧水の広告に、化粧品の56項目にある言葉を添える場面を考えます。この場面では、その言葉が類別に対応する部分であることに加えて、①〜③の3つの事項が配慮の対象になります。たとえば、添えた言葉が、医薬部外品として承認された効能であるかのように読めると、③との関係が問題になり得ます。
原文で確かめる(解説通知 <医薬部外品>(2))
化粧品的医薬部外品(いわゆる薬用化粧品。以下同じ。)及び薬用歯みがきの効能効果は、品目ごとに成分分量を審査のうえ承認されたものであるから、承認の範囲内で広告することが原則であるが、次の事項に配慮すれば、その広告表現中に本基準第4の3(2)に係る当解説及び留意事項等の<化粧品>(2)の表に掲げられた効能表現のうちそれぞれの類別に対応する該当部分を本基準第4の3(2)に係る当解説及び留意事項等の<化粧品>(1)に準じ、使用することができる。
①医薬部外品本来の目的について 医薬部外品本来の目的が隠ぺいされて化粧品であるかのような誤解を与えないこと。
②化粧品的な使用方法等について 化粧品的な使用目的、用法で使用された場合に保健衛生上問題となるおそれのあるもの(殺菌剤配合のシャンプー又は薬用石けんなど)ではないこと。
③効能効果について 当該効能効果が医薬部外品の効能効果として承認を受けたものであるかのような誤認を与えないこと。
医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(2)56項目のうち(56)「乾燥による小ジワを目立たなくする。」には、条件を付けている取扱い通知(運用のしかたを示した通知)があります。この取扱い通知も、『4-1 化粧品がうたえる効能は、どこまで?』で扱っています。その通知の本文の3つ目の項目(記の3)は、いわゆる薬用化粧品について、記の1・記の2を守れば、追加された効能表現を広告表現中に使用して差し支えないとしています。記の1・記の2の中身も、そのページで扱っています。
2つの類別にまたがる場合
解説通知の<医薬部外品>(4)は、2つの類別にまたがる薬用化粧品の効能効果の表現について、それぞれの効能効果の承認を受けていなければ表現できない、としています。
例
解説通知自身が挙げている例は、薬用シャンプーに、薬用リンスの効能効果を表現する場面です。
原文で確かめる(解説通知 <医薬部外品>(4))
薬用シャンプーに薬用リンスの効能効果を表現するなど2類別にわたる薬用化粧品の効能効果の表現については、それぞれの薬用化粧品の効能効果の承認を受けていなければ表現できない。
同通知 第4の3(1)<医薬部外品>(4)同項は続けて、薬用化粧品の種類及び効能効果については前記(3)を参照することとしています。前記(3)は、2.の節から4.の節で見た3つの表を掲げている項です。
6. 承認された効能・効果は、広告でどう書く決まりですか?
解説通知は、「○○を防ぐ」で承認を受けたものについて、単に「○○に」等と書く表現は認められないとしています。
ただし解説通知は、承認された効能効果が、広告の中に別にはっきり書かれていれば、この取扱いは及ばない(原文は「この限りでない」)としています。
解説通知の<医薬部外品>(1)は、承認された効能効果の書き方について、次の取扱いを示しています。
「○○を防ぐ」という効能効果で承認を受けているものにあっては、単に「○○に」等の表現は認められない。
ただし、承認された効能効果が明瞭に別記されていればこの限りでない。
医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(1)例
A社の薬用ハンドクリームが、「○○を防ぐ」という効能で承認を受けているとします。広告の見出しを短くするために「○○に」とだけ書く場面は、この項が扱う場面です。この項は、承認された効能効果が広告の中に別にはっきり書かれていない限り、こうした表現は認められないとしています。
条件つきの効能は、原則として条件を省かずに書く(しばり表現)
承認された効能・効果に、一定の条件が付いていることがあります。解説通知は、これを「しばりの表現」と呼んでいます。<共通>(4)①は、後で見る②の場合を除き、このしばり表現を省略せず、正確に付記又は付言(書き添えるか言い添えること)することとしています。
さらに、しばりの部分とその他の部分は、同じ程度の広告効果を見込める方法で示すこととしています。紙面が狭い場合も同様です。
例
ある薬用クリームの承認された効能に、しばりの言葉が付いているとします。チラシの紙面が小さいからといって、しばりの部分を省く場面は、<共通>(4)①が問題になり得る場面です。しばりの部分だけを、ほかより極端に小さな文字で書く場面も、「同等の広告効果」との関係が問題になり得ます。
原文で確かめる(解説通知 <共通>(4)①)
承認された効能効果等に一定の条件、いわゆるしばりの表現が付されている医薬品等の広告を行う際は、②の場合を除きしばり表現を省略することなく正確に付記又は付言すること。
この場合、しばり部分とその他の部分について、同等の広告効果が期待できるような方法により広告を行うこと。
なお、紙面が狭い場合でも同様とする。
同通知 第4の3(1)<共通>(4)①例外は<共通>(4)②にあります。テレビ、ラジオでのしばり表現について、当面、漢方製剤に限り省略できるとしています。②は、その場合も、注意喚起の旨を付記又は付言しなければならないとしています。
医薬品等を同時に広告するときの「医薬部外品」の明記
<共通>(6)は、医薬品等を同じ紙面やテレビなどで同時に広告する場合の項です。1枚のチラシに、いくつかの医薬品等を並べて載せる場合などです。その項の中にある「なお、」で始まる文は、医薬部外品について「医薬部外品」である旨を明記することとしています。新指定・新範囲の医薬部外品(どちらも解説通知が使う区分名)の場合は、「指定医薬部外品」である旨の明記を求めています。
原文で確かめる(解説通知 <共通>(6))
なお、医薬部外品については、「医薬部外品」である旨(新指定及び新範囲医薬部外品の場合は「指定医薬部外品」の旨)を明記すること。
同通知 第4の3(1)<共通>(6)浴用剤の「生薬配合」「生薬製剤」
成分などの表現を扱う基準第4の3(3)の下にも、医薬部外品だけを対象とする項が1つあります。浴用剤で「生薬配合」「生薬製剤」と書く場合の項です。「生薬配合」の条件は、有効成分の一部に生薬(しょうやく)が配合され、しかも承認された効能効果等と関連があることです。「生薬製剤」の条件は、有効成分の全てが生薬のみから構成されていることです。解説通知は、どちらも、その条件を満たし、かつ「医薬部外品」の文字が付記されていれば、表現して差し支えないとしています。
原文で確かめる(解説通知 第4の3(3)<医薬部外品>(1))
①「生薬配合」の表現については、浴用剤の有効成分の一部に生薬が配合されており、しかも承認された効能効果等と関連がある場合であって、かつ、「医薬部外品」の文字が付記されていれば表現して差し支えない。
②「生薬製剤」の表現については、浴用剤の有効成分の全てが生薬のみから構成されている場合であって、かつ、「医薬部外品」の文字が付記されていれば表現して差し支えない。
同通知 第4の3(3)<医薬部外品>(1)同じ第4の3(3)には、化粧品及び薬用化粧品に共通する項(<医薬部外品・化粧品>(1))もあります。内容は『4-1 化粧品がうたえる効能は、どこまで?』で扱っています。
7. 「シワ改善」の表現について、業界団体は何を示していますか?
承認を受けた効能効果どおりに書くこと、「改善」の程度は事実の範囲にとどめ、「深いシワ」までの改善表現は認められないこと、などです。日本化粧品工業会の自主基準で、行政の通知ではありません。
文書名は「医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点」で、2025年8月7日に更新された ver.1.1 です。
作成の由来は、表題の下に記されています(下の引用の出典欄に示しました)。
文書は5つの項目からなります。このうち、承認された効能効果の書き方に関わるのは、次の2つです。
- 1つ目の項目:承認を受けた効能効果どおりに、正しく記載することを求めています。取り上げているのは、「シワ改善」の承認効能を取得した医薬部外品で、「シワに」「気になるシワに」等と書く表現です。
- 4つ目の項目:「改善」の程度は、事実の範囲の表現にとどめることを求めています。事実の範囲には、「抗シワ効能評価ガイドラインの臨床試験で確認された程度」という注記があります。そのうえで、「深いシワ」までの改善表現は認められないとしています。
例
A社の医薬部外品が、「シワ改善」の承認を受けているとします。その広告に「気になるシワに」とだけ書く場面は、1つ目の項目が自ら挙げている場面です。留意点は、こうした表現は改善効果であることが不明瞭で、シワ予防やシワ解消等と誤解を与え、範囲を逸脱する(はみ出す)おそれがあるとしています。
原文で確かめる(留意点の1つ目と4つ目の項目)
◇承認を受けた効能効果通りに正しく記載すること。「シワ改善」の承認効能を取得した医薬部外品において、「シワに」、「気になるシワに」等の広告表現はシワに対する改善効果であることが不明瞭で、シワ予防、シワ解消等と誤解を与え効能効果の範囲を逸脱するおそれがある。
(中略)
◇「改善」の程度は事実の範囲※の表現に留めること。「深いシワ」までの改善表現は認められない。
医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点(ver.1.1、2025年8月7日更新/日本化粧品工業会 化粧品広告審査会。表題の下に「(日本化粧品工業会化粧品広告審査会の結果等から)」と記載)1つ目および4つ目の項目残る3つの項目では、シワ効能評価試験に関する説明について「効能効果の保証に該当し不可」としています。ほかに、加齢に伴って生じるシワの改善表現の扱いと、有効成分の作用機序を説明する場合の留意点が挙げられています。文書の末尾には〔参考〕として「化粧品等適正広告ガイドライン F3.8 個々の有効成分の効能効果や作用機序を説明する場合」が置かれています。
行政の側にある、保証表現と作用機序の項
行政の側では、効能効果等又は安全性を保証する表現(効き目や安全性を請け合う表現)の禁止が、基準第4の3(5)に置かれています。この項についての解説通知の<共通>(1)は、こうした表現を、明示的、暗示的を問わず認められないとしています。
個々の成分の効能効果の説明(数種の成分からなる医薬品等の場合)と、作用機序の説明については、解説通知の第4の3(1)<共通>(7)に項があります。医学、薬学上認められており、かつ、承認されている効能効果等の範囲をこえない場合に限り、差し支えないとしています。
例
A社が、薬用クリームの広告で、その製品が働くしくみ(作用機序)を図で説明する場面を考えます。この場面は、<共通>(7)が扱う場面です。説明の内容が医学、薬学上認められていない場合や、承認の範囲をこえる場合は、(7)が示す条件との関係が問題になり得ます。
原文で確かめる(解説通知 <共通>(7))
数種の成分からなる医薬品等について、その個々の成分についての効能効果の説明を行う場合及び医薬品等の作用機序を説明することは、医学、薬学上認められており、かつ、その医薬品等の承認等されている効能効果等の範囲をこえない場合に限り差し支えない。
医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<共通>(7)化粧品の側にある「乾燥による小ジワを目立たなくする。」は、化粧品の効能の範囲(56項目)の(56)です。医薬部外品の「シワ改善」の承認効能とは、別のものです。(56)には、日本香粧品学会の「化粧品機能評価ガイドライン」に基づく試験等を行い、その効果を確認した場合に限る、という条件が付けられています。『4-1 化粧品がうたえる効能は、どこまで?』で扱っています。
理解の確認
「医薬部外品の効能・効果は、解説通知の表に載っている範囲まで書ける」という説明は、このページの内容とどこが食い違いますか?
承認が必要な品目では、上限を決めているのは表ではなく、品目ごとの承認です。医薬品等適正広告基準 第4の3(1)は、承認を受けた効能効果等の範囲をこえてはならないとしています。明示的か暗示的か(はっきり書くか、それとなく伝えるか)は問いません。表を掲げている解説通知 第4の3(1)<医薬部外品>(3)の文言は、「効能効果の範囲については概ね次表のとおりであるので参考とされたい」です。表の側に、範囲を定める旨の記載はありません。表に載っている文言であることは、承認の範囲を広げる理由にはなりません。
根拠:医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)/同解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)(法令確認日 2026-09-08)
承認が必要な医薬部外品と、承認が要らない医薬部外品とで、効能・効果の上限を測る物差しが違うのはなぜですか?
薬機法第14条第1項が、医薬部外品の製造販売に品目ごとの承認を求めているためです。承認が要らないのは、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものに限られます。承認がある品目には、品目ごとに決まった範囲があります。そのため基準の第4の3(1)は、その承認自体を上限にしています。承認が無い品目には、照らし合わせる個別の範囲がありません。そのため基準は項を分け、第4の3(2)で「医学、薬学上認められている範囲」という一般的な物差しを置いています。解説通知は同項の<共通>で、その判断に国内外の文献や専門家の意見などを参考にするとしています。
根拠:薬機法第14条第1項/医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)・第4の3(2)/同解説通知(薬生監麻発0929第5号)第4の3(2)<共通>(法令確認日 2026-09-08)
「シワ改善」の広告表現に関する留意点を、ここまで見てきた通知と同じ種類の根拠として扱えないのはなぜですか?
この留意点は、日本化粧品工業会が公表した自主的な文書(ver.1.1、2025年8月7日更新)だからです。厚生労働省の通知やガイドラインではなく、行政の見解を示したものではありません。内容が通知と同じ方向を向いていても、出どころの種類は別のものとして扱うことになります。同じ論点について、行政の側の項は別に置かれています。効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止は基準第4の3(5)に、個々の成分の効能効果や作用機序の説明は解説通知 第4の3(1)<共通>(7)にあります。
根拠:医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点(ver.1.1、2025年8月7日更新/日本化粧品工業会)/医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(5)/同解説通知(薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<共通>(7)(法令確認日 2026-09-08)
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- 医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)別紙「医薬品等適正広告基準」第4の3(1)・第4の3(2)厚生労働省(2026-09-08 確認)。旧通知(昭和55年10月9日 薬発第1339号厚生省薬務局長通知、改正 平成14年3月28日 医薬発第0328009号)の廃止も、このPDFの本文による
- 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)の表「医薬部外品の効能・効果の範囲」、「別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲」(注1・注2を含む)、表「新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)」厚生労働省(2026-09-08 確認)。基準の本体(薬生発0929第4号)は別のPDF(0000179264.pdf)で、そちらに解説通知は含まれない
- 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<共通>(1)〜(7)・<医薬部外品>(1)〜(4)、第4の3(2)<共通>、第4の3(3)<医薬部外品>(1)、第4の3(5)<共通>(1)厚生労働省(2026-09-08 確認)。同通知は、昭和55年10月9日 薬監第121号(厚生省薬務局監視指導課長通知)を廃止している
- 医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点(ver.1.1、2025年8月7日更新/日本化粧品工業会 化粧品広告審査会)日本化粧品工業会(2026-09-08 確認)。行政の通知・ガイドラインではなく、業界団体の自主基準。同会サイトの「適正広告」ページに掲載されているPDFを取得し、手元のテキストと全文が一致することを確認した
- 化粧品の効能の範囲の改正について(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)別紙 別表第1(2026-09-08 確認)。厚生労働省の原典URLは未取得。本ページは、医薬品等適正広告基準の解説通知 第4の3(2)<化粧品>(2)に「化粧品の効能の範囲の改正について(抜すい)」として再掲された一覧により確認した