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医薬部外品の効能・効果の範囲 — 承認された範囲をどう書くか

医薬部外品の効能・効果の上限を決めているのは、通知に載っている表ではなく、品目ごとの承認です(薬機法第14条第1項、医薬品等適正広告基準 第4の3(1))。承認を要しない品目には、同基準の第4の3(2)が掛かります。よく引かれる3つの表は、医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)が「参考とされたい」として掲げたものです。このページは、その表がどの文書のどこに、どういう位置づけで置かれ、何が並んでいるかを原文で確認します。

30秒でわかる要点

  • 上限を決めているのは、通知の表ではなく品目ごとの承認。医薬品等適正広告基準 第4の3(1)が、明示的か暗示的かを問わず、承認を受けた効能効果等の範囲をこえてはならないとしている。承認を要しない品目には同基準 第4の3(2)が掛かり、上限は「医学、薬学上認められている範囲」。
  • よく引かれる効能・効果の範囲の表は、解説通知(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)にあり、「参考とされたい」と添えられている。表の側に、範囲を定める旨の記載はない。
  • 表は3つ。医薬部外品15種類の本表、別掲の薬用化粧品(8種類)、新指定医薬部外品(抜すい)。一方、「シワ改善」の留意点は日本化粧品工業会が公表した自主基準で、行政の通知とは出典の区分が異なる。

医薬部外品の効能・効果は、どこまで書けることになっているのか

承認を要する品目は、承認を受けた効能効果等の範囲までです。医薬品等適正広告基準 第4の3(1)が、明示的か暗示的かを問わずこえてはならないとしています。

承認を要しない医薬部外品については、同基準の第4の3(2)が「医学、薬学上認められている範囲」を上限としています。

医薬部外品の効能・効果を広告でどこまで書けるかは、承認の要否で分かれます。承認を要する品目の上限は、品目ごとに受けた承認そのものです。医薬品等適正広告基準 第4の3(1)が、明示的か暗示的かを問わず、その範囲をこえてはならないとしています。

承認等を要する医薬品等の効能効果又は性能(以下「効能効果等」という。) についての表現は、明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず承認等を受けた効能効果等の範囲をこえてはならない。

医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)

上限が承認になるのは、薬機法が医薬部外品の製造販売について、品目ごとに厚生労働大臣の承認を受けなければならないとしているからです。承認を要しないのは、厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品に限られます。

基準そのものの位置づけと項の並びは医薬品等適正広告基準 — 本体(薬生発0929第4号)の構成と、解説通知の位置づけに、範囲を定めている箇所の一覧は表現と根拠の対照表にあります。

承認を要しない医薬部外品に掛かる項

基準は、承認を要する医薬品等と、承認を要しない医薬品等とで項を分けています。承認を要しない医薬部外品に掛かるのは第4の3(2)で、上限は「医学、薬学上認められている範囲」です。

承認等を要しない医薬品等(化粧品を除く。)の効能効果等の表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない。

医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(2)

解説通知は、同項の<共通>に1文を置いています。「医学、薬学上認められている範囲内」であるか否かの判断について、国内外の文献および専門家の意見などを参考にすることとする、という内容です。以下の節で扱う3つの表は、この(2)ではなく(1)の下に置かれています。

解説通知が第4の3(1)の下に置いている留意事項

解説通知は、第4の3(1)の下に<共通>と<医薬部外品>の2つを置いています。<共通>の(1)は、実際に有している作用と承認等の範囲との関係について述べたものです。

医薬品等が承認等されている効能効果等以外の効能効果等を実際に有しており、追加申請すればその効能効果等が実際に承認等されうる場合であっても、その未承認等の効能効果等を広告してはならない。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<共通>(1)

続く(2)は、未承認等の効能効果等の表現を2つに振り分けています。薬理学的に当該医薬品等の作用と関係あるものは、本項に違反するとしています。薬理学的に当該医薬品等の作用とは認められないものは、基準第4の3(8)「本来の効能効果等と認められない表現の禁止」に違反するとしています。(3)は、効能効果等の二次的、三次的効果等の表現は本項に抵触するため行わないこととしています。

虚偽又は誇大な記事の広告そのものを禁じているのは、薬機法第66条第1項です。同条の内容は第66条 — 虚偽・誇大広告の禁止で扱っています。

要点

承認の要否で入口が2つに分かれ、どちらに入るかで上限を測る物差しが変わります。承認を要する品目の物差しは、通知の表ではなく品目ごとの承認です。次の節で見る表は、その範囲について「参考とされたい」とされたものです。

効能・効果の範囲を示した表は、どの文書のどこに置かれているのか

医薬品等適正広告基準の解説通知(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)です。表に範囲を定める旨の記載はありません。

同項は7本の局長通知を挙げたうえで、表については「参考とされたい」としています。

表が置かれているのは、医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)の第4の3(1)<医薬部外品>(3)です。同項は、医薬部外品の範囲が7本の局長通知により示されていると述べたうえで、効能効果の範囲について表を掲げています。

掲げ方は「参考とされたい」です。表の側に、範囲を定める旨の記載はありません。この(3)の下には、本表に続けて「別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲」と「新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)」の2つの表が置かれています。

医薬部外品の範囲については、昭和36年2月8日薬発第44号薬務局長通知、昭和36年7月17日薬発第287号薬務局長通知、昭和36年11月18日薬発第470号薬務局長通知、昭和37年9月6日薬発第464号薬務局長通知、昭和55年10月9日薬発第1341号薬務局長通知、平成11年3月12日医薬発第280号医薬安全局長通知及び平成16年7月16日薬食発第0716002号医薬食品局長通知により示されているが、効能効果の範囲については概ね次表のとおりであるので参考とされたい。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)

表の欄名にある「使用目的」

本表の欄は「医薬部外品の種類」「使用目的の範囲と原則的な剤型」「効能又は効果の範囲」の3つです。2つ目はさらに「使用目的」と「主な剤型」に分かれています。

「使用目的」は、薬機法第2条第2項が医薬部外品を定義する際に用いている語です。

第3号の「厚生労働大臣が指定するもの」の指定を行っている告示については、本ページでは告示番号を特定できていないため扱いません。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

医薬部外品の広告の基準は、昭和55年10月9日 薬発第1339号「医薬品等適正広告基準について」である。

現行

薬発第1339号は、平成29年9月29日 薬生発0929第4号により廃止された。解説の側の旧通知(昭和55年10月9日 薬監第121号 厚生省薬務局監視指導課長通知)も、同日の薬生監麻発0929第5号により廃止されている。これに対し、医薬部外品の効能効果の範囲について解説通知が現在も挙げている昭和55年10月9日 薬発第1341号は、日付が同じで番号も近いが、廃止された2本のいずれでもない。

医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)本文/医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)本文および第4の3(1)<医薬部外品>(3)

表には、どの種類の医薬部外品が並んでいるのか

口中清涼剤からソフトコンタクトレンズ用消毒剤まで、15の種類です。種類ごとに、使用目的、主な剤型、効能又は効果が並んでいます。

10.薬用化粧品の効能又は効果の欄は「別掲(次表参照)」となっています。

本表に並ぶのは15の種類です。「医薬部外品の種類」欄と「効能又は効果」欄は次のとおりで、番号と表記は原文のままです。両欄の対応を示すために「:」を補っています。

1.口中清涼剤:口臭、気分不快。

2.腋臭防止剤:わきが(腋臭)、皮膚汗臭、制汗。

3.てんか粉類:あせも、おしめ(おむつ)かぶれ、ただれ、股ずれ、かみそりまけ。

4.育毛剤(養毛剤):育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛。

5.除毛剤:除毛。

6.染毛剤(脱色剤、脱染剤):染毛、脱色、脱染。

7.パーマネント・ウェーブ用剤:毛髪にウェーブをもたせ、保つ。くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛髪をのばし、保つ。

8.衛生綿類:生理処理用品については生理処理用、清浄用綿類については乳児の皮膚・口腔の清浄・清拭又は授乳時の乳首・乳房の清浄・清拭、目、局部、肛門の清浄・清拭。

9.浴用剤:あせも、荒れ性、打ち身(うちみ)、くじき、肩の凝り(肩のこり)、神経痛、湿しん(しっしん)、しもやけ、痔、冷え性、腰痛、リウマチ、疲労回復、ひび、あかぎれ、産前産後の冷え性、にきび。

10.薬用化粧品(薬用石けんを含む):別掲(次表参照)

11.薬用歯みがき類:歯を白くする、口中を浄化する、口中を爽快にする、歯周炎(歯槽膿漏)の予防、歯肉炎の予防。歯石の沈着を防ぐ。むし歯を防ぐ。むし歯の発生及び進行の予防、口臭の防止、タバコのやに除去、歯がしみるのを防ぐ。

12.忌避剤:蚊成虫、ブユ(ブヨ)、サシバエ、ノミ、イエダニ、トコジラミ(ナンキンムシ)等の忌避。

13.殺虫剤:殺虫。はえ、蚊、のみ等の衛生害虫の駆除又は防止。

14.殺そ剤:殺そ。ねずみの駆除、殺滅又は防止。

15.ソフトコンタクトレンズ用消毒剤:ソフトコンタクトレンズの消毒。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)の表「医薬部外品の効能・効果の範囲」の「医薬部外品の種類」欄および「効能又は効果」欄

限定が書かれているのは、使用目的の欄

「使用目的」の欄には、剤型や目的の記載に続けて、2か所だけ限定が書かれています。6.染毛剤について「毛髪を単に物理的に染毛するものは医薬部外品には該当しない。」、9.浴用剤について「(浴用石鹸は浴用剤には該当しない。)」です。

いずれも効能又は効果の欄ではなく、使用目的の欄に置かれています。

空欄になっている欄

「主な剤型」の欄が空欄になっているのは、14.殺そ剤と15.ソフトコンタクトレンズ用消毒剤の2つです。10.薬用化粧品は、剤型の欄には記載があり、効能又は効果の欄だけが「別掲(次表参照)」となっています。

本表に続けて置かれている2つの表には、何が並んでいるのか

薬用化粧品の効能・効果の範囲(8つの種類)と、新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)です。いずれも同じ(3)の下にあります。

薬用歯みがき類は別の表ではなく、本表の11.に効能又は効果が直接書かれています。

(3)の下に置かれた3つの表のうち、2つ目と3つ目です。本表で「別掲(次表参照)」とされた10.薬用化粧品の効能又は効果は、このうちの1つ目に書かれています。

別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲

表1:薬用化粧品の効能・効果の範囲
種類効能・効果
1.シャンプーふけ、かゆみを防ぐ。/毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。/毛髪・頭皮を清浄にする。/毛髪・頭皮をすこやかに保つ。/毛髪をしなやかにする。(末尾の2つは、原文で「二者択一」と括られています)
2.リンスふけ、かゆみを防ぐ。/毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。/毛髪の水分・脂肪を補い保つ。/裂毛・切毛・枝毛を防ぐ。/毛髪・頭皮をすこやかに保つ。/毛髪をしなやかにする。(末尾の2つは、原文で「二者択一」と括られています)
3.化粧水肌あれ。あれ性。/あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。/油性肌。/かみそりまけを防ぐ。/日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)/日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。/肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。/皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。
4.クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油肌あれ。あれ性。/あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。/油性肌。/かみそりまけを防ぐ。/日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)/日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。/肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。/皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。/皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。
5.ひげそり用剤かみそりまけを防ぐ。/皮膚を保護し、ひげをそりやすくする。
6.日やけ止め剤日やけ・雪やけによる肌あれを防ぐ。/日やけ・雪やけを防ぐ。/日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)/皮膚を保護する。
7.パック肌あれ。あれ性。/にきびを防ぐ。/油性肌。/日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)/日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。/肌をなめらかにする。/皮膚を清浄にする。
8.薬用石けん(洗顔料を含む)<殺菌剤主剤>(消炎剤主剤をあわせて配合するものを含む)皮膚の清浄・殺菌・消毒。体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。/<消炎剤主剤のもの>皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。

出典は、医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)の「別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲」です。原文は各効能を改行で並べており、区切りの「/」と、1.シャンプー・2.リンスの括弧内の注記は、本ページで補ったものです。

この表には、注が2つ付いています。

(注1)作用機序によっては、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」も認められる。

(注2)上記にかかわらず、化粧品の効能の範囲のみを標ぼうするものは、医薬部外品としては認められない。

同通知 第4の3(1)<医薬部外品>(3)の「別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲」注1・注2

新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)

もう1つの表は、製品群・剤型・効能又は効果・用法用量・代表的成分の5欄からなります。表題に「(抜すい)」とあるとおり、抜き出したものです。掲げられている製品群と効能又は効果は次のとおりです。

表2:新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)に掲げられた製品群
製品群効能又は効果
のど清涼剤たん、のどの炎症による声がれ・のどのあれ・のどの不快感・のどの痛み・のどのはれ
健胃清涼剤食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃部不快感、はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔・悪酔いのむかつき、嘔気、悪心)
外皮消毒剤すり傷、切り傷、さし傷、かき傷、靴ずれ、創傷面の洗浄・消毒/手指・皮膚の洗浄・消毒
きず消毒保護剤すり傷、切り傷、さし傷、かき傷、靴ずれ、創傷面の消毒・保護(被覆)
ひび・あかぎれ用剤(クロルヘキシジン主剤)ひび・あかぎれ・すり傷・靴ずれ
ひび・あかぎれ用剤(メントール・カンフル主剤)ひび・しもやけ・あかぎれ
ひび・あかぎれ用剤(ビタミンAE主剤)ひび・しもやけ・あかぎれ・手足のあれの緩和
あせも・ただれ用剤あせも・ただれの緩和・防止
うおのめ・たこ用剤うおのめ・たこ
かさつき・あれ用剤手足のかさつき・あれの緩和
ビタミンC剤肉体疲労時、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時又は中高年期のビタミンCの補給
ビタミンE剤中高年期のビタミンEの補給
ビタミンEC剤肉体疲労時、病中病後の体力低下時又は中高年期のビタミンECの補給
ビタミン含有保健剤(1)体力、身体抵抗力又は集中力の維持・改善、(2)疲労の回復・予防、(3)虚弱体質(加齢による身体虚弱を含む。)に伴う身体不調の改善・予防、(4)日常生活における栄養不良に伴う身体不調の改善・予防、(5)病中病後の体力低下時、発熱を伴う消耗性疾患時、食欲不振時、妊娠授乳期又は産前産後等の栄養補給
カルシウム剤妊娠授乳期・発育期・中高年期のカルシウムの補給

出典は、同通知 第4の3(1)<医薬部外品>(3)の表「新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)」です。剤型・用法用量・代表的成分の3欄は本ページでは省いています。表題に「(抜すい)」とあるとおり、この表は新指定医薬部外品の全体を示したものではありません。また、(3)が挙げる7本の局長通知と、(3)の下に掲げられた3つの表との対応関係は、通知の本文には書かれていません。

薬用化粧品に、化粧品の効能効果の表現を使うことはできるのか

解説通知<医薬部外品>(2)が、3つの事項への配慮を条件に、化粧品の効能表現のうちそれぞれの類別に対応する該当部分を使用できるとしています。

対象は化粧品的医薬部外品(いわゆる薬用化粧品)と薬用歯みがきです。

薬用化粧品(化粧品的医薬部外品)と薬用歯みがきの効能効果は、品目ごとに成分分量を審査のうえ承認されたものです。解説通知は、承認の範囲内で広告することを原則としたうえで、3つの事項に配慮すれば、化粧品の効能表現のうちそれぞれの類別に対応する該当部分を使用できるとしています。

化粧品的医薬部外品(いわゆる薬用化粧品。以下同じ。)及び薬用歯みがきの効能効果は、品目ごとに成分分量を審査のうえ承認されたものであるから、承認の範囲内で広告することが原則であるが、次の事項に配慮すれば、その広告表現中に本基準第4の3(2)に係る当解説及び留意事項等の<化粧品>(2)の表に掲げられた効能表現のうちそれぞれの類別に対応する該当部分を本基準第4の3(2)に係る当解説及び留意事項等の<化粧品>(1)に準じ、使用することができる。

①医薬部外品本来の目的について 医薬部外品本来の目的が隠ぺいされて化粧品であるかのような誤解を与えないこと。

②化粧品的な使用方法等について 化粧品的な使用目的、用法で使用された場合に保健衛生上問題となるおそれのあるもの(殺菌剤配合のシャンプー又は薬用石けんなど)ではないこと。

③効能効果について 当該効能効果が医薬部外品の効能効果として承認を受けたものであるかのような誤認を与えないこと。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(2)

引用中の「<化粧品>(2)の表」は、化粧品の効能の範囲(56項目)です。その内容と、(56)「乾燥による小ジワを目立たなくする。」に条件を付けている取扱い通知については、化粧品でうたえる56項目と、成分の書き方 — 範囲を定めているのはどの通知かで扱っています。同じ取扱い通知の記の3は、いわゆる薬用化粧品について、記の1と記の2を遵守すれば追加された効能表現を広告表現中に使用して差し支えないとしています。

2類別にわたる場合

解説通知は、<医薬部外品>(4)に、薬用化粧品の類別をまたぐ場合の項を置いています。

薬用シャンプーに薬用リンスの効能効果を表現するなど2類別にわたる薬用化粧品の効能効果の表現については、それぞれの薬用化粧品の効能効果の承認を受けていなければ表現できない。

同通知 第4の3(1)<医薬部外品>(4)

同項は続けて、薬用化粧品の種類及び効能効果については前記(3)を参照することとしています。前記(3)が、前の節で見た3つの表を掲げている項です。

承認された効能・効果は、広告でどう書くこととされているのか

<医薬部外品>(1)が、「○○を防ぐ」という効能効果で承認を受けているものについて、単に「○○に」等の表現は認められないとしています。

ただし、承認された効能効果が明瞭に別記されていればこの限りでない、とされています。

解説通知の<医薬部外品>(1)は、承認された効能効果をそのままの形で書くことを求めています。「○○を防ぐ」という効能効果で承認を受けているものについて、単に「○○に」等の表現は認められないとしています。ただし書きが1つ付いています。

「○○を防ぐ」という効能効果で承認を受けているものにあっては、単に「○○に」等の表現は認められない。

ただし、承認された効能効果が明瞭に別記されていればこの限りでない。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(1)

しばり表現の扱い

承認された効能効果等に一定の条件(しばりの表現)が付されている場合の扱いは、区分ごとの側ではなく<共通>に置かれています。

承認された効能効果等に一定の条件、いわゆるしばりの表現が付されている医薬品等の広告を行う際は、②の場合を除きしばり表現を省略することなく正確に付記又は付言すること。

この場合、しばり部分とその他の部分について、同等の広告効果が期待できるような方法により広告を行うこと。

なお、紙面が狭い場合でも同様とする。

同通知 第4の3(1)<共通>(4)①

②は、テレビ、ラジオにおける効能効果等のしばり表現について、当面、漢方製剤に限り省略できるものとしています。その場合は注意喚起の旨を付記又は付言しなければならないとされています。②が省略を認めているのは漢方製剤に限られています。

「医薬部外品」である旨の明記

医薬品等を同一紙面又はテレビ等で同時に広告する場合について、<共通>(6)がなお書きを置いています。

なお、医薬部外品については、「医薬部外品」である旨(新指定及び新範囲医薬部外品の場合は「指定医薬部外品」の旨)を明記すること。

同通知 第4の3(1)<共通>(6)

浴用剤の「生薬配合」「生薬製剤」

成分等の表現を扱う基準第4の3(3)の下にも、医薬部外品だけを対象とする項が1つあります。

①「生薬配合」の表現については、浴用剤の有効成分の一部に生薬が配合されており、しかも承認された効能効果等と関連がある場合であって、かつ、「医薬部外品」の文字が付記されていれば表現して差し支えない。

②「生薬製剤」の表現については、浴用剤の有効成分の全てが生薬のみから構成されている場合であって、かつ、「医薬部外品」の文字が付記されていれば表現して差し支えない。

同通知 第4の3(3)<医薬部外品>(1)

同じ第4の3(3)には、化粧品及び薬用化粧品に共通する項(<医薬部外品・化粧品>(1))もあります。内容は化粧品でうたえる56項目と、成分の書き方 — 範囲を定めているのはどの通知かで扱っています。

「シワ改善」の広告表現について、業界団体は何を示しているか

日本化粧品工業会が「医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点」(ver.1.1)を公表しています。行政の通知ではありません。

2025年8月7日更新の ver.1.1 です。厚生労働省の通知やガイドラインではなく、業界団体が自主的に作成した文書です。

「シワ改善」の広告表現については、日本化粧品工業会が「医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点」(ver.1.1、2025年8月7日更新)を公表しています。厚生労働省の通知やガイドラインではなく、業界団体が自主的に作成した文書です。行政の見解を示したものではないため、これまでの節で見てきた通知とは出典の区分が異なります。

作成の由来は、表題の下に記されています(原文は下の引用の出典欄に示しました)。文書は5つの項目からなります。ここでは、承認された効能効果の記載に関わる2つを引きます。

◇承認を受けた効能効果通りに正しく記載すること。「シワ改善」の承認効能を取得した医薬部外品において、「シワに」、「気になるシワに」等の広告表現はシワに対する改善効果であることが不明瞭で、シワ予防、シワ解消等と誤解を与え効能効果の範囲を逸脱するおそれがある。

(中略)

◇「改善」の程度は事実の範囲※の表現に留めること。「深いシワ」までの改善表現は認められない。

医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点(ver.1.1、2025年8月7日更新/日本化粧品工業会 化粧品広告審査会。表題の下に「(日本化粧品工業会化粧品広告審査会の結果等から)」と記載)1つ目および4つ目の項目

引用した2つ目の「※」には、別の行に「抗シワ効能評価ガイドラインの臨床試験で確認された程度」と注記されています。

残る3つの項目では、シワ効能評価試験に関する説明について「効能効果の保証に該当し不可」としています。ほかに、加齢に伴って生じるシワの改善表現の扱いと、有効成分の作用機序を説明する場合の留意点が挙げられています。文書の末尾には〔参考〕として「化粧品等適正広告ガイドライン F3.8 個々の有効成分の効能効果や作用機序を説明する場合」が置かれています。

解説通知の側にある、保証表現と作用機序の項

行政の側では、効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止が基準第4の3(5)に置かれています。その解説<共通>(1)は、効能効果等又は安全性を保証する表現について、明示的、暗示的を問わず認められないとしています。

個々の成分の効能効果の説明と、作用機序の説明については、第4の3(1)<共通>(7)に項があります。

数種の成分からなる医薬品等について、その個々の成分についての効能効果の説明を行う場合及び医薬品等の作用機序を説明することは、医学、薬学上認められており、かつ、その医薬品等の承認等されている効能効果等の範囲をこえない場合に限り差し支えない。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<共通>(7)

化粧品の側にある「乾燥による小ジワを目立たなくする。」は、化粧品の効能の範囲(56項目)の(56)で、医薬部外品の「シワ改善」の承認効能とは別のものです。(56)には、日本香粧品学会の「化粧品機能評価ガイドライン」に基づく試験等を行い、その効果を確認した場合に限るという条件が付けられています。化粧品でうたえる56項目と、成分の書き方 — 範囲を定めているのはどの通知かで扱っています。

理解の確認

医薬部外品の効能・効果は解説通知の表に載っている範囲まで書ける、という説明は、このページの整理とどこで食い違うか。

上限を決めているのは表ではなく、品目ごとの承認です。医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)は、明示的か暗示的かを問わず、承認を受けた効能効果等の範囲をこえてはならないとしています。表を掲げている解説通知(薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)の文言は「効能効果の範囲については概ね次表のとおりであるので参考とされたい」で、表の側に範囲を定める旨の記載はありません。表に載っている文言であることは、承認の範囲を広げる理由にはなりません。

根拠:医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)/同解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)(法令確認日 2026-09-08)

承認を要する医薬部外品と承認を要しない医薬部外品とで、効能効果等の範囲を測る物差しが違うのはなぜか。

薬機法第14条第1項が、医薬部外品の製造販売について品目ごとの承認を求め、承認を要しないのは厚生労働大臣が基準を定めて指定するものに限られるとしているためです。承認がある品目には品目ごとに決まった範囲が存在するので、基準第4の3(1)はそれ自体を上限に据えています。承認が無い品目には照らすべき個別の範囲が無いため、基準は項を分け、第4の3(2)で「医学、薬学上認められている範囲」という一般的な物差しを置いています。解説通知は同項の<共通>で、その判断に国内外の文献および専門家の意見などを参考にすることとしています。

根拠:薬機法第14条第1項/医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(1)・第4の3(2)/同解説通知(薬生監麻発0929第5号)第4の3(2)<共通>(法令確認日 2026-09-08)

「シワ改善」の広告表現に関する留意点を、これまでの節で見てきた通知と同じ区分の根拠として扱えないのはなぜか。

この留意点は日本化粧品工業会が公表した自主的な文書(ver.1.1、2025年8月7日更新)で、厚生労働省の通知やガイドラインではなく、行政の見解を示したものではないからです。内容が通知と同じ方向を向いていても、出典の区分は別のものとして扱うことになります。同じ論点について行政の側にある項は別に置かれていて、効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止は基準第4の3(5)に、個々の成分の効能効果や作用機序の説明は解説通知 第4の3(1)<共通>(7)にあります。

根拠:医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点(ver.1.1、2025年8月7日更新/日本化粧品工業会)/医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(5)/同解説通知(薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<共通>(7)(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第2項・第14条第1項・第66条第1項 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)。条文は2026年5月21日施行の版(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)で確認した。第2条・第14条は2027年5月20日施行の版でも変更があるが、本ページが引用した第2条第2項と第14条第1項の文言に変更はない(両版のXMLを突き合わせて確認)
  • 医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)別紙「医薬品等適正広告基準」第4の3(1)・第4の3(2)厚生労働省(2026-09-08 確認)。旧通知(昭和55年10月9日 薬発第1339号厚生省薬務局長通知、改正 平成14年3月28日 医薬発第0328009号)の廃止も、このPDFの本文による
  • 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<医薬部外品>(3)の表「医薬部外品の効能・効果の範囲」、「別掲 薬用化粧品の効能・効果の範囲」(注1・注2を含む)、表「新指定医薬部外品の効能・効果の範囲(抜すい)」厚生労働省(2026-09-08 確認)。基準の本体(薬生発0929第4号)は別のPDF(0000179264.pdf)で、そちらに解説通知は含まれない
  • 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)第4の3(1)<共通>(1)〜(7)・<医薬部外品>(1)〜(4)、第4の3(2)<共通>、第4の3(3)<医薬部外品>(1)、第4の3(5)<共通>(1)厚生労働省(2026-09-08 確認)。同通知は、昭和55年10月9日 薬監第121号(厚生省薬務局監視指導課長通知)を廃止している
  • 医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点(ver.1.1、2025年8月7日更新/日本化粧品工業会 化粧品広告審査会)日本化粧品工業会(2026-09-08 確認)。行政の通知・ガイドラインではなく、業界団体の自主基準。同会サイトの「適正広告」ページに掲載されているPDFを取得し、手元のテキストと全文が一致することを確認した
  • 化粧品の効能の範囲の改正について(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)別紙 別表第1(2026-09-08 確認)。厚生労働省の原典URLは未取得。本ページは、医薬品等適正広告基準の解説通知 第4の3(2)<化粧品>(2)に「化粧品の効能の範囲の改正について(抜すい)」として再掲された一覧により確認した