30秒でわかる要点
- 「使用前後の写真」を名指しで禁じた条文は、薬機法にありません。可否の枠を置いているのは医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)で、行政は第4の3(5)「効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止」に結び付けています。
- 2017年の全面改正で扱いが変わりました。平成30年8月8日 事務連絡は8つの事例のうち6件を「原則、差し支えない」、2件を「認められない」とし、認められない2件はいずれも「防ぐ」という効能表示が認められた薬用化粧品です。
- 基準の本文に「受賞」の語を用いた項はありません。第三者の関与を扱うのは第4の10で、並ぶのは主体(医薬関係者、公務所、学校、学会を含む団体)と行為(指定・公認・推せん・指導・選用)です。医療機関の広告は、医療広告等ガイドラインが別の枠で扱います。
使用前後の写真を名指しで禁じた条文は、どこにあるか
薬機法の条文に、使用前後の写真を名指しした規定はありません。判断の枠を置いているのは、医薬品等適正広告基準の第4の3(5)です。
基準は、平成29年9月29日 薬生発0929第4号の別紙として示されたものです。
薬機法に、写真という形式を名指しした規定はありません。第66条第1項が禁じているのは、名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する虚偽又は誇大な記事の広告で、条文は表現の媒体や形式を挙げていないからです。第66条が禁じている内容そのものは第66条 — 虚偽・誇大広告の禁止で扱います。
写真や推せんを項目として置いているのは、医薬品等適正広告基準です。基準は平成29年9月29日 薬生発0929第4号の別紙として示されました。第2は「新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告」を対象としています。基準全体の構成と、解説及び留意事項等の通知の位置づけは医薬品等適正広告基準 — 本体(薬生発0929第4号)の構成と、解説通知の位置づけで扱います。
使用前後の写真等が結び付けられている項
(5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止 医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしてはならない。
(6)効能効果等又は安全性についての最大級の表現又はこれに類する表現の禁止 医薬品等の効能効果等又は安全性について、最大級の表現又はこれに類する表現をしてはならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の3(5)及び(6)行政の質疑応答は、使用前後の写真等の可否をこの(5)に結び付けています。あわせて挙がるのが第4の3(1)と(2)です。(1)は、承認等を要する医薬品等の効能効果等の表現が、承認等を受けた範囲をこえてはならないとしています。(2)は、承認等を要しない医薬品等(化粧品を除く。)について、その表現が医学、薬学上認められている範囲をこえてはならないとしています。
承認を要しない化粧品には、同じ(2)が別の上限を引いています。平成23年7月21日 薬食発0721第1号「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲です。その範囲は化粧品でうたえる56項目と、成分の書き方で扱います。なお、この通知番号を基準の版面は「薬食発第0721第1号」と表記しています。
使用前後の写真の扱いは、2017年の改正で何が変わったのか
一律に禁じられる扱いではなくなりました。承認等外の効能効果等を想起させるものや安全性の保証表現となるもの等を除き、使用が可能となったと行政が書いています。
旧通知は、平成29年9月29日 薬生発0929第4号の本文により廃止されています。
よく見かける説明と、現行
よく見かける説明
医薬品等の広告では、使用前後の写真は一律に使えない。
現行
行政の質疑応答は、基準の改正に伴い、承認等外の効能効果等を想起させるもの及び安全性の保証表現となるもの等を除き、使用前・後の写真等の使用が可能となった、と書いている。可否は基準の項への抵触の有無で書かれている。
医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)(平成30年8月8日 事務連絡)Q2の柱書。旧通知(昭和55年10月9日 薬発第1339号)は平成29年9月29日 薬生発0929第4号の本文により廃止。本ページは旧通知の本文を確認していない
医薬品等適正広告基準の改正に伴い、承認等外の効能効果等を想起させるもの及び安全性の保証表現となるもの等を除き、医薬品等の広告において使用前・後の写真等の使用が可能となった。
医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)(平成30年8月8日 事務連絡)Q2この一文は、都道府県等の薬務主管課あてに出された事務連絡の中で、質問の前提として書かれているものです。改正通知そのものは、改正の範囲と旧通知の廃止を本文で述べています。
医薬品等の広告を巡る環境の変化に伴い、今般、一般用医薬品及び指定医薬部外品に関する部分を中心に見直しの検討を行い、別紙のとおり医薬品等適正広告基準を全面的に改正しました。(中略)なお、本通知をもって、旧通知は廃止します。
医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)本文ここで旧通知として名指しされているのは、昭和55年10月9日 薬発第1339号(改正 平成14年3月28日 医薬発第0328009号)です。本ページはこの旧通知の本文を確認していないため、旧通知のどの項に何が書かれていたかは扱いません。
改正の時系列は改正の時間軸 — 施行日別に変わった条文を追う、現行の記載と食い違う説明の一覧は古い理解の一覧 — 現行の条文と食い違う記述を更新するで扱います。
形式ではなく項番号で書かれていること
同じ事務連絡のQ1は、年齢印象をイラスト及び写真を用いて説明する表現を問うたものです。良い印象を受けるものと悪い印象を受けるものを並べて記載する表現が認められるか、という問いでした。
回答は、写真という形式ではなく項番号で答えています。使用前後の写真等の表現であるかどうかを問わず、基準第4の3(5)に抵触すると判断される場合には指導対象とすべきと解する、というものです。回答の原文は第66条 — 虚偽・誇大広告の禁止に掲げています。
要点
この事務連絡の3つの問いに対する回答は、いずれも基準の項番号を挙げて書かれています。挙がるのは第4の3(1)(承認等を受けた効能効果等の範囲)、第4の3(2)(医学、薬学上認められている範囲)、第4の3(5)(保証表現の禁止)、第4の10(医薬関係者等の推せん)の4つです。
行政は、どの事例について可否を示しているか
平成30年8月8日 事務連絡が8つの事例を挙げ、6件を原則差し支えない、2件を認められないとしています。
認められないとされた2件は、いずれも「防ぐ」という効能表示が認められた製品についての事例です。
Q2は、8つの具体的事例を挙げ、その適否についての判断を示すよう求めたものです。回答は事例ごとに並べられ、6件が「原則、差し支えない」、2件が「認められない」とされています。
| 問われた事例 | 回答 | 根拠 |
|---|---|---|
| 化粧品の染毛料、医薬部外品の染毛剤の広告において、使用前・後の写真を用い、色の対比を行っている場合 | 原則 差し支えない | 同Q&A Q2に対する回答(事例1) |
| 医薬品である「鎮痒消炎薬」の広告において、虫刺されにより腫れている患部の写真及び患部が完治している写真を並べて使用する場合 | 原則 差し支えない | 同Q&A Q2に対する回答(事例2。ただし書きあり。下の引用) |
| 洗浄料(化粧品的医薬部外品等)の広告において、肌が汚れた状態の写真と洗浄後の肌の写真などを使用する場合 | 原則 差し支えない | 同Q&A Q2に対する回答(事例3) |
| 化粧水、クリーム等の広告において、乾燥した角層と、保湿後の角層の図面などを使用する場合 | 原則 差し支えない | 同Q&A Q2に対する回答(事例4) |
| シャンプー(化粧品)の広告において、フケがある頭皮写真と、シャンプー使用後の頭皮写真などを使用する場合 | 原則 差し支えない | 同Q&A Q2に対する回答(事例5) |
| 「制汗」という効果効能の表示が認められた腋臭防止剤の広告において、無塗布の腋と腋臭防止剤を使用した腋の写真を使用する場合 | 原則 差し支えない | 同Q&A Q2に対する回答(事例6) |
| 「メラニンの生成を抑え、シミ、ソバカスを防ぐ」という効能表示が認められた薬用化粧品の広告において、シミ・ソバカスのない肌と、製品使用後に紫外線暴露してもシミ・ソバカスが目立たない肌の写真を使用する場合 | 認められない | 同Q&A Q2に対する回答(事例7) |
| 「ひび・あかぎれを防ぐ」という効能表示が認められた薬用化粧品の広告において、ひび・あかぎれのない肌、製品使用後もひび・あかぎれのない肌及び無塗布でひび・あかぎれした肌の写真を使用する場合 | 認められない | 同Q&A Q2に対する回答(事例8) |
事例の文言は同Q&A Q2の記載を要約したものです。事例2の「鎮痒消炎薬」には、原文で効能(かゆみ、虫さされ、かぶれ、しっしん、じんましん、あせも、しもやけ、皮ふ炎、ただれ)が併記されています。事例3・事例4の括弧書きは、原文では「化粧品的医薬部外品(以下、薬用化粧品という。)等」「薬用化粧品等」です。
事例2の回答には、ただし書きが付いています。
(事例2)原則、差し支えない。また、承認において疾病を治癒、完治する効能効果を有する製品においては、効果発現までの時間及び効果持続時間の保証となるもの又は安全性の保証表現とならなければ、その使用前・後の写真等で治癒又は完治している内容であっても差し支えない。ただし、「○○の緩和」等の効能効果の場合においては、治癒、完治するかのような写真等の使用は効能効果を逸脱するため認められない。
医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)(平成30年8月8日 事務連絡)Q2に対する回答認められないとされた2件には、理由が括弧で付されています。事例7には「(「防ぐ」との効能効果を使用前・後の写真等で表現することは不可能なため。)」、事例8には「(事例7と同様。)」と書かれています。
推せんについて、基準はどこで止めているか
第4の10が、医薬関係者や、公務所・学校・学会を含む団体が指定・公認・推せん・指導・選用している等の広告を禁じています。
公衆衛生の維持増進のため必要な場合等について、ただし書きが置かれています。
基準で推せんを扱っているのは、第4の10です。主体と行為の両方が、文言として並べられています。
10 医薬関係者等の推せん 医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は学会を含む団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない。
ただし、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を広告することが必要な場合等特別の場合はこの限りでない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の10この項は、二つの列挙でできています。主体は、医薬関係者から、公務所、学校又は学会を含む団体まで。行為は、指定・公認・推せん・指導・選用が並びます。
ただし書きが「この限りでない」とするのは、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を広告することが必要な場合等、特別の場合です。
条文の側にも、対応する項があります。薬機法第66条第2項は、効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告等することを、第1項に該当するものとしています。
行政が第4の10を当てはめた例
平成30年8月8日 事務連絡のQ3は、いわゆる健康食品や化粧品等の広告における「○○大学との共同研究」「○○大学との共同研究から生まれた成分」等の標榜が認められるかを問うたものです。回答は、化粧品等と健康食品とを分けて書いています。
化粧品等の広告に関する事例については、第4の10の医薬関係者等の推せんに抵触するため、「大学との共同研究」との記載は認められないとされています。さらに、そう記載することにより広告全体として効能効果の逸脱となる場合は、第4の3(1)若しくは3(2)に抵触することとなる、と書かれています。この部分の原文は第66条 — 虚偽・誇大広告の禁止に掲げています。
健康食品の広告に関する事例は、これと分けて書かれています。
健康食品の広告に関する事例については、広告全体から判断することとなるが、広告全体の効能効果(暗示を含む。)の標榜が無いのであれば、未承認医薬品の広告と見なさなれないことから、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律による指導対象とはならない。
医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)(平成30年8月8日 事務連絡)Q3に対する回答。「見なさなれない」は厚生労働省が公開しているPDFの原文どおり食品がどこから医薬品と判断されるかは食薬区分 — 医薬品と判断される4つの要素と、判定を要しない3類型、食品の側の表示の枠はサプリメントの表現はどこまで書けるか — 薬機法と健康増進法の重なりで扱います。第三者の投稿や体験談を誰の表示として見るかは体験談・口コミは誰の表示か — 2023年10月に加わったステルスマーケティング告示で扱います。
基準は、媒体の形態に応じた項も置いています。第4の13(1)は、テレビ、ラジオの提供番組又は映画演劇等において出演者が特定の医薬品等の品質、効能効果等、安全性その他について言及し、又は暗示する行為をしてはならないとしています。
受賞歴や第三者の認定は、基準のどの項で見られるのか
基準の本文に「受賞」の語を用いた項はありません。第三者の関与を扱うのは第4の10で、挙がる行為は指定・公認・推せん・指導・選用です。
本ページが確認したのは別紙の基準本文で、同日付けの解説及び留意事項等の通知の本文は確認していません。
本ページが確認した別紙「医薬品等適正広告基準」の本文には、「受賞」の語を用いた項はありません。第三者が製品や事業者に関与している事実の表示を扱っているのは、前掲の第4の10です。そこに並ぶ行為は、指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告です。団体の側は「公務所、学校又は学会を含む団体」と書かれています。
基準には、これに隣り合う項がほかにもあります。
- 第4の3(6) 効能効果等又は安全性についての最大級の表現又はこれに類する表現を禁じています。
- 第4の9 医薬品等の品質、効能効果、安全性その他について、他社の製品を誹謗するような広告を禁じています。
- 第4の1 名称についての表現の範囲を扱います。
- 第4の2 製造方法について、実際の製造方法と異なる表現又はその優秀性について事実に反する認識を得させるおそれのある表現を扱います。
要点
基準は、題材ごとの引き出しではなく、行為と表現の種類ごとの引き出しで整理されています。だから「受賞歴」「共同研究」「監修」という札の付いた引き出しは、探しても見つかりません。並んでいるのは行為(指定・公認・推せん・指導・選用)と主体(医薬関係者、公務所、学校、学会を含む団体)、そして表現の種類(保証表現・最大級の表現)です。行政の質疑応答も、題材の名前ではなく項番号を挙げて答えています。
本ページが原文を確認したのは、平成29年9月29日 薬生発0929第4号の本文と、その別紙である「医薬品等適正広告基準」です。同日付けで発出された解説及び留意事項等についての通知(薬生監麻発0929第5号)の本文は確認していないため、解説の側に受賞歴に関する記載があるかどうかは本ページでは扱いません。基準本体と解説通知の関係は医薬品等適正広告基準 — 本体(薬生発0929第4号)の構成と、解説通知の位置づけで扱います。
表示された事実そのものが実際と異なる場合に景品表示法の側でどう扱われるかは、優良誤認と有利誤認 — 景品表示法第5条第1号と第2号は、条文のどこが違うのかで扱います。誰が名宛人になるかは規制されるのは誰か — 「何人も」と、代理店・媒体・個人で扱います。
同じ写真を、医療広告等ガイドラインはどう扱っているか
医療広告等ガイドラインは、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等は医療広告として認められない、としています。
治療効果に関する事項は広告可能事項ではないため、限定解除の対象でない場合については広告できないとされています。
医療機関が行う広告は、別の枠で規律されます。医療法第6条の5以下と、その指針である「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」です。指針は平成30年5月8日付け医政発0508第1号 厚生労働省医政局長通知の別紙3として示されたもので、最終改正は令和8年3月30日です。
枠組みそのものは医療広告規制はなぜ限定列挙なのか — 医療法第6条の5から第6条の8までで扱います。ここでは、治療等の前又は後の写真について指針が書いていることだけを挙げます。
省令第1条の9第2号に規定する「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告をしてはならないこと」とは、いわゆるビフォーアフター写真等を意味するものであるが、個々の患者の状態等により当然に治療等の結果は異なるものであることを踏まえ、誤認させるおそれがある写真等については医療広告としては認められない。
また、術前又は術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明を付した場合についてはこれに当たらない。
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。令和8年3月30日最終改正)第3-1の1(7)同じ(7)は、その説明の掲載場所についても書いています。リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用してはならない、というものです。
さらに、治療効果に関する事項は広告可能事項ではないため、第5に定める要件を満たした限定解除の対象でない場合については、術前術後の写真等については広告できないとしています。限定解除の要件は限定解除の4要件と、未承認医薬品等を用いる場合の追加記載で扱います。
指針は、写真の作り方についても項を分けています。第3-1の1(1)は、虚偽広告の具体例として「加工・修正した術前術後の写真等の掲載」を挙げています。あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、虚偽広告として取り扱うとされています。
第3-1の1(3)は、誇大広告の側で挙げています。撮影条件や被写体の状態を変えるなどして撮影した術前術後の写真等をウェブサイトに掲載し、その効果又は有効性を強調することです。
手術前のみ、又は手術後のみの写真については、指針のQ&A(平成30年8月10日付け厚生労働省医政局総務課事務連絡の別添。最終改正 令和8年3月30日)が答えています。
Q2-8 手術前のみ又は手術後のみの写真を用いて広告することは、可能でしょうか。
A2-8 手術の前後の写真と同様、手術前のみ又は手術後のみの写真についても、患者等を誤認させるおそれがある治療効果に関する表現に該当するため、広告できません。
医療広告等ガイドラインに関するQ&A Q2-8・A2-8推薦や団体による認定の表示を、医療広告等ガイドラインはどこで扱っているか
第3-1の1(2)の比較優良広告です。著名人との関連性を強調するなど、他の医療機関より著しく優れているとの誤認を与えるおそれがある表現を、ここで扱っています。
活動実態のない団体による資格認定や施設認定を受けた旨は、誇大広告として取り扱うべきとされています。
推薦の表示を扱っているのは、第3-1の1(2)の比較優良広告です。著名人との関連性を強調するなど、患者等に対して他の医療機関より著しく優れているとの誤認を与えるおそれがある表現は、患者等を不当に誘引するおそれがあることから、比較優良広告として取り扱うとされています。
同項の【具体例】には、次の3つが挙がっています。
- 「著名人も○○医師を推薦しています」
- 「著名人も当院で治療を受けております。」
- 「芸能プロダクションと提携しています」
団体による認定は、第3-1の1(3)の誇大広告の側です。具体例には「○○学会認定医」「○○協会認定施設」が、活動実態のない団体による認定として挙げられています。
指針は、当該医療機関関係者自身が実質上運営している団体や活動実態のない団体などによる資格認定や施設認定を受けた旨について、患者等を不当に誘引するおそれがあり、誇大広告として取り扱うべきであるとしています。除かれるのは、客観的かつ公正な一定の活動実績が確認される団体によるものです。
認定をめぐっては、第3-1の1(1)にも具体例があります。虚偽広告として「厚生労働省の認可した○○専門医」を挙げ、専門医の資格認定は各学会及び専門医機構が実施するものであり、厚生労働省が認可した資格ではないと述べています。
同じ(2)は、事実の記載そのものを妨げるものではない、とも書いています。最上級を意味する表現その他優秀性について著しい誤認を与える表現を除き、必ずしも客観的な事実の記載を妨げるものではない、というものです。
ただし、求められれば内容に係る裏付けとなる合理的な根拠を示し、客観的に実証できる必要があるとしています。調査結果等の引用による広告については、出典、調査の実施主体、調査の範囲、実施時期等を併記する必要があるとされています。
理解の確認
「受賞歴」や「共同研究」という題材で医薬品等適正広告基準を引こうとしても該当する項が見つからないのは、基準が何を単位に整理されているからか。
基準は題材ごとではなく、行為と表現の種類を単位に項を立てているからです。第三者の関与は第4の10が主体(医薬関係者、公務所、学校又は学会を含む団体)と行為(指定・公認・推せん・指導・選用)で捉え、保証表現や最大級の表現は第4の3(5)(6)が表現の種類で捉えます。だから行政の質疑応答も題材の名前ではなく項番号で答えており、「大学との共同研究」という化粧品等の標榜も第4の10に抵触するとされています。本ページが確認した基準の本文に「受賞」の語を用いた項はありません。
根拠:医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の10、第4の3(5)(6)/医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)(平成30年8月8日 事務連絡)Q3に対する回答(法令確認日 2026-09-08)
Q&Aが挙げた8事例のうち6件が「原則、差し支えない」とされ、2件が「認められない」とされたのは、その2件の何が他と違うからか。
認められないとされた事例7・事例8は、いずれも「防ぐ」という効能表示が認められた薬用化粧品でした。回答は理由を「「防ぐ」との効能効果を使用前・後の写真等で表現することは不可能なため」と書いています。分かれ目は写真という形式ではなく、承認された効能効果をその写真が表せるかどうかにあり、染毛料の色の対比や「制汗」の腋臭防止剤のように表せるものは原則差し支えないとされました。事例2のただし書きが「○○の緩和」の効能について治癒、完治するかのような写真を効能効果の逸脱として認めないのも、同じ見方によります。
根拠:医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)(平成30年8月8日 事務連絡)Q2に対する回答(事例2・事例6・事例7・事例8)(法令確認日 2026-09-08)
「治療内容や費用、主なリスク・副作用の説明を付ければ術前術後の写真を広告できる」という理解は、医療広告等ガイドラインの記述とどこが食い違うか。
指針は、詳細な説明を付した場合は誤認させるおそれがある写真等に当たらないとしていますが、話はそこで終わりません。同じ第3-1の1(7)は掲載の形式にも条件を置き、説明をリンクを張った先のページへ掲載することや、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載することを認めていません。さらに治療効果に関する事項はそもそも広告可能事項ではないため、第5に定める要件を満たした限定解除の対象でない場合には、術前術後の写真等は広告できないとされています。説明を付すことは誤認のおそれを外す話であって、広告できる事項の枠そのものを広げるものではありません。
根拠:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。令和8年3月30日最終改正)第3-1の1(7)、第5(法令確認日 2026-09-08)
次に読む
- 2-4 医薬品等適正広告基準 — 本体(薬生発0929第4号)の構成と、解説通知の位置づけ 医薬品等適正広告基準は、法律でも政省令でもありません。
- 2-7 体験談・口コミは誰の表示か — 2023年10月に加わったステルスマーケティング告示 体験談や口コミをめぐる線は、2023年10月1日に引き直されました。
- 4-1 化粧品でうたえる56項目と、成分の書き方 — 範囲を定めているのはどの通知か 化粧品の効能としてうたえる範囲は、法律の条文ではなく通知に置かれています。
- 2-2 第66条 — 虚偽・誇大広告の禁止 薬機法第66条第1項が禁じているのは、医薬品等の名称・製造方法・効能・効果・性能についての、虚偽又は誇大な記事の広告です。
- 医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号、厚生労働省医薬・生活衛生局長)本文及び別紙「医薬品等適正広告基準」第1・第2・第4の1・第4の2・第4の3(1)(2)(5)(6)・第4の9・第4の10・第4の13。同日付けで解説及び留意事項等についての通知(薬生監麻発0929第5号)が発出されているが、本ページはその本文を確認していない 厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)(平成30年8月8日 事務連絡、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課)Q1・Q2・Q3と、それぞれに対する回答(原文の回答見出しは番号を伴わない「A」) 厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第66条第1項・第2項 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。平成30年5月8日付け医政発0508第1号 厚生労働省医政局長通知の別紙3、最終改正 令和8年3月30日)第3-1の1(1)(2)(3)(7) 厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 医療広告等ガイドラインに関するQ&A(平成30年8月10日付け厚生労働省医政局総務課事務連絡の別添、平成30年8月作成・最終改正 令和8年3月30日)Q2-8・A2-8 厚生労働省(2026-09-08 確認)
- 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)について(令和8年3月30日 事務連絡、厚生労働省医政局総務課)本文。上記の指針とQ&Aの発出番号・別紙/別添の関係・最終改正日は、この事務連絡本文の記載により確認した 厚生労働省(2026-09-08 確認)