30秒でわかる要点
- 薬機法にも医薬品等適正広告基準にも、LP・リスティング広告・タイアップ記事・オウンドメディアという区分はありません。基準 第2は対象を「すべての媒体における広告」とし、第66条第1項も第68条も媒体を挙げていません。
- 広告該当性は、ページを1枚ずつ切り離して見るものとはされていません。トップページに具体的な医薬品名等が表示されていなくても、他のページで三要件を満たす広告行為が行われていれば、その事業者は広告しているとみなせる、と平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号のA2が書いています。ただしこのQ&Aの問いは、インターネット上で医薬品等を販売する事業者・個人輸入代行を行う事業者のサイトを設例にしています。
- 医薬品等適正広告基準で媒体が条文の文言に現れるのは、電子メール(第4の12)、テレビ、ラジオの提供番組等(第4の13)、看板等の工作物(第4の8のただし書き)です。ウェブ上の記事広告・タイアップ記事という形式を名指しした項は、この別紙には置かれていません。
LP・リスティング広告・タイアップ記事・オウンドメディアという区分は、薬機法の条文と医薬品等適正広告基準にあるか
ありません。医薬品等適正広告基準は対象を「すべての媒体における広告」とし、形態ごとの区分を置いていません。
薬機法第66条第1項も第68条も、条文に媒体を挙げていません。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)は、対象となる広告を媒体の側から示しています。第2に列挙されているのは新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等で、そのうえで「すべての媒体における広告を対象とする」と書かれています。基準が対象としている製品は、第1のとおり医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品です。媒体の一覧そのものと、その位置づけはそもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件で扱っています。
条文の側も、媒体を限定していません。第66条第1項は、禁じられる行為を「広告し、記述し、又は流布してはならない」と書いています。
第68条も「その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない」と書いており、媒体には触れていません。それぞれの条文が禁じている内容は、第66条 — 虚偽・誇大広告の禁止と第68条 — 承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止で扱います。
基準の第4は、媒体ではなく事項で区切られている
基準の第4には14の項が並んでいます。棚の仕切りは、媒体の側ではなく事項の側に入っています。
- 名称関係(1)
- 製造方法関係(2)
- 効能効果、性能及び安全性関係(3)
- 過量消費又は乱用助長を促すおそれのある広告の制限(4)
- 医療用医薬品等の広告の制限(5)
- 一般向広告における効能効果についての表現の制限(6)
- 習慣性医薬品の広告に付記し、又は付言すべき事項(7)
- 使用及び取扱い上の注意について医薬品等の広告に付記し、又は付言すべき事項(8)
- 他社の製品の誹謗広告の制限(9)
- 医薬関係者等の推せん(10)
- 懸賞、賞品等による広告の制限(11)
- 不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある広告の制限(12)
- テレビ、ラジオの提供番組等における広告の取扱い(13)
- 医薬品の化粧品的若しくは食品的用法又は医療機器の美容器具的若しくは健康器具的用法についての表現の制限(14)
要点
第4の各項の区分は、媒体や形態ではなく、名称、製造方法、効能効果等、推せん、懸賞といった事項です。媒体が条文の文言に現れるのは、第4の12の「特に、電子メールによる広告を行う際は、次の方法によらなければならない。」以下と、第4の13(テレビ、ラジオの提供番組等における広告の取扱い)です。このほか第4の8のただし書きが「看板等の工作物で商品名のみを広告する場合はこの限りではない。」と書いています。
ウェブ上の表示について答えた平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号も、形態の名前を使っていません。出てくるのは「当該事業者のサイト」「トップページ」「製品分類」「製品カテゴリ」「ログイン」「リンク先」「紹介サイト」という書き方です。
では、記事風広告・LP・リスティング広告という語はどこに出てくるのか
これらに近い呼び名は、別の法律について出された文書には現れます。医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。令和8年3月30日最終改正)は、第2の5(2)で「費用を負担して記事の掲載を依頼することにより、患者等を誘引するいわゆる記事風広告は、広告規制の対象となるものである」と書いています。ただし、この指針が扱っているのは医療法の広告規制です。その枠組みは医療広告規制はなぜ限定列挙なのか — 医療法第6条の5から第6条の8までで扱います。
「ランディングページ」と「リスティング広告」は、消費者庁のアフィリエイト広告等に関する検討会 報告書(令和4年2月15日)が使っている語です。同報告書は脚注7で前者を「消費者がアフィリエイトリンクをクリックして、たどり着くウェブページのこと」と説明し、Ⅱの3(1)で「検索連動型広告といったリスティング広告」と書いています。こちらは景品表示法についての検討で、薬機法の広告規制を定めた文書ではありません。
よく見かける説明と、現行
よく見かける説明
医薬品等適正広告基準は、昭和55年10月9日 薬発第1339号(薬務局長通知)に示されている。
現行
現行の基準は平成29年9月29日 薬生発0929第4号の別紙です。改正通知の本文は「なお、本通知をもって、旧通知は廃止します。」と書いています。現行の別紙 第2は、対象となる広告の媒体に「ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等」を含めて列挙しています。
医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)本文および別紙 第1・第2。旧通知は昭和55年10月9日 薬発第1339号(改正 平成14年3月28日 医薬発第0328009号)。
1つのサイトの中で、広告に当たるかどうかはページごとに見るのか
トップページに医薬品名等が無くても、他のページで三要件を満たす広告行為が行われていれば、その事業者は広告しているとみなせるとされています。
平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号のA2の記載で、同Q&Aの問いはインターネット上で医薬品等を販売する事業者・個人輸入代行を行う事業者のサイトを設例にしています。
この問いに答えているのは、インターネットによる医薬品等の広告の該当性に関する質疑応答集(Q&A)(平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号)のA2です。Q2が問うているのは、「当該事業者のサイトにおいて、トップページに具体的な医薬品の名称等は記載されていないものの「製品分類」や「製品カテゴリ」などの項目があり、その項目をクリックすると具体的な医薬品名等が表示される場合」です。
トップページに具体的な医薬品名等が表示されていなくても、他のページで通達において示した三つの要件(以下「三要件」という。)を満たした広告行為が行われている場合には、当該事業者は医薬品等について広告していると見なすことができる。
インターネットによる医薬品等の広告の該当性に関する質疑応答集(Q&A)(平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号)A2ここでいう「通達」は、同Q&Aの本文が引いている平成10年9月29日 医薬監第148号です。その三要件の内容はそもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件で扱っています。
このQ&Aが置いている場面
このQ&Aは、平成25年法律第103号による改正で一般用医薬品のインターネット販売等に係る新たな制度が実施されることから、インターネットによる医薬品等の広告に対する監視指導に資するために作成されたものです。
問いが置いている場面は限定されています。Q1は「インターネット上で医薬品等を販売している場合や個人輸入代行行為を行っている場合において」と書き出しています。Q3は「インターネット上で会員専用のログインを求めた上で医薬品等の販売や個人輸入代行行為を行っている場合」を問うものです。
検索しなければ表示されない場合
Q1が問うているのは、上記の設例のもとで「当該事業者のサイト内で医薬品名等で検索し、検索前には当該サイト内で具体的な医薬品名等は表示されていなかったが、完全一致検索の結果として初めて検索した医薬品名等が表示される場合」です。
購入希望者が当該業者のサイト上で購入を希望する医薬品等を検索しなければ具体的な医薬品名等が表示されないのであれば、当該事業者が当該医薬品等を能動的に広告しているとはみなせず、顧客を誘因する意図が明確とは考えられないため、原則として、医薬品等の広告に該当するとはいえないと考える。
同Q&A A1(この後にただし書きが続きます)A1に付いているただし書きの全文と、このQ&Aの5つの問いの一覧は、そもそも「広告」とはの表にあります。
なお、A1が扱っているのは「当該業者のサイト上で」検索する場合です。検索エンジンの検索結果に連動して表示される広告について述べた記載は、このQ&Aにはありません。
他のサイトへ誘導する記事は、誰の広告として見られるのか
紹介サイトの広告該当性は個別具体的に判断され、リンク先の事業者と同一である場合や同一とみなせる場合等には該当する可能性があるとされています。
この回答が答えているのは、海外から日本国内に販売するサイト又は個人輸入代行を行うサイトを紹介・誘導するサイトについての問いです。
答えているのはA5です。Q5は、問いの範囲を明示しています。対象は「医薬品等を海外から日本国内に販売するサイト又は個人輸入代行を行うサイトを紹介・誘導しているサイト」で、そこに特定の医薬品名等が表示されている場合です。
当該紹介サイトが医薬品等の広告に該当するかどうかについては、個別具体的に判断されることとなるが、当該紹介サイトが、リンク先の販売又は輸入代行行為を行う主体となる事業者と同一である場合や、同一とみなせるような場合等には、医薬品等の広告に該当する可能性がある。なお、リンク先のサイトのみが薬事法違反の場合もあるので、留意されたい。
インターネットによる医薬品等の広告の該当性に関する質疑応答集(Q&A)(平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号)A5。法律名は発出当時の表記で、現在の題名は薬機法この回答は3つのことを書いています。
- 紹介サイトが広告に該当するかどうかは、個別具体的に判断される
- リンク先の事業者と同一である場合や、同一とみなせるような場合等には、該当する可能性がある
- リンク先のサイトのみが法令違反である場合もある
条文の側では、名宛人が限定されていません。第66条第1項も第68条も、主語は「何人も」です。
このQ&Aが答えているのは上記の限定された問いであり、これ以外の紹介・誘導の形態について述べた記載は、同Q&Aにはありません。
記事や番組の形をとった宣伝について、基準は何か定めているか
医薬品等適正広告基準は、テレビ・ラジオの提供番組や映画演劇等で出演者が製品に言及・暗示する行為を禁じています。
ウェブ上の記事広告やタイアップ記事という形態を名指しした項は、この基準の別紙には置かれていません。
基準が名指ししている場は、テレビ、ラジオの提供番組と映画演劇等です。第4の13が、そこでの出演者の行為を取り上げています。
13 テレビ、ラジオの提供番組等における広告の取扱い
(1)テレビ、ラジオの提供番組又は映画演劇等において出演者が特定の医薬品等の品質、効能効果等、安全性その他について言及し、又は暗示する行為をしてはならない。
(2)テレビ、ラジオの子ども向け提供番組における広告については、医薬品等について誤った認識を与えないよう特に注意しなければならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の13(1)が対象としているのは出演者の行為で、その内容は「特定の医薬品等の品質、効能効果等、安全性その他」への言及と暗示です。(2)は、テレビ、ラジオの子ども向け提供番組における広告について、注意を求めています。
ウェブ上の記事広告・タイアップ記事という形式を名指しした項は、この別紙には置かれていません。
広告を行う者の責務
形態にかかわらず広告を行う者にかかる規定は、第4ではなく第3に置かれています。
第3(広告を行う者の責務)
1 医薬品等の広告を行う者は、使用者が当該医薬品等を適正に使用することができるよう、正確な情報の伝達に努めなければならない。
2 医薬品等の広告を行う者は、医薬品等の本質に鑑み、医薬品等の品位を損なう又は信用を傷つけるおそれのある広告は行ってはならない。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第3第3の1は「努めなければならない」、2は「行ってはならない」という書き方です。いずれも、媒体や表示の形態で対象を分けていません。
記事の中で大学名を挙げる標榜については、平成30年8月8日 事務連絡(医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A))のQ3が「○○大学との共同研究」等の標榜を取り上げて回答しています。その原文は第66条 — 虚偽・誇大広告の禁止で引いています。
電子メールで広告を送る場合に、基準が挙げている方法は何か
連絡先の表示、一方的に送る場合の件名欄への広告である旨の表示、受け取りを希望しない旨を表示するための方法の表示と、表示した者への提供の停止の3つです。
医薬品等適正広告基準 第4の12(不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある広告の制限)に置かれています。
3つの方法は、第4の12に置かれています。この項は、まず広告一般について「広告に接した者に、不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある表現や方法を用いた広告を行ってはならない。」と書き、続けて電子メールによる広告を取り出しています。柱書は「特に、電子メールによる広告を行う際は、次の方法によらなければならない。」で、(1)から(3)は表現の内容ではなく、広告を行う際の方法として並べられています。
12 不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある広告の制限
広告に接した者に、不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある表現や方法を用いた広告を行ってはならない。
特に、電子メールによる広告を行う際は、次の方法によらなければならない。
(1)医薬品販売業者の電子メールアドレス等の連絡先を表示すること。
(2)消費者の請求又は承諾を得ずに一方的に電子メールにより広告を送る場合、メールの件名欄に広告である旨を表示すること。
(3)消費者が、今後電子メールによる広告の受け取りを希望しない場合、その旨の意思を表示するための方法を表示するとともに、意思表示を示した者に対しては、電子メールによる広告の提供を行ってはならないこと。
医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第4の123つの文言が、それぞれ求めていること
(1)が表示を求めているのは「医薬品販売業者の電子メールアドレス等の連絡先」です。3つのうち、この号だけが業態を特定して書かれています。
(2)が対象としているのは「消費者の請求又は承諾を得ずに一方的に」送る場合で、求められているのは件名欄への広告である旨の表示です。
(3)は2つのことを求めています。受け取りを希望しない場合にその旨の意思を表示するための方法を表示することと、意思表示を示した者に対して電子メールによる広告の提供を行わないことです。
この基準が対象としている製品は、第1のとおり医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品です。第4の12の柱書は「行ってはならない」と「よらなければならない」で書かれており、努力を求める書き方(第3の1)とは区別されています。
電子メールの送信そのものを規律する法律は薬機法の外にもありますが、本ページで確認したのは医薬品等適正広告基準の記載だけです。
理解の確認
ウェブ上のタイアップ記事を名指しした項が医薬品等適正広告基準に置かれていないことは、そうした記事が基準の対象から外れることを意味するか。
意味しません。基準は第2で対象を「すべての媒体における広告」とし、第4の各項の区分は媒体や形態ではなく、名称、製造方法、効能効果等、推せん、懸賞といった事項の側に入っているからです。媒体が条文の文言に現れるのは電子メール(第4の12)、テレビ、ラジオの提供番組等(第4の13)、看板等の工作物(第4の8のただし書き)で、いずれもその媒体に固有の方法や場面を書き足した箇所です。形態の名前が無くても、事項の側の各項と、媒体で対象を分けていない第3の責務はかかります。
根拠:医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第2・第3・第4(法令確認日 2026-09-08)
同じ1つのサイトでも、トップページに具体的な医薬品名等が無くても広告しているとみなせるとされる一方、検索しなければ表示されない場合は原則として広告に該当するとはいえないとされる。この違いはどこから来るか。
見られているのがページ単位の表示の有無ではなく、その事業者が能動的に広告しているといえるかどうかだからです。A2は「他のページで通達において示した三つの要件(中略)を満たした広告行為が行われている場合には、当該事業者は医薬品等について広告していると見なすことができる」とし、A1は当該業者のサイト上で検索しなければ具体的な医薬品名等が表示されない場合について「当該事業者が当該医薬品等を能動的に広告しているとはみなせず、顧客を誘因する意図が明確とは考えられない」としています。どちらの問いも、インターネット上で医薬品等を販売する事業者・個人輸入代行を行う事業者のサイトを設例にしており、A1にはこの後にただし書きが続きます。
根拠:インターネットによる医薬品等の広告の該当性に関する質疑応答集(Q&A)(平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号)Q1・A1・Q2・A2(法令確認日 2026-09-08)
リンク先の販売サイトが法令に違反していることと、そこへ誘導する紹介サイトが医薬品等の広告に該当することは、同じ判断か。
別の判断です。A5は紹介サイトの該当性は個別具体的に判断されるとしたうえで、リンク先の販売又は輸入代行行為を行う主体となる事業者と同一である場合や同一とみなせるような場合等には該当する可能性があるとし、さらにリンク先のサイトのみが法令違反である場合もあるので留意するよう付け加えています。第66条第1項も第68条も主語は「何人も」で名宛人が限定されていないため紹介する側も名宛人になり得ますが、Q5が置いている場面は、医薬品等を海外から日本国内に販売するサイト又は個人輸入代行を行うサイトを紹介・誘導しているサイトに限られています。
根拠:インターネットによる医薬品等の広告の該当性に関する質疑応答集(Q&A)(平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号)Q5・A5、薬機法第66条第1項・第68条(法令確認日 2026-09-08)
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