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医療機器かどうかは、何で決まる? — 定義とクラス分類、雑貨との境界

クリニックの事務長が、新しく入れる機器のカタログを見ている場面を考えます。そこには「管理医療機器」と「クラスⅡ」という2つの表記が並んでいます。どちらが法律の言葉なのでしょうか。医療機器かどうかは、薬機法第2条第4項と、薬機法施行令(法律を受けて内閣が定める政令)の別表第一という一覧の2つで決まります。法律が置く区分は高度管理・管理・一般の3つで、「クラス」の語は条文にありません。このページでは、定義の読み方と雑貨との分かれ目、3つの区分とクラスの関係、一覧に無い機器の扱い、自分で確かめる方法を、例を交えて説明します。

30秒でわかる要点

  • 医療機器かどうかは、法律と政令の二段で決まる:薬機法第2条第4項が条件を書き、政令(法律を受けて内閣が定める決まり)である薬機法施行令の別表第一が、当てはまる物の種類を並べています。使用目的が条文の挙げる範囲にある機械器具等(機械器具のほか、医療用品やプログラムなども含む法律の言葉)で、別表第一に掲げられた物が、医療機器にあたります。
  • 法律の区分は3つ。「クラス」は条文にない:高度管理医療機器・管理医療機器・一般医療機器の3つを、第2条第5項から第7項までが定めています。クラスⅣ・Ⅲが高度管理、Ⅱが管理、Ⅰが一般という対応は、厚生労働省の通知(国の役所が、法律の運用のしかたを自治体などに示す文書)に書かれています。2004年7月の通知の、1番目の項目(記の1)です。
  • 一覧に無くても、医療機器でないとは限らない:告示(国が決めた事項を公に示す文書)は、一般的名称(機器の種類ごとに付けられた共通の名前)ごとに区分を指定しています。2004年7月の厚生労働省の通知の記の2は、どの一般的名称にも当たらない機器が、医療機器に該当しないと判断されるものではないと明記しています。該当性(医療機器に当たるかどうか)は第2条第4項に基づき判断されるものだ、と続けています。

1. 「医療機器」に当たるかどうかは、何で決まるのですか?

薬機法第2条第4項で決まります。使用目的が条文の挙げる範囲にあり、機械器具等であって、政令で定めるものが、医療機器です。

「政令で定めるもの」とは、薬機法施行令の別表第一に掲げられた品目を指します。

薬機法の第2条は、この法律で使う言葉の意味(定義)を並べた条です。医療機器の定義は、その第4項にあります。

条文は、「条」の中が「項」(段落)に、項の中が「号」(番号つきの項目)に分かれています。「第2条第4項」は、第2条の中の4つ目の段落という意味です。

第4項の一文には、3つの要素が入っています。

  1. 使用目的:病気の診断・治療・予防に使うことなどが、目的とされていること
  2. 物の性質:機械器具等であること
  3. 政令で定めるもの:政令が定める範囲に入っていること

3つの要素をすべて満たす物(再生医療等製品を除く)が、医療機器です。順に見ていきます。

かっこ書きの「再生医療等製品を除く。」にある再生医療等製品(人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品など)は、同じ第2条の第9項に定義が置かれた区分です。その内容は『1-5 「再生医療等製品」とは、どんな製品?』で扱います。

1つ目の要素 — 使用目的

条文は、2つの目的を挙げています。「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること」と、「人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすこと」です。そして、これらが「目的とされている」機械器具等、と書いています。

この2つの目的は、医薬品の定義(第2条第1項第2号・第3号)が挙げる目的と同じです。目的だけを見ても、医薬品と医療機器は分かれません。

例

同じ種類の道具でも、使用目的で扱いが分かれる例があります。東京都保健医療局健康安全部薬務課の資料「雑貨等の広告について(薬事該当性)」は、「目的による分類」という図を置いています。その図は、同じ「はさみ」でも、手術用のものは医療機器、文房具や理美容で使用するものは「いわゆる雑貨」として示しています。

行政の資料では、薬機法が扱う5つの製品(医薬品等)のどれにも当たらない物を、「いわゆる雑貨」と呼ぶことがあります。5つとは、医薬品・医薬部外品(医薬品よりも作用がおだやかな製品)・化粧品・医療機器・再生医療等製品です。なお、この資料は東京都が作成したもので、全国一律の基準を示す文書ではありません。

個別の該当性をどう見るかは、『4-3 医療機器か雑貨かは、何で分かれる?』で扱います。

2つ目の要素 — 機械器具等であること

医薬品と医療機器の分かれ目は、この要素にあります。「機械器具等」の意味は、第2条第1項第2号のかっこ書きで決められています。

含まれるのは、機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品です。さらに、プログラム(1つの結果を得られるように、コンピュータへの指令を組み合わせたもの)と、それを記録した記録媒体も含まれます。

医薬品の定義は、同じ号で「機械器具等でないもの」と書いています。医療機器の定義は、第4項で「機械器具等」と書いています。同じ目的を持つ物でも、機械器具等かどうかで区分が分かれる書き方です。

例

あるクリニックが、病気の治療に使う目的の物を2つ扱うとします。1つは飲み薬、もう1つは器具です。目的は同じでも、器具は機械器具等にあたります。医薬品の定義(第2条第1項第2号)は「機械器具等でないもの」と書いているので、器具のほうは医療機器の定義に当たるかどうかを見ることになります。

原文で確かめる(機械器具等の定義)

機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)

薬機法 第2条第1項第2号の括弧書き(e-Gov 法令検索・2026年5月21日施行版)

3つ目の要素 — 政令で定めるもの

条文は最後に「政令で定めるもの」と書いています。どこまでを医療機器とするかの線引きを、政令に任せているのです。その政令に何が書かれているかは、次の節で見ます。

2027年5月20日に施行(法律の決まりが効力を持ち始めること)される改正があります。改正法の番号は、令和7年法律第37号です。改正のあとも第2条は定義の条として残り、第4項から第8項までの文言は変わりません。

2027年5月20日の改正で変わる箇所

この日に変わるのは、ほかの条を引いている箇所の番号(引用の読み替え)です。第17項第一号・第二号の「第四条第五項」は、「第四条第九項」になります。第18項のうち第十四条第三項を引く括弧書きの「同条第十三項」は、「同条第十四項」になります。第18項には「同条第十三項」がほかに2か所(第二十三条の二の五第三項に係るものと、第二十三条の二十五第三項に係るもの)ありますが、こちらは変わりません。いずれも、e-Gov 法令検索で取得した現行版と2027年5月20日施行版を、条単位で突き合わせて確認しました。

2. 政令には、何がどこまで書かれていますか?

施行令第1条は、中身を別表第一に任せる1行だけです。品目を実際に並べているのは別表第一で、7つの項に分かれています。

別表第一には、動物専用医療機器の項も置かれています。

政令が持っているのは、医療機器の品目の一覧です。薬機法施行令の第1条は、医療機器は「別表第一のとおりとする」と書くだけです。別表とは、政令の後ろに付いている一覧表のことです。

直感的なポイント

法律の条文は、満たすべき条件を書いた「枠」です。政令の別表第一は、その枠に入る物の種類を並べた「名簿」にあたります。

原文で確かめる(施行令 第1条)

別表第一は7つの項に分かれ、項ごとに号を立てて品目を並べています。ここでいう「項」は、条文の段落ではなく、表の中の種類の区切りです。並んでいるのは、個別の製品名ではなく、物の種類です。

表1:薬機法施行令 別表第一(第一条関係)の項と号の数
項号の数号の例
機械器具85第一号「手術台及び治療台」/第八十四号「前各号に掲げる物の附属品で、厚生労働省令で定めるもの」
医療用品6第二号「縫合糸」
歯科材料9第一号「歯科用金属」
衛生用品4第一号「月経処理用タンポン」
プログラム3第一号「疾病診断用プログラム(副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものを除く。次項第一号において同じ。)」
プログラムを記録した記録媒体3第一号「疾病診断用プログラムを記録した記録媒体」
動物専用医療機器14第十一号「妊娠診断用器具」

号の数は、e-Gov 法令検索で取得した薬機法施行令(2026年5月1日施行版)の別表第一を数えたものです。施行令の番号は、昭和36年政令第11号です。PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の手引き(「プログラム医療機器の薬事開発・承認申請に関する手引き」。以下「PMDAの手引き」)にも、同じ数え方で「機械器具として85項目、医療用品として6項目、歯科材料として9項目、衛生用品として4項目、プログラムとして3項目、プログラムを記録した記録媒体として3項目、動物専用医療機器として14項目」と記載されています。

表1の見方です。左の列が項の名前、真ん中が号の数、右が号の書き方の例です。

例

表1から、いくつか拾ってみます。機械器具の項には「手術台及び治療台」、医療用品の項には「縫合糸」、衛生用品の項には「月経処理用タンポン」が掲げられています。どれも特定の商品の名前ではなく、物の種類の名前です。

動物専用医療機器の項の第一号は、「機械器具の項各号(第八十四号を除く。)及び医療用品の項各号に掲げる医療機器に相当する物で、専ら動物のために使用されることが目的とされているもの」です。つまり、機械器具の項や医療用品の項の医療機器に相当する物のうち、もっぱら動物のために使う目的のものです(附属品の第八十四号は除きます)。第2条第4項が「人若しくは動物の」と書いていることが、政令ではこの項として表れています。

表1を読むときの注意(機械器具の項の号の数え方)

機械器具の項は、号の番号が一から八十四までですが、数は85です。第七十二号「視力補正用レンズ」とは別に、第七十二号の二「コンタクトレンズ(視力補正用のものを除く。)」が置かれているためです。PMDAの手引きも、同じ理由で85と数えたことを脚注で断っています。

最後の第八十四号は「前各号に掲げる物の附属品で、厚生労働省令で定めるもの」です。附属品の範囲は、さらに厚生労働省令(厚生労働大臣が定める決まり)に任されています。

プログラムの項の3つの号には、どれも「副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものを除く。」というかっこ書きが付いています。PMDAの手引きは、この除外により「プログラム医療機器では一般医療機器(クラスⅠ)が存在しない、すなわち医薬品医療機器等法の規制対象とならない」と説明しています。医薬品医療機器等法は、薬機法の別の略称です。プログラムが医療機器に当たるかどうかの考え方は、『4-4 プログラム(ソフトやアプリ)は医療機器に当たる?』で扱います。

3. 高度管理・管理・一般の3つの区分は、誰がどう決めるのですか?

区分の定義は、薬機法第2条第5項から第7項までにあります。どの機器がどれに当たるかは、厚生労働大臣が薬事審議会(厚生労働省に置かれ、専門家が意見を述べる会議)の意見を聴いて、告示で指定します。

その告示は「クラス分類告示」と呼ばれ、一般的名称ごとに区分を指定しています。

第2条第4項で医療機器とされた物は、さらに3つの区分に分けられます。

分ける物差しは、副作用や機能の障害(機器がうまく働かないこと)が起きた場合に、人の生命と健康にどれだけ影響するおそれがあるかです。

  • 高度管理医療機器(第5項):人の生命と健康に重大な影響を与えるおそれがあり、適切な管理が必要なもの
  • 管理医療機器(第6項):高度管理医療機器以外で、人の生命と健康に影響を与えるおそれがあり、適切な管理が必要なもの
  • 一般医療機器(第7項):上の2つ以外で、人の生命と健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの

ここでいう「副作用又は機能の障害が生じた場合」は、適正な使用目的に従って、適正に使った場合に限られます(第5項のかっこ書き。第6項と第7項も同じです)。

3つの項は、どれも「厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものをいう」で終わります。条文が示すのは、物差しだけです。個々の機器がどれに当たるかは、条文には書かれていません。指定は告示で行われます。

原文で確かめる(第2条第5項〜第7項)

指定の告示と「施行通知」

告示の番号と、公布(公に知らせること)・施行の日は、厚生労働省の通知の本文に書かれています。2004年7月20日に厚生労働省が出した通知で、このページでは「施行通知」と呼びます。

施行通知によると、クラス分類告示と、後の節(5.)で見る特定保守告示は、通知と同じ日に公布されました。どちらも、2005年4月1日付けで施行されることになりました。

原文で確かめる(告示の番号と施行日)

改正薬事法第2条第5項、第6項及び第7項の規定に基づく高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器を指定する「薬事法第二条第五項から第七項までの規定により、厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器」(平成16年厚生労働省告示第298号。以下「クラス分類告示」という。)及び同条第8項に基づく特定保守管理医療機器を指定する「薬事法第二条第八項の規定により厚生労働大臣が指定する特定保守管理医療機器」(平成16年厚生労働省告示第297号。以下「特定保守告示」という。)が本日公布され、平成17年4月1日付けで施行されることになった

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第五項から第七項までの規定により厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器(告示)及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第八項の規定により厚生労働大臣が指定する特定保守管理医療機器(告示)の施行について(平成16年7月20日 薬食発第0720022号、厚生労働省医薬食品局長通知)本文。法律名は発出当時の表記

告示は「一般的名称」ごとに指定する

告示が区分を指定する単位は、個々の製品ではなく、一般的名称です。一般的名称は、機器の種類ごとに付けられた共通の名前です。施行通知によると、一般的名称は、国内で製造・輸入・販売されている医療用具について、国際的な医療機器の名称(GMDN)を参考にして定めたものです。医療用具は、この通知が出た当時の法律で、今の医療機器にあたる物を指した呼び名です。

原文の言い回しを見る(一般的名称の決め方)

施行通知は、一般的名称について「日本国内で製造、輸入若しくは販売されている医療用具について、ISO/TC210におけるGMDNプロジェクトにおいて定められている医療機器の名称を参考にして定めたものであること」と書いています。

クラス分類告示は、その後も改正されています。施行通知も「今後の新医療用具の承認に伴う新一般的名称の追加による改正が必要に応じ行われる可能性がある」と書いていました。ここでいう承認は、製品ごとに国が審査して、製造販売を認めることです。

例

PMDA(医薬品や医療機器の審査などを行う機関)は、「医療機器基準等情報提供ホームページ」を公開しています。その新着情報には、2026年7月28日「一般的名称の追加(1件)」、2026年7月6日「一般的名称の追加(1件)及び変更(3件)」と掲示されています。

2026年7月28日の掲示の資料によると、追加された一般的名称は「血行動態調整型冠動脈開存システム」です。クラスはⅣ、一般的名称コードは71152004です。資料は、追加の根拠として、同じ2026年7月28日に出た厚生労働省の告示と通知を挙げています。

原文の言い回しを見る(追加の根拠)

資料は、追加の根拠を「厚生労働省告示第276号:令和8年7月28日 医薬発0728第1号:令和8年7月28日」と記しています。

一般的名称ごとの分類番号(JMDNコード)の所在も、施行通知にあります。記の4(1)は「別添CD―ROM中の『コード』に示されているので参考とすること」としています。

審議会の名前は変わっています。PMDAの手引き(第4版・最終更新 令和8年5月27日)は、第2条第5項から第7項までを引いています。その表記は、「厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する」です。e-Gov 法令検索の現行条文(2026年5月21日施行版)は、「厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定する」です。同じ手引きの別の箇所は「薬事・食品衛生審議会(現薬事審議会)」と書いています。解説資料に載った条文は、発行した時点の表記のまま残ることがあります。

4. 「クラスⅠからクラスⅣ」は、薬機法のどこに書かれていますか?

条文にはありません。法律が置く区分は3つです。一般的名称ごとのクラスは、施行通知の別添(通知に添えた資料)と、PMDAが公表する一般的名称等一覧に載っています。

薬機法の本体の条文(本則)と施行令の全文を通して、「クラス」の語は出てきません。

よく見かける説明と、現行の条文・通知の書き方を並べます。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

薬機法は、医療機器をリスクに応じてクラスⅠからクラスⅣまでの4つに分類している。

現行

薬機法第2条が定義しているのは高度管理医療機器(第5項)・管理医療機器(第6項)・一般医療機器(第7項)の3つで、条文に「クラス」の語は置かれていない。クラスⅠからⅣまでは、医療機器規制国際整合化会議(GHTF)で議論されたクラス分類ルールを基本に定められた分類で、クラスⅣ及びクラスⅢとされたものが高度管理医療機器、クラスⅡが管理医療機器、クラスⅠが一般医療機器として告示で指定されている。

根拠:薬機法(昭和35年法律第145号)第2条第5項から第7項まで、および平成16年7月20日 薬食発第0720022号 記の1。「クラス」の語が置かれていないことは、e-Gov 法令検索で取得した薬機法の本則(第1条から第91条まで)と薬機法施行令の全文(別表第一・別表第二を含む)を通して検索し、0件であることで確認(2026-09-08)。

3つの区分とクラスⅠからⅣの対応は、施行通知の記の1に書かれています。施行通知によると、医療機器規制国際整合化会議(GHTF。医療機器の規制を国際的にそろえるための会議)で議論されていたルールを基本に、クラス分類ルールが定められました。そのルールに基づいて、一般的名称ごとにクラスが決められています。その結果が、表2のように3つの区分と対応しています。

表2:法律上の区分と、クラス分類の対応
法律上の区分定義の場所対応するクラス根拠
高度管理医療機器薬機法 第2条第5項クラスⅣ・クラスⅢ平成16年7月20日 薬食発第0720022号 記の1
管理医療機器薬機法 第2条第6項クラスⅡ同 記の1
一般医療機器薬機法 第2条第7項クラスⅠ同 記の1
特定保守管理医療機器薬機法 第2条第8項クラス分類とは別の告示で指定薬機法 第2条第8項/同通知 記の3

表2の読み方です。高度管理医療機器には、クラスⅣとクラスⅢの2つが対応します。最後の行の特定保守管理医療機器は、保守点検や修理などの管理に専門的な知識と技能が要ることに着目して指定される医療機器です。クラスとは別の物差しの区分です(次の節)。

つまり1つの一般的名称には、法律上の区分とクラスの記号という2種類のラベルが、別々の文書から付いていることになります。告示が一般的名称ごとに指定するのは、高度管理医療機器・管理医療機器・一般医療機器の3区分のほうです。

例

冒頭の事務長が見たカタログには、「管理医療機器」と「クラスⅡ」が並んでいました。「管理医療機器」は、第2条第6項が定める法律上の区分です。「クラスⅡ」は、施行通知の記の1で、管理医療機器に対応するとされているクラスの記号です。2つは食い違っているのではなく、同じ種類の機器に、別々の文書から付いたラベルと読めます。

PMDAが公表する「医療機器の一般的名称等一覧」には「クラス分類」欄があり、ⅠからⅣまでの記号で載っています。同じ一覧には、どのクラス分類ルールが使われたかを示す「GHTFルール」欄もあります。

原文で確かめる(施行通知 記の1)

1.高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器の別とクラス分類について

高度管理医療機器に関しては、医療機器規制国際整合化会議(GHTF)において議論されているクラス分類ルールを基本にクラス分類ルール(別紙1)を定め、その分類ルールに基づき各一般的名称ごとにクラス分類を行った結果「クラスⅣ」及び「クラスⅢ」とされた医療機器を指定したものであること。また、管理医療機器については「クラスⅡ」と、一般医療機器については「クラスⅠ」と分類された医療機器を指定したものであること。

(中略)

なお、各一般的名称ごとにどのルールが適用になり、クラス分類が定められたかについては、別添CD―ROM中の「GHTFルール」に示されているので参考にされたい。

平成16年7月20日 薬食発第0720022号 記の1

クラスに応じて必要な手続が分かれる点は、『1-7 承認・認証・届出・許可は、何が違う?』で扱います。

5. 特定保守管理医療機器は、3つの区分とどう関係しますか?

3つの区分と並ぶ4つ目ではありません。第2条第8項が、保守点検や修理に専門の知識と技能が要るかという別の物差しで定めています。指定も、別の告示で行われます。

その告示は「特定保守告示」と呼ばれ、指定の結果は、一般的名称ごとの一覧の「特定保守」欄でわかります。

特定保守管理医療機器は、3つの区分とは別の物差しで付けられた区分です。第5項から第7項までが見ていたのは、副作用や機能の障害が起きた場合の影響の大きさでした。第8項が見ているのは、保守点検・修理などの管理に、専門的な知識と技能が必要かどうかです。

専門的な知識と技能が必要なため、適正な管理が行われなければ、病気の診断・治療・予防に重大な影響を与えるおそれがあるもの。これを、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定します。

原文で確かめる(第2条第8項)

物差しが違うので、指定も別の告示で行われます。施行通知の記の3によると、指定のもとにしたのは、当時の施行規則(大臣が定める省令)が定義していた「特定修理医療用具」です。修理に専門的な知識などが要り、適正に管理されないと病気の診断や治療などに著しい影響を与えるおそれがあり、慎重な取扱いが要る医療用具のことです。施行通知は、それを基本に、次の条件にあてはまる医療機器を指定した、としています。

  • 長期にわたって使われる
  • 保守管理に、専門的な知識・技能が必要
  • 保守管理が適切に行われなければ、重大な不具合や感染などが起きるおそれがある
原文で確かめる(施行通知 記の3)

3.特定保守管理医療機器の指定について

特定保守管理医療機器については、現行、薬事法施行規則(昭和36年厚生省令第1号)で定義されている特定修理医療用具(修理に専門的な知識等を必要とし、適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療等に著しい影響を与えるおそれがあり、慎重な取扱いを要する医療用具)を基本に、長期にわたって使用され、保守管理に専門的な知識・技能を必要とする医療機器であって、保守管理が適切に行われなければ重大な不具合・感染等が生じるおそれがある医療機器を指定したものであること。

平成16年7月20日 薬食発第0720022号 記の3。法令名は発出当時の表記

一覧の「特定保守」欄の読み方

この欄の記載の読み方は、施行通知が定めています。

  • 「―」:修理や保守点検が想定しがたい医療機器
  • 「非該当」:修理や保守点検が必要とされる場合はあるが、特定保守管理医療機器には該当しない医療機器

1つの一般的名称について、「クラス分類」欄と「特定保守」欄は、別々に読むことになります。

例

一覧のある行で、「クラス分類」欄がⅡ、「特定保守」欄が「非該当」だったとします。一覧の記載では、その一般的名称の機器は、クラスⅡ、つまり管理医療機器の区分です。そして、修理や保守点検が必要とされる場合はあっても、特定保守管理医療機器には該当しない、と読むことになります。

6. 一般的名称の一覧に無い機器は、医療機器ではないのですか?

一覧に無いことを理由に、医療機器に該当しないと判断されるものではありません。施行通知の記の2が、そう明記しています。

同じ一文は、医療機器に当たるかどうかは第2条第4項に基づき判断されるものだ、と続けています。

クラス分類告示は、すでに医療機器とされた物を、一般的名称ごとに3つの区分へ振り分けるための告示です。医療機器の範囲そのものを決めているのは、第2条第4項と施行令の別表第一のほうです。

そのため、一覧に載っていないことは、その機器が第2条第4項の定義に当たらないことを示すものではありません。下の記の2の原文では、「なお、」で始まる一文がこのことを書いています。

2.クラス分類告示における各一般的名称の定義等について

医療機器の一般的名称への該当性は、別添CD―ROM中の「定義」に基づき判断すること。

なお、この告示に示されているどの一般的名称にも該当しない機器が医療機器に該当しないと判断されるものではなく、医療機器の該当性に関しては薬事法第2条第4項に基づき判断されるものであることに留意すること。

また、政令別表第1の各項への一般的名称ごとの該当性については、別添CR―ROM中の「類別コード」を参考に判断すること。

平成16年7月20日 薬食発第0720022号 記の2。法律名は発出当時の表記で、現行は薬機法第2条第4項

例

A社が新しい仕組みの機器を作り、一覧で当てはまる一般的名称を探したものの、見つからなかったとします。施行通知の記の2によれば、それだけで医療機器に該当しないと判断されるものではありません。医療機器に当たるかどうかは、第2条第4項に基づき判断されることになります。

ソフトウェアの該当性は、開発者の希望では決まらない(PMDAの手引き)

PMDAの手引きも、判断の順序を同じ向きで書いています。開発中のソフトウェアについての記載です。ソフトウェアが医療機器に当たるかどうかは、医療機器として売りたい、規制されたくない、といった開発者などの希望では決まらない、としています。法律の定義に基づき判断される、という内容です。

原文の言い回しを見る(PMDAの手引き)

PMDAの手引きは、開発中のソフトウェアについて「医療機器該当性は、『医療機器として販売したい』、『医療機器として規制されたくない』等、開発者等の希望により決定されるものではなく、医薬品医療機器等法の定義に基づき判断されることに留意してください」と書いています。

7. ある機器の一般的名称やクラスは、どこで確かめられますか?

PMDAの「医療機器基準等情報提供ホームページ」で確かめられます。一般的名称・クラス分類・特定保守の別が、一覧で公開されています。

PMDAの手引きによると、有体物(形のある製品)が医療機器に当たるかは、主たる事業所がある都道府県の薬務主管課(薬事の担当課)に問い合わせて確認できます。

確かめる先は4つあります。条文、PMDAの一覧、実際に流通している品目の添付文書(製品に付ける、使い方や注意を書いた文書)、そして問い合わせ窓口です。

  1. 範囲を条文で見る

    薬機法第2条第4項と、薬機法施行令の第1条・別表第一を読みます。e-Gov 法令検索では、施行日ごとの版を選んで読めます。

  2. 一般的名称とクラス分類を一覧で見る

    PMDA「医療機器基準等情報提供ホームページ」の左メニューに、「認証/承認基準等」「一般的名称(検索)」「一般的名称(一覧)」が並んでいます。一覧は、Excel版とPDF版で公開されています。一覧には、一般的名称・一般的名称定義・クラス分類・GHTFルール・特定保守・設置管理・修理区分などの欄があります。ページには「令和8年7月末確認(令和8年7月28日更新)」と表示されています。これは2026年9月8日に確かめた時点の表示です。

  3. 実際に流通している品目の添付文書を見る

    PMDA「医療機器 添付文書等情報検索」では、一般的名称・販売名・類別を条件に、添付文書などを検索できます。類別の選択肢は「A 機械器具等」から「F プログラムを記録した記録媒体」までです。施行令の別表第一の前の6つの項と同じ並びで、動物専用医療機器の項に対応する選択肢は置かれていません。

  4. 確かめきれないときの窓口

    PMDAの手引きは、2つの場合について書いています。有体物である製品の場合と、プログラムであっても有体物である医療機器等と一体としてのみ流通する場合です。これらについて、「当該製品が医療機器(医療機器プログラムを除く。)に該当するか否かについては、主たる事業所がある各都道府県の薬務主管課に問い合わせることで確認できます」としています。薬務主管課の名称は、自治体により異なります。

例

冒頭の事務長が、カタログの機器について自分で確かめたいとします。まず、PMDAの一覧(Excel版かPDF版)で、その機器の一般的名称の行を探します。その行の「クラス分類」欄と「特定保守」欄を、別々に読みます。実際に流通している品目の添付文書は、「医療機器 添付文書等情報検索」で販売名から探せます。

一覧には、読むときの断りも置かれています。冒頭の留意事項によると、この一覧は、クラス分類告示などを基に作られています。利用するときは、関連する告示や通知の内容もあわせて確かめるようお願いしています。そのうえで、一覧と告示などの内容に差がある場合は、告示などの内容が優先される、としています。

原文で確かめる(一覧の留意事項)

本一覧は、平成16年厚生労働省告示第298号等を基に一般的名称に関連する情報を記載するものです。

〇「類別名称」欄は、医薬品医療機器等法施行令 別表第一に基づき表記。

(中略)

本一覧に記載されている情報の正確さについては万全を期しておりますが、当該情報の利用に際しては、関連する告示又は通知等の内容も併せてご確認のうえ、ご利用いただくようお願い致します。なお、当該情報と告示等の内容に差異がある場合は、告示等の内容が優先されることにご留意ください。

一般的名称等一覧(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 規格基準部、平成29年12月7日・平成30年3月1日一部追記)冒頭の留意事項。表本体の版は令和8年7月末確認(令和8年7月28日更新)

認証基準があるかどうかも確かめられる

同じサイトでは、認証基準があるかどうかも確かめられます。認証基準は、認証(国に登録された機関が、基準に合っているかを確かめて認めること)で使われる基準です。

PMDAの手引きは、サイトの左側にある「一般的名称(検索)」で一般的名称を検索するよう書いています。「基準」欄に「<認>別表○ No○:○○基準」と表示されていれば、その一般的名称に認証基準が定められていることが確認できる、というものです。

区分ごとにどの手続が必要になるかは、『1-7 承認・認証・届出・許可は、何が違う?』で扱います。販売する側にどの許可や届出が要るかは、『1-8 医薬品や医療機器を売るには、どんな許可が要る?』で扱います。ここでいう許可は、販売などを仕事として行うために受ける許可です。届出は、決められた事項を行政に知らせる手続です。

理解の確認

使用目的が条文の範囲にあり、機械器具等でもある物が、それだけでは医療機器と決まらないのはなぜですか?

薬機法第2条第4項が、使用目的と機械器具等であることを挙げたうえで、最後に「政令で定めるもの」と書いて、範囲の線引きを政令に任せているからです。受け皿の薬機法施行令第1条は「別表第一のとおりとする」という1行だけで、品目を実際に並べているのは別表第一です。法律が満たすべき条件の枠を書き、政令がその枠に入る物の種類を名簿として並べる、という分担になっています。そのため、条件に当てはまることに加えて、別表第一に掲げられていることが必要です。

根拠:薬機法(昭和35年法律第145号)第2条第4項、薬機法施行令(昭和36年政令第11号)第1条・別表第一(法令確認日 2026-09-08)

「薬機法は医療機器をリスクに応じてクラスⅠからクラスⅣまでの4つに分類している」という説明は、条文とどこが食い違いますか?

薬機法第2条が定義しているのは、高度管理医療機器(第5項)・管理医療機器(第6項)・一般医療機器(第7項)の3つです。条文に「クラス」の語は置かれていません。クラスⅠからⅣまでは、医療機器規制国際整合化会議(GHTF)で議論されたクラス分類ルールを基本に定められた分類です。クラスⅣとクラスⅢとされたものが高度管理医療機器、クラスⅡが管理医療機器、クラスⅠが一般医療機器として、告示で指定されています。つまり1つの一般的名称には、法律上の3区分とクラスの記号という2種類のラベルが、条文と通知という別々の文書から付いていることになります。

根拠:薬機法第2条第5項から第7項まで、平成16年7月20日 薬食発第0720022号 記の1(法令確認日 2026-09-08)

クラス分類告示のどの一般的名称にも当てはまらない機器は、医療機器に該当しないと判断されますか?

そうは判断されません。施行通知の記の2が、この告示に示されているどの一般的名称にも該当しない機器が医療機器に該当しないと判断されるものではないと明記しています。該当性は第2条第4項に基づき判断されるものである、とも書いています。クラス分類告示は、すでに医療機器とされた物を、一般的名称ごとに3区分へ振り分ける告示です。医療機器の範囲そのものを決めているのは、第2条第4項と施行令の別表第一の側です。だから、一覧の外にあることは、範囲の外にあることを意味しません。

根拠:平成16年7月20日 薬食発第0720022号 記の2(法律名は発出当時の表記)、薬機法第2条第4項、薬機法施行令第1条・別表第一(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項・第4項から第9項まで e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。2026年5月21日施行版)
  • 薬機法 2027年5月20日施行版条文(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)第2条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第1条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。版ID 336CO0000000011_20260501_507CO0000000362=2026年5月1日施行版)
  • 薬機法施行令 別表第一(第一条関係)— 医療機器の範囲 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。項と号の数は同版の別表第一による)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第五項から第七項までの規定により厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器(告示)及び同法第二条第八項の規定により厚生労働大臣が指定する特定保守管理医療機器(告示)の施行について(平成16年7月20日 薬食発第0720022号)記の1〜記の4 厚生労働省法令等データベースサービス(2026-09-08 確認)
  • 薬事法第二条第五項から第七項までの規定により、厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器(平成16年厚生労働省告示第298号。クラス分類告示)原文URL未確定。本ページは平成16年7月20日 薬食発第0720022号の本文、およびPMDA「一般的名称等一覧」冒頭の記載により番号を確認(2026-09-08 確認)
  • 薬事法第二条第八項の規定により厚生労働大臣が指定する特定保守管理医療機器(平成16年厚生労働省告示第297号。特定保守告示)原文URL未確定。本ページは平成16年7月20日 薬食発第0720022号の本文により番号・公布日・施行日を確認(2026-09-08 確認)
  • 医療機器基準等情報提供ホームページ/医療機器の一般的名称等一覧(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 規格基準部。留意事項は平成29年12月7日・平成30年3月1日一部追記、表本体は令和8年7月末確認・令和8年7月28日更新)PMDA/新着情報「一般的名称の追加について(厚生労働省告示第276号:令和8年7月28日 医薬発0728第1号:令和8年7月28日)」同(PDF)(2026-09-08 確認)
  • 医療機器 添付文書等情報検索(類別・一般的名称・販売名による検索)PMDA(2026-09-08 確認)
  • プログラム医療機器の薬事開発・承認申請に関する手引き(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 プログラム医療機器審査部、第4版・最終更新 令和8年5月27日)Q2・Q4・Q5・Q6 PMDA(2026-09-08 確認)
  • 雑貨等の広告について(薬事該当性)(東京都保健医療局健康安全部薬務課監視指導担当)東京都(2026-09-08 確認)