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売る側の許可 — 薬局・店舗販売業・卸売販売業・医療機器の販売業

売る側に置かれているのは、薬局開設の許可(第4条)、医薬品の販売業の許可(第24条)、医療機器の販売業・貸与業の許可(第39条)、再生医療等製品の販売業の許可(第40条の5)です。医薬品の販売業は店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3区分に分かれ、扱える品目と売る相手は第25条各号が決めています。医療機器だけは、許可・届出・どちらも置かれていない、の3段構えです。このページは、その分かれ方を条文で確認します。

30秒でわかる要点

  • 医薬品を業として売るには、薬局開設の許可(第4条)か医薬品の販売業の許可(第24条)のどちらかが要る。販売業の許可は店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3区分で、扱える品目と売る相手は第25条各号が定めている。
  • 医療機器は3段構え。高度管理医療機器と特定保守管理医療機器は営業所ごとの許可(第39条第1項)、管理医療機器は営業所ごとの届出(第39条の3第1項)、一般医療機器(特定保守管理医療機器を除く)には販売業としての許可も届出も置かれていない。
  • 管理者を置く義務は法律の側に、その資格は施行規則の側に書かれている。2027年5月20日施行の版では、一般用医薬品の受渡しを他の店舗に委託する仕組みと、その受け手の登録が第29条の5から第29条の11までに加わる。

医薬品を業として売るには、どの許可が要るのか

薬局開設の許可か、医薬品の販売業の許可です。第24条第1項が、このいずれかを受けた者でなければ業として販売等をしてはならないと定めています。

販売業の許可は、店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3区分に分かれています(第25条)。

医薬品を業として売るには、薬局開設の許可か、医薬品の販売業の許可のどちらかが要ります。この2つを置いているのが第4条と第24条で、条は離れた場所にあります。販売業は第七章第一節、薬局の開設は第三章「薬局」です。

第24条第1項が禁じているのは、販売と授与だけではありません。販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列する行為までが対象に入っています。ただし書は、製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者や医薬品の製造販売業者・製造業者・販売業者に販売する場合などを除いています。

薬局の開設の許可は第4条第1項です。薬局は、その所在地の都道府県知事(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)の許可を受けなければ、開設してはならないとされています。

薬局そのものの定義は、第2条第12項にあります。

薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所(その開設者が併せ行う医薬品の販売業に必要な場所を含む。)

同項のただし書は、病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所を、この定義から除いています。

有効期間は、どこに書かれているか

売る側の許可は、いずれも6年ごとの更新です。第24条第2項が「六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」と定めています。薬局の第4条第4項、高度管理医療機器等の販売業又は貸与業の第39条第6項、再生医療等製品の販売業の第40条の5第6項も同じ6年です。

この6年は、法律の条文そのものに書かれています。作る側の許可・登録を定める条は「三年を下らない政令で定める期間ごとに」と書き、期間は施行令にあります。この書き分けは承認・認証・届出・許可の地図で扱っています。

無許可・無届出は、どの罰条に置かれているか

無許可で売った場合の罰条は第84条です。三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとされています。同条は、第9号に第24条第1項、第12号に第39条第1項、第13号に第40条の2第1項又は第7項、第14号に第40条の5第1項の違反を挙げています。

管理者を置かない場合は第86条で、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとされています。同条が挙げているのは、次の規定です。

  • 第1号:第7条第1項若しくは第2項(薬局)、第28条第1項若しくは第2項(店舗販売業)、第31条の2第1項若しくは第2項(配置販売業)又は第35条第1項若しくは第2項(卸売販売業)
  • 第10号:第39条の2第1項
  • 第11号:第40条の6第1項

管理医療機器の届出をしない場合は第87条第12号で五十万円以下の罰金です。

法定刑の全体と両罰規定は薬機法の刑事罰、許可そのものへの処分は業許可への処分で扱っています。

医薬品の販売業の3区分は、それぞれ何を誰に売る業務なのか

店舗販売業は要指導医薬品・一般用医薬品を店舗で、配置販売業は一般用医薬品を配置で、卸売販売業は医薬品を薬局開設者等に売る業務です。

区分と業務の範囲は第25条各号に、卸売販売業の売り先の制限は第34条第5項に書かれています。

第25条は、販売業の許可を3つの区分に分け、それぞれの号で「当該各号に定める業務について行う」としています。扱える医薬品と売る相手は、許可を受けた側が選ぶのではなく、条文の側で決まっています。許可を与える者も区分ごとに違います。

表1:医薬品の販売業の3区分と、許可を与える者
区分許可が対象とする業務許可を与える者根拠条項
店舗販売業要指導医薬品又は一般用医薬品を、店舗において販売し、又は授与する業務店舗ごとに、その店舗の所在地の都道府県知事(所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合は市長又は区長)第25条第1号・第26条第1項
配置販売業一般用医薬品を、配置により販売し、又は授与する業務配置しようとする区域をその区域に含む都道府県ごとに、その都道府県知事第25条第2号・第30条第1項
卸売販売業医薬品を、薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者その他厚生労働省令で定める者に対し、販売し、又は授与する業務営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事第25条第3号・第34条第1項

出典は薬機法(昭和35年法律第145号)第25条、第26条第1項、第30条第1項、第34条第1項。版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、施行日 2026年5月21日。

卸売販売業が売れる相手

卸売販売業は、売る相手が条文で限られています。第34条第5項は、卸売販売業者は「当該許可に係る営業所については、業として、医薬品を、薬局開設者等以外の者に対し、販売し、又は授与してはならない」と定めています。

「薬局開設者等」の中身は第25条第3号にあり、その末尾の「その他厚生労働省令で定める者」が施行規則第138条に委ねられています。同条が号で挙げている者には、次のようなものがあります。

  • 国、都道府県知事又は市町村長(特別区の区長を含む)
  • 助産所の開設者であつて助産所で滅菌消毒用医薬品その他の医薬品を使用するもの
  • 救急用自動車等により業務を行う事業者であつて救急用自動車等に医薬品を備え付けるもの
  • 施術所の開設者、歯科技工所の開設者、滅菌消毒の業務を行う事業者
  • 登録試験検査機関その他検査施設の長、研究施設の長又は教育機関の長

売り方の側にも条文がある

売り方そのものにも条文があります。第37条第1項は、薬局開設者又は店舗販売業者は店舗による販売又は授与以外の方法により、配置販売業者は配置以外の方法により、それぞれ医薬品を販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で医薬品を貯蔵し、若しくは陳列してはならないと定めています。同条第2項は、配置販売業者が直接の容器又は直接の被包を開いて分割販売することを禁じています。

この第37条は、2027年5月20日施行の版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)で項の並びが変わります。第1項の括弧書に受渡委託をする場合の受渡しが加わり、配置販売業者の分割販売の禁止は同条第3項になります。

その薬局又は店舗以外の場所にいる者に対する販売は、施行規則で「特定販売」と呼ばれています。施行規則第147条の7(店舗販売業)と第15条の6(薬局)が、その方法を号で掲げています。

  • その店舗又は薬局に貯蔵し、又は陳列している医薬品を販売し、又は授与すること
  • 広告をするときは、インターネットを利用する場合はホームページに、その他の広告方法を用いる場合は当該広告に、別表第一の二及び別表第一の三に掲げる情報を見やすく表示すること
  • 区分ごとに表示すること
  • インターネットを利用して広告をするときは、都道府県知事及び厚生労働大臣が容易に閲覧することができるホームページで行うこと

許可の可否は何を見て決まり、店舗や営業所には誰を置くのか

見るのは、構造設備と、業務を行う体制の2つの基準です。適合しないときは許可を与えないことができ、店舗や営業所には管理者を置くことが条文に書かれています。

基準の中身は省令に置かれ、管理者の資格は扱う医薬品の区分ごとに施行規則が定めています。

許可の可否を決めるのは、建物と、人の置き方です。第26条第4項は、店舗販売業について次の2つを挙げ、どちらかに当たるときは許可を与えないことができるとしています。

  • その店舗の構造設備が厚生労働省令で定める基準に適合しないとき(第1号)
  • 薬剤師又は登録販売者を置くことその他その店舗において医薬品の販売又は授与の業務を行う体制が適切に医薬品を販売し、又は授与するために必要な基準として厚生労働省令で定めるものに適合しないとき(第2号)

条文が挙げている基準の数は、区分によって違います。

表2:許可を与えないことができるとして条文が挙げている基準
業の区分条文が挙げている基準根拠条項
店舗販売業店舗の構造設備の基準/医薬品の販売又は授与の業務を行う体制の基準第26条第4項第1号・第2号
配置販売業当該都道府県の区域において医薬品の配置販売を行う体制の基準第30条第3項
卸売販売業営業所の構造設備の基準第34条第3項
高度管理医療機器等の販売業・貸与業営業所の構造設備の基準第39条第4項
再生医療等製品の販売業営業所の構造設備の基準第40条の5第4項

出典は薬機法(昭和35年法律第145号)各条。版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、施行日 2026年5月21日。いずれの条も、あわせて第5条(第3号に係る部分に限る)の欠格条項を準用しています。

基準を定めている省令の名称は、どこに書かれているか

基準の中身は、法律の側にありません。法律は基準の名前だけを置き、中身は省令に預ける構えになっています。目次と本文が別の冊子に分かれているようなもので、名前をたどらないと中身に届きません。

その省令の名称と番号は、薬機法施行規則が引用の形で書いています。体制の側は「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(昭和三十九年厚生省令第三号)」です。施行規則第1条の2第5項第6号が、薬局開設の許可の申請書に添える書類の一つとして、この省令の第1条第1項第2号に規定する一日平均取扱処方箋数を記載した書類を挙げています。

構造設備の側は「薬局等構造設備規則(昭和三十六年厚生省令第二号)」です。施行規則第14条の2が、調剤室の定義としてこの規則の第1条第1項第10号を引いています。

誰を置くことになっているか

店舗・区域・営業所には、それぞれ管理者を置きます。第28条第1項は、店舗販売業者に、その店舗を自ら実地に管理し、又はその指定する者に実地に管理させることを求めています。第2項は、店舗管理者が厚生労働省令で定めるところにより薬剤師又は登録販売者でなければならないとしています。

配置販売業は第31条の2で区域管理者、卸売販売業は第35条で医薬品営業所管理者です。第35条第1項は営業所ごとに薬剤師を置いて管理させることを原則とし、卸売販売業者が薬剤師の場合に自らその営業所を管理するときをただし書で除いています。

同条第2項の例外に当たる医薬品と資格は、施行規則第154条にあります。指定卸売医療用ガス類(第1号)、指定卸売歯科用医薬品(第2号)、その双方(第3号。前二号のいずれにも該当する者)の号ごとに、学校で薬学又は化学(歯科用は歯学を含む)に関する専門の課程を修了した者などが定められています。

店舗管理者の資格は、扱う医薬品の区分で分かれます。施行規則第140条第1項第1号は、要指導医薬品又は第一類医薬品を販売し、又は授与する店舗について薬剤師としています。同項第2号は、第二類医薬品又は第三類医薬品を販売し、又は授与する店舗について、薬剤師又は同号イからハまでのいずれかに該当する登録販売者としています。

イからハまでは、次の3つです。

  • 過去5年間のうち従事期間が通算して2年以上の者
  • 過去5年間のうち従事期間が通算して1年以上であつて、継続的研修並びに店舗の管理及び法令遵守について厚生労働大臣が必要と認める研修を修了した者
  • 従事期間が通算して1年以上であつて、店舗管理者又は区域管理者としての業務の経験がある者

区域管理者について、同じ構造の規定が施行規則第149条の2に置かれています。

第28条第4項は、店舗管理者はその店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならないとし、ただし書でその店舗の所在地の都道府県知事の許可を受けたときを除いています。同じ書き方が第35条第4項(医薬品営業所管理者)、第39条の2第2項(高度管理医療機器等営業所管理者)、第40条の6第2項(再生医療等製品営業所管理者)にもあります。

医療機器を売る側は、許可・届出・どちらもなしのどれになるのか

高度管理医療機器等は営業所ごとの許可、管理医療機器は営業所ごとの届出、一般医療機器(特定保守管理医療機器を除く)には許可も届出も置かれていません。

特定保守管理医療機器は、クラス分類とは別の軸で指定され、許可の側に置かれています。

医療機器を売る側の手続は、3段構えです。高度管理医療機器と特定保守管理医療機器は許可、管理医療機器(特定保守管理医療機器を除く)は届出、一般医療機器(特定保守管理医療機器を除く)には販売業としての許可も届出も置かれていません。

許可の側は第39条第1項です。「高度管理医療機器又は特定保守管理医療機器(以下「高度管理医療機器等」という。)の販売業又は貸与業の許可を受けた者でなければ」と書き出し、販売・授与・貸与、その目的での陳列、高度管理医療機器プログラムの電気通信回線を通じた提供を対象にしています。許可は営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事が与え(第2項)、6年ごとの更新を要します(第6項)。

届出の側は第39条の3第1項です。対象は、管理医療機器(特定保守管理医療機器を除く)について、業として次の行為をしようとする者(第39条第1項の許可を受けた者を除く)です。

  • 販売し、授与し、若しくは貸与し、若しくはその目的で陳列すること
  • 管理医療機器プログラムを電気通信回線を通じて提供すること

これらの者は、あらかじめ、営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事に届け出なければならないとされています。

届け出る事項は3つの号に分かれます。氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名(第1号)、法人にあつては、薬事に関する業務に責任を有する役員の氏名(第2号)、その他厚生労働省令で定める事項(第3号)です。

第3号の厚生労働省令で定める事項は施行規則第163条第2項にあり、営業所の名称及び所在地、特定管理医療機器を販売提供等する場合の管理者の氏名及び住所、営業所(管理医療機器プログラムのみを取り扱う営業所を除く)の構造設備の概要、兼営事業の種類です。同条第3項は、届書に営業所の平面図を添えることを求めています。

表3:医療機器を販売・貸与する側に置かれている手続
扱う医療機器販売業・貸与業に置かれている手続根拠条項
高度管理医療機器、特定保守管理医療機器営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事の許可。6年ごとに更新第39条第1項・第2項・第6項
管理医療機器(特定保守管理医療機器を除く)あらかじめ、営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事へ届出第39条の3第1項
一般医療機器(特定保守管理医療機器を除く)許可・届出のいずれも置かれていない。第40条第3項が第9条第1項(各号を除く)を準用し、営業所における一般医療機器の品質確保の実施方法を厚生労働省令で定めることができるとしている第40条第3項

出典は薬機法(昭和35年法律第145号)第39条、第39条の3、第40条。版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、施行日 2026年5月21日。第39条の3第2項は、厚生労働大臣が厚生労働省令で管理医療機器の販売業者又は貸与業者に係る営業所の構造設備の基準を定めることができるとしています。

手続が置かれていないことと、遵守事項が無いことは別です。施行規則第178条第3項は、特定管理医療機器以外の管理医療機器又は一般医療機器の販売業者等について、営業所の管理に関する帳簿(第164条)、品質の確保(第165条)、苦情処理(第166条)、回収(第167条)などの規定を準用しています。

第40条の4は、医療機器の販売業者、貸与業者又は修理業者に、医療機器を一般に購入し、譲り受け、借り受け、若しくは使用し、又は医療機器プログラムの提供を受ける者に対し、適正な使用のために必要な情報を提供するよう努めなければならないとしています。

3段構えを「クラスが低いほど手続が軽い」と読むと、特定保守管理医療機器を取り落とします。クラス分類の3区分が縦の並びだとすれば、特定保守管理医療機器は、そこへ横から重なるもう一本の指定です。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

クラス分類が低い医療機器なら、売る側に許可は要らない。

現行

第39条第1項の許可の対象は「高度管理医療機器又は特定保守管理医療機器」です。特定保守管理医療機器は第2条第8項で、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものと定義されており、高度管理・管理・一般の3区分とは別の軸で指定されます。第39条の3第1項の届出の対象からも、第40条第3項が準用の対象とする一般医療機器からも、特定保守管理医療機器は除かれています。

根拠:薬機法(昭和35年法律第145号)第2条第5項から第8項まで、第39条第1項、第39条の3第1項、第40条第3項。版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063。3区分と特定保守管理医療機器の関係は「医療機器」の定義とクラス分類で扱っています。

修理する側は別の許可です。第40条の2第1項は、医療機器の修理業の許可を受けた者でなければ業として医療機器の修理をしてはならないとし、第2項は、修理する物及びその修理の方法に応じ厚生労働省令で定める区分(修理区分)に従い、厚生労働大臣が修理をしようとする事業所ごとに与えるとしています。有効期間は第4項が「三年を下らない政令で定める期間」と書き、施行令第54条が5年と定めています。施行令第80条第3項第4号は、一定の医療機器の修理に係る第40条の2第1項及び第7項の権限に属する事務を事業所の所在地の都道府県知事が行うこととし、施行令第56条は、医療機器の製造業者が、自ら製造(厚生労働省令で定める製造を除く)をする医療機器を修理する場合においては、法第40条の2及び第40条の3(法第23条の2の22の規定を準用する部分を除く)の規定は、適用しないとしています。

医療機器の営業所には、どのような管理者を置くのか

高度管理医療機器等の営業所は法第39条の2の営業所管理者、特定管理医療機器を扱う営業所は施行規則第175条第1項の管理者です。

いずれも、資格は従事年数と、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習の修了で書かれています。

医療機器の営業所には、許可の側にも届出の側にも管理者が置かれています。違うのは、置くことを求めている法令です。許可の側は法律(第39条の2第1項)、届出の側は施行規則(第175条第1項)にあります。

第39条の2第1項は、許可を受けた者に、高度管理医療機器等の販売又は貸与を実地に管理させるために、営業所ごとに、厚生労働省令で定める基準に該当する者を置かなければならないとしています。その基準は施行規則第162条にあります。

同条第1項が挙げているのは、次の2つです。

  • 高度管理医療機器等(指定視力補正用レンズ等及びプログラム高度管理医療機器を除く)の販売等に関する業務に3年以上従事した後、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習を修了した者(第1号)
  • 厚生労働大臣が第1号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者(第2号)

扱う品目が狭ければ、年数も変わります。第2項は指定視力補正用レンズ等のみを販売等する営業所について1年以上、第3項はプログラム高度管理医療機器のみを販売提供等する営業所について基礎講習の修了を要件とし、第4項は両方のみを扱う営業所の組合せを書いています。

届出の側にも管理者が置かれている

届出で足りる側にも、管理者はいます。施行規則第175条第1項は、特定管理医療機器の販売業者等(法第39条第1項の許可を受けた者を除く)に、特定管理医療機器を販売提供等する営業所ごとに、特定管理医療機器営業所管理者を置かなければならないとしています。ここでいう特定管理医療機器は、専ら家庭において使用される管理医療機器であつて厚生労働大臣の指定するもの以外の管理医療機器です。

要件は、次のいずれかの期間従事した後、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習を修了することです。

  • 高度管理医療機器等の販売等に関する業務に1年以上
  • 特定管理医療機器(補聴器、家庭用電気治療器及びプログラム特定管理医療機器を除く)の販売等に関する業務に3年以上

このほか、当該者と同等以上の知識及び経験を有すると厚生労働大臣が認めた者も、要件を満たす者とされています。

ただし書は、補聴器のみ、家庭用電気治療器のみ、プログラム特定管理医療機器のみ、及びそれらの組合せのみを扱う営業所について、それぞれ補聴器営業所管理者、家庭用電気治療器営業所管理者、プログラム特定管理医療機器営業所管理者を置けば足りるとしています。

研修の書き方が、許可の側と届出の側で違う

研修は、許可の側が義務、届出の側が努力義務の書き方です。施行規則第168条は、高度管理医療機器等の販売業者等に、高度管理医療機器等営業所管理者へ、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に届出を行つた者が行う研修を毎年度受講させなければならないとしています。

これに対し施行規則第175条第2項は、特定管理医療機器の販売業者等について、特定管理医療機器営業所管理者等に研修を「受講させるよう努めなければならない」と書いています。同条第3項の医療機器の譲受け及び譲渡に関する記録も「作成し、保存するよう努めなければならない」です。

同条第5項と第7項は、管理者が販売業者等に対し必要な意見を書面により述べること、その書面の写しを3年間保存することを求めています。

本ページが参照した薬機法施行規則は、版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104(施行日 2026年6月19日)です。2026年8月24日施行の版は e-Gov 法令検索が本文を返さないため確認できておらず、同日の改正内容は反映されていない可能性があります。

再生医療等製品を売る側には、何が置かれているのか

営業所ごとの販売業の許可(第40条の5)と、営業所ごとに置く再生医療等製品営業所管理者(第40条の6)です。

売る相手も、第40条の5第7項が製造販売業者・製造業者・販売業者や病院、診療所等に限っています。

再生医療等製品を売る側に置かれているのは、営業所ごとの販売業の許可です。第40条の5第1項は、この許可を受けた者でなければ、業として、再生医療等製品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならないとしています。

許可は営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事が与えます(第2項)。営業所の構造設備が厚生労働省令で定める基準に適合しないときは許可を与えないことができ(第4項)、6年ごとの更新を要します(第6項)。

売る相手も、条文の側で限られています。

第7項の「その他厚生労働省令で定める者」は、施行規則第196条の3にあります。同条が号で挙げているのは、次のような者です。

  • 国、都道府県知事又は市町村長(特別区の区長を含む)
  • 研究施設の長又は教育機関の長であつて研究又は教育を行うに当たり必要な再生医療等製品を使用するもの
  • 医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造業者であつて製造を行うに当たり必要な再生医療等製品を使用するもの
  • これらに準ずるもの

第40条の5第1項のただし書は、厚生労働大臣が指定する再生医療等製品の製造販売業者が、その製造等をし、又は輸入した当該再生医療等製品を医師、歯科医師若しくは獣医師又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者に販売等する場合を、許可の対象から除いています。

営業所管理者の資格の書き方

第40条の6第1項は、営業所ごとに、厚生労働省令で定める基準に該当する再生医療等製品営業所管理者を置かなければならないとしています。基準は施行規則第196条の4にあり、4つが挙げられています。

  • 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で薬学、化学又は生物学に関する専門の課程を修了した者(第1号)
  • これらの科目を修得した後に再生医療等製品の販売又は授与に関する業務に3年以上従事した者(第2号)
  • 同業務に5年以上従事した者(第3号)
  • 都道府県知事が第1号から第3号までに掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者(第4号)

医薬品の卸売販売業のように薬剤師を原則とする書き方ではありません。

ある物が再生医療等製品に当たるかどうかは第2条第9項と政令で決まります。区分そのものは「再生医療等製品」— 薬機法に5つ目として置かれた区分で扱っています。

この枠組みは、いつ書き換わるのか

2027年5月20日施行の版で、一般用医薬品の受渡しを他の店舗に委託する仕組みと、その受け手の登録が新たに置かれます。

令和7年法律第37号による改正で、本ページが引いた条は番号が繰り下がりませんが、第37条は項の並びが変わります。

2027年5月20日施行の版で加わるのは、一般用医薬品の引渡しを他の店舗に委託する仕組みです。委託を受けて引き渡す側には登録が、委託する側には許可が置かれます。

e-Gov 法令検索には、2027年5月20日施行の薬機法の版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)が置かれています。令和7年法律第37号による改正で、第29条の5から第29条の11までが新たに加わります。

本ページが扱う範囲では、第4条、第9条、第26条、第28条、第29条、第29条の2、第37条、第38条、第40条、第40条の7、第84条、第86条、第87条の本文が変わります。この改正で本文が変わる条はこの範囲の外にも多数あり、施行日ごとの一覧は改正の時間軸にあります。本ページが引いた条は番号そのものは繰り下がりませんが、第37条は前節で述べたとおり項の並びが変わります。

第29条の5第1項は、薬局開設者又は店舗販売業者以外の者であつて業として店舗において受渡しを行おうとする者に、その店舗の所在地の都道府県知事の登録を求めています。第2項が店舗ごとの登録、第5項が6年ごとの更新を定めています。

第6項は、店舗の構造設備の基準(第1号)と受渡しの業務を行う体制の基準(第2号)に適合しないときに登録をしないことができるとしています。第8項は、薬局開設者又は店舗販売業者が受渡しを行う場合は、その薬局又は店舗について第1項の登録を受けたものとみなすとしています。

委託する側にも手続が加わります。改正後の第26条第6項は、店舗販売業の許可を受けた者がその店舗に係る受渡委託をしようとするときは、あらかじめ、その店舗の所在地の都道府県知事の許可を受けなければならないとしています。同条第10項は、その許可の有効期間を第24条第2項に規定する期間の残存期間としています。

罰条と管理者の規定も動きます。第84条第9号は「第二十四条第一項又は第二十六条第六項の規定に違反したとき」に書き換わります。委託する側の薬局又は店舗には受渡管理者(第29条の6第1項・第2項)、登録を受けた店舗には登録受渡店舗責任者(第29条の8第1項)が置かれ、第38条は準用の対象が「店舗販売業及び登録受渡業者」に広がります。

この施行日は e-Gov の沿革に確定した日として記録されていますが、施行期日を定める政令の番号は特定できていません。条番号から解説を引く索引は条文索引にあります。

理解の確認

店舗販売業について許可を与えないことができる場合を定めた第26条第4項を読んでも、適合すべき基準の中身に行き着かないのはなぜか。

法律は基準の名前だけを置き、中身を厚生労働省令に預ける構えになっているからです。同項は「その店舗の構造設備が厚生労働省令で定める基準に適合しないとき」(第1号)、「業務を行う体制が……厚生労働省令で定めるものに適合しないとき」(第2号)と書くにとどまり、その省令の名称と番号すら法律の側にはありません。名称を引用の形で書いているのは薬機法施行規則で、体制の側は「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(昭和三十九年厚生省令第三号)」(第1条の2第5項第6号)、構造設備の側は「薬局等構造設備規則(昭和三十六年厚生省令第二号)」(第14条の2)です。基準の名前をたどって省令へ移らないと中身に届かない、という二段構えになっています。

根拠:薬機法第26条第4項第1号・第2号、薬機法施行規則第1条の2第5項第6号・第14条の2(法令確認日 2026-09-08)

「クラス分類が低い医療機器なら、売る側に許可は要らない」という説明は、第39条第1項のどこと食い違うか。

同項が許可の対象としているのは「高度管理医療機器又は特定保守管理医療機器」の2つで、後者はクラス分類とは別の軸の指定だからです。特定保守管理医療機器は、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして厚生労働大臣が指定するもの(第2条第8項)で、高度管理・管理・一般の3区分へ横から重なります。だからこそ第39条の3第1項の届出の対象からも、第40条第3項が準用の対象とする一般医療機器からも、特定保守管理医療機器は除かれています。クラスの高低だけで手続を決める読み方は、この横に走るもう一本の指定を取り落とします。

根拠:薬機法第2条第5項から第8項まで、第39条第1項、第39条の3第1項、第40条第3項(法令確認日 2026-09-08)

高度管理医療機器等営業所管理者を置く義務は法律にあるのに、特定管理医療機器営業所管理者を置く義務は施行規則にある。この違いは、どういう仕組みから生じているか。

法律の側の規定が、許可を受けた者だけを名宛人にしているためです。第39条の2第1項は第39条第1項の許可を受けた者に営業所ごとの管理者を置くことを求めており、届出で足りる管理医療機器の販売業者等はその名宛人に入りません。そこを施行規則第175条第1項が受け、法第39条第1項の許可を受けた者を除いた特定管理医療機器の販売業者等について、別に管理者を置くことを求めています。同じ書き分けは研修にも現れ、許可の側は施行規則第168条が毎年度受講させることを義務として書き、届出の側は第175条第2項が受講させるよう努めるものとして書いています。

根拠:薬機法第39条の2第1項、薬機法施行規則第175条第1項・第2項、第168条(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条、第4条、第9条、第24条から第40条の7まで、第84条、第86条、第87条 e-Gov 法令検索(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、施行日 2026-05-21。2026-09-08 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)第1条の2第5項、第14条の2、第15条の6、第138条、第140条、第147条の7、第149条の2、第154条、第162条、第163条、第168条、第175条、第178条、第196条の3、第196条の4 e-Gov 法令検索(版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104、施行日 2026-06-19。2026-09-08 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第54条、第56条、第80条第3項 e-Gov 法令検索(版ID 336CO0000000011_20260501_507CO0000000362、施行日 2026-05-01。2026-09-08 確認)
  • 薬機法 2027年5月20日施行版条文(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037、令和7年法律第37号による改正後)第26条、第28条、第29条、第29条の2、第29条の5から第29条の9まで、第37条、第38条、第40条、第84条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(昭和39年厚生省令第3号)原文URL未確定。本ページは薬機法施行規則第1条の2第5項第6号の引用により名称と番号のみを確認しており、同省令の本文は参照していない(2026-09-08 確認)