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特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品 — 3つの区分の違いと、2024年の見直しの経過措置

「保健機能食品」は、特定保健用食品・機能性表示食品・栄養機能食品の3つをまとめて指す語で、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第9条第1項第10号の括弧書きに置かれています。違いは、表示に至るまでに国がどう関わるかにあります。特定保健用食品は許可、栄養機能食品は基準への適合、機能性表示食品は届出です。このページは、定義の所在、手続の分かれ目、令和6年内閣府令第71号で規定された遵守事項、附則の経過措置が2026年8月31日までの製造等を対象としていることを、条文と手引きの文言で確認します。

30秒でわかる要点

  • 「保健機能食品」は3区分をまとめた呼び名で、食品表示基準第9条第1項第10号の括弧書きに置かれている。定義は同じ基準の第2条第1項で、第9号が特定保健用食品、第10号が機能性表示食品、第11号が栄養機能食品。
  • 表示に至るまでの手続は3つで違う。特定保健用食品は健康増進法第43条第1項の許可、栄養機能食品は許可も届出もなく別表第11の量と文言に合わせる形、機能性表示食品は販売開始の60日前まで(場合により120日前まで)の消費者庁長官への届出。
  • 令和6年内閣府令第71号により、届出後の遵守事項として、遵守の状況等の自己点検及び評価並びにその結果の報告が規定された。附則第2条の経過措置は、2026年8月31日までに製造・加工・輸入される加工食品・生鮮食品(いずれも業務用を除く。)の表示が対象。

「保健機能食品」とは、どの規定に置かれた区分か

食品表示基準第9条第1項第10号の括弧書きです。特定保健用食品、機能性表示食品及び栄養機能食品の3つをまとめて、この語で呼んでいます。

3つそれぞれの定義は、同じ基準の第2条第1項第9号・第10号・第11号に置かれています。

「保健機能食品」という語は、区分そのものを作る条文ではなく、区分に当たらない食品への禁止を書く条文の中に置かれています。食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)は、食品表示法第4条第1項の規定に基づく内閣府令です。その第9条第1項は一般用加工食品の表示禁止事項を列挙しており、第10号の括弧書きが「保健機能食品」の意味を定めています。

3つの定義は、同じ基準の第2条第1項に置かれています。第9号が特定保健用食品、第10号が機能性表示食品、第11号が栄養機能食品です。

書き方は3つで揃っていません。特定保健用食品は別の内閣府令を参照する形、栄養機能食品は表(別表第11)を参照する形、機能性表示食品は要件を列挙する形になっています。

特定保健用食品と栄養機能食品の定義

機能性表示食品の定義

第10号は、対象とする者、表示の内容、満たすべき要件の3つの層でできています。イが届出、ロが遵守事項、ハが「次に掲げる食品でないこと」という除外の並びです。

十 機能性表示食品 疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦を除く。)を対象として、機能性関与成分によって健康の維持及び増進に資する特定の保健の目的(疾病リスクの低減に係るものを除く。)が期待できる旨を科学的根拠に基づいて容器包装に表示をする食品であって、次に掲げる要件を全て満たすものをいう。(中略)ハ 次に掲げる食品でないこと。(1)健康増進法(平成十四年法律第百三号)第四十三条第一項の規定に基づく許可又は同法第六十三条第一項の規定に基づく承認を受け、特別の用途に適する旨の表示をする食品(以下「特別用途食品」という。)(2)栄養機能食品(3)アルコールを含有する食品(アルコールを人体に摂取するためのものに限る。)(後略)

食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第10号。e-Gov 法令検索 版ID 427M60000002010_20260401_508M60000002034(施行日 2026年4月1日)

ハの(1)と(2)は、特別用途食品と栄養機能食品に当たるものを機能性表示食品の定義から外しています。ここでいう特別用途食品は、健康増進法第43条第1項の許可又は同法第63条第1項の承認を受けて特別の用途に適する旨の表示をする食品を指す語で、保健機能食品とは別の枠です。

条文の形

除外は、栄養機能食品の側にも置かれています。第11号は特別用途食品と添加物を定義から除き、第10号ハは特別用途食品と栄養機能食品を除いています。3つは横並びの3択として書かれているのではなく、先に決まった枠を除いた残りに次の枠をはめる形で書かれているということです。同じ紙から順に型を抜いていくのに近く、先に抜いた形は次の型には入りません。

特別用途表示の許可と健康増進法第65条の関係は健康増進法第65条 — 誇大表示の禁止と勧告・命令で扱います。表示できる範囲が薬機法の側でどう区切られるかはサプリメントの表現はどこまで書けるかで扱います。

3つは、誰が何を確かめたうえで表示されるのか

特定保健用食品は国の許可、栄養機能食品は基準への適合、機能性表示食品は消費者庁長官への届出によります。

この違いは、容器包装に表示させる定型の一文としても条文に書かれています。

3つの区分は同じ基準の中に並んでいますが、表示に至るまでの手続は、それぞれ別の規定に置かれています。特定保健用食品は健康増進法第43条第1項、機能性表示食品は食品表示基準第2条第1項第10号イ、栄養機能食品は同項第11号と第7条の表です。

このうち届出という手続については、手引きⅢ(Ⅱ)が行政手続法(平成5年法律第88号)第37条の規定を挙げています。

表1:3つの区分と、表示に至るまでの手続
区分表示に至るまでの手続根拠
特定保健用食品健康増進法第43条第1項の許可(外国において特別用途表示をしようとする場合は同法第63条第1項の承認)。消費者庁が申請書及び添付資料を受け付け、食品安全委員会へ諮問するとともに、特定保健用食品の表示許可等に関する部会で審議する。健康増進法第43条第1項・第63条第1項(e-Gov 法令検索)/特定保健用食品の表示許可等について(平成26年10月30日 消食表第259号、最終改正 令和7年4月23日 消食表第357号)別添1の1及び5(1)ア
栄養機能食品許可又は届出に当たる規定は置かれていない。別表第11の第1欄に掲げる栄養成分を同表第2欄の量以上含み、一日当たりの摂取目安量が同表第4欄の量を超えないものについて、食品表示基準第7条の表に定める事項を表示する。食品表示基準第2条第1項第11号、第7条の表「栄養機能食品に係る栄養成分の機能」の項の1・3・4、別表第11
機能性表示食品販売を開始する日の60日前まで(届出がされたことがない機能性関与成分に関して、資料の確認に特に時間を要すると消費者庁長官が認める場合は120日前まで)に、別表第26に掲げる事項を消費者庁長官へ届け出る。食品表示基準第2条第1項第10号イ、別表第26

この表は、表示に至るまでの手続だけを並べたものです。表示できる内容の範囲、届出後・許可後の遵守事項、広告の扱いは区分ごとに別に定められており、この表からは読み取れません。

「国による評価を受けたものではない」旨は、表示事項になっている

手続の違いは、容器包装に書かせる文言の側にも現れます。栄養機能食品と機能性表示食品には、どちらも特定保健用食品と対比する定型の一文が、表示事項として置かれています。

7 1の七の消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨は、「本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。」と表示する。

食品表示基準 第7条の表「栄養機能食品に係る栄養成分の機能」の項の7

機能性及び安全性について国による評価を受けたものではない旨 「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と表示する。

食品表示基準 第3条第2項の表の機能性表示食品の項

手続の側を定めた文書も、同じ対比を冒頭に置いています。

機能性表示食品は、食品表示法(平成25年法律第70号)第4条第1項の規定に基づく食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第十号に規定する安全性及び機能性に関する一定の科学的根拠に基づき、食品関連事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨の表示を行うものとして、消費者庁長官に届け出られるものである。ただし、機能性表示食品は、科学的根拠等について消費者庁長官による個別審査を経ないという点等で、特定保健用食品とは異なる。

機能性表示食品の届出等に関する手引き(制定 令和7年3月25日 消食表第273号/一部改正 令和7年10月1日 消食表第711号)Ⅰ 趣旨

特定保健用食品は、どういう手続で許可されるのか

健康増進法第43条第1項の許可です。消費者庁が申請を受け付け、食品安全委員会への諮問と、特定保健用食品の表示許可等に関する部会の審議を経ます。

手続と要件は、平成26年10月30日 消食表第259号の別添1「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」に置かれています。

特定保健用食品の表示は、健康増進法第43条第1項の許可を受けて行われます。同項が許可の対象としているのは「特別用途表示」です。

区分は5つある

手続と要件は、平成26年10月30日 消食表第259号の別添1「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」に置かれています。別添1の2(1)は、審査方法の違いにより次のア〜オに区分されるとしています。

  • 特定保健用食品
  • 条件付き特定保健用食品
  • 特定保健用食品(規格基準型)— 別添3に示す規格基準を満たすものとして許可等を受けたもの
  • 特定保健用食品(疾病リスク低減表示)
  • 特定保健用食品(再許可等)— 既許可食品と比べて許可等を受けた者、商品名、風味等の変更がなされたもの

審査の手順と、要する期間

消費者庁は、申請書及び添付資料を受け付け、内容の確認を行った後、食品安全委員会へ諮問を行うとともに、特定保健用食品の表示許可等に関する部会において審議を行う。なお、審議の内容については、食品安全委員会において安全性の審議を、特定保健用食品の表示許可等に関する部会において安全性及び効果の審議を行う。

特定保健用食品の表示許可等について(平成26年10月30日 消食表第259号/最終改正 令和7年4月23日 消食表第357号)別添1「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」5(1)ア

標準的事務処理期間は、申請書が受理された日から5か月とされています。ただし、申請書又は添付資料の不備を申請者が修正するのに要する期間と、食品安全委員会における審議の期間は含まれません。特定保健用食品(規格基準型)については2か月です(同5(2))。

申請の後には、製品見本の試験検査(許可試験)があります。申請者が直接、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所又は健康増進法第43条第3項に規定する登録試験機関に持ち込み、発行された試験検査成績書を消費者庁食品表示課に提出します(同6)。

許可等の要件に置かれているもの

別添1の3は、許可等の要件を10項目挙げています。表示しようとする保健の用途に係る科学的根拠が医学的、栄養学的に明らかにされていること(同3(1))、適切な摂取量が医学的、栄養学的に設定できるものであること(同3(2))、日常的に食される食品であること(同3(7))などです。

10項目のうち次の3つは、別の通知や規則を参照する形で書かれています。

  • 3(8) 食品又は関与成分が、「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」(令和2年3月31日付け薬生監麻発0331第9号 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)の別添1「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に含まれるものではないこと
  • 3(9) 許可等に係る食品の健康被害に関する情報を収集し、その発生及び拡大のおそれがある旨の情報を得た場合には、当該情報を食品衛生法施行規則別表第17第9号ハの規定により都道府県知事等に速やかに提供するとともに、当該情報について消費者庁長官に提供する体制が整っていると認められること
  • 3(10) 生産・製造及び品質管理の体制(天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品として申請された場合にあっては、別添6に示す製造又は加工の基準に即していること。)が整っていると認められること

3(8)が参照している成分本質のリストの位置づけは、食薬区分 — 医薬品と判断される4つの要素と、判定を要しない3類型で扱います。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

特定保健用食品は3類型に分かれる。審査は消費者委員会の調査会が行う。

現行

区分は、特定保健用食品/条件付き特定保健用食品/規格基準型/疾病リスク低減表示/再許可等の5つ。審議は、食品安全委員会への諮問と、特定保健用食品の表示許可等に関する部会で行われる。

根拠:特定保健用食品の表示許可等について(平成26年10月30日 消食表第259号/最終改正 令和7年4月23日 消食表第357号)別添1の2(1)ア〜オ及び5(1)ア。消費者庁が公開する同通知のPDFで確認。

栄養機能食品は、何について、どこまで書けるのか

別表第11の第1欄に掲げる20の栄養成分について、同表第3欄の機能を記載します。特定保健用食品の許可、機能性表示食品の届出に当たる規定は置かれていません。

書ける成分と文言、下限値・上限値、注意事項は、いずれも別表第11の欄として条文に固定されています。

栄養機能食品には、特定保健用食品の許可や機能性表示食品の届出に当たる規定が置かれていません。書ける成分と文言、量の下限と上限、注意事項が、いずれも別表第11の欄として条文に固定されているためです。

別表第11は、第1欄に栄養成分、第2欄に下限値、第3欄に栄養成分の機能、第4欄に上限値、第5欄に摂取をする上での注意事項を並べた表です。

第1欄に掲げられているのは、n−3系脂肪酸、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK及び葉酸の20成分です。

第7条の表は、機能の表示ができる条件を量で切っています。一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分の量が第2欄に掲げる量以上であるものについて、第3欄に掲げる事項を記載して行うとされています(同項の3)。

上限もあります。一日当たりの摂取目安量は、第4欄に掲げる量を超えるものであってはならないとされています(同項の4)。摂取をする上での注意事項も、第5欄に掲げる事項を記載して行わなければならないとされています(同項の5)。

栄養機能食品に課される表示事項

第7条の表「栄養機能食品に係る栄養成分の機能」の項の1は、次の11の事項を表示することとしています。

  1. 栄養機能食品である旨及び当該栄養成分の名称
  2. 栄養成分の機能
  3. 一日当たりの摂取目安量
  4. 摂取の方法
  5. 摂取をする上での注意事項
  6. バランスのとれた食生活の普及啓発を図る文言
  7. 消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨
  8. 一日当たりの摂取目安量に含まれる機能に関する表示を行っている栄養成分の量が栄養素等表示基準値に占める割合
  9. 栄養素等表示基準値の対象年齢及び基準熱量に関する文言
  10. 調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては、その注意事項
  11. 特定の対象者に対し注意を必要とするものにあっては、その注意事項

このうち1つ目の表示方法は、同項の2が定めています。

2 1の一の栄養機能食品である旨及び当該栄養成分の名称は、「栄養機能食品(○○)」と表示する(○○は、「亜鉛」、「ビタミンA」、「ビタミンB1・ビタミンB2」等の栄養成分の名称とする。)。

食品表示基準 第7条の表「栄養機能食品に係る栄養成分の機能」の項の2

形状によって外れる成分がある

第2条第1項第11号の括弧書きは、錠剤、カプセル剤等の形状の加工食品にあってはカリウムを除くとしています。同じ成分でも、食品の形状によって栄養機能食品の枠に入らないことがある、という書き方です。

書けない事項も、同じ基準の中にある

ロは、栄養機能食品の枠の中で特定の保健の目的が期待できる旨を示すことを、表示禁止事項として置いています。特定の保健の目的が期待できる旨は、特定保健用食品と機能性表示食品の側の定義に置かれた語です(第2条第1項第9号が参照する内閣府令、及び同項第10号)。

機能性表示食品の届出は、いつまでに、何を出すのか

販売を開始する日の60日前までに、別表第26に掲げる事項を消費者庁長官へ届け出ます。120日前までとされる場合もあります。

120日前までとなるのは、届出がされたことがない機能性関与成分について、資料の確認に特に時間を要すると消費者庁長官が認める場合です。

第2条第1項第10号イは、届出の期限を2段構えで書いています。原則は、販売を開始する日の60日前までです(行政機関の休日に関する法律第1条第1項各号に掲げる日の日数は算入しない)。

もう一方が120日前までです。これに当たるのは、提出される資料の確認に特に時間を要すると消費者庁長官が認める場合です。

その理由として条文が挙げているのは、届出がされたことがない機能性関与成分に関して届け出られた表示の内容が食品表示基準その他関係法令の規定に違反するおそれがない旨の確証がないこと等です。

この「特に時間を要すると認める場合」を、手引きは2つに分けています。届出が履行された機能性表示食品としてこれまでに消費者庁による公表がされたことがない機能性関与成分の場合と、その組合せの場合です(同手引きⅣ(Ⅲ))。

届け出る事項

別表第26は、届出事項を6項に分けています。

  1. 表示の内容(第3条第2項又は第18条第2項の表の機能性表示食品の項の中欄に掲げる表示事項を記載した資料を、その表示の見本を添えて提出)
  2. 食品関連事業者名及び連絡先等の食品関連事業者に関する基本情報
  3. 安全性及び機能性の根拠に関する情報
  4. 生産・製造及び品質の管理に関する情報
  5. 健康被害の情報収集体制
  6. その他の必要な事項(商品名、届出に係る食品の区分、区分の選択の理由、健康増進法施行規則第11条第2項に規定する栄養素の過剰な摂取につながらないとする理由、販売開始予定日)

6の項ロが求める食品の区分は、(1)天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品、(2)(1)以外の加工食品、(3)生鮮食品の3つです。(2)を選ぶ場合は、(1)に該当しない合理的な理由を記載することとされています(同項ハ)。

届出という手続の性質

手引きⅢ(Ⅱ)は、届出の効果を行政手続法の条文で説明しています。届出書の記載事項に不備がないこと、必要な書類が添付されていることその他届出の形式上の要件に適合している場合、当該届出が消費者庁食品表示課に到達したときに、届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする、という書き方です。記載漏れ等の形式上の不備があった場合は、履行されたとは見なさないとされています。

手続上の義務が履行された場合、消費者庁長官は届出番号を付与するとともに、別表第26の1の項から6の項までに規定する事項について、一部を除き消費者庁のウェブサイトで公表します。

公表されないものも決まっています。個人を特定できる情報と法人の印影のほか、安全性試験の実施による評価に関する報告資料のうち公開されていないもの、製品規格書等、分析成績書、組織図、連絡フローチャートなどが、開示の対象外として挙げられています(同手引きⅢ(Ⅰ))。

届出は、届出データベースを用いて行うこととされています。手引きⅠは、令和7年4月1日に同システムが更改され、その日以降に新たに届出データベースを利用する食品関連事業者にはGビズIDの取得が必須になったと記しています。

2024年の見直しで何が加わり、経過措置はいつまでの製造等を対象としているのか

遵守の状況等の自己点検及び評価とその結果の報告が、遵守事項として規定されました。経過措置は2026年8月31日までに製造等された食品の表示が対象です。

規定の根拠は手引きⅠ、経過措置の対象は加工食品(業務用を除く。)及び生鮮食品(業務用を除く。)の表示です(令和6年内閣府令第71号 附則第2条)。

この見直しで加わったのは、届出をした後に守るべき事項です。届出後の遵守事項は別表第27に置かれており、その四の項として、遵守の状況等の自己点検及び評価並びにその結果の報告が規定されました。

届出後に守るべき事項は、どこに置かれているか

別表第27は、4つの項に分かれています。一の項が安全性及び機能性の根拠に関する事項、二の項が生産・製造及び品質の管理に関する事項、三の項が健康被害の情報の収集及び提供に関する事項、四の項が遵守の状況等の自己点検及び評価並びにその結果の報告に係る事項です。

このうち四の項について、手引きは、令和6年内閣府令第71号により規定された事項だと書いています。

さらに、令和6年8月23日に公布された食品表示基準の一部を改正する内閣府令により、届出者の届出後の遵守事項として、遵守の状況等の自己点検及び評価並びにその結果の報告に係る事項が規定されたことについても本手引きにより以下のとおり対応すること。

機能性表示食品の届出等に関する手引き(制定 令和7年3月25日 消食表第273号/一部改正 令和7年10月1日 消食表第711号)Ⅰ 趣旨

四の項の内容は、一の項から三の項までの事項に係る遵守状況及び別表第26に掲げる事項について自ら点検及び評価を行い、その結果を内閣総理大臣が告示で定めるところにより消費者庁長官に報告することです。

報告の期日は2段階です。1回目が届出番号が付与された日から起算して1年を経過する日、2回目以降が前回の報告をした月の末日の翌日から起算して1年を経過する日とされています。手引きⅠは、令和7年3月31日までに届出番号が付与された届出についても、令和7年度中に1回目の報告をする必要があると書いています。

二の項と三の項が求めていること

二の項第1号は、届出に係る食品の製造施設及び従業員の衛生管理が、別表第26の四の項イにより届出された体制により製造又は加工されていることを求めています。天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品として届出をした届出者については、内閣総理大臣が告示で定める基準に即して製造又は加工されていることを、括弧書きで求めています。この別表第27の二の項第1号は、後に挙げる附則第2条が経過措置の対象として名指ししている規定の1つです。

三の項は、健康被害の情報の収集及び提供に関する事項を3つの号に分けて定めています。

一 届出に係る食品について、医師の診断を受け、当該症状が当該食品に起因する又はその疑いがあると診断された健康被害に関する情報を収集するとともに、その発生及び拡大のおそれがある旨の情報を得た場合には、当該情報を食品衛生法施行規則別表第十七第九号ハの規定により都道府県知事、地域保健法第五条第一項の政令で定める市の市長又は特別区の区長に速やかに提供すること。

食品表示基準 別表第27の三の項の1

施行日と経過措置

(施行期日)第一条 この府令は、令和六年九月一日から施行する。ただし、別表第二十六(五の項を除く。)に掲げる事項並びに別表第二十七の二の項第八号及び四の項に掲げる事項の改正規定は、令和七年四月一日から施行する。

(経過措置)第二条 令和八年八月三十一日までに製造され、加工され、又は輸入される加工食品(業務用加工食品を除く。)及び生鮮食品(業務用生鮮食品を除く。)の表示については、この府令による改正後の第三条第二項、第二十二条第一項、別表第二十及び別表第二十七の二の項第一号の規定中天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品として届出をした場合に関する規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。

食品表示基準の一部を改正する内閣府令(令和6年内閣府令第71号)附則第1条・第2条。消費者庁が公開する「食品表示基準(本則・附則)」に収録された附則で確認
表2:令和6年内閣府令第71号に関する日付
日付内容根拠
2024年8月23日食品表示基準の一部を改正する内閣府令(令和6年内閣府令第71号)の公布機能性表示食品の届出等に関する手引きⅠが「令和6年8月23日に公布された食品表示基準の一部を改正する内閣府令」と記載
2024年9月1日同府令の原則的な施行日同府令 附則第1条本文
2025年4月1日別表第26(五の項を除く。)に掲げる事項並びに別表第27の二の項第8号及び四の項に掲げる事項の改正規定の施行同府令 附則第1条ただし書
2026年8月31日この日までに製造・加工・輸入される加工食品(業務用を除く。)及び生鮮食品(業務用を除く。)の表示については、附則第2条が挙げる規定のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品として届出をした場合に関する規定にかかわらず、なお従前の例によることができる同府令 附則第2条

附則第2条は、対象を「令和八年八月三十一日までに製造され、加工され、又は輸入される」ものと書いています。したがって2026年9月1日以後に製造・加工・輸入されるものは、この経過措置が対象とする範囲には含まれません。附則が経過措置の対象として挙げているのは、第3条第2項、第22条第1項、別表第20及び別表第27の二の項第1号の4つです。

手引きが挙げている、この見直しの府令と告示

手引きは冒頭で、どの内閣府令及び告示の制定に伴って整理されたものかを書いています。

本手引きは、以下の内閣府令及び告示の制定に伴い、これまでの機能性表示食品制度の運用も踏まえて、食品関連事業者が届出時の諸手続に必要な内容を網羅的に参照できるように、整理したものである。・食品表示基準の一部を改正する内閣府令(令和6年内閣府令第71号)・食品表示基準第2条第1項第十号イ及びロの別表第26の4の項イ及び別表第27の2の項第1号の規定に基づき、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の製造又は加工の基準(令和6年内閣府告示第108号)・食品表示基準第2条第1項第十号イの別表第26の1の項から6の項までの規定に基づき内閣総理大臣が告示で定める届出の方法並びに同号ロの別表第27の2の項第八号の規定及び4の項の規定に基づき内閣総理大臣が告示で定める遵守すべき事項その他の必要な事項及び報告の方法を定める告示(令和7年内閣府告示第35号。以下「機能性表示食品の届出等告示」という。)

機能性表示食品の届出等に関する手引き(制定 令和7年3月25日 消食表第273号/一部改正 令和7年10月1日 消食表第711号)冒頭

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

届出の手順は「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」(又は「届出等に関するマニュアル」)による。

現行

「機能性表示食品の届出等に関する手引き」(制定 令和7年3月25日 消食表第273号/一部改正 令和7年10月1日 消食表第711号)。従来運用していた「機能性表示食品の届出等に関するマニュアル」(令和6年8月30日付け消食表第775号)は、手引きの作成に伴い廃止された。

根拠:機能性表示食品の届出等に関する手引き 冒頭「本手引きの作成に伴い、従来運用していた『機能性表示食品の届出等に関するマニュアル』(令和6年8月30日付け消食表第775号。以下「マニュアル」という。)は廃止する。」消費者庁が公開する同手引きのPDFで確認。

3つの区分でも表示できないとされている事項は、どこにあるのか

食品表示基準第9条第1項第8号と第9号です。保健機能食品以外の食品について紛らわしい表示を禁じるのは、同項第10号です。

特定保健用食品については、通知が「認められた表示の範囲内とする」という形で範囲を書いています。

表示できない事項は、区分ごとに食品表示基準第9条第1項に置かれています。機能性表示食品が第8号、栄養機能食品が第9号です。

ハは、消費者庁長官の評価、許可等を受けたものと誤認させるような用語を挙げています。同じ区分について、第2条第1項第10号が定義を、第3条第2項の表が「機能性及び安全性について国による評価を受けたものではない旨」の表示を定めています。

栄養機能食品についての第9号(別表第11に掲げる栄養成分以外の成分の機能を示す用語、特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語)は、前の節で挙げました。

第10号は、保健機能食品以外の食品について、保健機能食品と紛らわしい名称、栄養成分の機能及び特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語を禁じています。3つの区分に入っていない食品の側にも、この基準は及んでいます。

特定保健用食品は、許可を受けた表示の範囲で書く

特定保健用食品の側は、条文ではなく通知が範囲を書いています。別添1の2(2)は、表示は認められた表示の範囲内とし、審査等に際して表示に条件が示された場合はこれに従うこと、虚偽又は誇大な表示、消費者に誤解を与える表示を行わないこととしています。

同カは、保健の用途の表示として許可等を受けた表示の内容のとおり表示すること、その際、許可等を受けた表示の一部分のみを記載してはならないとしています。

許可後についても、同じ趣旨が繰り返されています。

商品の保健の用途に係る表示及び広告については、全体として許可等を受けた表示の範囲内とすることとし、虚偽又は誇大な記載をすることがないようにすること。

特定保健用食品の表示許可等について(平成26年10月30日 消食表第259号/最終改正 令和7年4月23日 消食表第357号)別添1の8(4)

監視指導の側では、別添1の9(6)が、広告についても許可等が行われた表示の範囲内とし、虚偽又は誇大な広告とならないよう指導することとしています。

同9(6)は、条件付き特定保健用食品及び特定保健用食品(疾病リスク低減表示)の広告について、さらに注意を書いています。キャッチフレーズにおいて、限定的な科学的根拠である旨の省略、疾病名のみの強調等を行う場合は、虚偽又は誇大な表示に該当し得ることに留意すること、という書き方です。

許可の取消しを引いている箇所

特保通知の別添1の9(5)は、許可の取消しの規定を引いています。内閣府令で定める事項を表示していないとき又は虚偽の表示をしたときは、法第62条(法第63条第2項において準用する場合を含む。)の規定により当該許可等を取り消すことができることとされている、という引き方です。

そのうえで同9(5)は、このような食品を発見した場合は消費者庁食品表示課に通報することとしています。健康増進法第62条そのものの条文は、健康増進法第65条 — 誇大表示の禁止と勧告・命令で扱っています。

表示の内容が健康増進法第65条第1項や景品表示法にかかる場面は、区分の別とは独立して定められています。健康増進法の側の条文と手続は健康増進法第65条 — 誇大表示の禁止と勧告・命令、景品表示法第5条第1号・第2号は優良誤認と有利誤認で扱います。

理解の確認

食品表示基準第2条第1項の第10号ハと第11号に、特別用途食品や他の区分を定義から除く並びが置かれているのは、3つの区分がどういう関係で書かれているからか。

3つが横並びの3択ではなく、先に決まった枠を除いた残りに次の枠をはめる形で書かれているからです。第11号は特別用途食品と添加物を栄養機能食品の定義から除き、第10号ハは特別用途食品と栄養機能食品を機能性表示食品の定義から除いています。この書き方により、同じ食品が2つの区分に同時に当たることを、手続の側ではなく定義の側で避けています。

根拠:食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第9号〜第11号、第9条第1項第10号(法令確認日 2026-09-08、施行日 2026-04-01)

特定保健用食品には許可、機能性表示食品には届出があるのに、栄養機能食品にはそれらに当たる規定が置かれていないのはなぜか。

書ける成分と文言、量の下限と上限、摂取をする上での注意事項が、いずれも別表第11の欄として条文の側に固定されているからです。第7条の表は、一日当たりの摂取目安量に含まれる量が第2欄の量以上のものについて第3欄の機能を記載し、摂取目安量は第4欄の量を超えてはならないとしています。個別に確かめる手続がない代わりに、書ける範囲は表の外へ出られず、第9条第1項第9号が別表第11以外の成分の機能を示す用語と、特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語を表示禁止事項として置いています。

根拠:食品表示基準 第2条第1項第11号、第7条の表「栄養機能食品に係る栄養成分の機能」の項の1・3・4・5、別表第11、第9条第1項第9号(法令確認日 2026-09-08)

令和6年内閣府令第71号の附則第2条の経過措置は、何の時点を基準に適用の有無が決まる書き方になっているか。

販売した時点や表示を作った時点ではなく、製造・加工・輸入の時点です。附則第2条は、令和8年8月31日までに製造され、加工され、又は輸入される加工食品(業務用を除く。)及び生鮮食品(業務用を除く。)の表示について、なお従前の例によることができるとしているためで、2026年9月1日以後に製造等されるものはこの範囲に含まれません。猶予される範囲も府令全体ではなく、第3条第2項、第22条第1項、別表第20及び別表第27の二の項第1号のうち、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品として届出をした場合に関する規定に限られています。

根拠:食品表示基準の一部を改正する内閣府令(令和6年内閣府令第71号)附則第1条・第2条(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号。e-Gov 法令検索 版ID 427M60000002010_20260401_508M60000002034、施行日 2026年4月1日)出典元(2026-09-08 確認)
  • 健康増進法(平成14年法律第103号。e-Gov 法令検索 版ID 414AC0000000103_20251212_507AC0000000087、施行日 2025年12月12日)出典元(2026-09-08 確認)
  • 特定保健用食品の表示許可等について(平成26年10月30日 消食表第259号/最終改正 令和7年4月23日 消食表第357号、消費者庁食品表示課)別添1「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」出典元(2026-09-08 確認)
  • 機能性表示食品の届出等に関する手引き(制定 令和7年3月25日 消食表第273号/一部改正 令和7年10月1日 消食表第711号、消費者庁食品表示課)出典元(2026-09-08 確認)
  • 食品表示基準の一部を改正する内閣府令(令和6年内閣府令第71号)の附則。消費者庁が公開する「食品表示基準(本則・附則)」に収録出典元(2026-09-08 確認)
  • 天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の製造又は加工の基準(令和6年内閣府告示第108号。名称・番号は機能性表示食品の届出等に関する手引き冒頭の記載による)出典元(2026-09-08 確認)