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食品の広告で健康効果の誇張はどこまで禁じられる? — 健康増進法第65条と勧告・命令

健康食品の会社が、雑誌やウェブの広告で、効き目を事実とかけ離れた形で書いたり、実際より大きな期待を抱かせたりしたとします。健康増進法第65条は、そのうち程度が「著しい」表示を禁じています。禁止の対象は「何人も」(だれでも)です。消費者庁の指針(条文の読み方や、表示を確かめて指導する手順を示す文書)によれば、広告を載せる媒体の会社なども対象となり得ます。健康増進法では、違反してもすぐに罰則ではなく、手前に勧告・命令の段階があります。景品表示法(不当な表示などを規制する法律)など、ほかの法律も同時に及び得ます。ここでは、禁じられる表示、「著しく」の意味、違反後の手続と罰則を、例を交えて説明します。

30秒でわかる要点

  • 禁止の対象は「何人も」:食品の広告その他の表示で、健康への効果などを著しく事実と違えることと、著しく人を誤認させることが禁じられています(第65条第1項)。名宛人(禁止の対象になる人)は、製造業者や販売業者に限られません。消費者庁の指針は広告媒体事業者(新聞社・雑誌社・放送局など)も、Q&Aはさらに広告の仲介・取次ぎをする広告代理店も、対象となり得るとしています。
  • 「著しく」は、社会一般に許容される程度を超える誇張:判断の基準は、表示の内容全体から一般消費者が受ける印象・認識です。効果に触れた一文の有無ではなく、名称・キャッチフレーズ・成分の説明・起源・引用まで含めた全体を見ます(消費者庁の指針)。
  • 罰則が向いているのは、命令への違反:第65条第1項の違反そのものではなく、第66条第2項の命令に違反した者に、第71条の罰則があります。六月(6か月)以下の拘禁刑(刑事施設に収容する刑)又は百万円以下の罰金です。手前の勧告(必要な措置をとるよう求めること。第66条第1項)も、「重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」にすることができる規定です。違反があれば当然に進むものではありません。

1. 健康増進法第65条は、だれに、何を禁じているのですか?

食品として売る物の広告や表示で、健康への効果などについて、著しく事実と違う表示と、著しく人を誤認させる表示を禁じています。対象は「何人も」、つまりだれでもです。

消費者庁の指針は、名宛人が食品の製造業者や販売業者などに限られないとしています。

健康増進法(国民の健康の増進について定めた法律)の第65条第1項は、食品の広告や表示のうち、健康への効果などを誇張しすぎたものを禁じる決まりです。このページで法律の名前を付けずに書いている条番号は、すべて健康増進法のものです。

禁じられているのは、次の2つです。どちらにも「著しく」が付いている点が大切です(意味は4.の節で説明します)。

  • 著しく事実に相違する表示:書かれている効果と実際の効果の違いが、著しい表示
  • 著しく人を誤認させるような表示:読んだ人が受ける印象や期待と実際の効果の違いが、著しい表示

ここでいう健康への効果などを、条文は「健康保持増進効果等」と呼んでいます。健康の保持増進の効果と、内閣府令(内閣府が定める細かい決まり)で定める事項を合わせた言葉です(2.の節)。

「何人も」には、だれが入るのですか

消費者庁の指針は、対象が食品の製造業者や販売業者などに限られない、としています。新聞社、雑誌社、放送事業者、インターネット媒体社などの広告媒体事業者も、対象となり得るという書き方です。

ただし指針は、規制が及ぶ順番も示しています。第一義的に(まず第一に)規制の対象になるのは、健康食品の製造業者と販売業者です。そのため、広告媒体事業者などに直ちに健康増進法を適用することはない、としています。

適用があり得るのは、特別な事情があるときです。指針は例として、表示の内容が虚偽誇大(うそや大げさ)であると予見していた(前もって分かっていた)場合や、容易に予見できた場合を挙げています。

消費者庁のQ&A(2024年7月作成。質問と回答の形で解釈を示した文書)は、対象となり得る範囲に、広告の取次ぎをする事業者を加えています。広告媒体事業者に広告の仲介・取次ぎをする広告代理店やサービスプロバイダーも、対象となり得るとしています。

例

冒頭の場面で考えます。健康食品を作って売るA社が広告を作り、広告代理店C社が取り次いで、雑誌社B社の雑誌に載せたとします。

この広告が第65条第1項に触れる場合、指針によれば、まず規制の対象になるのはA社です。B社やC社も、条文の対象には入り得ます。B社のような広告媒体事業者への適用があり得るのは、上で見た特別な事情があるときです。

原文で確かめる(指針とQ&A)

指針は、規制が及ぶ順番を次のように書いています。

もっとも、虚偽誇大広告について第一義的に規制の対象となるのは健康食品の製造業者、販売業者であるから、直ちに、広告媒体事業者等に対して健康増進法を適用することはない。しかしながら、当該表示の内容が虚偽誇大なものであることを予見し、又は容易に予見し得た場合等特別な事情がある場合には、同法の適用があり得る。

食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)(令和2年4月1日一部改正 消表対第431号、消費者庁表示対策課)第2の1

Q&Aは、広告代理店などを加えて次のように書いています。

したがって、例えば、新聞社、雑誌社、放送事業者、インターネット媒体社等の広告媒体事業者のみならず、これら広告媒体事業者に対して広告の仲介・取次ぎをする広告代理店、サービスプロバイダーも同項の規制の対象となり得ます。

健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A(令和6年7月作成、消費者庁)Q6

「食品として販売に供する物」には、何が入るのですか

Q&Aは、薬機法(医薬品や医療機器などについて定めた法律)上の「医薬品」を除く、すべての飲食物だとしています。錠剤やカプセルの形の食品だけではありません。野菜、果物、調理品のように、見た目や形から明らかにふつうの食品とわかる物も、食品として売られていれば入ります。

例

あるスーパーが、店頭の果物に、健康への効果をうたう札を付けたとします。果物は見た目から明らかにふつうの食品です。それでも、食品として売られている物なので、Q&Aの説明では、第65条第1項の対象になる「食品」に入ります。

原文で確かめる(Q&A)

健康増進法第65条第1項の対象となる「食品」は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年8月10日法律第145号)上の「医薬品」を除く全ての飲食物であって、錠剤やカプセル形状の食品のみならず、野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに一般の食品と認識される物を含め、食品として販売に供する物が対象となっています。

同Q&A Q3

ただし、「医薬品を除く」とあるからといって、薬機法の適用を受ける物がすべて外れるわけではありません。たとえば、専ら(もっぱら)医薬品として使われる成分を含むことなどにより、無承認無許可医薬品として薬機法の適用を受ける物があります。無承認無許可医薬品とは、必要な承認(製品ごとに国が審査して、製造販売を認めること)や許可を受けずに作られたり売られたりしている医薬品です。

指針は、こうした物でも、次のような場合には、第65条第1項が併せて適用されるとしています。食品であることを明示して売られている場合や、医薬品であることを表示せずに飲食物として売られている場合などです。指針はさらに、この場合の監視指導(行政が表示などを確かめて、必要な指導をすること)についても書いています。薬機法の主管課室(その法律を受け持つ課や室)に加えて、健康増進法の主管課室と食品衛生法の主管課室も、それぞれ監視指導を行い得ることになる、という内容です。食品衛生法は、食品の衛生について定めた法律です。

2. 「健康保持増進効果等」には、何が入るのですか?

健康の保持増進の効果の4類型と、内閣府令が定める4項目です。広告等の全体で見て、間接的に効果を表示していると一般消費者が受け取り得るものも含まれます。

その4項目は、特別用途表示(乳児用・病者用などの表示)の許可等に関する内閣府令の第19条が定めている、と指針は書いています。

「健康保持増進効果等」は、条文の「健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項」をまとめて呼ぶ言葉です。中身は、前半と後半に分かれます。

  • 前半の「健康の保持増進の効果」:指針は、健康状態の改善や維持の効果だと説明し、4つの類型を挙げています。
  • 後半の「内閣府令で定める事項」:指針によると、成分の量や熱量など、4つの項目です。その府令が扱う特別用途表示については、6.の節で説明します。

次の表1は、この8項目を、指針の記載どおりに並べたものです。

表1:健康増進法第65条第1項にいう「健康保持増進効果等」の内訳
区分指針が挙げている内容出典
健康の保持増進の効果 ア疾病の治療又は予防を目的とする効果指針 第2の2(3)①
同 イ身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果指針 第2の2(3)①
同 ウ特定の保健の用途に適する旨の効果指針 第2の2(3)①
同 エ栄養成分の効果指針 第2の2(3)①
内閣府令で定める事項 ア含有する食品又は成分の量指針 第2の2(3)②
同 イ特定の食品又は成分を含有する旨指針 第2の2(3)②
同 ウ熱量指針 第2の2(3)②
同 エ人の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことに資する効果指針 第2の2(3)②

指針は、前半のアとイを「医薬品的な効能効果に相当するもの」と書いています。後半の4項目には、指針が条件を付けています。「健康の保持増進の効果とともに、国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図ることに関係する場合において規制対象となる」という条件です。

後半の4項目は、指針が、平成21年内閣府令第57号の第19条の定めとして挙げているものです(本ページは、この内閣府令の原文を参照していません)。

例

ある飲料の広告が、特定の成分を含むことや、その量を大きくうたっているとします。成分の量や、特定の成分を含む旨は、表1の後半のア・イに挙がっています。こうした項目は、表の下に書いた指針の条件に当たる場合に、第65条第1項の規制の対象となり得ます。

はっきり書いていなくても含まれる

指針は、効果を明示的・直接的に書いた表示だけを見るのではありません。間接的に効果を示す表示の類型として、次の5つを挙げています。

ア 名称又はキャッチフレーズにより表示するもの

イ 含有成分の表示及び説明により表示するもの

ウ 起源、由来等の説明により表示するもの

エ 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、体験談などを引用又は掲載することにより表示するもの

オ 医療・薬事・栄養等、国民の健康の増進に関連する事務を所掌する行政機関(外国政府機関を含む。)や研究機関等により、効果等に関して認められている旨を表示するもの

指針 第2の2(3)③

Q&Aは、同じ枠を6つの類型で示しています。指針の5つに、次の1つが加わっています。

エ 身体の組織機能等に係る不安や悩みなどの問題事項を例示して表示するもの

健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A(令和6年7月作成)Q4(3)エ

例

ある健康食品の広告に、効き目をうたう一文が無いとします。それでも、商品名やキャッチフレーズ、医師の談話や体験談の載せ方から、一般消費者が効果を読み取ることはあり得ます。指針の考え方では、こうした表示も「健康保持増進効果等」の表示に含まれ得ます。

体の働きについての不安や悩みを並べて見せる広告も、Q&Aが挙げる類型(エ)にあたり得ます。

直感的なポイント

第65条第1項で見られるのは、広告の一文ずつを虫眼鏡で調べた結果ではありません。少し離れて広告全体を眺めたとき、ふつうの人に何が伝わるか、という見方です。名称、キャッチフレーズ、成分の説明、起源・由来、引用、行政機関や研究機関の名前の使い方が、どれもこの「全体」に入ります。

3. 「広告その他の表示」には、どんなものが入るのですか?

指針の定義では、顧客を誘引する(買う気を起こさせる)ための手段としての広告や表示です。チラシやCMという形だけでなく、内容や示し方も見て判断する必要があります。

媒体の具体例は、指針に付いた留意事項(運用上の注意点をまとめた消費者庁の文書)が5つ挙げています。

当たるかどうかを見る3つの基準

留意事項(2020年4月改正)は、次の3つに当たると消費者が受け取れるものを、広告その他の表示として判断するよう示しています。

  1. 顧客を誘引する(買う気を高める)意図が、はっきりあること
  2. 特定の食品の商品名などが、明らかにされていること
  3. 一般の人が知ることのできる状態であること

薬機法でも、広告に当たるかどうかを3つの要件で判断するとされています。ただし、根拠になっている文書は別のものです。薬機法側は『2-1 そもそも薬機法の「広告」とは?』で扱っています。

どんな媒体が入るのか

留意事項は、具体例として5つの形を挙げています。商品・容器・包装から、見本やチラシ、口頭での説明、ポスターや看板、新聞・雑誌・放送、インターネットまでが並んでいます。

例

紙や画面に残るものだけではありません。留意事項の具体例には、口頭による表示(電話を含む)や、陳列物・実演による表示も入っています。店頭での口頭の説明や、電話での案内のような形も、表示の形として並んでいるということです。

原文で確かめる(留意事項が挙げる5つ)

⑴ 商品、容器又は包装による広告その他の表示及びこれらに添付した物による広告その他の表示

⑵ 見本、チラシ、パンフレット、説明書面その他これらに類似する物による広告その他の表示(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)及び口頭による広告その他の表示(電話によるものを含む。)

⑶ ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーンその他これらに類似する物による広告その他の表示及び陳列物又は実演による広告その他の表示

⑷ 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備又は拡声機による放送を含む。)、映写、演劇又は電光による広告その他の表示

⑸ 情報処理の用に供する機器による広告その他の表示(インターネット、パソコン通信等によるものを含む。)

同指針に係る留意事項(令和2年4月1日一部改正 消表対第433号、消費者庁表示対策課)第2の1

形を変えても、広告等として扱われることがある

留意事項は、3つの基準に当たらないようにした表示が行われている現状を挙げています。そのうえで、次の場合でも、実質的に3つを満たすときは、広告等に当たるものとして扱うとしています。

  • 商品名の一部を伏せ字にする場合
  • 書籍・冊子・ホームページの形をとる場合

第三者を間に入れた場合についても、書かれています。たとえば、特定の食品や成分の健康効果を扱う書籍に「当該食品に関するお問い合わせは、○○相談室へ」などと書かれていて、その相談室は商品を直接売っていない場合です。

留意事項は、「表現の自由」は最大限尊重されるべきだとしています。そのうえで、次のような場合を挙げています。相談室が特定の販売業者をあっせんしていると認められ、販売業者が別の人や団体を間に入れて、規制を避けながら書籍を広告として使っていると判断できる場合などです。このように実質的に3つの基準に当たる場合には、その書籍等を広告等として扱う、としています。

記事や学術論文の形をとる場合についても、書かれています。書籍やホームページに、特定の食品や成分の学術的な解説を載せる場合でも、実質的に3つの基準に当たれば、広告等として規制の対象となる場合があり得る、という内容です。例として挙がっているのは、解説のすぐ近くから特定の食品の販売ページに簡単に移れる場合や、販売業者の連絡先が載っている場合です。

例

ある健康情報サイトが、ある成分の働きを解説する記事を載せ、記事のすぐ下に特定商品の購入ページへのリンクを置いている場面を考えます。留意事項の考え方では、記事の形をとっていても、実質的に3つの基準に当たる場合には、広告等として規制の対象となる場合があり得ます。

商品名を出していない場合については、Q&Aにも記載があります。商品名が書かれていないことだけで、直ちに「表示」に当たらないと判断されるわけではありません。説明などによって特定の商品に誘引するような事情があれば、「広告その他の表示」に当たる、としています。

原文で確かめる(留意事項とQ&A)

第三者を間に入れた場合(留意事項)

また、例えば、特定の食品又は成分の健康保持増進効果等に関する書籍等に「当該食品に関するお問い合わせは、○○相談室へ」等と記載されている上記⑶の事例に関して、連絡先に掲げられた「○○相談室」が当該食品を直接販売等していない場合、(中略)広告等規制の対象となることを回避しようとするものがある。この場合にあっても、「表現の自由」は最大限尊重されるべきであるが、その「○○相談室」が特定の販売業者をあっせん等していることが認められる場合等であって、当該販売業者が別の個人又は団体を介在させることにより、広告等規制の対象となることを回避しながら当該書籍等を広告等として活用していると判断できるなど、実質的に上記の①〜③に該当する場合には、当該書籍等を広告等として取り扱う。

同留意事項 第2の2

記事や学術論文の形をとる場合(留意事項)

さらに、記事や学術論文等の形態をとっている上記⑶の事例に関して、(中略)書籍、冊子、ホームページに特定の食品又は成分に係る学術的解説を掲載する場合であっても、その解説の付近から特定食品の販売ページに容易にアクセスが可能である場合や、販売業者の連絡先が掲載されている等、実質的に上記の①〜③に該当する場合には、営利的言論としての広告等に該当するものとして、規制対象となる場合があり得る。

同留意事項 第2の2

商品名を出していない場合(Q&A)

なお、広告その他の表示において、具体的な商品名が明示されていない場合であっても、そのことをもって直ちに健康増進法上の「表示」に該当しないと判断されるものではありません。また、商品名を広告等において表示しない場合であっても、広告等における説明などによって特定の商品に誘引するような事情が認められるときは、健康増進法上の「広告その他の表示」に該当します。

健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A(令和6年7月作成)Q2

4. 「著しく」とは、どのくらいの誇張のことですか?

指針によると、誇張の程度が、社会一般に許容されている程度を超えていることです。判断の基準は、表示の内容全体から一般消費者が受ける印象・認識です。

何が「著しく」に当たるかは、個々の広告や表示に即して判断されるべきだ、と指針は書いています。

Q&Aは、「著しく」という言葉が置かれた理由を説明しています。出発点は、広告はふつうある程度の誇張を含み、一般消費者もそれを通常は想定している、という点です。そのため、社会一般に許容される程度の誇張であれば取締りの対象とせず、「著しく」人を誤認させるような表示を禁止する趣旨だ、という説明です。

では、許容される程度を超えたかどうかは、どう見るのでしょうか。指針は、その表示を誤認して顧客が誘引されるかどうかで判断するとしています。指針によれば、当たるのは、その誤認がなければ、通常は顧客が誘引されないだろうと認められる程度に達した表示です。

例

ある健康食品の広告が、実際の効果より大きな効果を示しているとします。問われるのは、その表示が、上で見た程度に達しているかどうかです。達していれば、「著しく」に当たり得ます。

原文で確かめる(指針)

具体的に何が「著しく」に該当するかの判断は、個々の広告その他の表示に即してなされるべきであるが、ここにいう「著しく」とは、誇張・誇大の程度が社会一般に許容されている程度を超えていることを指しているものであり、誇張・誇大が社会一般に許容される程度を超えるものであるかどうかは、当該広告その他の表示を誤認して顧客が誘引されるかどうかで判断され、その誤認がなければ顧客が誘引されることは通常ないであろうと認められる程度に達する広告その他の表示が該当する。

指針 第2の3(1)

「事実と違う」と「誤認させる」の違い

指針は、2つを別々に説明しています。

  • 「事実に相違する」:広告や表示に書かれた効果と、実際の効果が違うこと
  • 「人を誤認させる」:表示から受ける効果の「印象」や「期待感」と、実際の効果が違うこと。実際に一般消費者が誤認したという結果までは必要ない、と指針は書いています

例

広告に書いた効果の数字が、実際の効果と違う場面は、前者の問題になり得ます。数字は実際どおりでも、全体の見せ方によって、実際より大きな効果を期待させる場面は、後者の問題になり得ます。どちらも、程度が「著しい」ことが前提です。

行政は、どんな順番で確かめるのか

留意事項は、当たるかどうかの判断のしかたを、3つの段階に分けて示しています。

  1. 表示の内容だけで判断できるもの

    事実と違うこと、または人を誤認させることが明らかだと判断できる表示です。速やかに表示の取下げや内容の修正などの指導を行い、その結果などを、その地域を受け持つ地方厚生局(厚生労働省の地方の機関)へ報告するよう示されています。

  2. 証拠や根拠を確かめて判断するもの

    一見しただけでは見分けられない表示です。必要に応じて立入検査や食品の収去などを行い、表示の証拠や根拠を確かめたうえで判断する、とされています。立入検査は施設に立ち入って調べること、収去は検査に必要な量の食品を持ち帰ることです。根拠の規定は、第66条第3項が準用する第61条です(5.の節)。準用とは、ほかの条の決まりを、この場面にも使うことです。

  3. 成分を分析して判断するもの

    表示された有用な成分が実際には十分に含まれておらず、効果が得られない場合があり得ます。そのため、必要に応じて収去を行い、任意に(自らの判断で)有用成分を分析するか、その地域を受け持つ地方厚生局へ通報するよう示されています。

例

ある商品が、特定の成分を多く含むとうたっているとします。本当に含まれているかは、表示を見ただけでは分かりません。こうした場合、行政が必要に応じて商品を収去し、成分を分析することがあり得ます。

Q&Aが挙げている例

Q&Aは、指針の記載に加えて、次の場面を例に挙げています。「事実に相違する表示」の例は、機能性表示食品(国に届け出たうえで、体の機能についての表示をする食品)に関するものです。届出は、決められた事項を行政に知らせる手続で、審査して認めるものではありません。

  • 「事実に相違する表示」の例:届出をしていない商品なのに、届出済みの商品であるかのように誤認させる表示。届出表示(届け出た、機能性についての表示)の一部を省いて、商品そのものに機能性があるかのように示す表示
  • 「人を誤認させる表示」の例:一部の都合のよい体験談だけを引用する表示。「完全栄養」などと称して、健康維持に必要な栄養成分をすべて不足なく含むかのように誤認させる表示

表示の原稿をだれが作ったかについても、Q&Aに記載があります。取り上げているのは、製造元などから渡された表示原稿を、そのまま載せた場合です。その内容が著しく事実と違う表示や、著しく人を誤認させる表示に当たれば、第65条第1項に違反することになる、としています。

例

冒頭のA社の商品を扱う通販会社D社が、A社から届いた商品説明を、そのまま自社のサイトに載せたとします。Q&Aによれば、その内容が著しく事実と違う表示などに当たる場合、そのまま載せたD社であっても、第65条第1項に違反することになります。

原文で確かめる(Q&A)

なお、仕入れ元(製造元)から提供された表示原稿をそのまま掲載した場合であっても、その内容が、著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させるような表示に当たるものであれば、健康増進法第65条第1項に違反することになります。

健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A(令和6年7月作成)Q5(3)

5. 第65条に違反すると、どんな手続が進むのですか?

進み得るのは、指導・勧告・命令の3つです。第66条第1項の勧告は、重大な影響を与えるおそれがあると認めるときに「することができる」とされた規定です。

勧告・命令を行うのは内閣総理大臣または都道府県知事で、第71条の罰則は命令に違反した者に向けられています。

罰則は、入口ではなく、いちばん奥に置かれています。順に並べると、次のとおりです。

  1. 指導:表示の取下げや内容の修正などを求める(留意事項・Q&A)
  2. 勧告(第66条第1項):重大な影響を与えるおそれがあると認めるときに、必要な措置をとるよう勧告することができる(違反があれば当然に行われるものではありません)
  3. 命令(第66条第2項):勧告を受けた者が、正当な理由なく勧告の措置をとらなかったときに、その措置をとるよう命ずることができる
  4. 罰則(第71条):第65条第1項の違反そのものではなく、命令に違反した者に向く。六月(6か月)以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金

例

冒頭のA社の広告が、第65条第1項に触れる表示だったとします。条文の作りでは、この時点ですぐに罰則が科されるわけではありません。行政から指導を受けることがあり得ます。重大な影響のおそれがあると認められれば勧告が、勧告に正当な理由なく従わなければ命令が出され得ます。健康増進法の罰則(第71条)の対象になるのは、その命令に違反したときです。ほかの法律が同時に及び得る点は、7.の節で説明します。

指導は、条文の勧告・命令とは別のもの

指導は、第66条の勧告・命令とは別に、留意事項とQ&Aに書かれているものです。4.の節で見たとおり、留意事項は、表示だけで明らかに事実と違う、または人を誤認させると判断できるものについて示しています。速やかに、表示の取下げや内容の修正などの必要な指導を行う、という内容です。Q&A(Q7)が指導の相手として書いているのは、第65条第1項に違反するおそれのある表示をした者です。

勧告と命令は、だれが行うのか

条文では、内閣総理大臣または都道府県知事です。保健所を設置する市や特別区(東京都の区)では、市長や区長が「都道府県知事」に含まれます(第10条第3項)。

内閣総理大臣は、この法律による権限を、政令(内閣が定める命令)で定めるものを除いて、消費者庁長官に委任する(任せる)とされています(第69条第3項)。都道府県知事が勧告や命令をしたときは、その旨を内閣総理大臣に通知するものとされています(第66条第4項)。健康増進法を主管する都道府県の課の名前は、自治体によって違います。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

誇大表示に対する勧告・命令は厚生労働大臣が行う。命令に違反したときの罰則は「6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金」である。

現行

勧告・命令の主体は内閣総理大臣又は都道府県知事で、内閣総理大臣の権限は消費者庁長官に委任されている(第66条第1項・第2項、第69条第3項)。第71条の刑名は「六月以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」。

健康増進法(平成14年法律第103号)第66条・第69条・第71条。e-Gov 法令検索の現行版(版番号 414AC0000000103_20251212_507AC0000000087、2025年12月12日施行)で確認(2026-09-08)。指針(令和2年)およびQ&A(令和6年7月)の本文は「懲役」と表記していますが、現行条文の刑名は「拘禁刑」です。

公表と、勧告の中身

Q&A(Q7)によると、勧告をしたときは、その内容を公表することになっています。

指針によると、勧告では、広告の掲載の差止め(掲載をやめさせること)などの措置とあわせて、次のことも求められる場合があります。措置を行う期限(合理的な範囲内)や、措置をしたことの報告などです。命令についても、同じような記載があります。

「重大な影響を与えるおそれ」とは

勧告の条件である「重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」について、Q&Aは、例えば次のような場合がこれに当たるといえる、としています。

  • 表示された効果について、苦情などが関係機関に数多く寄せられている場合
  • その食品を摂取した人が健康を害したという苦情などが、関係機関に相当数寄せられている場合
  • 「血糖値を緩やかに下げる」「血圧を下げる」などの虚偽誇大表示によって、診療が必要な病気を抱える人が、適切な診療の機会を逃すおそれがある場合
原文で確かめる(Q&A)

ここでいう「国民の健康の保持増進及び国民に対する正確な情報の伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」とは、例えば、表示されている健康保持増進効果等に関する苦情等が関係機関に数多く寄せられている場合や、当該食品を摂取した者が健康を害したとする苦情等が関係機関に相当数寄せられている場合、「血糖値を緩やかに下げる」「血圧を下げる」等の健康保持増進効果等に係る虚偽誇大表示がなされることにより、診療を要する疾患等を抱える者が適切な診療機会を逸してしまうおそれがある場合は、これに当たるものといえます。

健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A(令和6年7月作成)Q7

指針の書き方は、現行の条文と少し違います。指針 第3の1は、第66条第1項の要件を「国民の健康の保持増進に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」と書いています。現行の条文は、この部分を「国民の健康の保持増進及び国民に対する正確な情報の伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」としています(2026-09-08 時点、e-Gov 法令検索)。Q&A(Q7)は、現行の条文と同じ言葉で書いています。

立入検査と収去

第66条第3項は、健康への効果などを表示した食品について、第61条を準用しています(準用の意味は4.の節)。特別用途食品(許可を受けて乳児用・病者用などの表示をした食品。6.の節)などは、この準用から除かれています。

指針によると、食品衛生監視員(食品の衛生を監視する行政の職員)は、必要があると認めるときは、製造・貯蔵・販売の施設に立ち入って検査できます。試験に必要な限度で、食品を収去することもできます。

第61条第1項の権限を使う職員は、第61条第3項で食品衛生監視員とされています。第61条第4項は、この権限を犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない、と定めています。立入検査などの権限は、犯罪の捜査のために与えられたものではない、ということです。

6. 特別用途表示の許可(第43条)とは、どう違うのですか?

第43条第1項は、特別用途表示(乳児用・病者用などの表示)をしようとする者に、内閣総理大臣の許可を求める手続です。第65条は、「何人も」に向けた内容の禁止です。

2つは名宛人も手続も別で、第65条は、許可を受けたかどうかを問わずに及びます。

どちらも、健康増進法の第七章「特別用途表示等」に置かれた規定です。第43条第1項は、特別用途表示をするための手続を定めています。第65条は、表示の内容そのものを禁じています。

例

ある会社が、自社の食品に「病者用」と表示して売りたいとします。第43条第1項は、こうした表示をしようとする者に、内閣総理大臣の許可を受けるよう定めています。一方で、その食品の広告が健康への効果などを著しく誇張していれば、許可の有無とは別に、第65条第1項の問題になり得ます。

許可の側にある手続

特別用途表示をする会社や、その表示のある食品を輸入する会社に関わる手続です。要点だけ並べます。

  • 申請と試験:第43条は、許可を受けようとする者に申請書の提出を求めています(第2項)。内閣総理大臣は、研究所または登録試験機関(国に登録された試験機関)に許可試験(許可のための試験)を行わせます(第3項)。
  • 表示の義務:許可を受けて特別用途表示をする者には、その食品(特別用途食品)について、内閣府令で定める事項の表示が義務づけられています(第6項)。
  • 許可の取消し(第62条):内閣総理大臣は、第43条第6項に違反したときや、許可に係る食品について虚偽の表示をしたときに、許可を取り消すことができます。許可を受けた日以降の科学的知見の充実により、その特別用途表示をすることが適切でないと分かったときも、取り消すことができます。
  • 罰則:第43条第1項の規定に違反した者には、第72条第2号により五十万円以下の罰金が定められています。
  • 外国での表示と輸入:日本で売る食品について、外国で特別用途表示をしようとする者は、内閣総理大臣の承認を受けることができます(第63条第1項)。許可や承認を受けずに特別用途表示がされた物を輸入しようとする者は、第43条第1項の特別用途表示をしようとする者とみなされます(第64条)。同じ者として扱われる、ということです。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

特別用途表示(特定保健用食品を含む)の許可の根拠は、健康増進法第26条である。

現行

特別用途表示の許可は第43条第1項、外国において特別用途表示をしようとする場合の承認は第63条第1項に置かれている。現行の第26条は第六章「受動喫煙防止」第一節(総則)の中にあり、望まない受動喫煙が生じないよう関係者が相互に連携を図りながら協力するよう努める旨を定めた規定である。

健康増進法(平成14年法律第103号)第26条・第43条・第63条。e-Gov 法令検索の現行版(版番号 414AC0000000103_20251212_507AC0000000087、2025年12月12日施行)で確認(2026-09-08)。

立入検査の準用から外れているもの

第66条第3項が第61条(立入検査・収去)を準用する対象からは、特別用途食品と、第63条第1項の承認を受けた食品が除かれています。

指針 第3の3は、除かれるものを「特別用途食品、健康増進法第63条第1項の承認を受けた食品及び販売に供する食品であって栄養表示がされたものを除く。」と書いています。現行の条文の括弧書きは「特別用途食品及び第六十三条第一項の承認を受けた食品を除く。」です(2026-09-08 時点、e-Gov 法令検索)。

7. 薬機法や景品表示法とは、どう重なるのですか?

指針は、第65条第1項の規制が、関係するほかの法律の広告規制と重ねて適用され得る(重畳的に適用され得る)としています。同じ表示に複数の法律が同時に及ぶ構造です。

指針は、健康増進法・食品衛生法・薬機法・景品表示法・食品表示法(食品の表示のルールを定めた法律)の主管課室が、緊密に連携することを求めています。

指針は冒頭で、食品の表示や広告を対象にする規定を持つ法律を挙げています。健康増進法のほかに、食品衛生法、薬機法、景品表示法、特定商取引に関する法律(特商法。通信販売などのルールを定めた法律)、食品表示法です。

そのうえで指針は、第65条第1項に違反する、または違反が疑われる広告等について書いています。これらの法律の規定にも違反している、または違反している可能性が十分にあり得る、という内容です(指針 第1の3)。

表2:指針が示している、他の法律との重なり
法律指針が書いている関係出典
医薬品医療機器等法食品として販売される無承認無許可医薬品に対しては、薬機法の主管課室に加え、健康増進法の主管課室及び食品衛生法の主管課室がそれぞれ監視指導を行い得る指針 第2の2(1)
景品表示法(第5条第1号)第65条第1項違反となる表示をした食品は、それが取引に供され、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる場合、同時に景品表示法に違反する可能性が非常に強い指針 第4の2(3)
特定商取引に関する法律通信販売業者等が食品として販売に供する物について行う広告その他の表示については、特商法の規定も重畳的に適用され得る指針 第4の2(3)
食品衛生法・食品表示法食品の表示・広告を対象とする規定をもつ法律として挙げられ、主管課室間の緊密な連携を確保することが必要とされている指針 第1の3、第4の2(1)

表2は指針の記載を並べたものです。どの法律がどの範囲まで及ぶかは、それぞれの法律の条文によります。

例

冒頭のA社が、健康食品を通信販売で売っているとします。その広告が、第65条第1項違反となる表示だった場合を考えます。1本の広告に、健康増進法のほか、景品表示法や特商法も同時に関わり得る場面です。

指針は、次の場合には、同時に景品表示法にも違反する可能性が非常に強い、としています。その食品が取引に供され(売り買いされ)、一般消費者の自主的かつ合理的な選択(ふつうの買い手が、自分で比べて選ぶこと)を妨げるおそれがあると認められる場合です。通信販売業者などが行う広告その他の表示には、特商法の規定も重ねて適用され得る、とも書いています。

原文で確かめる(指針)

すなわち、健康増進法第65条第1項違反となる表示をした食品は、それが取引に供され、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる場合、同時に景品表示法に違反する可能性が非常に強いものであり、健康増進法及び景品表示法が有機的に活用されることが重要である。

指針 第4の2(3)

指針は、保健所の位置づけも書いています。保健所は、地域保健法(昭和22年法律第101号)第6条により、企画、調整、指導と、これらに必要な事業を行うこととされています。対象は「栄養の改善及び食品衛生に関する事項」と「薬事に関する事項」です。また指針によると、勧告などの事務は、平成28年4月1日以降、都道府県と保健所設置市、特別区でも行うことになりました。根拠は、平成26年法律第51号の施行(効力を持ち始めること)です(指針 第4の2(1)・(2))。

薬機法側の広告規制は、別のページで扱っています

広告に当たるかどうかは薬機法における広告該当性の3要件、虚偽・誇大広告の禁止は『2-2 医薬品や化粧品などの広告で、事実と違う・大げさな表現は禁止ですか?』で扱っています。

承認前の広告の禁止は、『2-3 承認前の医薬品・医療機器などは、広告できますか?』(第68条)にあります。承認(製品ごとに国が審査して、製造販売を認めること)を受ける前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品が対象です。再生医療等製品とは、人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品などです。

理解の確認

条文の対象は「何人も」なのに、指針は、広告媒体事業者などに直ちに健康増進法を適用することはない、としています。この2つは、どう両立するのですか?

「何人も」は、条文が定める名宛人の範囲です。食品の製造業者や販売業者などには限られません。そのため、新聞社、雑誌社、放送事業者、インターネット媒体社などの広告媒体事業者も、規制の対象となり得ます。これらに広告の仲介・取次ぎをする広告代理店、サービスプロバイダーも同じです。指針が書いているのは、そのうえでの適用の順番です。第一義的に規制の対象となるのは、製造業者・販売業者です。媒体事業者などには、表示の内容が虚偽誇大なものであることを予見し、又は容易に予見し得た場合などの特別な事情があるときに、適用があり得ます。規制の範囲に入っていることと、直ちに適用されることは、別の話です。

根拠:健康増進法第65条第1項(法令確認日 2026-09-08)/食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(令和2年4月1日一部改正 消表対第431号)第2の1/健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A(令和6年7月作成)Q6

広告の中に、効果を直接うたった一文が無ければ、「健康保持増進効果等」の表示には当たらない。この理解は、指針のどこと食い違いますか?

指針は、効果を明示的又は直接的に表示するものだけでなく、広告等の全体で見て、間接的に表示していると一般消費者が認識し得るものも含まれる、としています。挙げられている類型は5つです。名称又はキャッチフレーズ、含有成分の表示及び説明、起源・由来等の説明の3つがまずあります。残る2つは、新聞・雑誌等の記事や医師、学者等の談話・学説・体験談の引用又は掲載と、行政機関や研究機関等により効果等が認められている旨の表示です。Q&Aは、これに、身体の組織機能等に係る不安や悩みなどの問題事項を例示して表示するものを加えています。判断の基準は、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識に置かれています。そのため、効果に触れた一文の有無を数えても、答えは出ません。

根拠:健康増進法第65条第1項(法令確認日 2026-09-08)/指針(令和2年4月1日一部改正 消表対第431号)第2の2(3)③・第2の3/健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A(令和6年7月作成)Q4(3)

第65条第1項に違反する表示をしたこと自体には、罰則が向いていません。第66条と第71条が、どう組み立てられているからですか?

第71条の罰則は、第66条第2項の命令に違反した者に向けられています。その命令は、第66条第1項の勧告を受けた者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときに置かれています。勧告そのものも、違反して表示をした者がいれば当然に行われるわけではありません。「国民の健康の保持増進及び国民に対する正確な情報の伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」に「することができる」と、要件と裁量(行政が判断する余地)を付けて書かれています。さらにその手前には、留意事項が示す、表示の取下げ・内容の修正等の指導があります。罰則は入口ではなく、指導・勧告・命令と段を踏んだ、いちばん奥に置かれています。

根拠:健康増進法第66条第1項・第2項、第71条(法令確認日 2026-09-08)/同指針に係る留意事項(令和2年4月1日一部改正 消表対第433号)第4の1

次に読む

  • 健康増進法(平成14年法律第103号)第10条・第43条・第61条・第62条・第63条・第64条・第65条・第66条・第69条・第71条・第72条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。版番号 414AC0000000103_20251212_507AC0000000087、2025年12月12日施行)
  • 食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)(令和2年4月1日一部改正 消表対第431号、消費者庁表示対策課)消費者庁(2026-09-08 確認)
  • 同指針に係る留意事項(令和2年4月1日一部改正 消表対第433号、消費者庁表示対策課)消費者庁(2026-09-08 確認)
  • 健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A(令和6年7月作成、消費者庁)消費者庁(2026-09-08 確認。作成年月は「令和6年7月」の表示によるもので、文書番号および正確な作成日は確認できていません)