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非医リストに載るとは、どういう意味か? — β-ニコチンアミドモノヌクレオチドの1行

製品の資料で、「非医リストに収載されている成分です」という一文を見かけることがあります。非医リストとは、医薬品的な効能効果(効き目)をうたわない限り、医薬品と判断しない原材料を、例として並べた国の一覧です。β-ニコチンアミドモノヌクレオチドも、ここに1行載っています。ただし、この一覧の位置づけを示した国の通知(役所が法律の運用のしかたを示す文書)は、食品としての安全性等を評価したリストではないとしています。また、載っていても、うたい方・形・飲み方の書き方しだいで、原則として医薬品とみなされることがあります。このページでは、その1行が示すことと示さないことを、通知の原文と照らして説明します。

30秒でわかる要点

  • 安全性を確かめたリストではない:国の通知は、非医リストを、医薬品かどうかを判断する際の参考として作るものとしています。そのうえで、食品としての安全性等を評価したリストではない、と書いています。
  • 載っていても、医薬品とみなされることがある:次の3つが見られます。①医薬品的な効能効果をうたう、②アンプル(液を密封した小さな容器)など専ら(もっぱら)医薬品的な形にする、③用法用量(飲む時期・間隔・量など)が医薬品的である。このどれかに当たれば、原則として医薬品とみなされます。
  • 1行に書かれているのは名前など4欄。版も変わる:表の欄は名称・他名等(別の呼び名)・部位等・備考の4つで、製品に何がどれだけ入っているか、どう作られたかは読み取れません。同じ国の通知の別添は、リストが新しい安全性の知見などにより、必要に応じて変更されることがあるとしています。表の見出しには更新日(確認した版は2026.8.5)が入ります。

1. 非医リストのどこに、どう載っているのですか?

非医リストの3つ目の区分「3.その他(化学物質等)」に、名称「β-ニコチンアミドモノヌクレオチド」として1行が置かれています。

他名等(別の呼び名)の欄は「Nicotinamide mononucleotide、NMN」で、表の見出しには「2026.8.5更新」と入っています。

2つのリストと、それを載せた通知

食品か医薬品かを分けることを「食薬区分」と呼びます。その基準は、国の通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」と別添にあります。無承認無許可医薬品とは、必要な承認や許可を受けずに作られたり売られたりしている医薬品のことです。この通知は昭和46年に出たため、このページでは「46通知」と呼びます。

非医リストを含む、原材料を例として並べた2つのリストは、46通知そのものではなく、別の通知に付いています。「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」という通知で、46通知はこれを「例示通知」と呼んでいます。成分本質(原材料)とは、その物が何からできているか、つまり原材料のことです。

例示通知は、2つのリストを添付の文書(別添)として付けています。

  • 別添1「専ら医リスト」:専ら(もっぱら=そればかり)医薬品として使われる原材料を、例として並べた一覧
  • 別添2「非医リスト」:医薬品的な効能効果をうたわない限り、医薬品と判断しない原材料を、例として並べた一覧

別添1の正式名は「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」です。別添2の正式名は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」です。標ぼう(ひょうぼう)は、表示や説明でうたうことを指します。「専ら医リスト」「非医リスト」という短い呼び方は、厚生労働省の改正通知(2026年8月)が使っているものです。

食薬区分の判断の全体は『3-1 健康食品が医薬品とみなされるのはどんなとき?』で扱います。このページが見るのは、非医リストの中の1行だけです。

非医リストの3つの区分と、この成分の行

非医リストは、次の3つの区分からできています。

  • 1.植物由来物等
  • 2.動物由来物等
  • 3.その他(化学物質等):この成分が載っているのは、この3番目の区分です

区分の見出しの下には「(例)」と書かれています。

この成分の行の名称・他名等と表の更新日は、この節の冒頭の結論に書いたとおりです。

例

同じ区分には、「ニコチンアミドリボシドクロライド」(他名等 Nicotinamide riboside chloride)も載っています。名前はよく似ていますが、別の行です。この表は、原材料を1行に1つずつ、名称と他名等で特定する形になっています。

表が持っている欄

この区分の表には、名称・他名等・部位等・備考の4つの欄があります。表の末尾には、欄についての注が付いています。各欄について注が書いていることを並べると、表1のとおりです。

表1:非医リスト「3.その他(化学物質等)」の表の欄
欄表末尾の注が書いていること
名称この区分の注は、名称の欄についての定めを置いていない
他名等この区分の注は、他名等の欄についての定めを置いていない
部位等リストに掲載されている成分本質(原材料)のうち、該当する部位について記載している(注1)
備考他の部位が別のリストに掲載されている場合等、その取扱いが紛らわしいものについて記載している(注2)。「医」は「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に掲載されていることを示す(注3)

出典:例示通知 別添2「3.その他(化学物質等)」の表と、その末尾に置かれた注1から注3。「1.植物由来物等」の表にある「学名」の欄は、この区分の表にはありません。

例

ある原材料の一部の部位が非医リストに、別の部位が専ら医リストに載っている、という場合があり得ます。注2は、こうした紛らわしいものを備考の欄に書くとしています。備考に「医」とあれば、専ら医リストに載っていることを示します(注3)。

原文で確かめる(表の末尾の注)

注1) リストに掲載されている成分本質(原材料)のうち、該当する部位について、「部位等」の欄に記載している。

注2) 他の部位が別のリストに掲載されている場合等、その取扱いが紛らわしいものについては、備考欄のその旨記載している。

注3) 備考欄の「医」は「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に掲載されていることを示す。

同 別添2「3.その他(化学物質等)」の表の末尾(注1から注3)

注2の「備考欄のその旨記載している」は原文の表記です。同じ趣旨の注は「1.植物由来物等」の末尾では注4として置かれ、そちらは「備考欄にその旨記載している」となっています。

2. リストに載ることは、判定のどの段階で効くのですか?

原材料で分ける段階です。非医リストに載ることは、その原材料が、うたい方・形・飲み方(①〜③)を見る(二)の側に置かれることを示す例示です。

(一)は、判断基準の1.に当たる原材料(専ら医リストに例示される側)が入っていれば、効能効果・形・飲み方がどうであっても、原則として医薬品の範囲とします。

46通知には、別紙「医薬品の範囲に関する基準」のほかに、別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」が付いています。46通知は、この別添を「判断基準」と呼んでいます。

原材料は、まず2つに分けられる

46通知の別紙のⅠの1は、原材料を判断基準によって分類するとしています。分類の行き先は2つです。

  • 判断基準の1.に当たると判断された原材料:専ら医リスト(例示通知の別添1)に、例として掲げる
  • 判断基準の1.に当たらないと判断された原材料:非医リスト(例示通知の別添2)に、例として掲げる

46通知は、非医リストへの掲載を、関係者の利便を考えた参考としての例示と位置づけています。

判定方法の(一)と(二)

この分類を使うのが、別紙のⅡ「判定方法」です。Ⅱは、医薬品とみなす範囲を(一)と(二)の2つに分けています。分かれ目は、判断基準の1.に当たる原材料かどうかです。

  • (一):判断基準の1.に当たる原材料が入っていれば、原則として医薬品の範囲とします。
  • (二):判断基準の1.に当たらない原材料が入っている場合は、次の①から③のどれかに当たるものを、原則として医薬品とみなします。①医薬品的な効能効果をうたうもの、②アンプル形状など専ら医薬品的な形のもの、③用法用量が医薬品的なもの、です。

非医リストに載る原材料では、このあと①から③の検討が残ります。

原文で確かめる(46通知 別紙のⅠの1とⅡ)

また、判断基準の1.に該当しないと判断された成分本質(原材料)については、関係者の利便を考え、参考として例示通知の別添2「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に例示として掲げることとする。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの1

(一) 効能効果、形状及び用法用量の如何にかかわらず、判断基準の1.に該当する成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合は、原則として医薬品の範囲とする。

(二) 判断基準の1.に該当しない成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合であって、以下の①から③に示すいずれかに該当するものにあっては、原則として医薬品とみなすものとする。

① 医薬品的な効能効果を標ぼうするもの

② アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの

③ 用法用量が医薬品的であるもの

同 別紙 Ⅱ(判定方法)

直感的なポイント

材料の一覧に名前があることは、その材料が「専ら医薬品として使う棚」には置かれていない、という確認にとどまります。できあがった物が何と名乗り、どんな器に入り、どう使うと書かれているかは、そのあとに別で見られます。前者を決めるのが成分本質(原材料)の分類、後者にあたるのが①から③です。

例

A社が、非医リストに載っている原材料1つだけでできた食品を売る場面で考えます。原材料が非医リストに載っていることは、その原材料が(二)の側に置かれることを示す例示です。そのうえで、包装や広告のうたい方、形、飲み方の書き方が、①から③に当たらないかが検討されることになります。

2種以上の成分を配合した物については、Ⅱの柱書(冒頭の本文)に定めがあります。各成分のうちいずれかが医薬品と判定されれば、その製品を医薬品とみなす、という内容です。柱書には、例外を定めるただし書も付いています。次の2つがそろう場合等、総合的に判断して医薬品と認識されるおそれのないことが明らかな場合は、この限りでないとしています。

  • その成分が、薬理作用(薬として体に働く作用)の期待できない程度の量で、着色、着香等の目的のために使われていると認められる
  • その成分を含む旨をうたわない場合、または含む旨をうたうがその使用目的を併記する場合である

1つの成分本質が非医リストに載っていることは、その成分を含む製品全体についての記載ではありません。

判定方法の全体と、どちらのリストにも無い原材料についての手続は、『3-1 健康食品が医薬品とみなされるのはどんなとき?』で扱います。

3. 載っていても医薬品とみなされるのは、どんなときですか?

①医薬品的な効能効果をうたう、②アンプル形状など専ら医薬品的な形である、③用法用量が医薬品的である、のどれかに当たると、原則として医薬品とみなされます。

46通知の判定方法の(二)は、この「①から③に示すいずれかに該当するもの」を、原則として医薬品とみなすものとしています。

非医リストの正式名そのものが、条件を含んでいます。「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」です。条件にあたるのは、「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り」という部分です。この表題に表れているのは、(二)の①にあたる効能効果の部分だけです。②の形と③の用法用量は表題にありませんが、判定方法の(二)には並んでいます。

①から③には、46通知の別紙が考え方(解釈)を示しています。①はⅠの2、②はⅠの3、③はⅠの4です。

① 効能効果:どこで、何をうたうと当たるのか

Ⅰの2は、まず、どこでの表示や説明を見るかを挙げています。容器、包装、添付文書のほか、チラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物です。口頭での説明(通知の言葉では「演述」)も入ります。これらで次のような効能効果(Ⅰの2の(一)から(三))が表示・説明されていれば、医薬品的な効能効果をうたっているものとみなす、としています。

  • (一) 疾病の治療又は予防を目的とするもの:病気の治療や予防をうたうもの
  • (二) 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とするもの:体の組織や働きを全般的に強める・高めることを、主な目的としてうたうもの
  • (三) 医薬品的な効能効果の暗示:はっきり言わずに、医薬品的な効能効果をほのめかすもの

Ⅰの2の(三)は、さらに(a)から(e)までの5つに分かれます。名称・キャッチフレーズ、含有成分の表示及び説明、製法の説明、起源・由来等の説明、新聞・雑誌等の記事や談話の引用です。Ⅰの2は、名称・含有成分・製法・起源などの説明で、同じような効能効果をうたったり、ほのめかしたりするものも、同様に扱うとしています。

Ⅰの2の(一)から(三)の中身は、『3-1 健康食品が医薬品とみなされるのはどんなとき?』とサプリメントの表現はどこまで書けるかで扱います。

例

A社が、非医リストに載っている原材料を使った食品を売る場面で考えます。チラシに病気の予防をうたう一文を載せると、Ⅰの2の(一)(病気の治療や予防)に関わる表示として、①の検討の対象になり得ます。商品名や原材料の由来の説明でほのめかす場合も、Ⅰの2は同様に扱うとしています。原材料が非医リストに載っていても、この検討が残ることに変わりはありません。

原文で確かめる(46通知 別紙のⅠの2)

また、名称、含有成分、製法、起源等の記載説明においてこれと同様な効能効果を標ぼうし又は暗示するものも同様とする。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの2

② 形状と③ 用法用量:何が見られるのか

②の形状について、Ⅰの3は、「食品」である旨が明示されている場合には、原則として形だけで医薬品かどうかの判断はしない、としています。そのうえで、ただし書を置いています。アンプル形状など、通常の食品としては流通しない形を使うなどして、消費者に医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合です。その場合は、医薬品と判断する必要がある、としています。

例

A社が、非医リストに載っている原材料を使った液を、「食品」と書いたうえでアンプルに詰めて売る場面で考えます。アンプル形状は、Ⅰの3のただし書が、通常の食品としては流通しない形の例に挙げているものです。ただし書は、消費者に医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合について定めています。「食品」と書いてあっても、②の検討の対象になり得ます。

原文で確かめる(46通知 別紙のⅠの3)

ただし、アンプル形状など通常の食品としては流通しない形状を用いることなどにより、消費者に医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合は、医薬品と判断する必要がある。

同 別紙 Ⅰの3

③の用法用量について、Ⅰの4は、服用時期、服用間隔、服用量等の記載があれば、原則として医薬品的な用法用量とみなす、としています。ただし、調理の目的のために使用方法、使用量等を定めているものは、この限りでない、と続きます。

例

A社が、非医リストに載っている原材料を使った食品のラベルに、1日2回、朝と夜に飲む、と書く場面で考えます。飲む時期(朝と夜)などを書いているので、Ⅰの4によれば、③の検討の対象になり得ます。

Ⅰの2とⅠの4には、栄養機能食品についての定めも置かれています。栄養機能食品とは、内閣総理大臣が定める基準に従って、栄養成分の機能を表示する食品です。根拠は、食品表示基準という内閣府令の規定です。Ⅰの4のただし書は、栄養機能食品でも、医薬品と誤認させることを目的としていると考えられる場合は、引き続き医薬品的な用法用量の表示とみなすとしています。例として挙がっているのは、「食前」「食後」「食間」など、通常の食品の摂取時期等とは考えられない表現を使う場合です。

4. 載っていれば「食品として安全」という意味ですか?

いいえ。46通知は、このリストを、医薬品かどうかを判断する際の参考として作るもので、食品としての安全性等を評価したリストではない、と書いています。

46通知の判断基準(別添)の3.は、リストが新しい安全性の知見などにより、必要に応じて変更されることがあるとしています。

46通知は、非医リストに載せる根拠を述べた文のすぐあとに、「なお」で始まる一文を置いています。そこに、このリストが何ではないかが書かれています。

なお、当該リストは医薬品の該当性を判断する際に参考とするために作成するものであり、食品としての安全性等の評価がなされたもののリストではないことに留意されたい。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの1

「医薬品の該当性」とは、医薬品に当たるかどうか、という意味です。このリストは、それを判断するときの参考として作られたものです。

よく見かける説明と、46通知の書き方を並べると、次のようになります。

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

非医リストに載っている成分は、国が食品として使ってよいと確認したものである。

現行

46通知は、当該リストが医薬品の該当性を判断する際に参考とするために作成するものであり、食品としての安全性等の評価がなされたもののリストではないと書いている。リストの表題も「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」であり、条件を含む。

根拠:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの1/例示通知 別添2の表題。

例

A社の営業担当者が、取引先から、非医リストに載っているなら国が食品として使ってよいと確認したということか、と聞かれる場面で考えます。問いの前提は、上に引いた46通知の「なお」で始まる一文と食い違います。

リストの表の側にも、安全性等の評価を補う欄はありません。摂取量、規格、製造方法を書く欄は置かれていません。表の欄は、5で詳しく見ます。

さらに、リストは固定されたものではありません。46通知の判断基準の3.が書くとおり、必要に応じて変更されることがあります。載っているかどうかは、その時点の版についての話だということになります。

原文で確かめる(判断基準の3.)

例示通知の別添1「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」及び例示通知の別添2「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」は、今後、新たな安全性に関する知見等により、必要に応じて変更することがある。

同 別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(別紙が「判断基準」と呼ぶもの)3.その他

5. リストの1行は、どこまでを特定しているのですか?

名称・他名等・部位等・備考の4欄までです。含有量、規格、製造方法、純度を書く欄は、この表にありません。

46通知の判断基準の1.の注3は、載っている原材料でも、水・エタノール以外の溶媒(成分を溶かし出すのに使う液体)で抽出した場合は、改めて検討するとしています。

表の1行が書いているのは、原材料の呼び名と、部位と、他のリストとの関係です。この成分の行では、名称と他名等の欄に名前が入っています。物の作り方や、できあがった物の中身を書く欄は、表にありません。

例

冒頭の「非医リストに収載されている成分です」という一文を、表の1行と照らして考えます。表から確かめられるのは、名称または他名等の欄に、その名前があるということです。その製品に何がどれだけ入っているか、どう作られたかは、表の欄からは読み取れません。

抽出のしかたによっては、改めて検討される

載っている原材料でも扱いが変わる場合があることを、46通知の判断基準の1.が注3で書いています。水とエタノール以外の溶媒で抽出した場合です。その場合は、抽出した成分について改めて検討し、専ら医リストに載せるべきかどうかを評価する、としています。

例

A社が、非医リストに載っている原材料から、水とエタノール以外の溶媒を使って成分を抽出する場面で考えます。同じ名前が非医リストにあっても、この抽出成分については、注3により改めて検討が行われる、という書き方です。

原文で確かめる(判断基準の1.の注3)

注3)例示通知の別添2「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に収載されている原材料であっても、水、エタノール以外の溶媒による抽出を行った場合には、当該抽出成分について、上記の考え方に基づいて再度検討を行い、例示通知の別添1「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に収載すべきかどうか評価する。

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」1.注3

リストに載っている名称と、実際に手元にある物とが同じものかどうかは、リストの外で確かめる事柄です。分析値の読み方は「純度99%」はなぜ比較にならないのか、食品にどれだけ含まれるかという数値は食事から摂れるかで扱っています。いずれも技術資料で、食薬区分の判断とは別の話です。

専ら医リストの側にも、対になる注があります。46通知の判断基準の1.の注2です。別添1に載っていても、次の2つがそろう場合等、総合的に判断して医薬品と認識されるおそれがないことが明らかな場合は、医薬品とみなさないとしています。

  • その原材料が、薬理作用の期待できない程度の量で、着色、着香等の目的のために使われていると認められる
  • 含む旨をうたわない場合、または含む旨をうたうがその使用目的を併記する場合である

どちらのリストも、名前が載っているかどうかだけで扱いが決まる作りになっていません。

6. 最新版と、これからの改正は、どこで確かめるのですか?

厚生労働省の「無承認無許可医薬品情報」のページに、例示通知の改正通知と2つのリスト、照会(問い合わせ)の様式が置かれています。

リストの表の見出しには更新日が入っていて、このページで確認した版は「2026.8.5更新」です。

厚生労働省の「無承認無許可医薬品情報」のページには、「(参考)関連通知」として次の文書が並んでいます。

  • 無承認無許可医薬品の指導取締りについて
  • 「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の一部改正について(2026年8月の改正通知)
  • (参考)別添1.専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト
  • (参考)別添2.医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト
  • 新規成分本質(原材料)の判断に関する照会の際の様式について(別紙1から別紙4まで)
  • 無承認無許可医薬品の監視指導について

厚生労働省のこのページには、ページについての問い合わせ先として、医薬局監視指導・麻薬対策課が載っています。

一覧にある照会の様式は、新しい原材料について判断を問い合わせるときに使う書式です。照会の手続は『3-1 健康食品が医薬品とみなされるのはどんなとき?』で扱います。

リストは改正される

2026年8月の改正通知は、「2 改正の概要」の(3)で、非医リストの植物由来の表について4件の改正を挙げています。学名・他名等・部位等・備考の記載が、改正の対象になっています。

(3)が挙げる4件は、次のとおりです。

  • イザヨイバラ 部位等を「果実」から「偽果」(ぎか)に改める
  • クラミドモナス・ラインハルチー 学名の欄を「※1」とし、「Chlamydomonas reinhardtii」を他名等に移す
  • ショクヨウホオズキ 備考を改める
  • バラ属 部位等と備考を改める

この(3)は表の名を「1.植物由来等」と書いていますが、リスト本体の見出しは「1.植物由来物等」です。同じ通知の(2)は、専ら医リストの2.動物由来等の表について2件の改正を挙げています。(1)は、専ら医リストの1.植物由来物等の表について、学名欄を追加するとともに、名称欄等について必要な記載整備(表記の整理)を行うことを挙げています。

例

ある年に受け取った製品資料に、「非医リストに収載されている成分です」と書かれていたとします。その資料を翌年に読み返す場面で考えます。リストは、その間に改正されているかもしれません。リストを引き直すときは、表の見出しの更新日で、どの版かを確かめることになります。

表の見出しに入っている更新日は、どの版を見ているかを示します。リストを引くときは、版と更新日を確かめたうえで原典に当たることになります。一次資料(通知やリストの原本)へのたどり着き方は法令・通知の読み方、通知の番号から引く索引は『8-2 この通知は、いまも生きている?』にあります。

7. このページの呼び方は、どの文書の言葉ですか?

このページで使った「例示通知」「判断基準」「専ら医リスト」「非医リスト」は、いずれも通知自身が使っている呼び方です。

「46通知」だけは通知の中の語ではなく、昭和46年の通知を指す、このページでの略称です。

表2は、このページで使った略称と、その呼び方を置いている文書を並べたものです。いちばん右の欄を見ると、その略称が通知の言葉か、このページの言葉かがわかります。

表2:このページで使った略称と、それを置いている文書
呼び方指しているもの呼び方を置いている文書
46通知無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)の別紙「医薬品の範囲に関する基準」および別添本ページでの略称
例示通知食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示(令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号。最終改正 令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号)46通知 別紙 Ⅰの1
判断基準46通知の別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(原文の見出しは「(別添1)」)46通知 別紙 Ⅰの1
専ら医リスト例示通知 別添1「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号
非医リスト例示通知 別添2「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号
栄養機能食品食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第11号の規定に基づき、内閣総理大臣が定める基準に従い栄養成分の機能の表示をするもの46通知 別紙 Ⅰの2

出典:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙 Ⅰの1・Ⅰの2、および「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の一部改正について(令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号)。

表2の「判断基準」の行にある「(別添1)」は、原文の見出し「(別添1)食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」の書き出しです。

例

表2の「専ら医リスト」の行を横に読むと、指しているのは例示通知の別添1で、この呼び方を置いているのは2026年8月の改正通知だとわかります。「46通知」の行は、右の欄が「本ページでの略称」です。

このページで使った言葉の意味

  • 食薬区分:食品か医薬品かを分けること
  • 成分本質(原材料):その物が何からできているか。原材料のこと
  • 標ぼう:表示や説明でうたうこと
  • 別紙・別添:通知に添付された文書
  • 柱書・ただし書:柱書は、冒頭に置かれた本文。ただし書は、例外を定める一文

このページが引いたのは通知とリストだけで、条文の引用は置いていません。「医薬品」の定義を置く薬機法の条文は、『3-1 健康食品が医薬品とみなされるのはどんなとき?』にあります。

理解の確認

非医リストに載っていることは、46通知の判定方法の(一)と(二)のどちらの側に置かれることを示しますか。2つはどこが違いますか。

(二)の側です。(一)は、判断基準の1.に当たる原材料が入っていれば、「効能効果、形状及び用法用量の如何にかかわらず」、原則として医薬品の範囲とします。(二)にはこの文言がありません。代わりに、①医薬品的な効能効果を標ぼうするもの、②アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの、③用法用量が医薬品的であるもの、を並べます。そして、その「いずれかに該当するもの」を、原則として医薬品とみなすとしています。

notice-46

「非医リストに載っている成分だから、食品として使ってよいと国が確認している」という説明は、46通知のどの記載と食い違いますか。

46通知の別紙Ⅰの1にある、「なお」で始まる一文です。このリストは「医薬品の該当性を判断する際に参考とするために作成するものであり、食品としての安全性等の評価がなされたもののリストではない」ことに留意されたい、と書かれています。医薬品の該当性とは、医薬品に当たるかどうかという意味です。あわせて、46通知の別添(判断基準)の3.は、リストが新たな安全性に関する知見等により、必要に応じて変更することがあるとしています。

notice-46

非医リストの「3.その他(化学物質等)」の表から読み取れるのは、どこまでですか。

名称・他名等・部位等・備考の4つの欄までです。部位等は該当する部位を、備考は他のリストとの関係が紛らわしいものについて書く欄で、「医」は専ら医リストに載っていることを示します。含有量・規格・製造方法を書く欄はありません。「1.植物由来物等」の表にある学名の欄も、この区分にはありません。表の見出しには更新日が入ります。

list-non-drug-ingredients

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  • (例示通知 別添2)医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト(令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号 別添2/表の見出しの更新日 2026.8.5)出典元(2026-09-12 確認)
  • 「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の一部改正について(令和8年8月5日 医薬監麻発0805第1号/原通知 令和2年3月31日 薬生監麻発0331第9号)出典元(2026-09-12 確認)
  • 無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号/最終改正 令和2年3月31日 薬生発0331第33号)別紙「医薬品の範囲に関する基準」および別添「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」出典元(2026-09-12 確認)
  • 無承認無許可医薬品情報(厚生労働省 医薬局監視指導・麻薬対策課)出典元(2026-09-12 確認)