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「エクソソーム」製品に、承認されたものはある? — 事務連絡とPMDAの一覧で確かめる

あるクリニックに、エクソソームを名乗る製品の資料が届き、「諸外国では医薬品として承認されている」とあったとします。日本で承認(製品ごとに国が審査して、製造販売を認めること)を受けたものはあるでしょうか。手がかりの1つは、厚生労働省の事務連絡(役所が、運用上の注意などを担当者あてに伝える文書)です。そこには、エクソソーム等と称する製品に、薬機法に基づく承認を受けた医薬品は存在しない、とあります。2024年7月31日時点の記載です。再生医療等製品(人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品など)は、別の一覧で確かめます。このページでは、2つの資料の読み方、一覧の確認結果、承認の条文を説明します。

30秒でわかる要点

  • 「存在しない」と書かれたのは、医薬品について:厚生労働省の事務連絡の記2の後段(本文の2つ目の項目の、後ろの部分)は、医薬品について書いています。現時点において、エクソソーム試薬を含め、エクソソーム等と称する製品に、薬機法に基づく承認を受けた医薬品は存在しない、という一文です。「現時点」とあるのは、この事務連絡が出された2024年7月31日のことです。
  • 再生医療等製品は、別の一覧で確かめる:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が「新再生医療等製品の承認品目一覧」を公表しています。2026年9月12日に、2015年度から2026年度までの各年度の別表(年度ごとの承認品目の表)を見ました。その範囲では、販売名・一般的名称・類別名称の3つの欄に「エクソソーム」「細胞外小胞」を含む品目は載っていません。
  • 「載っていない」は、確認日とセットで読む:一覧は年度ごとに、また年度の途中でも行が加わります。確認した時点で、2026年度の別表に並ぶ最も新しい承認日は2026年7月17日でした。医薬品の側の2026年9月12日時点の承認状況は、このページでは確かめていません。

1. 承認されているかどうかは、どこを見れば分かる?

厚生労働省の事務連絡の記2と、PMDAの「新再生医療等製品の承認品目一覧」です。事務連絡は医薬品、一覧は再生医療等製品についての資料です。

薬機法は、医薬品と再生医療等製品を別の区分として置いていて、承認の条文も分かれています。

この問いには、2つの資料が関わります。

  • 厚生労働省の事務連絡 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課が、2024年7月31日に出した文書です
  • PMDAの一覧 PMDAが、年度ごとに公表している一覧です。一覧のページによると、新再生医療等製品として承認された品目が載っています

事務連絡の記載範囲は次の節、一覧の構成はその次の節で示します。

表1:2つの資料を並べて確かめる
表1:本ページが確認した2つの資料
資料出したところ何について書かれているか日付
エクソソーム試薬に係る監視指導について(事務連絡)厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課薬機法に基づく承認を受けた医薬品令和6年7月31日 発出
新再生医療等製品の承認品目一覧独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)新再生医療等製品として承認された品目(一覧のページの記載による)年度ごとに掲載(2026-09-12 確認)

表は2つの資料の書き分けを取り出したものです。

なぜ2つに分けて読むのか

条文の場所は次のとおりです。

  • 医薬品 定義は第2条第1項、承認は第14条第1項
  • 再生医療等製品 定義は第2条第9項、承認は第23条の25第1項

そのため、どちらについて書かれた資料なのかで、読み取れることが変わります。

直感的なポイント

薬機法は、医薬品と再生医療等製品を別々の箱に入れて管理しています。片方の箱について「承認を受けたものは存在しない」と書かれた文書を読んでも、もう片方の箱の中を見たことにはなりません。

例

健康食品や化粧品を扱うA社の営業担当が、取引先から、エクソソームの製品で国の承認を受けたものはあるのかと聞かれたとします。

このページの内容で答えられるのは、次の2つです。医薬品については、事務連絡が2024年7月31日の時点で「存在しない」と書いていること。再生医療等製品については、2026年9月12日にPMDAの一覧を見た結果です。その範囲では、販売名・一般的名称・類別名称の欄に「エクソソーム」「細胞外小胞」を含む品目はありませんでした。

ただし、この一覧は新再生医療等製品の一覧です。承認されたすべての再生医療等製品を載せているかは、確かめていません(7.の節)。

どちらの箱の話なのかを、分けて伝えることになります。

薬機法が置く5つの区分の全体は、『1-1 薬機法は、何のために何を扱う法律?』で扱っています。再生医療等製品という区分そのものは、『1-5 「再生医療等製品」とは、どんな製品?』にあります。手続には、承認のほかに、認証・届出・許可があります。認証は、国に登録された機関が、基準に合っているかを確かめて認めることです。届出は、決められた事項を行政に知らせる手続で、審査して認めるものではありません。許可は、製造や販売を仕事として行うために、国や都道府県から受けるものです。承認・認証・届出・許可という手続の並びは『1-7 承認・認証・届出・許可は、何が違う?』にあります。

2. 事務連絡は、何が「無い」と書いているのか?

エクソソーム試薬を含め、エクソソーム等と称する製品に、薬機法に基づく承認を受けた医薬品は存在しない、と書いています。記2の後段にある一文です。

一文には「現時点において」とあり、これは事務連絡が出された2024年7月31日の時点のことです。

事務連絡の題名は「エクソソーム試薬に係る監視指導について」です。本文の「記」の2つ目の項目(記2)の、後ろの部分(後段)に、次の一文があります。

なお、現時点において、エクソソーム試薬を含め、エクソソーム等と称する製品に、薬機法に基づく承認を受けた医薬品は存在しないことに留意すること。

エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 事務連絡)記2(後段)

主語と述語に分けて読む

この一文は、主語と述語に分けて見ると分かりやすくなります。

  • 何について(主語) エクソソーム試薬に限りません。「エクソソーム等と称する製品」全体について書かれています
  • 何が無いのか(述語) 「承認を受けた医薬品は存在しない」です。再生医療等製品について書かれた一文ではありません

例

研究用試薬を扱うA社が、エクソソームを名乗る試薬を扱っているとします。記2の後段は「エクソソーム試薬を含め」と書いています。エクソソーム等と称する製品であれば、試薬と称していても、この一文(記2の後段)の範囲に含まれると読めます。

「現時点」は、いつのことか

この一文が述べているのは、事務連絡が出された2024年7月31日の状態です。このページを読む日の状態ではありません。

記の全体に付いた添え書き

事務連絡は、記(本文の項目)の前に、「なお」で始まる添え書きを置いています。そこでは、記の内容は現時点で想定される製品の例を含むものだとしています。あわせて、今後の状況を踏まえて見直しを行う可能性がある、と添えています。

「エクソソーム等」「エクソソーム試薬」とは

この一文が指す範囲は、事務連絡の前文(冒頭の文章)にある定義で決まります。前文は、2つの語を次のように定めています。

  • エクソソーム等 ヒトの幹細胞の培養上清液(細胞を培養したあとの液の上澄み)と、その液に含まれる可能性のある細胞外小胞などの細胞の分泌物
  • エクソソーム試薬 エクソソーム等を、病気の治療や予防(治療等)の目的に用いるものではなく、試薬と称した製剤(製品として仕上げたもの)

前文は、エクソソーム試薬を医療機関向けに広告・販売する事例が見受けられる、とも書いています。

原文で確かめる(事務連絡の前文)

昨今、ヒトの幹細胞の培養上清液及び当該上清液に含まれる可能性のある細胞外小胞等の細胞の分泌物(以下「エクソソーム等」という。)を、疾病の治療又は予防(以下「治療等」という。)の目的に用いるものではなく、試薬と称した製剤(以下「エクソソーム試薬」という。)として医療機関向けに広告・販売する事例が見受けられます。

同事務連絡 前文

この事務連絡には、通知(国の役所が、法律の運用のしかたを自治体などに示す文書)に付くような文書番号が付されていません。事務連絡の全体、すなわち前文・記1の6類型・記2・記3の構成は『5-1 エクソソーム「試薬」は、どんなときに指導の対象?』で扱っています。6類型とは、記1が、エクソソーム試薬のうち指導を行うものとして挙げる、製品の6つの型です。「研究用」という表示そのものが何を意味し、何を意味しないかは『5-2 「研究用」と書けば、薬機法の医薬品にあたらない?』にあります。

3. 再生医療等製品の承認品目は、どこで公表されている?

PMDAのウェブサイトに「新再生医療等製品の承認品目一覧」があります。年度ごとに、承認品目の表(別表・PDF)が載っています。

2026年9月12日に確認した時点で、2015年度から2026年度までの各年度が並んでいました。

PMDAの一覧のページは、本文に「新再生医療等製品として承認された品目について、年度ごとの一覧を掲載しています。」と書き、その下に年度を並べています。

年度の名前から進むと、年度別のページがあります。表題は「2026年度承認品目一覧(新再生医療等製品)」のような形です。承認品目は、そのページに別表(PDF)として載っています。

並んでいる年度のうち、2017年度だけは年度別のページへの入口がありません。一覧のページに「(注:承認品目はありません)」と書かれています。

「新」再生医療等製品とは

一覧の名前にある「新再生医療等製品」は、薬機法の第23条の29第1項第1号が定義している語です。

同号の定義を、3つに分けて読むと次のようになります。

  • 比べる相手 既に第23条の25の承認又は第23条の37の承認を与えられている再生医療等製品
  • 何が違うか 構成細胞(製品をつくる細胞)、導入遺伝子(細胞に入れる遺伝子)、構造、用法、用量、使用方法、効能、効果、性能等が明らかに異なること
  • 誰が指示するか 厚生労働大臣が、その承認の際に、そのような製品として指示すること

つまり、既に承認されたものと明らかに異なるとして、厚生労働大臣が承認の際に指示した再生医療等製品が、新再生医療等製品です。

別表に並ぶ列

各年度の別表には、次の列があります。

  • 分野
  • 承認日
  • 販売名(製品の名前。会社名も書かれ、2015年度の別表を除いて法人番号も並べて書かれています)
  • 承認・一変別(「一変」は、承認された事項の一部の変更のこと)
  • 類別名称(再生医療等製品の区分の名前。4.の節で説明します)
  • 一般的名称
  • 備考

年度ごとの行数

各年度の別表に何行並んでいたかを数えたのが、次の表です。

表2:年度別の別表に並ぶ行数(2026-09-12 確認)
年度行数
2015年度(平成27年度)2
2016年度(平成28年度)1
2017年度(平成29年度)0
2018年度(平成30年度)4
2019年度(令和元年度)2
2020年度(令和2年度)2
2021年度(令和3年度)5
2022年度(令和4年度)6
2023年度(令和5年度)2
2024年度(令和6年度)2
2025年度(令和7年度)6
2026年度(令和8年度)7

行数は、各年度の別表に置かれた承認日つきの行を数えたものです。行には「承認・一変別」欄が「一変」となっているもの、すなわち承認された事項の一部を変更したものが含まれるため、行数は品目の数と一致しません。2017年度の0は、一覧のページの注記によります。2026年度は年度の途中で、確認時点で並ぶ最も新しい承認日は2026年7月17日です。

例

表2の2026年度の欄は「7」です。これは、別表に承認日つきの行が7つあったという意味です。

7品目が新しく承認されたとは限りません。行数には、一変の行も数えているからです。

4. 一覧に「エクソソーム」「細胞外小胞」の名前はある?

2026年9月12日に各年度の別表を確認した範囲では、販売名・一般的名称・類別名称に「エクソソーム」「細胞外小胞」を含む品目は載っていません。

一覧は年度ごとに、また年度の途中でも行が加わるため、確認日より後のことはこのページからは分かりません。

このページでは、2026年9月12日に、2015年度から2026年度までの各年度の別表を開きました。見たのは、販売名・一般的名称・類別名称の3つの欄です。

2017年度については、一覧のページに承認品目はありませんと書かれています。

例

取引先の資料に、日本で再生医療等製品として承認されている、と書かれていたとします。

確かめるときは、PMDAの一覧から各年度の別表を開き、販売名・一般的名称・類別名称の欄を順に見ていきます。

ただし、この一覧が承認されたすべての再生医療等製品を載せているかは、このページでは確かめていません(7.の節)。

確認した範囲で、各欄に現れた語は次のとおりです。欄に現れなかった語を挙げているのではなく、実際に並んでいた語です。

「類別名称」の欄に現れた語(6つ)

類別名称は、薬機法施行令の別表第二(施行令の末尾に付いた2つ目の表)にある区分の名前です。薬機法施行令は、薬機法の細かい決まりを定めた政令(内閣が定める決まり)です。

  • ヒト体細胞加工製品
  • ヒト体性幹細胞加工製品
  • ヒト人工多能性幹細胞加工製品
  • プラスミドベクター製品
  • ウイルスベクター製品
  • 遺伝子発現治療製品

区分名の意味を覚える必要はありません。見てほしいのは、どの区分名にも「エクソソーム」「細胞外小胞」の語が入っていないことです。

PMDAの別表の行によっては、区分名に付された括弧書きまで書かれています(2021年度の1行は「遺伝子発現治療製品(前二号に掲げる物を除く。)」)。上の6つは、その括弧書きを除いた区分名です。

「承認・一変別」の欄に現れた語(3つ)

  • 承認
  • 条件及び期限付承認
  • 一変

「分野」の欄に現れたのは、「再生医療製品分野」と「遺伝子治療分野」の2つです。

なお、このページは承認された個別品目の販売名・一般的名称を扱いません。取り上げているのは、一覧のどの欄にどの語が現れたかだけです。

どこから先がこのページの記載の外にあるかは、7.の節でまとめます。

5. 再生医療等製品の「承認」は、薬機法のどの条文に書かれている?

第23条の25第1項です。再生医療等製品の製造販売をしようとする者は、品目ごとに厚生労働大臣の承認を受けなければならない、と定めています。

条件及び期限を付した承認、緊急承認、外国で製造等をする者の申請による承認は、別の条文に置かれています。

承認の条文を読む前に、何が再生医療等製品にあたるかを確かめます。これは、法律と政令の2段で決まります。

何が再生医療等製品か:法律と政令の2段

法律の第2条第9項は、物の範囲を次のように述べます。そのうえで「政令で定めるもの」を再生医療等製品としています。医薬部外品(医薬品よりも作用がおだやかな製品。薬用化粧品など)と化粧品は除かれます。

  • 人や動物の体の構造・機能の再建、修復、形成や、病気の治療・予防のための医療(獣医療を含む)に使うことが目的で、人や動物の細胞に培養その他の加工をしたもの
  • 人や動物の病気の治療に使うことが目的で、人や動物の細胞に導入され、体内で発現する遺伝子を含ませたもの

政令である薬機法施行令の第1条の2は、その再生医療等製品は別表第二のとおりとする、としています。4.の節で見た「類別名称」は、この別表第二の区分の名前です。PMDAの年度ごとの別表とは、別の表です。

原文で確かめる(第2条第9項・施行令第1条の2)

承認は、品目ごとに受ける

製造販売の承認は、第23条の25第1項に置かれています。承認は品目ごと(1つ1つの製品ごと)です。

同じ条の第2項第1号は、申請者が第23条の20第1項の許可、すなわち再生医療等製品の製造販売業の許可を受けていないときは、承認を与えないとしています。許可は、製造や販売を仕事として行うために、国や都道府県から受けるものです。

例

A社が、2つの再生医療等製品を製造販売しようとする場面で考えます。第23条の25第1項の定めでは、承認は品目ごとです。2つの品目それぞれについて、承認が必要になります。

また、A社が申請者で、再生医療等製品の製造販売業の許可を受けていない場合は、同じ条の第2項第1号の定め(承認を与えない)の対象になり得ます。

一覧の「承認・一変別」の欄と条文

4.の節で見た「承認・一変別」の欄の語は、それぞれ次の条文にあたります。

  • 一変 承認された事項の一部の変更です。第23条の25第13項は、承認を受けた者が、その品目の承認された事項の一部を変えようとするときの定めです。その変更について、厚生労働大臣の承認を受けなければならないとしています。ただし、厚生労働省令(厚生労働大臣が定める決まり)で定める軽微な変更は除かれます
  • 条件及び期限付承認 第23条の26第1項が条文を置いています

条件及び期限付承認のしくみ

第23条の26第1項は、次の3つのいずれにもあたる再生医療等製品についての定めです。

  • 申請された再生医療等製品が均質でない(中身が一様でない)こと
  • 申請された効能、効果又は性能を有すると推定されるものであること
  • 申請された効能、効果又は性能に比べて著しく有害な作用を持つために、再生医療等製品として使用価値がないと推定されるものでないこと

この場合、厚生労働大臣は、薬事審議会(国が置く、専門家による審議会)の意見を聴いて、第23条の25第1項の承認を与えることができます。その際、適正な使用の確保のために必要な条件と、7年を超えない範囲内の期限を付けます。

原文で確かめる(第23条の26第1項)

期限については、同じ条のほかの項にも定めがあります。

  • 改めて申請する 第23条の26第5項は、この承認を受けた者は、期限内に改めて第23条の25第1項の承認を申請しなければならない、としています
  • 期限を延ばす 第23条の26第2項の定めです。第5項で改めて申請したものの審査(第23条の25第2項第3号の規定による審査)を、適正に行うため特に必要があると認めるときが対象です。このときは、薬事審議会の意見を聴いて、第1項の期限を3年を超えない範囲内で延ばすことができます
  • 処分が出るまで 同じ条の第6項は、期限内に処分(申請に対する行政の決定)がされないときの定めです。処分がされるまでの間、この承認はなお効力を有する、としています

例

PMDAの別表のある行で、「承認・一変別」の欄が「条件及び期限付承認」だったとします。この語に対応する条文は、第23条の26第1項です。

その品目の承認には、承認の際に、条件と、7年を超えない範囲内の期限が付けられています。「承認」とだけある行とは、この点が違います。

ほかの承認の条文

第23条の26の2第1項は、緊急に使用されることが必要な再生医療等製品について、2年を超えない範囲内の期限を付けた承認を定めています。

第23条の37第1項は、外国で製造等をする者からの申請についての承認です。本邦(日本)に輸出される再生医療等製品について、外国においてその製造等をする者から申請があったときの定めです。その者が同条第3項の規定により選任した再生医療等製品の製造販売業者に製造販売をさせることについて、品目ごとに承認を与えることができる、としています。

ここに挙げたのは、承認を定める条文の全部ではありません。薬機法は、このほかに第23条の28(特例承認)と第23条の40(外国製造再生医療等製品の特例承認)を置いています。

6. 「承認された品目が無い」は、何を述べた記載なのか?

エクソソーム等と称する製品に、薬機法に基づく承認を受けた医薬品が無いという、2024年7月31日時点の状態です。記2の前段(前の部分)は、6類型に限らず、医薬品と誤認させる製品等への指導を求めています。

記1の(2)(3)(5)は、承認や品質についての説明の仕方そのものを、指導を行う類型に挙げています。

記2の後段とは別に、事務連絡の記1と記2の前段には、次のことが書かれています。

記1(本文の1つ目の項目)は、エクソソーム試薬のうち指導を行う製品の類型を、6つ並べています(6類型)。記2の前段は、この6類型に該当する場合に限らず、次のような製品には指導を行うよう求めています。

  • 医薬品と誤認させるもの
  • 医薬品的効果効能を標ぼうし、又は暗示する製品(医薬品のような効き目をうたったり、ほのめかしたりする製品)

記2の前段は、個別の具体的な事例の対応について判然としない(はっきりしない)場合には当課まで相談されたい、とも書いています。「当課」は、事務連絡を出した厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課です。この求めは、事務連絡の宛先に向けたものです。

説明の仕方そのものを取り上げた3つの類型

記1の6類型のうち3つは、承認や品質についての説明の仕方そのものを取り上げています。

(2) 諸外国において、医薬品として承認等されている旨が説明されているもの

(3) 薬機法に基づく承認を受けた医薬品との比較等を用い、あたかも疾病の治療等が可能であるかのように誤認させるもの

(5) 製品の品質が医薬品と同等であるなどの表現により、医薬品と同様の目的で使用可能であるかのように誤認させるもの

同事務連絡 記1(2)(3)(5)

例

冒頭のクリニックに届いた資料には、「諸外国では医薬品として承認されている」とありました。その製品が、2.の節で見た「エクソソーム試薬」として医療機関向けに売られていたとします。エクソソーム試薬とは、病気の治療や予防の目的に用いるものではなく、試薬と称した製剤のことです。

エクソソーム試薬のうち、こうした説明がされているものは、記1(2)の類型に当たり得ます。国内で承認を受けた医薬品については、この節の結論の箱と、下の「原文で確かめる」にある対比で確かめてください。

原文で確かめる

よく見かける説明と、現行

よく見かける説明

諸外国では医薬品として承認されているのだから、国内にも承認された医薬品がある。

現行

令和6年7月31日事務連絡の記1(2)は、諸外国において医薬品として承認等されている旨が説明されているものを、指導を行う類型に挙げている。記2の後段は、現時点において、エクソソーム試薬を含め、エクソソーム等と称する製品に、薬機法に基づく承認を受けた医薬品は存在しない、と書いている。再生医療等製品の側は、この一文とは別に、PMDAの承認品目一覧で見ることになる。

根拠:エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課 事務連絡)記1(2)および記2後段。厚生労働省法令等データベースで全文を確認(2026-09-12)。再生医療等製品については、PMDA「新再生医療等製品の承認品目一覧」(2026-09-12 確認)。

記3は、この指導の方針がエクソソーム等を称する製品に限らないことに、留意するよう書いています。治療等に用いることを目的としていないにも関わらず、医薬品と誤認させるものや、医薬品的効果効能を標ぼうし又は暗示する製品についても、同様だとしています。

海外で作られた製品を扱う場面の評価は、『5-7 海外製品を扱う・紹介するとき、薬機法はどう関わる?』で扱います。供給する側の説明がどこから広告として扱われるかの枠組みは、『5-6 供給者の説明は、どこから「広告」になる?』にあります。承認を受けていないものについての広告を禁じる条文は『2-3 承認前の医薬品・医療機器などは、広告できますか?』(第68条)にあります。

7. このページで分からないのは、どこから先?

分からないのは3つです。確認日(2026年9月12日)より後のこと、一覧の収録範囲、同じ日の医薬品の承認状況です。

このページが示すのは、確認日における一覧の状態と、事務連絡(2024年7月31日)の記載です。

「掲載されていない」という記載は、いつ確かめたかとセットでなければ意味を持ちません。一覧は年度ごとに増え、年度の途中でも行が加わるからです。

3つのそれぞれの根拠は、次のとおりです。

  • 確認日より後 確認した時点で、2026年度の別表に並ぶ最も新しい承認日は2026年7月17日でした
  • 一覧の収録範囲 この一覧は、「新再生医療等製品」として承認された品目を掲げるものです。薬機法に基づき承認された再生医療等製品のすべてを網羅しているかは、このページの記載からは確認できません
  • 医薬品の側 このページが医薬品について示しているのは、事務連絡(2024年7月31日)の記載です

例

冒頭のクリニックの事務長が、しばらくたってからこのページを読んだとします。その間に一覧へ新しい行が加わったかどうかは、このページからは分かりません。

その先の状態は、PMDAの一覧を開き直し、同じ手順で確かめることになります。

8. 用語の定義 — この記事の言葉は何に基づくのか

この記事で繰り返し出てくる制度用語は、どれも薬機法・施行令の条文か、事務連絡の前文に根拠があります。

定義そのものは各節で示したとおりで、ここでは見比べられるように並べ直しています。

本文で使った制度用語と、その根拠を1つの表にまとめます。新しい説明は加えていません。

表は左から「語」「本ページでの意味」「根拠」の順です。読み進めるうちに語の意味が分からなくなったら、ここに戻って確かめられます。

表3:この記事で使った制度用語と、その根拠
語本ページでの意味根拠
再生医療等製品第2条第9項が掲げる物(医薬部外品及び化粧品を除く)であって、政令で定めるもの。その範囲は別表第二による薬機法 第2条第9項/薬機法施行令 第1条の2
新再生医療等製品既に承認を与えられている再生医療等製品と構成細胞、導入遺伝子、構造、用法、用量、使用方法、効能、効果、性能等が明らかに異なるものとして、厚生労働大臣がその承認の際指示したもの薬機法 第23条の29第1項第1号
一変承認された事項の一部の変更。変更しようとするときは厚生労働大臣の承認を受ける(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く)薬機法 第23条の25第13項
条件及び期限付承認適正な使用の確保のために必要な条件と、7年を超えない範囲内の期限を付して与えられる第23条の25第1項の承認薬機法 第23条の26第1項
エクソソーム等ヒトの幹細胞の培養上清液及び当該上清液に含まれる可能性のある細胞外小胞等の細胞の分泌物令和6年7月31日 事務連絡 前文
エクソソーム試薬治療等の目的に用いるものではなく、試薬と称した製剤令和6年7月31日 事務連絡 前文

表は本文の記載を語ごとに引き直したものです。条文の原文は5.の節、事務連絡の原文は2.の節と6.の節に置いています。各資料の名称・URL・確認日は、このページの末尾の出典にまとめています。

例

3.の節で「新再生医療等製品」という語が出てきて、意味が分からなくなったとします。表3の2行目を見ると、意味と根拠の条文(第23条の29第1項第1号)が並んでいます。

理解の確認

「事務連絡の記2に『承認を受けた医薬品は存在しない』とあるのだから、再生医療等製品の側は見なくてよい」。こう言えないのはなぜですか。薬機法の条文の置かれ方から答えてください。

記2の後段が述べているのは、薬機法に基づく承認を受けた医薬品についてです。薬機法は、医薬品の定義を第2条第1項に、再生医療等製品の定義を第2条第9項に、別々に置いています。承認の条文も分かれています。医薬品の製造販売の承認は第14条第1項、再生医療等製品の製造販売の承認は第23条の25第1項です。そのため、医薬品について述べた一文からは、再生医療等製品として承認された品目があるかどうかは読み取れません。再生医療等製品の側については、PMDAが年度ごとに公表する「新再生医療等製品の承認品目一覧」を見ることになります。

薬機法第2条第1項・第9項、第14条第1項、第23条の25第1項/エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 事務連絡)記2後段/PMDA「新再生医療等製品の承認品目一覧」(法令確認日 2026-09-12)

このページは、承認品目一覧について、そのつど確認日を書いています。なぜですか。一覧の作られ方から答えてください。

一覧は、年度ごとの別表でできています。新しい年度が加わるだけでなく、年度の途中でも、承認日の新しい行が加わります。2026年9月12日に確認した時点で並んでいたのは、2015年度から2026年度までです。2026年度の別表に並ぶ最も新しい承認日は、2026年7月17日でした。つまり、示しているのはその時点の状態だけです。また2017年度のように、一覧のページに承認品目はありませんと注記される年度もあります。確認日を書かずに「掲載されていない」とだけ書くと、いつの状態なのかが分からなくなります。

PMDA「新再生医療等製品の承認品目一覧」および各年度の別表(2026-09-12 確認)

PMDAの一覧の「承認・一変別」の欄には、「承認」と「条件及び期限付承認」が並んでいます。この2つは何が違うのですか。薬機法の定めから答えてください。

「承認」とだけある行は、条件も期限も付かないまま与えられた第23条の25第1項の承認です。これに対して第23条の26第1項は、別の道筋を置いています。対象は、次の3つのいずれにもあたる場合です。申請された再生医療等製品が均質でないこと。申請された効能、効果又は性能を有すると推定されるものであること。それに比べて著しく有害な作用を持つために、再生医療等製品として使用価値がないと推定されるものでないこと。このとき厚生労働大臣は、薬事審議会の意見を聴いて、第23条の25第1項の承認を与えることができます。その際、適正な使用の確保のために必要な条件と、7年を超えない範囲内の期限を付けます。さらに第23条の26第5項により、この承認を受けた者は、期限内に改めて第23条の25第1項の承認の申請をしなければなりません。つまり同じ欄に並んでいても、条件と期限が付いているか、期限内に改めて申請することが求められるかが違います。

薬機法第23条の25第1項、第23条の26第1項・第5項(法令確認日 2026-09-12)/PMDA「新再生医療等製品の承認品目一覧」各年度の別表(2026-09-12 確認)

次に読む

  • エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課 事務連絡)出典元(2026-09-12 確認)
  • 新再生医療等製品の承認品目一覧(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)出典元(2026-09-12 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第9項・第23条の20第1項・第23条の25・第23条の26・第23条の26の2・第23条の28・第23条の29第1項第1号・第23条の37・第23条の40 出典元(2026-09-12 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第1条の2・別表第二 出典元(2026-09-12 確認)