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エクソソーム・培養上清液の投与に、提供計画は要るのか?義務の名宛人と、範囲を決める条文

「この投与に再生医療等提供計画は要るのか」という問いは、エクソソームや培養上清液が話題になるたびに出てきます。まず確かめるのは、条文が誰を名宛人にしているかです。提出を求めているのは再生医療等安全性確保法第4条第1項で、名宛人は再生医療等を提供しようとする病院又は診療所の管理者です。物を供給する側に向けられた条文ではありません。この記事では、エクソソームや培養上清液を扱う事業者に向けて、「義務は誰に課されているのか」「義務が及ぶ範囲はどの条文で決まるのか」「エクソソームと培養上清液についての記載はどの文書のどの版にあるのか」を、法令と行政文書の原文に基づいて確かめます。

30秒でわかる要点

  • 義務の名宛人は、医療機関の管理者: 提出を課しているのは再生医療等安全性確保法第4条第1項で、名宛人は病院又は診療所の管理者です。同法第13条の確認義務の名宛人は医師又は歯科医師。物を供給する側は、どちらの条文の名宛人でもありません。
  • 罰則も、医療機関側の義務に付いている: 提出を欠いたまま提供した場合、第62条第1号が50万円以下の罰金、第一種再生医療等については第60条第1項第1号が1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金を定めています。第64条は、法人の従業者等が業務に関して違反行為をしたときに法人又は人にも各本条の罰金刑を科すとしています。いずれも条文が定める上限です。
  • 記載があるのは事務連絡の別紙で、版が付いている: エクソソームと培養上清液についての記載は令和7年5月30日付けの事務連絡の別紙にあり、別紙の表題には「(令和7年5月30日版)」と版の日付が入っています。同事務連絡は令和7年5月31日から適用され、同日付けで令和7年2月18日付けの統合版を廃止しています。

1. 提供計画を出す義務は、誰に課されているのか?

再生医療等安全性確保法第4条第1項が、再生医療等を提供しようとする病院又は診療所の管理者に課しています。

物を供給する側は、この条文の名宛人ではありません。

再生医療等提供計画の提出を求めているのは、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第4条第1項です。条文が名宛人(義務を負う者)に置いているのは、病院又は診療所の管理者です。

この条文には括弧書きが2つ付いています。どちらも、名宛人の範囲を医療を提供する側の内側で広げるためのものです。

  • 「病院又は診療所」の側 医療法第5条第1項に規定する医師又は歯科医師の住所を含めます。
  • 「管理者」の側 同項に規定する医師又は歯科医師を含めます。

医師・歯科医師には、別の条文が向いている

同じ法律は、医師又は歯科医師にも条文を向けています。第13条は、医師又は歯科医師が再生医療等を行おうとするときに、当該再生医療等が第4条第1項又は第5条第1項の規定により提出された再生医療等提供計画に記載された再生医療等であることなどを確認しなければならない、としています。

計画を出すのが病院又は診療所の管理者、出された計画に載っているかを確かめるのが医師又は歯科医師、という分け方です。

計画に記載する第1号から第8号までの事項、提出先、第4条第2項が定める認定再生医療等委員会の意見を聴く手続は、医療機関側のルール — 再生医療等提供計画と、医療広告の規律で扱います。

要点

第4条第1項の名宛人は病院又は診療所の管理者、第13条の名宛人は医師又は歯科医師です。物を供給する側は、どちらの条文の名宛人でもありません。供給する側にかかる薬機法の規律は供給者はどこまで言えるか — 越えると広告になる線で扱います。

2. 提出しないまま提供したら、罰則はどうなるのか?

第62条第1号が50万円以下の罰金を、第一種再生医療等については第60条第1項第1号が1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金を定めています。

第64条は、法人の従業者等が業務に関してこれらの違反行為をしたときに、法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科すとしています。

第4条第1項に違反して再生医療等を提供した場合について、法は第六章(罰則)に規定を置いています。刑の重さは、第一種再生医療等かどうかで分かれます。

第62条第1号は、末尾の括弧書きで、第60条第1項第1号に当たる場合をこの号から除いています。2つの条が同じ違反を重ねて捉えないようにした書き分けです。

同じ形の規定が、ほかの義務にも置かれている

  • 第5条第1項(変更後の提供計画の提出) 第60条第1項第2号と第62条第2号
  • 第13条の確認をしないで再生医療等を行った場合 第60条第1項第5号と第62条第3号

法人について置かれている規定

第64条は、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第59条、第60条第1項又は第61条から第63条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する、としています。

ここに挙げた金額と刑は、いずれも条文が定める上限です。

3. 義務が及ぶ範囲は、どの条文で決まるのか?

法第4条第1項の「再生医療等」が第2条第1項へ、そこから第2項の「再生医療等技術」と施行令第1条へ送られます。

第2条第1項は、薬機法第80条の2第2項に規定する治験に該当するものを、この法律でいう再生医療等から除いています。

第4条第1項は「再生医療等」という語を使っているだけで、その中身は書いていません。中身は別の条文へ、さらに政令へと順に送られます。

  1. 法第4条第1項 「再生医療等」の定義は、法第2条第1項にあります。
  2. 法第2条第1項 「再生医療等」を、再生医療等技術を用いて行われる医療と定めています。次に見るのは「再生医療等技術」です。
  3. 法第2条第2項 「再生医療等技術」を定め、最後は「政令で定めるもの」に送っています。
  4. 施行令第1条 その政令です。ここで範囲が絞られます。

直感的なポイント

辞書を引いたら「別の見出し語を見よ」と飛ばされ、その先でまた飛ばされ、最後にようやく範囲が書いてある、という形です。どこか一つの条文だけを読んでも、範囲は出てきません。

出発点の定義(法第2条第1項)

括弧書きが、治験に該当するものをこの法律でいう再生医療等から除いています。令和7年5月15日の施行通知(医政研発0515第18号)も、同じことを書いています。

なお、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律第 145 号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第 80 条の2第2項に規定する治験に該当するものは法の対象外となる。

「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則」等の取扱いについて(令和7年5月15日 医政研発0515第18号)Ⅰ(1)法第2条第1項関係

次に送られる先は「再生医療等技術」

法第2条第2項は、人の身体の構造若しくは機能の再建、修復若しくは形成又は人の疾病の治療若しくは予防に用いられることが目的とされている医療技術であって、「次に掲げるもののうち(中略)政令で定めるもの」をいう、としています。

掲げられているのは、第1号の細胞加工物を用いる医療技術と、第2号の核酸等を用いる医療技術の2つです。柱書の全文は培養上清液・セクレトームは、どの法律のどこに置かれているかに掲げてあります。

政令は、範囲をどう絞っているか

その政令が再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令(平成26年政令第278号)第1条で、第1号と第2号の2つに分かれています。

  • 第1号 法第2条第2項第1号に掲げる医療技術のうち、イからニまでに掲げる医療技術以外の医療技術です。
  • 第2号 法第2条第2項第2号に掲げる医療技術のうち、人の体内で当該人の細胞(中略)に別表に掲げる物を導入する医療技術であって、イ及びロに掲げる医療技術以外の医療技術です。

施行通知Ⅱ(1)は、第1号のイからニまでの4つと第2号のイ・ロの2つを、あわせて「法の対象とならない医療技術として政令で列挙するもの」の見出しの下に掲げています。

核酸等の側は、物そのものが別表で絞られている

別表(第1条第2号関係)は4つの号からなり、第4号は「前三号に掲げる物を含有する物(細胞の分泌物を除く。)」です。細胞の分泌物を名指しした括弧書きは、この位置に置かれています。

同じ括弧書きは、再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(平成26年厚生労働省令第110号)第2条第5号ニにも置かれています。別表の全文と、施行令第1条が列挙する6項目の内容は再生医療等安全性確保法の射程 — 第1〜3種と2025年の条番号繰下げにあります。

4. エクソソームと培養上清液の記載は、どこにあるのか?

厚生労働省医政局研究開発政策課が令和7年5月30日に出した事務連絡の別紙で、別紙の表題には版の日付が記されています。

同事務連絡は令和7年5月31日から適用され、同日付けで令和7年2月18日付けの統合版を廃止しています。

記載があるのは、厚生労働省医政局研究開発政策課が令和7年5月30日に、各都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部(局)あてに出した事務連絡「再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて」の別紙です。事務連絡のため、文書番号は付いていません。

本文は、法、施行令及び施行規則に関するQ&Aを別紙のとおりとする、と書いています。あわせて、公益社団法人日本医師会、公益社団法人日本歯科医師会、認定再生医療等委員会設置者、特定細胞加工物製造事業者その他の関係団体等に対しても別途周知を行っている旨を記しています。

適用日と、廃止された版

なお、本事務連絡は改正法の施行の日(令和7年5月 31 日)から適用することとし、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関する Q&A(統合版)について」(令和7年2月 18 日付け医政局研究開発政策課事務連絡)については同日付けで廃止します。

再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて(令和7年5月30日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)本文

別紙そのものにも、版の日付が入っています。表題は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&A(令和7年5月30日版)」です。

別紙のどこに置かれているか

別紙は「1.再生医療等技術に関する項目」から始まり、その最初の節が「1-1.再生医療等技術の範囲・該当性について」です。この節には A.1-1-01 から A.1-1-18 までの18項目が並びます。

最初の A.1-1-01 は、法の対象となる再生医療等技術の範囲を問う項目で、「「細胞加工物を用いる医療技術」及び「核酸等を用いる医療技術」が法の対象である」の一文です。エクソソームと培養上清液は、その後ろに別々の項目として置かれています。

  • A.1-1-07(エクソソーム) 「細胞を含まないことが明らかである場合には、法の対象外である」と書いています。
  • A.1-1-08(培養上清・セクレトーム) 「細胞が含まれないことが明らかである場合は、法の対象外である」と書いています。

どちらも条件を付けた書き方です。語形は異なりますが、同趣旨の条件です。そして、この条件が満たされているかをどのように確かめるかについては、どちらの項目にも記載がありません。

2つの項目の全文と、同じ節の他の項目との書き分けは培養上清液・セクレトームは、どの法律のどこに置かれているかにあります。

行政のQ&Aは、版が替わると前の版が廃止されることがあります。どの版が現行かの確かめ方は行政Q&Aの索引 — 厚生労働省・消費者庁が公表した質疑応答集を引くにあります。

5. その記載は、品質やほかの法律まで決めているのか?

決めていません。同事務連絡が扱うと書いているのは法、施行令及び施行規則で、薬機法や医療法の取扱いは書かれていません。

品質、有効性及び安全性については、令和6年7月31日に別の事務連絡が2本出ています。

事務連絡の標題は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて」で、本文が対象として挙げているのは法、施行令及び施行規則です。薬機法上の取扱いや医療法上の取扱いを定めた文書ではありません。

品質・有効性・安全性は、別の文書が扱っている

令和6年7月31日、厚生労働省医政局研究開発政策課は再生医療等提供機関の管理者あてに事務連絡を出しました。幹細胞培養上清液及びエクソソーム等について、諸外国を含め有効性・安全性が示され薬事承認を得て製造販売されている医薬品は現時点でない、と書いています。

同じ日に、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課が都道府県等の衛生主管部(局)あてに事務連絡を出しています。エクソソーム試薬について、薬機法に基づく承認を受けておらず、疾病の治療等に用いた場合の品質、有効性及び安全性が確認されたものではない、としています。

この2本の記載内容は令和6年7月31日 事務連絡 — エクソソーム試薬に係る監視指導の6類型培養上清液・セクレトームは、どの法律のどこに置かれているかで扱います。

法律ごとに、条文が名宛人を置いている

次の表は、この記事に出てくる3つの条文について、それぞれ誰を名宛人に置いているかを並べたものです。

表1:条文が名宛人に置いている者
条文条文が名宛人に置いている者
再生医療等安全性確保法 第4条第1項再生医療等を提供しようとする病院又は診療所の管理者
薬機法 第66条第1項何人も
医療法 第6条の5第1項何人も

「何人も」の範囲は規制されるのは誰か — 「何人も」と、代理店・媒体・個人、医療法の広告規制の作りは医療広告規制はなぜ限定列挙なのか — 医療法第6条の5から第6条の8までで扱います。

ある法律の適用範囲に入らないことは、別の法律の条文が置いている名宛人から外れることではありません。

6. 提供する側とつくる側で、入口はどう違うのか?

提供する側には第4条第1項の提供計画、つくる側には第35条第1項の許可又は第40条第1項の届出を置いています。

どちらの入口に立つかも、法第2条が置く定義に当たるかどうかで決まります。

法第1条は、目的規定の中で、この法律が置く2つの仕組みを並べて書いています。

前半が「再生医療等を提供しようとする者が講ずべき措置を明らかにする」ことで、その入口が第4条第1項の再生医療等提供計画です。後半が「特定細胞加工物等の製造の許可等の制度を定める」ことで、その入口は第4章に置かれています。

つくる側の入口は、許可・届出・認定に分かれる

  • 許可 第35条第1項は、特定細胞加工物等の製造をしようとする者(第40条第1項の規定に該当する者を除く。)に、特定細胞加工物等製造施設ごとの厚生労働大臣の許可を求めています。
  • 届出 病院若しくは診療所に設置される施設など第40条第1項に掲げる施設については、許可ではなく届出です。
  • 認定 外国において、本邦で行われる再生医療等に用いられる特定細胞加工物等の製造をしようとする者については、第39条第1項が認定の規定を置いています。

つくる側の入口も、同じ定義に戻る

つくる側の手続の対象になる「特定細胞加工物等」は、第2条第6項が特定細胞加工物及び特定核酸等をいうと定めています。そのうち「特定細胞加工物」を、第2条第4項は「再生医療等に用いられる細胞加工物のうち再生医療等製品であるもの以外のもの」と定義しています。

「再生医療等に用いられる」という語が入っているため、つくる側の入口も、第2条第1項と第2項の定義に戻ります。

第12条は、再生医療等提供機関の管理者が特定細胞加工物等の製造を委託しようとするときは、特定細胞加工物等製造事業者に委託しなければならない、としています。許可・認定・届出の区別と、委託先となる者の範囲は再生医療等安全性確保法の射程 — 第1〜3種と2025年の条番号繰下げで扱います。

7. 記載が変わっていないか、どこで確かめるのか?

後から出た文書が、前の文書の廃止と適用日を本文に書いています。令和7年5月30日の事務連絡にも、その記載があります。

法令の側は、法・施行令・施行規則の3層を同じ時点の版でそろえて見ます。

行政の文書は、後から出たものが前のものの扱いを本文に書きます。手元の資料が現行のものかどうかは、この記載の有無から確かめられます。

  • 令和7年5月30日の事務連絡 令和7年2月18日付けの統合版を令和7年5月31日付けで廃止すると書いています(前掲)。
  • 令和7年5月15日の施行通知(医政研発0515第18号) 平成26年10月31日付け医政研発1031第1号の通知を同じ日付で廃止すると書いています。

法令の側は、法・施行令・施行規則の3層を同じ時点の版でそろえて見ます。e-Gov 法令検索が現行として示す版の施行日は、この3つで一致しません。

版の選び方は再生医療等安全性確保法の射程 — 第1〜3種と2025年の条番号繰下げ、通知・ガイドラインの現行と廃止の別は通知・ガイドライン索引 — 発出日・番号・現行と廃止の別で扱います。

今後について書かれていること

A.1-1-07 と A.1-1-08 は、どちらも末尾に同じなお書きを置いています。改正法(再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律。令和6年法律第51号)の附則において、細胞の分泌物を用いる医療技術については、改正法施行後2年を目途として、法の適用の在り方等について検討を加えること等が定められている、という内容です。

同じなお書きは、サイトカインを扱う A.1-1-09 には付いていません。附則の条文と、検討がどこで行われているかは培養上清液・セクレトームは、どの法律のどこに置かれているかで扱います。

検討の過程で公表される資料は、検討のための資料です。法令の改正や、行政の取扱いの変更として決まった内容ではありません。

8. この記事に出てきた語は、どの条文が定義しているのか?

この記事で扱った語の定義は、いずれも再生医療等安全性確保法第2条と第4条第1項に置かれています。

行政の文書やQ&Aが新しく作った定義ではありません。

この記事に出てきた語と、定義を置いている条文を並べます。いずれも本文中で引いたものをまとめ直したもので、新しい内容は足していません。

表2:この記事に出てくる語と、定義を置いている条文
条文が置いている定義定義を置いている条文
再生医療等再生医療等技術を用いて行われる医療(薬機法第80条の2第2項に規定する治験に該当するものを除く。)法第2条第1項
再生医療等技術人の身体の構造若しくは機能の再建、修復若しくは形成又は人の疾病の治療若しくは予防に用いられることが目的とされている医療技術であって、第1号(細胞加工物を用いる医療技術)又は第2号(核酸等を用いる医療技術)のうち(中略)政令で定めるもの法第2条第2項、施行令第1条
再生医療等提供計画再生医療等の提供に関する計画。病院又は診療所の管理者が、あらかじめ厚生労働大臣に提出する法第4条第1項
特定細胞加工物再生医療等に用いられる細胞加工物のうち再生医療等製品であるもの以外のもの法第2条第4項
特定細胞加工物等特定細胞加工物及び特定核酸等法第2条第6項

「再生医療等技術」の柱書の全文と、施行令第1条が列挙する6項目の内容は再生医療等安全性確保法の射程 — 第1〜3種と2025年の条番号繰下げにあります。

定義はいずれも条文の側に置かれています。資料での言い方や呼び名が変わっても、範囲を決めているのはこの条文です。

理解の確認

「エクソソームを用いる医療技術は法の対象にならない」と条件を落として書くと、行政の記載の書き方とどこが食い違うか。

A.1-1-07 は「細胞を含まないことが明らかである場合には、法の対象外である」と、条件を付けた形で書かれています。条件を落として読むと、記載が置いていない範囲まで広がります。A.1-1-08 も、培養上清とセクレトームについて「細胞が含まれないことが明らかである場合」という同趣旨の条件を置いています。さらに、この条件が満たされているかをどのように確かめるかについて、どちらの項目にも記載はありません。答えているのは再生医療等安全性確保法の適用範囲であって、ほかの法律の取扱いではありません。

根拠:再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて(令和7年5月30日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)別紙 A.1-1-07・A.1-1-08(法令確認日 2026-09-12)

提供計画を出す義務があるかどうかは、投与する物の呼び名で決まるか。決まらないとすれば、何で決まるか。

呼び名では決まりません。法第4条第1項がいう「再生医療等」は第2条第1項の定義に送られ、そこから第2項の「再生医療等技術」へ、さらに施行令第1条へと送られます。分かれ目は、その医療技術が第2条第2項第1号(細胞加工物を用いる医療技術)又は第2号(核酸等を用いる医療技術)に当たり、かつ施行令第1条が定めるものに当たるかどうかです。なお第2条第1項の括弧書きは、薬機法第80条の2第2項に規定する治験に該当するものを、この法律でいう再生医療等から除いています。

根拠:再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第2条第1項・第2項、第4条第1項/再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令(平成26年政令第278号)第1条(法令確認日 2026-09-12)

提供計画の提出義務と、それに付いている罰則は、物を供給する事業者に向けられたものか。

向けられていません。法第4条第1項が名宛人に置いているのは、再生医療等を提供しようとする病院又は診療所の管理者です。同法第13条の確認義務の名宛人は、医師又は歯科医師です。提出を欠いたまま提供した場合の罰則も、この義務に違反した者についてのもので、第62条第1号が50万円以下の罰金、第一種再生医療等については第60条第1項第1号が1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金と定めています。第64条は、法人の代表者や従業者が業務に関して違反行為をしたときに、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科すとしています。いずれも条文が定める上限です。

根拠:再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第4条第1項、第13条、第60条第1項第1号、第62条第1号、第64条(法令確認日 2026-09-12)

次に読む

  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&Aについて(令和7年5月30日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)本文、別紙「再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&A(令和7年5月30日版)」1-1.A.1-1-01・A.1-1-07・A.1-1-08・A.1-1-09 厚生労働省(2026-09-12 確認)
  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第1条、第2条第1項・第2項・第4項・第6項、第4条第1項、第12条、第13条、第35条第1項、第39条第1項、第40条第1項、第60条第1項第1号、第62条第1号、第64条 e-Gov 法令検索(2026-09-12 確認)
  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令(平成26年政令第278号)第1条、別表(第1条第2号関係)e-Gov 法令検索(2026-09-12 確認)
  • 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(平成26年厚生労働省令第110号)第2条第5号ニ e-Gov 法令検索(2026-09-12 確認)
  • 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則」等の取扱いについて(令和7年5月15日 医政研発0515第18号 厚生労働省医政局研究開発政策課長)本文、Ⅰ(1)、Ⅱ(1)厚生労働省(2026-09-12 確認)
  • 幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)(令和6年7月31日 厚生労働省医政局研究開発政策課 事務連絡)厚生労働省(2026-09-12 確認)
  • エクソソーム試薬に係る監視指導について(令和6年7月31日 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課 事務連絡)前文 厚生労働省法令等データベース(2026-09-12 確認)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第66条第1項 e-Gov 法令検索(2026-09-12 確認)
  • 医療法(昭和23年法律第205号)第6条の5第1項 e-Gov 法令検索(2026-09-12 確認)