30秒でわかる要点
- 輸入という場面そのものを対象とする条文が、品目ごとの承認・認証・届出とは別に置かれている。薬機法第56条の2第1項は、承認・認証を受けず届出もしないで輸入しようとする者に、厚生労働大臣の確認を受けることを求めている。名宛人に事業者と個人の書き分けはない。
- 確認は5区分すべてに及ぶ。医薬品は第56条の2そのもの、医薬部外品は第60条、化粧品は第62条、医療機器は第64条、再生医療等製品は第65条の4が根拠。申請事項・添付書類・確認をしない場合・確認を要しない数量は、薬機法施行規則第218条の2の2から第218条の2の4までにある。
- 輸入した物を業として売ることは第2条第13項の「製造販売」にあたり、確認とは別に製造販売業の許可・製造所の許可または登録・品目ごとの承認等が要る。確認を受けずに輸入した場合、第84条第21号は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科を定めている。
「輸入の確認」は、どの条文が、誰に求めているのか
薬機法第56条の2第1項です。承認・認証を受けず、届出もしないで医薬品を輸入しようとする者に、厚生労働大臣の確認を受けることを求めています。
申請書の様式と、記載事項・添付書類は、薬機法施行規則が定めています。
輸入の確認を定めているのは、薬機法第56条の2です。品目ごとの承認・認証・届出とは別に、輸入という場面そのものを対象とする規定として、第九章第二節(医薬品の取扱い)に置かれています。
第1項は、承認・認証を受けず、届出もしないで医薬品を輸入しようとする者を「申請者」と呼びます。申請者に求めているのは、厚生労働省令で定める事項を記載した申請書に厚生労働省令で定める書類を添付して厚生労働大臣に提出し、その輸入についての確認を受けることです。
第1項が名宛人にしているのは「輸入しようとする者」です。事業者か個人かによる書き分けはありません。輸入の目的による扱いの違いは、第2項(確認をしない場合)と第3項(確認を受けることを要しない場合)、およびこれらを受けた施行規則の側に置かれています。
条文は二層になっています。法律の側は「確認を受けること」という枠を置き、何を書き何を添えるか、どの数量までなら確認を要しないかという中身は、薬機法施行規則が埋めます。以下の各節で引く条番号が法律と省令に分かれるのは、この二層のためです。
条文が置いている語は「輸入の確認」
「薬監証明」という語は、条文には現れません。本ページが参照した薬機法(e-Gov 版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、2026-05-21 施行)と薬機法施行規則(e-Gov 版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104、2026-06-19 施行)のいずれにもありません。条文と省令が置いている語は「輸入の確認」で、申請書の様式は施行規則が定める様式第九十七の三です。
薬機法施行規則について本ページが参照したのは 2026-06-19 施行の版(版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104)です。e-Gov 法令検索のメタデータ上はこれより後に施行された版が存在しますが、その本文を取得できていません。2026-06-19 より後の改正が本ページの記載に反映されていない可能性があります。施行日別に条文の変更を追う方法は改正の時間軸 — 施行日別に変わった条文を追うで扱います。
医薬品以外の区分にも、輸入の確認は及ぶのか
及びます。医薬部外品は第60条、化粧品は第62条、医療機器は第64条、再生医療等製品は第65条の4が、第56条の2を準用しています。
準用にあたっては、区分ごとに引用される承認・認証・届出の条文が読み替えられます。
第56条の2は、医薬品の取扱いの節に1本だけ置かれています。他の4区分は、この1本を準用という形で借りています。借りるときに差し替えられるのは、第1項のうち「承認若しくは認証を受けないで、又は届出をしないで」に引かれている条番号です。差し替えの結果、どの手続を経ていない場合に確認が必要になるかが、区分ごとに定まります。
| 区分 | 適用の根拠 | 確認が必要になるのは、この手続を経ていない場合(読替え後) |
|---|---|---|
| 医薬品(体外診断用医薬品を含む) | 第56条の2(本体の適用。準用ではない) | 第14条・第19条の2・第23条の2の5・第23条の2の17の承認、第23条の2の23の認証、第14条の9・第23条の2の12の届出 |
| 医薬部外品 | 第60条(準用) | 第14条・第19条の2の承認、第14条の9の届出 |
| 化粧品 | 第62条(準用) | 第14条・第19条の2の承認、第14条の9の届出 |
| 医療機器 | 第64条(準用) | 第23条の2の5・第23条の2の17の承認、第23条の2の23の認証、第23条の2の12の届出 |
| 再生医療等製品 | 第65条の4(準用) | 第23条の25・第23条の37の承認 |
出典:薬機法第56条の2第1項、第60条、第62条、第64条、第65条の4(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、2026-05-21 施行)。各準用条文が定める字句の置換による。
医薬品の行には、体外診断用医薬品も含まれます。薬機法第2条第14項は、体外診断用医薬品を「専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないもの」と定めています。第56条の2第1項が引いているのは、第14条・第19条の2の承認だけではありません。第23条の2の5・第23条の2の17の承認、第23条の2の23の認証、第23条の2の12の届出も引いています。
再生医療等製品についての読替えは、第65条の4が定めています。第56条の2第1項のうち、次の字句が置き換わります。
(読替え前)第十四条、第十九条の二、第二十三条の二の五若しくは第二十三条の二の十七の承認若しくは第二十三条の二の二十三の認証を受けないで、又は第十四条の九若しくは第二十三条の二の十二の届出をしないで
(読替え後)第二十三条の二十五又は第二十三条の三十七の承認を受けないで
どの区分にあたるかの定義は、「医薬品」の定義3類型、「医療機器」の定義とクラス分類、「再生医療等製品」— 薬機法に5つ目として置かれた区分で扱います。
確認の申請では、何を書き、何を添えることになっているか
施行規則第218条の2の2が、申請書の記載事項11項目と添付書類8項目を定め、様式第九十七の三による正副二通の提出を求めています。
添付書類は、輸入の目的ごとに分けて定められています。
法第56条の2第1項の「厚生労働省令で定める事項」と「厚生労働省令で定める書類」を定めているのは、薬機法施行規則第218条の2の2です。第2項は、申請を様式第九十七の三による申請書(正副二通)を提出することによって行うと定めています。
申請書に記載する事項(第218条の2の2第1項)
- 当該医薬品の品目名(第1号)
- 当該医薬品の数量(第2号)
- 外国において当該医薬品を製造する者の氏名(第3号)
- 輸入の目的(第4号)
- 輸入年月日(第5号)
- 申請者の受けている製造販売業又は製造業の許可の種類(第6号)
- 申請者の住所と送付先が異なる場合は、送付先の名称、住所及び連絡先(第7号)
- 申請者に代わって手続を行う者がいる場合は、その者の氏名、住所及び連絡先(第8号)
- 船荷証券若しくは航空運送状又はこれらに準ずる書類の番号(第9号)
- 輸入港又は蔵置場所(第10号)
- その他輸入の確認を行うために必要な事項(第11号)
添付する書類(第218条の2の2第3項)
第3号から第7号までは、輸入の目的ごとに分けて定められています。
- 当該医薬品の仕入書の写し(第1号)、船荷証券若しくは航空運送状の写し又はこれらに準ずる書類(第2号)
- 個人的使用に供する目的(第3号):医師又は歯科医師(外国においてこれらに相当する資格を有する者を含む)の処方箋若しくは指示書又はこれらに準ずる書類と、商品説明書その他当該医薬品の詳細を明らかにする書類
- 医師、歯科医師その他の医療従事者が疾病の診断、治療又は予防等の目的で使用するために輸入する場合(第4号):医療従事者であることを明らかにする書類、当該医薬品の使用を必要とする理由を記載した書類、商品説明書その他の書類
- 臨床試験その他の試験研究の用に供する目的(第5号):計画書その他の試験研究の内容を明らかにする書類
- 医薬品の販売その他の営業についての広告又は宣伝を目的とせず、医薬品の研究開発及び普及並びに学術研究の発展に資することを目的とした展示会、見本市その他の催しにおいて展示する目的(第6号):催しの内容を明らかにする書類と、商品説明書その他の書類
- 外国に輸出した医薬品を輸入する場合(第7号):輸出したときに税関長に提出した書類の写しその他の輸出した事実を明らかにする書類
- その他輸入の確認を行うために必要な書類(第8号)
第4号ロが求めているのは、当該医薬品の使用を必要とする理由を記載した書類です。理由を書くにあたって勘案するものとして挙げられているのは、使用しようとする者の疾病の種類及び状況と、輸入しようとする医薬品およびこれに代替する医薬品の本邦における生産又は流通等です。同じ考慮要素は、次の節でみる第218条の2の3第1項第2号にも置かれています。
出典:薬機法施行規則第218条の2の2(版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104、2026-06-19 施行)。
確認がされないのは、どういう場合と定められているか
薬機法第56条の2第2項が2つの場合を挙げています。数量の超過など販売目的のおそれがある場合と、薬事に関する法令の違反から2年を経過していない場合です。
それぞれの内容は施行規則第218条の2の3が定めています。
第56条の2第2項は、厚生労働大臣が第1項の確認を「しない」場合を2つの号で定めています。第1号は販売または授与の目的で輸入するおそれがある場合、第2号は輸入が不適当と認められる場合です。いずれも具体的な内容は厚生労働省令に委ねられ、施行規則第218条の2の3が受けています。
第1号を受けた省令の定め(施行規則第218条の2の3第1項)
- 個人的使用に供せられ、かつ、売買の対象とならないと認められる程度の数量を超える数量の医薬品の輸入をする場合
- 疾病の種類及び状況、輸入しようとする医薬品およびこれに代替する医薬品の本邦における生産又は流通等を勘案して、医師、歯科医師その他の医療従事者が診断、治療又は予防等の目的で使用するために当該医薬品を輸入する必要があると認められない場合
- 臨床試験その他の試験研究の用に供する目的で当該医薬品を輸入する必要があると認められない場合
- 広告又は宣伝を目的とせず、医薬品の研究開発及び普及並びに学術研究の発展に資することを目的とした展示会、見本市その他の催しにおいて展示する目的で輸入する必要があると認められない場合
- 外国に輸出した医薬品を輸入する必要があると認められない場合
- 前各号に掲げる場合に準ずる場合
第2号を受けた省令の定め(施行規則第218条の2の3第2項)
第2項が挙げているのは、申請者または申請者に代わって手続をする者が、薬機法、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)、毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)その他政令で定める薬事に関する法令またはこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない場合です。
ただし書が置かれています。申請者が医薬品の製造販売業者または製造業者であって、臨床試験その他の試験研究の用に供する目的で輸入しようとする場合は、この限りでないとしています。
出典:薬機法第56条の2第2項、薬機法施行規則第218条の2の3。
確認を受けなくてよいのは、どういう場合か
薬機法第56条の2第3項が2つ挙げています。第2号は、厚生労働大臣が定める医薬品を省令の数量以下で携帯輸入するか、住所地で受け取る場合です。
数量にかかわらず自ら使用する目的にあたるか否かを確認する必要があるものは、この定めから除かれています。
第3項は、第1項の規定にかかわらず確認を受けることを要しない場合を、2つの号で定めています。第2号の「厚生労働省令で定める数量」と「厚生労働省令で定める場合」を受けているのが、施行規則第218条の2の4です。
| 医薬品(これらに準ずるものを含む) | 使用数量 |
|---|---|
| 外用剤(毒薬、劇薬、処方箋医薬品、トローチ剤、舌下錠、付着錠、ガム剤、坐剤、膣錠、膣用坐剤及びバツカル錠を除く) | 二十四個 |
| 毒薬、劇薬及び処方箋医薬品 | 用法及び用量からみて一月間の使用数量 |
| 外用剤、毒薬、劇薬及び処方箋医薬品以外の医薬品 | 用法及び用量からみて二月間の使用数量 |
出典:薬機法施行規則第218条の2の4第1項(版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104、2026-06-19 施行)。
同条第2項は、法第56条の2第3項第2号の「厚生労働省令で定める場合」を3つ挙げています。
- 申請者が自ら使用する目的で輸入する場合であって、表2の数量以下のものを携帯して輸入し、または申請者がその住所地で受け取る場合その他これに準ずる場合(第1号)。数量にかかわらず自ら使用する目的にあたるか否かを確認する必要があるものは、除かれます。
- 法第14条・第19条の2・第23条の2の5・第23条の2の17の承認または第23条の2の23の認証の申請をした者が、その申請に係る医薬品を輸入する場合(第2号)
- その他当該医薬品の輸入が、法令に違反して販売または授与を行うおそれがないものであることが明らかな場合(第3号)
他の4区分では、読替え表が別の数量を置いている
表2は医薬品についての表です。医薬部外品(第220条の3第1項)、化粧品(第221条の3第1項)、医療機器(第228条第1項)、再生医療等製品(第228条の9第1項)は、いずれも第218条の2の4を準用する際に第1項の表を除いています。表が除かれる代わりに、各条の第2項の読替え表が、第218条の2の4第1項・第2項の数量の字句に代えて区分ごとの数量を置いています。
| 区分 | 読替え後の数量 | 数量を置いている条 |
|---|---|---|
| 医薬部外品 | 当該医薬部外品の用法及び用量からみて二月間の使用数量(外用剤(トローチ剤、舌下錠、付着錠、ガム剤、坐剤、膣錠、膣用坐剤及びバツカル錠を除く。)にあつては二十四個) | 第220条の3第2項 |
| 化粧品 | 二十四個(一個あたり六十グラム以下の化粧品又は一個あたり六十ミリリツトル以下の化粧品にあつては百二十個) | 第221条の3第2項 |
| 医療機器 | コンタクトレンズにあつては二組(使い捨てのものにあつては当該コンタクトレンズの用法及び用量からみて二月間の使用数量)、家庭用の医療機器にあつては一個(一回限りの使用で使い捨てるものにあつては当該医療機器の用法及び用量からみて二月間の使用数量) | 第228条第2項 |
| 再生医療等製品 | 当該再生医療等製品の用法及び用量からみて一月間の使用数量 | 第228条の9第2項 |
出典:薬機法施行規則第220条の3第2項・第221条の3第2項・第228条第2項・第228条の9第2項(版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104、2026-06-19 施行)。表の数量は、各条の読替え表が第218条の2の4第1項および第2項の字句に代えて置くもの。医療機器・再生医療等製品の欄は、第218条の2の4第1項の表の全体に代わる字句として書かれています。
準用の書きぶりは条により異なります。第220条の3第1項と第221条の3第1項は「第二百十八条の二の四(第一項の表に係る部分を除く。)」、第228条第1項と第228条の9第1項は「第二百十八条の二の四まで(同条第一項の表に係る部分を除く。)」と書いています。
第228条の9第2項の読替え表は、再生医療等製品の数量を「法第六十五条の五において準用する法第五十六条の二第三項第二号」の数量として置いています。薬機法で第56条の2を準用しているのは第65条の4で、第65条の5は再生医療等製品の販売、製造等の禁止を定めた条です。
個人輸入と代行業について、広告がなぜ問題になるかは個人輸入と代行業 — なぜ広告が問題になるかで扱います。
輸入した物を業として売るには、確認のほかに何が要るのか
製造販売業の許可、製造所についての許可または登録、品目ごとの承認・認証・届出です。外国の製造所には、認定または登録の規定が置かれています。
薬機法第2条第13項は、輸入をした医薬品等を販売し、貸与し、又は授与することを「製造販売」と定めています。
輸入した物を業として売ることは、薬機法上の「製造販売」にあたります。定義を置いているのは第2条第13項です。
輸入の確認は第九章(医薬品等の取扱い)の規定です。業として製造販売をするための許可・承認は第四章から第六章までに置かれており、条文上は別々に必要になります。
業として海外の製品を国内に出す場合に、条文が置いている手続は次のとおりです。
| 区分 | 製造販売業 | 国内の製造所 | 外国の製造所 | 品目ごと |
|---|---|---|---|---|
| 医薬品・医薬部外品・化粧品 | 許可(第12条第1項) | 許可(第13条第1項)/保管のみは登録(第13条の2の2第1項) | 認定(第13条の3第1項)/保管のみは登録(第13条の3の2第1項) | 承認(第14条第1項)/承認を要しないものは届出(第14条の9第1項) |
| 医療機器・体外診断用医薬品 | 許可(第23条の2第1項) | 登録(第23条の2の3第1項) | 登録(第23条の2の4第1項) | 承認(第23条の2の5第1項)/認証(第23条の2の23第1項)/届出(第23条の2の12第1項) |
| 再生医療等製品 | 許可(第23条の20第1項) | 許可(第23条の22第1項) | 認定(第23条の24第1項) | 承認(第23条の25第1項) |
出典:薬機法(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、2026-05-21 施行)の各条。手続の全体像は承認・認証・届出・許可の地図で扱います。
製造業の許可は、施行規則が定める区分に従って製造所ごとに与えられます(第13条第2項)。その区分には「製造工程のうち包装、表示又は保管のみを行うもの」が置かれています(施行規則第25条第1項第5号、第2項第3号、第3項第2号。再生医療等製品は第137条の8第2号)。
医療機器・体外診断用医薬品の製造業は登録制です。対象となる製造所は「製造工程のうち設計、組立て、滅菌その他の厚生労働省令で定めるものをするもの」に限る、と第23条の2の3第1項の括弧書きが定めています。
外国の製造所の認定・登録
第13条の3第1項、第13条の3の2第1項、第23条の2の4第1項、第23条の24第1項は、いずれも外国において本邦に輸出される製品を製造しようとする者が認定または登録を「受けることができる」と書いています。文言は任意です。
ただし、承認の側にこれを要求する規定があります。第14条第2項第2号は、申請に係る製造所が第13条第1項の許可、第13条の3第1項の認定、第13条の2の2第1項もしくは第13条の3の2第1項の登録を受けていないときは承認を与えないと定めています。医療機器は第23条の2の5第2項第2号、再生医療等製品は第23条の25第2項第2号が同じ構造です。
販売の側にも規定があります。第55条第2項は、第13条の3第1項の認定または第13条の3の2第1項・第23条の2の4第1項の登録を受けていない外国の製造所において製造された医薬品を、販売し、授与し、または販売もしくは授与の目的で貯蔵し、もしくは陳列してはならないとしています。この規定は第60条・第62条・第64条・第65条の4により他の区分にも準用されています。
外国の製造業者が自ら承認を受ける場合
第19条の2第1項は、本邦に輸出される医薬品等について、外国においてその製造等をする者からの申請により、その者が選任した製造販売業者に製造販売をさせることについての承認を与えることができると定めています。
第3項は、本邦内において保健衛生上の危害の発生の防止に必要な措置をとらせるため、承認の申請の際に製造販売業者を選任しなければならないとしています。第4項は、この選任外国製造医薬品等製造販売業者が当該品目の製造販売をすることができるとしています。医療機器・体外診断用医薬品は第23条の2の17、再生医療等製品は第23条の37に同じ仕組みが置かれています。
本ページが引く条文のうち、第13条の3(医薬品等外国製造業者の認定)は改正が、第13条の3の2(保管のみを行う製造所に係る登録)は削除が、令和7年法律第37号により 2028年5月20日 に予定されています。この施行日は e-Gov 法令検索上も予定日で、政令で確定します。施行日別の変更は改正の時間軸で扱います。
小売・卸の段階で必要になる許可は売る側の許可 — 薬局・店舗販売業・卸売販売業・医療機器の販売業で扱います。
海外で製造された製品を国内の医療機関へ紹介・仲介する場面が薬機法の側でどう評価されるかは海外製品を扱うとき — 紹介・仲介はどう評価されるかで、医療機関が医師等の個人輸入による未承認医薬品等を用いる場合に医療広告の限定解除で求められる追加の記載は限定解除の4要件と、未承認医薬品等を用いる場合の追加記載で扱います。
確認を受けずに輸入した場合、条文には何が定められているか
薬機法第84条第21号が3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科を定めています。
第90条第1号により、法人にはこれと別に1億円以下の罰金刑が定められています。
確認を受けずに輸入した場合の刑は、第十八章(罰則)の第84条に置かれています。第56条の2第1項違反は第21号で、準用される場合を含むことが括弧書きで明示されています。
法人には、第90条の両罰規定が別に働きます。法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関して各号の規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、法人に各号所定の罰金刑を、人に各本条の罰金刑を科すると定めています。
第1号は、第84条のうち「第十八号から第二十一号まで」を含む部分を挙げ、法人に対する罰金刑を1億円以下としています。第56条の2第1項違反は、この第21号にあたります。
許可・登録に関する号との違い
無許可の製造販売は、第84条の別の号に置かれています。第12条第1項違反が第2号、第23条の2第1項違反が第4号、第23条の20第1項違反が第7号で、法定刑は同じ3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科です。ただし、第90条第1号が挙げる号にこれらは含まれていません。法人に対しては、同条第2号により各本条の罰金刑が科されます。
製造業の許可・登録に関する違反は、第86条第1項に置かれています。法定刑は1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金またはその併科です。第13条第1項・第8項違反が第2号、第23条の2の3第1項違反が第5号、第23条の22第1項・第8項違反が第8号です。
2027年5月20日に変わる号と、変わらない号
第84条は令和7年法律第37号により 2027年5月20日 に改正されます。2027-05-20 施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)で条文を照合したところ、本ページが引く柱書き、第2号、第4号、第7号、第21号と、第90条第1号・第2号の文言は現行と同一でした。同日に変わるのは第1号、第3号、第5号、第9号、第24号です。施行日別の変更は改正の時間軸で扱います。
罰則の章の全体と両罰規定の構造は薬機法の刑事罰 — 第十八章の法定刑と、法人に科される両罰規定、行政指導から刑事罰までの経路は薬機法に違反するとどうなるか — 行政指導から刑事罰までの6ルートで扱います。
理解の確認
第56条の2第1項が名宛人を「輸入しようとする者」とだけ書き、事業者と個人を書き分けていないのに、輸入の目的によって扱いが変わるのは、条文のどこがその区別を担っているからか。
第1項は名宛人を「輸入しようとする者」とだけ定めており、事業者か個人かによる書き分けを置いていません。目的による違いを担っているのは、確認をしない場合を定める第2項、確認を受けることを要しない場合を定める第3項、およびこれらを受けた薬機法施行規則第218条の2の2から第218条の2の4までです。添付書類も、個人的使用、医療従事者が診断・治療等の目的で使用する場合、臨床試験その他の試験研究、展示会等での展示、輸出した医薬品の再輸入という目的ごとに分けて定められています。区別は名宛人の側ではなく、目的と数量の側に置かれている構造です。
根拠:薬機法第56条の2第1項・第2項・第3項、薬機法施行規則第218条の2の2第3項(法令確認日 2026-09-08)
「省令の数量以下であれば確認を受けずに輸入できる」という理解は、第56条の2第3項第2号の書きぶりのどこと食い違うか。
第3項第2号が確認を要しないとしているのは、第14条の3第1項第2号に規定する医薬品その他の厚生労働大臣が定める医薬品を、厚生労働省令で定める数量以下で、自ら使用する目的で輸入する場合です。これを受けた施行規則第218条の2の4第2項第1号は、さらに携帯して輸入するか申請者がその住所地で受け取る形であることを求め、数量にかかわらず自ら使用する目的にあたるか否かを確認する必要があるものを除いています。数量は並んだ要件の1つにすぎず、数量だけでこの号にあたるかが決まる書きぶりにはなっていません。
根拠:薬機法第56条の2第3項第2号、薬機法施行規則第218条の2の4第1項・第2項(法令確認日 2026-09-08)
輸入の確認を受けたことは、その物を業として売ることができる状態になったことを意味するか。
意味しません。輸入の確認は第九章(医薬品等の取扱い)に置かれ、輸入という場面を対象とする規定です。これに対し、輸入した物を販売・授与することは第2条第13項の「製造販売」にあたり、そのための製造販売業の許可、製造所の許可または登録、品目ごとの承認・認証・届出は第四章から第六章までに置かれています。対象とする場面が違う別々の要件なので、確認を受けたことがこれらに代わることはありません。
根拠:薬機法第2条第13項、第56条の2第1項、第12条第1項、第13条第1項、第14条第1項(法令確認日 2026-09-08)
次に読む
- 5-7 海外製品を扱うとき — 紹介・仲介はどう評価されるか 海外の製品を扱う場面では、「輸入」と「広告」という別々の条文が同時に働きます。
- 6-9 個人輸入と代行業 — なぜ広告が問題になるか 「個人輸入代行」は、輸入の手続を代わって行う役務です。
- 1-7 承認・認証・届出・許可の地図 — どの手続がどこに載っているか 薬機法の手続は二層になっています。
- 1-8 売る側の許可 — 薬局・店舗販売業・卸売販売業・医療機器の販売業 売る側に置かれているのは、薬局開設の許可(第4条)、医薬品の販売業の許可(第24条)、医療機器の販売業・貸与業の許可(第39条)、再生医療等製品の販売業の許可(第40条の5)です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条・第12条・第13条・第13条の2の2・第13条の3・第13条の3の2・第14条・第14条の3・第14条の9・第19条の2・第23条の2・第23条の2の3・第23条の2の4・第23条の2の5・第23条の2の12・第23条の2の17・第23条の2の23・第23条の20・第23条の22・第23条の24・第23条の25・第23条の37・第55条・第56条の2・第60条・第62条・第64条・第65条の4・第65条の5・第84条・第86条・第90条(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、2026-05-21 施行)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 薬機法 2027年5月20日施行版(令和7年法律第37号による改正後。版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037)第84条・第90条e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)第25条・第137条の8・第218条の2の2・第218条の2の3・第218条の2の4・第220条の3・第221条の3・第228条・第228条の9。参照した版は版ID 336M50000100001_20260619_508M60000100104(2026-06-19 施行)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 薬機法施行規則 第218条の2の2(輸入の確認の申請)・第218条の2の3(輸入の確認をしない場合)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
- 個人輸入において注意すべき医薬品等について(海外規制当局が医薬品成分を含有する旨を公表している製品について等)(「あやしいヤクブツ連絡ネット」内「リスクが潜む個人輸入」の項目。手元で内容を確認できたのは同サイトのトップページのみ)あやしいヤクブツ連絡ネット(2026-09-08 確認)