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表示や広告を出す前に、何を確認することとされている? — 公開前に確認される観点

化粧品を扱うA社の広報担当者が、新商品のチラシを作ったとします。出す前に、社内でだれが何を確かめることになっているのでしょうか。公開前の確認は、社内の習慣ではなく、法律が求める措置として書かれています。景品表示法(不当な景品類や表示を規制する法律)第22条第1項は、事業者に「必要な体制の整備その他の必要な措置」を求めています。その中身は、国の指針(管理措置指針)が7つの項目として並べています。このページでは、7つの項目と、薬機法(医薬品や医療機器などについて定めた法律)・医療法(病院や診療所について定めた法律)の側の文書を、例を交えて説明します。表示を出してよいかどうかの結論は示しません。

30秒でわかる要点

  • 公開前の確認は、法律に基づく事業者の措置:景品表示法(不当な景品類や表示を規制する法律)第22条第1項は、表示などを適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を、事業者に求めています。措置の中身は、同条第2項に基づく国の指針(管理措置指針)が定めています。表示の作成を他の事業者に任せても、措置をとる側は変わりません。
  • 7つの項目は、表現の基準ではなく体制の決まり:指針の第4に並ぶ7つの項目は、周知・啓発(考え方を知らせて理解を深めてもらうこと)に始まります。表示等に関する情報の確認、担当者を定めること、資料の保管等も含み、最後は不当な表示等が明らかになった場合の対応です。事業者の規模や業態などに応じ、必要かつ適切な範囲でとる(講ずる)ものとされています。
  • 根拠は後から確かめられるように。勧告の相手は事業者:確認した根拠の情報は、商品やサービスが一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、後から確かめられるようにするとされています(第4の6)。担当者を定めても、第24条第1項の勧告(必要な措置をとるよう求めること)等の対象は事業者で、担当者ではない、と指針は書いています(第4の5)。

1. 公開前の確認を事業者に求めているのは、どの条文ですか?

景品表示法(不当な景品類や表示を規制する法律)第22条第1項です。表示などを適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を、事業者に求めています。

措置の中身は、同条第2項の規定に基づく指針(管理措置指針)に定められています。

景品表示法の正式な名前は、不当景品類及び不当表示防止法です。この法律は、第2章の第4節を「景品類の提供及び表示の管理上の措置」に充てています。第22条第1項の条文は、次のとおりです。

条文は長い1文なので、骨組みを取り出します。事業者は、自社が供給する商品や役務(サービス)の取引について、2つの事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を、講じなければなりません。「講じる」は、「とる」という意味です。1つは、景品類(お客を引きつけるために、取引に付けて提供するおまけや賞品など)の提供に関する事項です。もう1つは、商品や役務の品質、規格その他の内容に係る表示に関する事項です。条文は、措置の目的も書いています。景品類の提供や表示によって不当に客を引きつけ、一般消費者による自主的で合理的な選択をさまたげないようにすることです。

第22条第2項は、第1項の措置について、内閣総理大臣が指針を定めるものとしています。これに基づいて定められたのが、事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針です。この指針は、2014年11月に、内閣府の告示(国の機関が決めた事項を、広く知らせる形式)として定められました。このページでは、管理措置指針、または単に指針と呼びます。

原文で確かめる

本指針は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)第22条第1項に規定する事業者が景品表示法で規制される不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するために講ずべき措置に関して、同条第2項の規定に基づき事業者が適切かつ有効な実施を図るために必要な事項について定めるものである。

事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日 内閣府告示第276号。改正 平成28年4月1日 内閣府告示第125号/令和4年6月29日 内閣府告示第74号/令和6年4月18日 内閣府告示第92号)第1

だれに求められている措置ですか

指針の第2の1が、措置を求める相手を書き分けています。措置を求められるのは、景品類の提供、または自社の商品やサービスについての一般消費者向けの表示をする事業者です。指針は、この2つをまとめて「表示等」と呼びます。

一方、その事業者と取引関係はあっても、表示等を行っていない事業者もいます。指針はこれを「取引関係事業者」と呼び、取引関係事業者に措置を求めるものではないとしています。

ただし指針は、自社の商品やサービスについて一般消費者向けの表示を行っていない事業者(広告媒体事業者等。広告を載せる媒体を運営する事業者など)にも触れています。例えば、他の事業者と共同して商品やサービスを一般消費者に供給していると認められる場合です。この場合は景品表示法の適用を受けるため、第22条第1項に基づき必要な措置を講じることが求められる、と指針は書いています。

例

冒頭のA社の場面では、チラシで自社の商品について一般消費者向けの表示をするのはA社です。指針の書き分けで見ると、第22条第1項の措置を求められる側になり得るのはA社です(制作会社に任せる場合は5. 表示の作成を任せる場合)。

薬機法の側でだれが名宛人(その条文で義務や禁止の対象になる人)になるかは『1-6 規制されるのは誰?』で扱います。景品表示法が禁じる表示のうち、品質などの中身についての表示は優良誤認、価格などの取引条件についての表示は有利誤認と呼ばれます。この2つそのものは『7-1 優良誤認と有利誤認は、どこが違う?』で扱います。

2. 指針は、とるべき措置をいくつの項目に分けていますか?

7項目です。管理措置指針の第4が、周知・啓発から、不当な表示等が明らかになった場合の対応までを並べています。

7つの措置は、事業者の規模や業態、取り扱う商品やサービスの内容、取引の態様(取引のしかた)等に応じ、必要かつ適切な範囲で講ずるものとされています。

第4に並んでいるのは、表示の中身の良しあしを測る基準ではありません。表示を社内でどう管理するかという、体制の側の項目です。

表1:管理措置指針 第4が挙げる7つの措置
項目指針が書いている内容根拠
景品表示法の考え方の周知・啓発表示等に関係している自社の役員及び従業員に、その職務に応じた周知・啓発を行う。表示等の作成を他の事業者に委ねる場合は、その事業者にも業務に応じて行う。管理措置指針 第4の1
法令遵守の方針等の明確化景品表示法を含む法令遵守の方針や、法令遵守のためにとるべき手順等を明確化する。同 第4の2
表示等に関する情報の確認景品類を提供しようとする場合は違法とならない価額の最高額・総額・種類・提供の方法等を、内容等について積極的に表示を行う場合は当該表示の根拠となる情報を確認する。同 第4の3
表示等に関する情報の共有確認した情報を、当該表示等に関係する各組織部門が必要に応じて共有し確認できるようにする。同 第4の4
表示等を管理するための担当者等を定めること表示等を管理する担当者又は担当部門(表示等管理担当者)をあらかじめ定める。同 第4の5
表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置をとること確認した情報を、商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認するため、資料の保管等の措置をとる。同 第4の6
不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応事実関係を迅速かつ正確に確認し、一般消費者の誤認排除を迅速かつ適正に行い、再発防止に向けた措置を講じる。同 第4の7

7項目の名称は指針の見出しのとおりです。中欄は各項の本文の要旨で、原文は指針の当該項にあります。

根拠欄の番号で分けると、1は考え方を知らせる(周知・啓発)、2は法令を守る(法令遵守)方針をはっきりさせる項目です。3・4は景品類の価額や表示の根拠などの情報を確かめて共有し、5は担当を決め、6は後から確かめられるようにする項目です。7は、問題が明らかになったときに、一般消費者の誤った認識を取り除く(誤認排除)などの項目です。

どこまで行うかは、事業者によって変わりますか

変わります。結論の箱に書いた「必要かつ適切な範囲で」という条件は、第4の柱書(項目の前に置かれた前置きの文)にあります。柱書は、指針に例として出ていない措置にも触れています。事業者が業務内容や社内体制に応じて、必要と考える独自の措置を講じることも重要だ、としています。

例

社員が数人の会社と、全国に店舗を持つ会社を比べます。柱書の書き方では、どちらも、規模や業態などに応じ、必要かつ適切な範囲で、7つの項目に沿うような具体的な措置を講ずる必要があります。何をどの程度行うかは、両社で変わり得ます。

原文で確かめる

表示等の管理上の措置として、事業者は、その規模(注2)や業態、取り扱う商品又は役務の内容、取引の態様等に応じ、必要かつ適切な範囲で、次に示す事項に沿うような具体的な措置を講ずる必要がある。

なお、本指針で例示されているもの以外にも不当表示等を防止する措置は存在するところ、事業者がそれぞれの業務内容や社内体制に応じて、必要と考える独自の措置を講じることも重要である。

管理措置指針 第4 柱書

指針に付いた事例は、そのとおりにする必要がありますか

指針には別添(本文とは別に付けた資料)があり、項目ごとに具体的な事例を挙げています。ただし、事例のとおりにすることを求めるものではありません。

指針の第2の3は、別添の事例を、事業者の理解を助けることを目的に、参考として示したものとしています。事例と同じ措置でなくても、不当表示等(景品表示法で規制される不当な表示や景品類)を未然に防止するための必要な措置として適切なものであればよい、という書き方です。その場合は、第22条第1項の規定に基づく措置を講じていると判断される、としています。あわせて、指針に挙がった事例が、同項に基づく必要な措置を網羅するものではないことにも触れています。

別添の冒頭(別添 柱書)も、事例は事業者へのヒアリング等に基づく参考で、具体的な措置は各事業者において個別具体的に判断されるべきものだ、としています。

直感的なポイント

表示の中身の基準を「物差し」にたとえると、7つの項目は、その物差しを社内のどこに置き、だれに持たせ、測った記録をどう残すかの決まりです。表現の基準という物差しそのものは、景品表示法では『7-1 優良誤認と有利誤認は、どこが違う?』にあります。薬機法では、第66条(誇大広告等)と医薬品等適正広告基準(医薬品などの広告について国が示した基準)にあります。

3. 公開の前に、表示の根拠はどこまで確認することとされていますか?

商品やサービスの内容等を積極的に表示する場合は、その根拠となる情報を確認することとされています(第4の3)。「確認」といえるかは、個別具体的に判断されます。

小売業者の例では、当然把握し得る範囲の情報の確認は通常求められる一方、流通過程をさかのぼる調査などまでを全ての場合に求めるものではない、と指針は書いています。

管理措置指針の第4の3は、確認することを、2つの場合に分けて書いています。

  • 景品類を提供しようとする場合:違法とならない景品類の価額の最高額・総額・種類・提供の方法等を確認する。
  • とりわけ、商品やサービスの長所や要点を一般消費者に訴えるために、その内容等について積極的に表示を行う場合:その表示の根拠となる情報を確認する。

「確認」がなされたといえるかどうかも、同じ項が書いています。表示等の内容、その検証の容易性(確かめやすさ)、事業者が払った注意の内容・方法等によって、個別具体的に判断されることとなる、としています。

例

冒頭のA社が、チラシで商品の原材料の産地を大きく打ち出す場面で考えます。第4の3の書き方では、長所や要点を訴えるために積極的に表示を行う場合は、その表示の根拠となる情報を確認することとされています。同じチラシで購入者にプレゼントを付ける企画をするなら、景品類の価額の最高額なども、確認の対象になり得ます。

原文で確かめる

事業者は、(1)景品類を提供しようとする場合、違法とならない景品類の価額の最高額・総額・種類・提供の方法等を、(2)とりわけ、商品又は役務の長所や要点を一般消費者に訴求するために、その内容等について積極的に表示を行う場合には、当該表示の根拠となる情報を確認すること。

この「確認」がなされたといえるかどうかは、表示等の内容、その検証の容易性、当該事業者が払った注意の内容・方法等によって個別具体的に判断されることとなる。

管理措置指針 第4の3

確認の範囲に、限度はありますか

あります。結論の箱の補足に書いた小売業者の例は、第4の3に置かれています。この例で通常求められるとされているのは、当然把握し得る範囲の情報を、表示の内容等に応じて適切に確認することです。全ての場合に求められるわけではないとされているものには、流通過程をさかのぼる調査のほか、商品の鑑定・検査等もあります。

確認する段階の数は、業態によって違いますか

違います。指針は、商品を提供する段階での情報の確認のみで足りる場合として、小売業を挙げています。複数の段階の確認を組み合わせて実施することが必要となる場合として挙げているのは、飲食業です。飲食業については、企画する段階・材料を調達する段階・加工(製造)する段階・実際に提供する段階に至るまでが挙がっています。

アフィリエイトプログラム(ブログなどに広告を載せてもらい、そこからの購入などに応じて報酬を払う仕組み)を利用した広告を行う業態についても、指針は書いています。広告を利用する事業者が、アフィリエイター(広告を載せる人)等の作る表示等を確認することが必要となる場合がある、としています。

別添は、段階ごとにどんな確認の例を挙げていますか

別添3は、段階ごとの確認の例を挙げています。これらも、参考として示された事例です。

  • 企画・設計段階:景品表示法の各種運用基準や、過去の不当表示等事案の先例等を参考に、どのような景品類の提供や表示が可能か、どのような根拠が必要かを検討する(別添3(1))
  • 調達段階:原材料等の仕様、規格、表示内容を確認し、最終的な表示内容に与える影響を検討する(別添3(2))
  • 生産・製造・加工段階:仕様書・企画書と整合しているかを確認する(別添3(3))
  • 提供段階:各段階の確認事項を集約し、表示の根拠を確認して、最終的な表示を検証する(別添3(4))

ここでいう「根拠」は、景品表示法第7条第2項の規定により提出を求められる資料とは、条文上の位置づけが別です。第7条第2項の資料が満たすものとされている要件は、『7-3 広告に書いた効果・性能の根拠を示せないと、どうなる?』で扱います。

4. 確認した根拠は、いつまで残すこととされていますか?

一律の年数では決まっていません。商品やサービスが一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、後から確かめられるようにすることとされています(第4の6)。

保存期間と資料の例は、指針の別添6に付いた注に挙げられています。

第4の6は、第4の3のとおり確認した情報を、結論の箱に書いた期間、後から確かめられるようにしておくことを書いています。やり方の例として挙がっているのは、資料の保管等です。表示等の作成を他の事業者に委ねる場合も、同様の措置をとることとされています。

原文で確かめる

事業者は、前記3のとおり確認した表示等に関する情報を、表示等の対象となる商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認するために、例えば、資料の保管等必要な措置をとること。また、表示等の作成を他の事業者に委ねる場合であっても同様の措置をとること。

管理措置指針 第4の6

どんな資料を、どのくらい残す例が挙がっていますか

別添6の注2は、表示等の根拠となる情報についての資料の例を挙げています。

  • 原材料、原産地、品質、成分等に関する表示:企画書、仕様書、契約書等の取引上の書類、原材料調達時の伝票、生産者の証明書、製造工程表、原材料配合表、帳簿、商品そのもの等
  • 効果、性能に関する表示:検査データや専門機関による鑑定結果等
  • 価格に関する表示:必要とされる期間の売上伝票、帳簿類等
  • そのほか:商談記録、会議議事録、決裁文書、試算結果、統計資料等

同じ別添6の注3は、合理的と考えられる資料の保存期間の例を、次のように挙げています。

  • 即時に消費される場合、又は消費期限が定められている場合:販売を開始した日から3か月の期間
  • 賞味期限・保証期間・流通期間・耐用年数等に応じて定められた期間
  • 他の法令に基づく保存期間が定められている場合:その期間

アフィリエイトプログラムを利用した広告については、別に書かれています。アフィリエイトリンクから購入することができなくなるまでの期間に加え、その商品やサービスの特徴、性質に応じた合理的な期間とされています。

例

冒頭のA社が、チラシに書いた成分の表示について、製造元の仕様書や原材料配合表で根拠を確かめたとします。どちらも、別添6の注2が成分等に関する表示の資料の例として挙げているものです。

関連するページ:『5-8 医療機関へ渡した資料、置き方で扱いは変わる?』

保管していた資料を、災害で失ったときは?

指針は、「正当な理由」がある場合の例として、次の場面を挙げています(第3の2)。事業者が表示等の管理上の措置として、表示等の根拠となる資料等を保管していたが、災害等の不可抗力によってそれらが失われた場合です。

「正当な理由」は第24条第1項の言葉です。内閣総理大臣は、事業者が正当な理由がなくて措置を講じていないと認めるときに、勧告(必要な措置をとるよう求めること)ができます(6. 担当者の決め方の後半)。第3の2は、正当な理由を、もっぱら一般消費者の利益を守るという観点から判断されるものとしています。

例

A社が、表示等の管理上の措置として事務所に保管していた根拠の資料が、水害で失われた場面は、指針が挙げる例と同じ場面です。

5. 表示の作成を他の事業者に任せると、何が変わりますか?

措置をとる側は変わりません。任せた場合も、周知・啓発、方針の明確化、情報の共有、資料の保管、不当な表示等が明らかになった場合の対応を、同様に行うこととされています。

表示等を行う事業者は、作成を任せた相手に自らの措置への理解を求め、相手の作る表示等が不当表示等に該当しないよう指示することが求められます(第2の1)。

指針の言葉では、任せることを「委ねる」といいます。第4の1・2・4・6・7は、どれも本文の後半で、表示等の作成を他の事業者に委ねる場合に同様の対応を行うことを書いています。

第4の7は、不当な表示等が明らかになった場合の措置として、3つを挙げています。事実関係を迅速かつ正確に確認すること、一般消費者の誤認排除、再発防止に向けた措置です。そのうえで、「また、上記の措置は、事業者が表示等の作成を他の事業者に委ねた場合の表示等において当該事案が発生した場合も含む。」と書いています。

任された側とは、どういう関係になりますか

結論の箱の補足は、第2の1の書き方です。第2の1は、取引関係事業者が、表示等を行う事業者から作成を委ねられる場合について書いています。第2の1によれば、求められる目的は、自らの措置の実効性が確保できるようにすることです。

例

冒頭のA社が、チラシのデザインと文章を、広告制作会社のB社に任せる場面で考えます。この場面で、第2の1のことが求められ得るのは、表示をするA社の側です。

原文で確かめる

しかし、取引関係事業者が、当該表示等を行う事業者から当該表示等の作成を委ねられる場合には、当該表示等を行う事業者は、自らの措置の実効性が確保できるよう、取引関係事業者に対し、自らの措置についての理解を求め、取引関係事業者が作成する表示等が不当表示等に該当することのないよう指示することが求められる。

管理措置指針 第2の1

アフィリエイト広告について、指針は何と書いていますか

指針の注4は、アフィリエイトプログラムのビジネスモデルを説明しています。注5は、そのうち2つの場合について書いています。

  • URLを添付するだけなど、詳しい表示をしないアフィリエイト広告:アフィリエイターが自分のサイトに、広告主のウェブサイトのURLを添付するだけなど、商品やサービスの内容や取引条件の詳細な表示を行わないものです。注5は、通常、不当表示等が発生することはないと考えられる、としています。
  • 広告主による広告とは認められない実態のもの:広告主とアフィリエイターの間で、その表示に係る情報のやり取りが一切行われていないなどのものです。注5は、通常、広告主が表示内容の決定に関与したとされることはないと考えられる、としています。
原文で確かめる

アフィリエイターが自らのアフィリエイトサイトに単にアフィリエイトプログラムを利用した広告を行う事業者のウェブサイトのURLを添付するだけなど、当該事業者の商品又は役務の内容や取引条件についての詳細な表示を行わないようなアフィリエイトプログラムを利用した広告については、通常、不当表示等が発生することはないと考えられる。また、アフィリエイターの表示であっても、広告主とアフィリエイターとの間で当該表示に係る情報のやり取りが一切行われていないなど、アフィリエイトプログラムを利用した広告主による広告とは認められない実態にあるものについては、通常、広告主が表示内容の決定に関与したとされることはないと考えられる。

管理措置指針 第4の3 注5

別添3(4)は、事前に全ての表示内容を確認することが困難である場合について、確認の例を3つ挙げています。

  • 表示後、可能な限り早い段階で全ての表示内容を確認すること
  • 成果報酬の支払額又は支払頻度が高いアフィリエイター等の表示内容を、重点的に確認すること
  • ASP(広告主とアフィリエイターを仲介する事業者)等の他の事業者に、表示内容の確認を委託すること

別添8(1)は、アフィリエイトプログラムを利用した広告を行う事業者の表示であることの明示を扱っています。挙がっているのは、事業者とアフィリエイターとの関係性を理解できる表示を行うよう、アフィリエイターに求めるなどの対応です。

関連するページ:

6. 表示を管理する担当者は、どう決めることとされていますか?

表示等を管理する担当者又は担当部門を、あらかじめ定めることとされています(管理措置指針 第4の5)。

専任である必要はなく、一般的な法令遵守等の担当者又は担当部門が業務の一環として表示等を管理できるなら、それらを指定することで足りるとされています(注7)。

指針は、この担当者又は担当部門を「表示等管理担当者」と呼びます。定めるときに満たす事項として、第4の5は次の5つを挙げています。

  1. 表示等管理担当者が、自社の表示等に関して監視・監督の権限を持っていること
  2. 表示等の作成を他の事業者に委ねる場合は、表示等管理担当者が、その事業者が作成する表示等に関して指示・確認の権限を持っていること
  3. 表示等管理担当者が複数いる場合は、それぞれの権限又は所掌(受け持つ範囲)が明確であること
  4. 表示等管理担当者となる者が、例えば景品表示法の研修を受けるなど、景品表示法に関する一定の知識の習得に努めていること
  5. 表示等管理担当者を社内等(表示等の作成を他の事業者に委ねる場合は、その事業者も含む)に知らせる方法が確立していること

専任の担当者でなければなりませんか

結論の箱の補足のとおり、専任である必要はありません(注7)。注6は、個人事業主等の小規模企業者やその他の中小企業者について書いています。代表者が表示等を管理している場合は、代表者をその担当者と定めることも可能だとしています。

別添5は、定め方の例として、次の4つを挙げています。

  • 代表者自身が表示等を管理している場合に、その代表者を表示等管理担当者と定める
  • 既存の品質管理部門・法務部門・コンプライアンス部門を、表示等管理部門と定める
  • 店舗ごとに表示等を策定している場合に、店長を定める
  • 商品カテゴリごとに異なる部門が表示等を策定している場合に、各部門の長を定める

措置を講じていないと、どうなりますか

景品表示法は、第22条に続く2つの条文で扱っています。第23条は指導及び助言を、第24条は勧告及び公表を定めています。

第24条第1項は、事業者が正当な理由がなくて第22条第1項の措置を講じていないと認めるとき、内閣総理大臣が勧告をすることができるとしています。第2項は、事業者が勧告に従わないときは、その旨を公表することができるとしています。

担当者を定めたら、勧告の相手は担当者になりますか

なりません。指針の第4の5は、なお書き(「なお」で始まる補足の文)でこう書いています。景品表示法に違反する事実が認められた場合、第24条第1項に基づく勧告等の対象はあくまで事業者で、表示等管理担当者ではありません。

例

A社が、広報担当者を表示等管理担当者に定めたとします。そのうえで、仮に景品表示法に違反する事実が認められたとします。なお書きの書き方では、勧告等の対象となるのは事業者であるA社で、その広報担当者ではありません。

原文で確かめる

なお、仮に、景品表示法に違反する事実が認められた場合、景品表示法第24条第1項の規定に基づく勧告等の対象となるのは、あくまで事業者であり、表示等管理担当者がその対象となるものではない。

管理措置指針 第4の5 なお書き

7. 薬機法・医療法の側では、どの文書が確認の観点を並べていますか?

薬機法の側は医薬品等適正広告基準、医療法の側は医療広告等ガイドラインです。どちらも広告を行う者の責務と基準を置いています。

医療広告等ガイドラインは、ほかの法律などに反する(抵触する)内容を広告しないことは当然のことだ、と書いています(第1の3)。

薬機法の側 — 医薬品等適正広告基準

医薬品等適正広告基準は、医薬品等の広告について、厚生労働省の通知(2017年9月)の別紙として示された基準です。通知は、国の役所が、法律の運用のしかたを自治体などに示す文書です。医薬品等は、薬機法が扱う5つの製品(医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品)をまとめた呼び方です。

第2は、対象となる広告の範囲を定めています。「新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告」です。広告を行う者の責務は、第3に2つ置かれています。

  • 第3の1:使用者が医薬品等を適正に使用できるよう、正確な情報の伝達に努めなければならない。
  • 第3の2:医薬品等の本質に照らして、その品位を損なう、又は信用を傷つけるおそれのある広告を行ってはならない。
原文で確かめる

1 医薬品等の広告を行う者は、使用者が当該医薬品等を適正に使用することができるよう、正確な情報の伝達に努めなければならない。

2 医薬品等の広告を行う者は、医薬品等の本質に鑑み、医薬品等の品位を損なう又は信用を傷つけるおそれのある広告は行ってはならない。

医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第3

例

冒頭のA社が、チラシと同じ化粧品をSNSでも紹介する場面で考えます。SNSでの紹介が医薬品等の広告にあたる場合は、第2の範囲に入り、第3の責務がかかわり得ます。

基準の第4は、名称関係に始まり、14の項に分かれています。項の並びと、基準を解説する通知の位置づけは『2-4 医薬品等適正広告基準とは何ですか?』で扱います。そのうち推せんや使用前後の写真を扱う項は『2-8 使用前後の写真・推せん・受賞歴は、どこで扱われますか?』で扱います。

医療法の側 — 医療広告等ガイドライン

医療広告等ガイドラインは、厚生労働省が示す、医療広告等の考え方の指針です(2026年3月最終改正)。第1の2−1(1)は、医療広告を行う者の責務を書いています。患者等が広告の内容を適切に理解し、適切に治療等を選択できるよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならない、としています。

同じ第1の2−1の(3)は、広告可能な事項について、医療の内容等が「客観的な評価が可能であり、かつ事後の検証が可能な事項に限られる」と書いています。一定の要件を満たしたときにこの限定が外れることを、限定解除といいます。広告可能な事項を限る仕組みは『7-6 医療広告は、なぜ「書いてよいこと」を並べる形なのか?』で扱います。限定解除の要件と、未承認医薬品(国の承認をまだ受けていない医薬品)等を用いる場合に追加で書くことは、『7-7 医療広告の「限定解除」、要件はいくつある?』で扱います。

他の法令との関係は、第1の3にあります。医療広告等の規制には、医療法に基づく規定の他に、景品表示法や薬機法等がある、という書き方です。これら他の法令や、その法令に関連する広告の指針に違反する広告は、その法令に基づく指導・処分等の対象となり得る、とも書いています。そのうえで、他法令等に抵触する内容について広告しないことは当然のこととし、他法令等による広告規制の趣旨に反する広告も行わないものとしています。

例

あるクリニックが、ウェブサイトで自由診療(公的医療保険を使わない診療)の内容を紹介する場面で考えます。ガイドラインの第1の3に沿うと、医療法の規定だけでなく、景品表示法や薬機法等による広告規制もかかわり得る場面です。

原文で確かめる

医療広告又はオンライン診療受診施設に関する広告(以下「医療広告等」という。)の規制については、法に基づく規定の他に、景表法、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法」という。)等があり、これら他法令やそれら法令に関連する広告の指針に違反する広告は、当該他法令に基づく指導・処分等の対象となり得るものである。(中略)このため、他法令等に抵触する内容について広告しないことは当然のことであり、それらの他法令等による広告規制の趣旨に反する広告についても、行わないものとすること。

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。令和8年3月30日最終改正)第1の3

ガイドラインの運用については、厚生労働省の事務連絡(2026年3月)で「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」が示されています。事務連絡は、役所が運用上の注意などを担当者あてに伝える文書です。この事務連絡には、自由診療における限定解除の要件を満たしていない事例や、SNS・動画における広告事例等について、内容を拡充したと書かれています。

事業者間の情報提供の側:医療用医薬品(医師や歯科医師が使う、または処方や指示をして使う医薬品)については、厚生労働省のガイドライン(2018年9月)もあります。販売情報提供活動(販売促進を期待して、医薬品の情報を伝える活動)を扱う文書です。厚生労働省の監視事業の報告書(2025年度)によると、対象は、医薬品製造販売業者(許可を受けて医薬品を市場に出す会社)と、その委託先・提携先企業の活動です。医薬品卸売販売業者(医療機関などに医薬品を卸す業者)の活動も入ります。対象の範囲は『2-9 事業者間の情報提供は、どこまで広告ですか?』で扱います。

文書の正式な名前と番号を確かめる

ガイドラインの正式な名前は、医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(平成30年9月25日 薬生発0925第1号)です。対象の記載は、販売情報提供活動監視事業 報告書(令和7年度)図表6によります。

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理解の確認

管理措置指針の第4に並ぶ7つの項目は、なぜ、表現してよいかを測る基準にはならないのですか?

第4が並べているのは、表示等を適正に管理するための体制の側の項目だからです。周知・啓発、法令遵守の方針等の明確化、情報の確認、情報の共有、担当者等を定めること、事後的に確認するための措置、不当な表示等が明らかになった場合の対応です。指針は、景品表示法第22条第1項が事業者に課した措置について定めるもので、表示の中身を測る物差しそのものは置いていません。表現そのものの基準は、景品表示法では第5条(不当な表示の禁止)、薬機法では第66条(誇大広告等)と医薬品等適正広告基準にあります。

根拠:景品表示法第22条第1項/事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日 内閣府告示第276号)第1・第4(法令確認日 2026-09-08)

確認した根拠の情報を残す期間が、指針で「何年」と一律に決められていないのは、なぜですか?

第4の6が、期間を「表示等の対象となる商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間」と書き、商品やサービスの側の事情に結び付けているからです。別添6の注3の例も、商品やサービスの性質によって長さが変わります。即時に消費される場合又は消費期限が定められている場合は、販売開始日から3か月という例が挙がっています。ほかに、賞味期限・保証期間・流通期間・耐用年数等に応じて定められた期間、他法令に基づく保存期間も挙がっています。アフィリエイトプログラムを利用した広告は、リンクから購入することができなくなるまでの期間に加え、特徴・性質に応じた合理的な期間とされています。

根拠:事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針 第4の6・別添6 注3(法令確認日 2026-09-08)

表示等管理担当者を社内で定めても、景品表示法第24条第1項の勧告の相手がその担当者にならないのは、なぜですか?

担当者又は担当部門をあらかじめ定めること自体が、第22条第1項が事業者に課した措置の一つ(第4の5)だからです。措置を講ずる義務は、事業者に向けられています。社内でだれに監視・監督の権限を持たせるかを決めても、義務がだれにあるかは移りません。指針も第4の5のなお書きで、勧告等の対象となるのはあくまで事業者であり、表示等管理担当者がその対象となるものではないと書いています。同じ理由で、表示等の作成を他の事業者に委ねた場合も、周知・啓発や資料の保管などの措置を講ずる側は変わりません。

根拠:景品表示法第22条第1項・第24条第1項/管理措置指針 第4の1・2・4・5 なお書き・6・7(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第22条・第23条・第24条 e-Gov 法令検索(版 337AC0000000134_20260521_504AC0000000048、施行日 2026-05-21。2026-09-08 確認)
  • 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日 内閣府告示第276号。改正 平成28年4月1日 内閣府告示第125号/令和4年6月29日 内閣府告示第74号/令和6年4月18日 内閣府告示第92号)消費者庁(2026-09-08 確認)
  • 医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)別紙「医薬品等適正広告基準」第2・第3・第4 厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。令和8年3月30日最終改正)第1の2−1・第1の3 厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)について(令和8年3月30日 事務連絡、厚生労働省医政局総務課)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 販売情報提供活動監視事業 報告書(令和7年度)図表6 厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(平成30年9月25日 薬生発0925第1号)厚生労働省。本ページは本体の原文を確認しておらず、名称・番号・対象事業者の範囲は販売情報提供活動監視事業 報告書(令和7年度)図表6 の記載により確認(2026-09-08 確認)