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公開前に確認される観点 — 行政の文書は、何を「確認すること」と書いているか

公開前の確認は、社内の慣行ではなく、法令上の措置として書かれています。求めているのは景品表示法第22条第1項で、事業者に「必要な体制の整備その他の必要な措置」を課しています。その中身は、同条第2項に基づく指針(管理措置指針)の第4に7項目として並んでいます。薬機法の側は医薬品等適正広告基準 第3、医療法の側は医療広告等ガイドライン 第1の3が、広告を行う者の責務を定めています。このページは、これらの文書が「確認すること」と書いている箇所を条項ごとに示します。可否の結論は示しません。

30秒でわかる要点

  • 求めているのは景品表示法第22条第1項。表示等を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を事業者に課し、その中身は同条第2項に基づく管理措置指針(平成26年11月14日 内閣府告示第276号)に置かれています。
  • 指針の第4に並ぶ7項目は、表現の可否の基準ではなく体制の側。周知・啓発、法令遵守の方針等の明確化、情報の確認、情報の共有、担当者等を定めること、事後的に確認するための措置、不当な表示等が明らかになった場合の対応の7つを、規模や業態、取り扱う商品又は役務の内容、取引の態様等に応じ、必要かつ適切な範囲で講ずるものとされています。
  • 確認した根拠は残す。勧告の名宛人は事業者。根拠となる情報は、商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認できるようにするとされ(第4の6)、第24条第1項の勧告等の対象となるのは事業者であって、表示等管理担当者ではないと指針は書いています(第4の5 なお書き)。

公開前の確認を事業者に求めているのは、どの条文か

景品表示法第22条第1項です。表示等を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を、事業者に求めています。

その措置の内容は、同条第2項の規定に基づく指針(管理措置指針)に定められています。

公開前の確認を事業者に求めているのは、景品表示法第22条第1項です。景品表示法は第2章の第4節を「景品類の提供及び表示の管理上の措置」に充てており、第22条第1項が事業者に措置を義務づけ、第2項が、その措置について内閣総理大臣が指針を定めるものとしています。

この第2項に基づいて定められたのが、事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日 内閣府告示第276号)です。以下、管理措置指針と呼びます。

改正として、平成28年4月1日 内閣府告示第125号、令和4年6月29日 内閣府告示第74号、令和6年4月18日 内閣府告示第92号の3つが、指針の冒頭に記載されています。指針は冒頭の第1で、自らの位置づけを次のように書いています。

本指針は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)第22条第1項に規定する事業者が景品表示法で規制される不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するために講ずべき措置に関して、同条第2項の規定に基づき事業者が適切かつ有効な実施を図るために必要な事項について定めるものである。

事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日 内閣府告示第276号。改正 平成28年4月1日 内閣府告示第125号/令和4年6月29日 内閣府告示第74号/令和6年4月18日 内閣府告示第92号)第1

誰に求められている措置か

措置を求められるのは、景品類の提供若しくは自己の供給する商品又は役務についての一般消費者向けの表示(指針の呼び方で「表示等」)をする事業者です。指針の第2の1が、相手を書き分けています。

当該事業者と取引関係はあるが表示等を行っていない事業者(指針の呼び方で「取引関係事業者」)に、措置を求めるものではないとされています。

ただし、自己の供給する商品又は役務について一般消費者に対する表示を行っていない事業者(広告媒体事業者等)についても、書き足しがあります。例えば、当該事業者が、商品又は役務を一般消費者に供給している他の事業者と共同して商品又は役務を一般消費者に供給していると認められる場合です。この場合は景品表示法の適用を受けることから、第22条第1項の規定に基づき必要な措置を講じることが求められる、と書かれています。

薬機法の側で誰が名宛人になるかは規制されるのは誰かで、景品表示法の優良誤認・有利誤認そのものは優良誤認と有利誤認で扱います。

指針は、講ずべき措置をいくつの項目に分けているのか

7項目です。管理措置指針の第4が、周知・啓発から、不当な表示等が明らかになった場合の対応までを並べています。

事業者の規模や業態、取り扱う商品又は役務の内容、取引の態様等に応じ、必要かつ適切な範囲で講ずるものとされています。

管理措置指針の第4が、講ずべき措置を7項目に分けています。並んでいるのは、表示の中身を測る物差しそのものではなく、その物差しを社内のどこに置き、誰に持たせるかという体制の側です。周知・啓発に始まり、不当な表示等が明らかになった場合の対応で終わります。

表1:管理措置指針 第4が挙げる7つの措置
項目指針が書いている内容根拠
景品表示法の考え方の周知・啓発表示等に関係している自社の役員及び従業員に、その職務に応じた周知・啓発を行う。表示等の作成を他の事業者に委ねる場合は、その事業者にも業務に応じて行う。管理措置指針 第4の1
法令遵守の方針等の明確化景品表示法を含む法令遵守の方針や、法令遵守のためにとるべき手順等を明確化する。同 第4の2
表示等に関する情報の確認景品類を提供しようとする場合は違法とならない価額の最高額・総額・種類・提供の方法等を、内容等について積極的に表示を行う場合は当該表示の根拠となる情報を確認する。同 第4の3
表示等に関する情報の共有確認した情報を、当該表示等に関係する各組織部門が必要に応じて共有し確認できるようにする。同 第4の4
表示等を管理するための担当者等を定めること表示等を管理する担当者又は担当部門(表示等管理担当者)をあらかじめ定める。同 第4の5
表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置をとること確認した情報を、商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認するため、資料の保管等の措置をとる。同 第4の6
不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応事実関係を迅速かつ正確に確認し、一般消費者の誤認排除を迅速かつ適正に行い、再発防止に向けた措置を講じる。同 第4の7

7項目の名称は指針の見出しのとおりです。中欄は各項の本文の要旨で、原文は指針の当該項にあります。

7項目のどこまでを、どの程度まで行うかは、事業者によって変わります。第4の柱書が、項目に入る前にそれを述べています。

表示等の管理上の措置として、事業者は、その規模(注2)や業態、取り扱う商品又は役務の内容、取引の態様等に応じ、必要かつ適切な範囲で、次に示す事項に沿うような具体的な措置を講ずる必要がある。

なお、本指針で例示されているもの以外にも不当表示等を防止する措置は存在するところ、事業者がそれぞれの業務内容や社内体制に応じて、必要と考える独自の措置を講じることも重要である。

管理措置指針 第4 柱書

別添の事例は、参考として置かれている

指針は別添で、各項目についての具体的事例を挙げています。ただし、そのとおりにすることを求めるものではありません。

指針の第2の3は、別添に記載した事例が、事業者の理解を助けることを目的に参考として示したものであるとしています。そのうえで、当該事例と同じ措置でなくても、不当表示等を未然に防止するための必要な措置として適切なものであれば、第22条第1項の規定に基づく措置を講じていると判断されると書いています。あわせて、本指針の中で挙げられた事例が同項の規定に基づく必要な措置を網羅するものではないことにも触れています。

別添の冒頭にも、同じ趣旨が置かれています。記載された具体的事例は事業者へのヒアリング等に基づき参考として記載するものであり、各事業者が講じる具体的な措置は、その規模や業態、取り扱う商品又は役務の内容、取引の態様等に応じ、各事業者において個別具体的に判断されるべきものである、としています(別添 柱書)。

要点

第4は「確認する」「定める」「とる」という措置の側を書いた条項で、表示の可否の基準を並べたものではありません。表現そのものの基準は、景品表示法では第5条、薬機法では第66条と医薬品等適正広告基準にあります。

表示の根拠は、公開の前にどこまで確認することとされているのか

内容等について積極的に表示を行う場合に、その表示の根拠となる情報を確認することとされています(第4の3)。

どこまで確認すれば「確認」がなされたといえるかは、個別具体的に判断されると書かれています。

確認することとされているのは、表示の根拠となる情報です。管理措置指針の第4の3が、景品類を提供しようとする場合と、内容等について積極的に表示を行う場合の2つに分けて書いています。

事業者は、(1)景品類を提供しようとする場合、違法とならない景品類の価額の最高額・総額・種類・提供の方法等を、(2)とりわけ、商品又は役務の長所や要点を一般消費者に訴求するために、その内容等について積極的に表示を行う場合には、当該表示の根拠となる情報を確認すること。

この「確認」がなされたといえるかどうかは、表示等の内容、その検証の容易性、当該事業者が払った注意の内容・方法等によって個別具体的に判断されることとなる。

管理措置指針 第4の3

同じ項は、確認の範囲に限度も置いています。小売業者が商品の内容等について積極的に表示を行う場合を例に、事業者が当然把握し得る範囲の情報を表示内容等に応じて適切に確認することは通常求められるとしています。他方で、全ての場合について商品の流通過程を遡って調査を行うことや、商品の鑑定・検査等を行うことまでを求められるものではない、としています。

確認が要る段階は、業態によって数が違う

指針は、商品を提供する段階における情報の確認のみで足りる場合として小売業を、複数の段階における確認を組み合わせて実施することが必要となる場合として飲食業を挙げています。飲食業について挙がっているのは、企画する段階・材料を調達する段階・加工(製造)する段階・実際に提供する段階に至るまでです。

アフィリエイトプログラムを利用した広告を行うような業態については、当該広告を利用する事業者がアフィリエイター等の作成する表示等を確認することが必要となる場合がある、とされています。

別添が段階ごとに挙げている確認の例

  • 企画・設計段階 — 景品表示法の各種運用基準、過去の不当表示等事案の先例等を参考にして、どのような景品類の提供や表示が可能なのか、又は当該表示等をするためにはどのような根拠が必要なのか検討すること(別添3(1))
  • 調達段階 — 調達する原材料等の仕様、規格、表示内容を確認し、最終的な表示内容に与える影響を検討すること(別添3(2))
  • 生産・製造・加工段階 — 生産・製造・加工が仕様書・企画書と整合しているかどうか確認すること(別添3(3))
  • 提供段階 — 企画・設計・調達・生産・製造・加工の各段階における確認事項を集約し、表示の根拠を確認して、最終的な表示を検証すること(別添3(4))

ここでいう「根拠」は、景品表示法第7条第2項の規定により提出を求められる資料とは、条文上の位置づけが別です。第7条第2項の資料が満たすものとされている要件は不実証広告規制で扱います。

確認した根拠は、いつまで残すこととされているのか

表示の対象となる商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認できるようにすることとされています。

保存期間と資料の例は、指針の別添6に付された注に挙げられています。

期間は年数で切られていません。第4の6は、表示等の対象となる商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認できるようにすることとしています。

事業者は、前記3のとおり確認した表示等に関する情報を、表示等の対象となる商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間、事後的に確認するために、例えば、資料の保管等必要な措置をとること。また、表示等の作成を他の事業者に委ねる場合であっても同様の措置をとること。

管理措置指針 第4の6

残す資料の例と、期間の例

別添6の注2は、表示等の根拠となる情報についての資料の例を挙げています。

  • 原材料、原産地、品質、成分等に関する表示 — 企画書、仕様書、契約書等の取引上の書類、原材料調達時の伝票、生産者の証明書、製造工程表、原材料配合表、帳簿、商品そのもの等
  • 効果、性能に関する表示 — 検査データや専門機関による鑑定結果等
  • 価格に関する表示 — 必要とされる期間の売上伝票、帳簿類等
  • そのほか — 商談記録、会議議事録、決裁文書、試算結果、統計資料等

同じ別添6の注3は、合理的と考えられる資料の保存期間の例を挙げています。即時に消費される場合又は消費期限が定められている場合には販売を開始した日から3か月の期間、賞味期限・保証期間・流通期間・耐用年数等に応じて定められた期間、他法令に基づく保存期間が定められている場合の当該期間です。

アフィリエイトプログラムを利用した広告については、別に書かれています。アフィリエイトリンクから当該商品又は役務を購入することができなくなるまでの期間に加え、当該商品又は役務の特徴、性質に応じた合理的な期間とされています。

資料が失われた場合

指針は、この点を用語の説明の側で扱っています。第3の2は、景品表示法第24条第1項に規定する「正当な理由」を、専ら一般消費者の利益の保護の見地から判断されるものとしています。正当な理由がある場合の例として挙げられているのは、事業者が表示等の管理上の措置として表示等の根拠となる資料等を保管していたが、災害等の不可抗力によってそれらが失われた場合です。

医療機関へ渡した資料が行政の文書でどう置かれているかは医療機関へ渡した資料の置かれ方と、資材の管理で扱います。

表示の作成を他の事業者に委ねる場合、何が変わるのか

委ねた場合も、周知・啓発、方針の明確化、情報の共有、資料の保管、不当な表示等が明らかになった場合の対応を同様に行うこととされています。

指針の本文と別添には、アフィリエイトプログラムを利用した広告についての記載が置かれています。

措置を講ずる側は、委ねても変わりません。第4の1・2・4・6・7は、いずれも本文の後段で、表示等の作成を他の事業者に委ねる場合に同様の対応を行うことを書いています。

第4の7は、事実関係の迅速かつ正確な確認、一般消費者の誤認排除、再発防止に向けた措置の3つを挙げたうえで、「また、上記の措置は、事業者が表示等の作成を他の事業者に委ねた場合の表示等において当該事案が発生した場合も含む。」と書いています。

委ねられた側との関係は、第2の1にあります。

しかし、取引関係事業者が、当該表示等を行う事業者から当該表示等の作成を委ねられる場合には、当該表示等を行う事業者は、自らの措置の実効性が確保できるよう、取引関係事業者に対し、自らの措置についての理解を求め、取引関係事業者が作成する表示等が不当表示等に該当することのないよう指示することが求められる。

管理措置指針 第2の1

アフィリエイトプログラムについて書かれている箇所

指針の注4が、アフィリエイトプログラムのビジネスモデルを説明しています。注5は、そのうち2つの場合について書いています。当該事業者の商品又は役務の内容や取引条件についての詳細な表示を行わないものと、広告主とアフィリエイターとの間で当該表示に係る情報のやり取りが一切行われていないものです。

アフィリエイターが自らのアフィリエイトサイトに単にアフィリエイトプログラムを利用した広告を行う事業者のウェブサイトのURLを添付するだけなど、当該事業者の商品又は役務の内容や取引条件についての詳細な表示を行わないようなアフィリエイトプログラムを利用した広告については、通常、不当表示等が発生することはないと考えられる。また、アフィリエイターの表示であっても、広告主とアフィリエイターとの間で当該表示に係る情報のやり取りが一切行われていないなど、アフィリエイトプログラムを利用した広告主による広告とは認められない実態にあるものについては、通常、広告主が表示内容の決定に関与したとされることはないと考えられる。

管理措置指針 第4の3 注5

別添は、事前に全ての表示内容を確認することが困難である場合の例を、3つ挙げています(別添3(4))。表示後可能な限り早い段階で全ての当該表示内容を確認すること、成果報酬の支払額又は支払頻度が高いアフィリエイター等の表示内容を重点的に確認すること、ASP等の他の事業者に表示内容の確認を委託することです。

別添8(1)は、アフィリエイトプログラムを利用した広告を行う事業者の表示であることの明示を扱っています。当該事業者とアフィリエイターとの関係性を理解できるような表示を行うようアフィリエイターに求めるなどの対応が挙げられています。

投稿が誰の表示になるかという問題そのものはSNSの投稿は誰の広告か体験談・口コミは誰の表示かで、Web上の各形態の扱いはWebは全部広告かで扱います。

表示を見る担当者は、どう定めることとされているのか

表示等を管理する担当者又は担当部門を、あらかじめ定めることとされています(管理措置指針 第4の5)。

担当者を定める際に満たすこととされている事項は、5つ挙げられています。

あらかじめ定めることとされているのは、表示等を管理する担当者又は担当部門(表示等管理担当者)です。第4の5は、定めるに際して満たす事項を、次の5つとして挙げています。

  1. 表示等管理担当者が自社の表示等に関して監視・監督権限を有していること
  2. 表示等の作成を他の事業者に委ねる場合は、表示等管理担当者が当該他の事業者が作成する表示等に関して指示・確認権限を有していること
  3. 表示等管理担当者が複数存在する場合、それぞれの権限又は所掌が明確であること
  4. 表示等管理担当者となる者が、例えば、景品表示法の研修を受けるなど、景品表示法に関する一定の知識の習得に努めていること
  5. 表示等管理担当者を社内等(表示等の作成を他の事業者に委ねる場合は当該他の事業者も含む。)において周知する方法が確立していること

専任である必要はないことが、注7に書かれています。一般的な法令遵守等の担当者又は担当部門がその業務の一環として表示等の管理を行うことが可能な場合には、それらを表示等管理担当者に指定することで足りるとされています。

注6は、個人事業主等の小規模企業者やその他の中小企業者において、代表者が表示等を管理している場合には、代表者をその担当者と定めることも可能であるとしています。

別添5は、担当者の定め方の例を挙げています。代表者自身が表示等を管理している場合にその代表者を表示等管理担当者と定めること、既存の品質管理部門・法務部門・コンプライアンス部門を表示等管理部門と定めること、店舗ごとに表示等を策定している場合に店長を定めること、商品カテゴリごとに異なる部門が表示等を策定している場合に各部門の長を定めることです。

措置を講じていない場合に置かれている条文

扱いは、景品表示法の第22条に続く2か条にあります。第23条は指導及び助言を定め、第24条は勧告及び公表を定めています。

担当者を置いても、勧告の名宛人は動きません。指針が、その旨の注記を置いています。

なお、仮に、景品表示法に違反する事実が認められた場合、景品表示法第24条第1項の規定に基づく勧告等の対象となるのは、あくまで事業者であり、表示等管理担当者がその対象となるものではない。

管理措置指針 第4の5 なお書き

薬機法・医療法の側では、どの文書が観点を並べているのか

薬機法の側は医薬品等適正広告基準、医療法の側は医療広告等ガイドラインが、広告を行う者の責務と基準を条項ごとに置いています。

医療広告等ガイドラインは、他法令等に抵触する内容について広告しないことは当然のことである、と書いています(第1の3)。

薬機法の側は医薬品等適正広告基準、医療法の側は医療広告等ガイドラインです。どちらも、広告を行う者の責務を条項として置いています。

薬機法の側 — 医薬品等適正広告基準

医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)は、第2で対象となる広告の範囲を定めています。「新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告」です。責務は第3にあります。

1 医薬品等の広告を行う者は、使用者が当該医薬品等を適正に使用することができるよう、正確な情報の伝達に努めなければならない。

2 医薬品等の広告を行う者は、医薬品等の本質に鑑み、医薬品等の品位を損なう又は信用を傷つけるおそれのある広告は行ってはならない。

医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日 薬生発0929第4号 別紙)第3

基準の第4は、名称関係に始まり、14の項に分かれています。項の並びと解説通知の位置づけは医薬品等適正広告基準 — 本体(薬生発0929第4号)の構成で、そのうち推せんや使用前後の写真を扱う項は使用前後の写真・推せん・受賞歴で扱います。

医療法の側 — 医療広告等ガイドライン

医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正)は、第1の2−1(1)で、医療広告を行う者の責務を書いています。患者等が広告内容を適切に理解して適切に治療等を選択できるよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならないとしています。

同(3)は、広告可能な事項について、医療の内容等が「客観的な評価が可能であり、かつ事後の検証が可能な事項に限られる」と書いています。広告可能事項の限定と、その解除の要件は医療広告規制はなぜ限定列挙なのか限定解除の4要件と、未承認医薬品等を用いる場合の追加記載で扱います。

他法令との関係は、第1の3にあります。

医療広告又はオンライン診療受診施設に関する広告(以下「医療広告等」という。)の規制については、法に基づく規定の他に、景表法、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法」という。)等があり、これら他法令やそれら法令に関連する広告の指針に違反する広告は、当該他法令に基づく指導・処分等の対象となり得るものである。(中略)このため、他法令等に抵触する内容について広告しないことは当然のことであり、それらの他法令等による広告規制の趣旨に反する広告についても、行わないものとすること。

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。令和8年3月30日最終改正)第1の3

同ガイドラインの運用については、令和8年3月30日の事務連絡で「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」が示されています。自由診療における限定解除要件を満たしていない事例やSNS・動画における広告事例等について内容を拡充したと書かれています。

事業者間の情報提供の側

医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(平成30年9月25日 薬生発0925第1号)は、医薬品製造販売業者、その委託先・提携先企業及び医薬品卸売販売業者が行う販売情報提供活動を対象とするものとされています(販売情報提供活動監視事業 報告書(令和7年度)図表6)。その射程は事業者間の情報提供はどこまで広告かで扱います。

1つの表示物に複数の法律が重なるときの見方はどの法律で見るか、制度の見取り図は該当性の判断枠組み、公開後に誰がどこから見るかは違反はどう見つかるかで扱います。

理解の確認

管理措置指針の第4に並ぶ7項目が、表現の可否を測る基準にはならないとされるのはなぜか。

第4が並べているのは、周知・啓発、法令遵守の方針等の明確化、情報の確認、情報の共有、担当者等を定めること、事後的に確認するための措置、不当な表示等が明らかになった場合の対応という、表示等を適正に管理するための体制の側だからです。指針は景品表示法第22条第1項が事業者に課した措置について定めるもので、表示の中身を測る物差しそのものは置いていません。表現そのものの基準は、景品表示法では第5条、薬機法では第66条と医薬品等適正広告基準にあります。

根拠:景品表示法第22条第1項/事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日 内閣府告示第276号)第1・第4(法令確認日 2026-09-08)

確認した表示等の根拠情報を残す期間が、指針で年数によって一律に定められていないのはなぜか。

第4の6が期間を「表示等の対象となる商品又は役務が一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間」と、商品又は役務の側の事情に結び付けて書いているからです。別添6の注3が挙げる例も、即時に消費される場合又は消費期限が定められている場合の販売開始日から3か月、賞味期限・保証期間・流通期間・耐用年数等に応じて定められた期間、他法令に基づく保存期間と、長さが商品又は役務の性質によって変わるものになっています。アフィリエイトプログラムを利用した広告についても、リンクから購入することができなくなるまでの期間に、当該商品又は役務の特徴・性質に応じた合理的な期間を加えるとされています。

根拠:事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針 第4の6・別添6 注3(法令確認日 2026-09-08)

表示等管理担当者を社内に定めても、景品表示法第24条第1項の勧告の相手がその担当者にならないのはなぜか。

担当者又は担当部門をあらかじめ定めること自体が、第22条第1項が事業者に課した措置の一つ(第4の5)だからです。措置を講ずる義務は事業者に向けられており、社内で誰に監視・監督権限を持たせるかを決めても、義務の帰属先は移りません。指針も第4の5のなお書きで、勧告等の対象となるのはあくまで事業者であり、表示等管理担当者がその対象となるものではないと書いています。同じ理由で、表示等の作成を他の事業者に委ねた場合も、周知・啓発や資料の保管などの措置を講ずる側は変わりません。

根拠:景品表示法第22条第1項・第24条第1項/管理措置指針 第4の1・2・4・5 なお書き・6・7(法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第22条・第23条・第24条 e-Gov 法令検索(版 337AC0000000134_20260521_504AC0000000048、施行日 2026-05-21。2026-09-08 確認)
  • 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日 内閣府告示第276号。改正 平成28年4月1日 内閣府告示第125号/令和4年6月29日 内閣府告示第74号/令和6年4月18日 内閣府告示第92号)消費者庁(2026-09-08 確認)
  • 医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)別紙「医薬品等適正広告基準」第2・第3・第4 厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン。令和8年3月30日最終改正)第1の2−1・第1の3 厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)について(令和8年3月30日 事務連絡、厚生労働省医政局総務課)厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 販売情報提供活動監視事業 報告書(令和7年度)図表6 厚生労働省(2026-09-08 確認)
  • 医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(平成30年9月25日 薬生発0925第1号)厚生労働省。本ページは本体の原文を確認しておらず、名称・番号・対象事業者の範囲は販売情報提供活動監視事業 報告書(令和7年度)図表6 の記載により確認(2026-09-08 確認)