製品 卸売供給 選ばれる理由 サポート 製造施設 安全体制 技術資料 ニュース 会員申請
会員ログイン お問い合わせ

法律の用語の意味は、どこに書いてある? — 薬機法・景品表示法・医療法の用語集

化粧品の会社で広報を担当する人が、社内の資料で「医薬部外品」(医薬品よりも作用がおだやかな製品。薬用化粧品など)という語に出会いました。その意味を、法律で確かめる場面を考えます。法律の語の意味は、定義規定(語の意味を定める条文)にまとめて置かれています。ただし、語が出てくる条の括弧書き(かっこに入れて書き添えた部分)に定義がある語や、よく使われるのに定義規定の無い語もあります。このページでは、薬機法・景品表示法(不当な景品類や表示を規制する法律)・医療法(病院や診療所、医療の広告などについて定める法律)の定義を扱います。定義している語を、定義を置いた条文とともに表にし、読み方を例で説明します。

30秒でわかる要点

  • 薬機法の定義は、第2条と第4条に集まっている:第2条は「定義」の条、第4条は薬局の開設の許可の条です。ただし、語が出てくる条の括弧書きに置かれた定義もあります。第1条の「医薬品等」(医薬品や化粧品など、薬機法が扱う5つの製品をまとめた呼び名)、第1条の4の「薬局開設者」(薬局を開く許可を受けた者)がその例です。条見出し(条に付いた短い題)が「定義」の条だけを見ても、見つからない語があります。
  • 薬機法には「広告」の定義規定が無い:何が広告にあたるかの基準は、行政の通知(国の役所が、法律の運用のしかたを自治体などに示す文書)の側に示されています。「広告」を定義しているのは医療法第6条の5第1項の括弧書きで、効く範囲は医療法の第二章第二節に限られます。景品表示法は、第2条第4項で「表示」を定義しています。
  • 定義には効く範囲があり、条番号は動く:第4条第5項の4語は「この条において」、第72条の5第2項の「特定違法広告」は「次条において」と、効く範囲が限られています。特定違法広告は、第66条第1項または第68条に違反する広告を指す語です。第4条第5項は、2027年5月20日に施行(法律の決まりが効力を持ち始めること)される改正で、第4条第9項に繰り下がります(番号が後ろへずれます)。条文を確かめるときは、条番号とあわせて、どの施行日の版かを見ることになります。

1. 医薬品や化粧品など、製品の区分を表す語は、どこで定義されていますか?

薬機法第2条です。製品の区分を表す語は、第2条の第1項から第11項までと、第14項から第17項までに置かれています。

第2条は第一章「総則」(法律全体に共通する決まりを置いた章)にあり、条見出し(条に付いた短い題)は「定義」で、第19項まであります。

法律は、よく使う語の意味を、決まった条文にまとめて書いています。語の意味を定める条文を、定義規定と呼びます。薬機法では、第2条がその中心です。

条文の番号は、大きい順に「条」「項」「号」と数えます。たとえば第2条第1項第2号は、第2条の中にある1つ目の段落(項)の、2つ目の箇条(号)を指します。

表1は、答えの箱に挙げた項の語を、条文の順に並べたものです。第2条の残りの第12項・第13項・第18項・第19項と、第2条以外の条に括弧書きで置かれた語は、2.の節で扱います。

表1の読み方

左の列が語、中の列が定義の文言、右の列がその定義を置いている条・項です。中の列は条文の言葉をそのまま写しているので、「あつて」(「あって」のこと)のような条文の書き方が残っています。長い括弧書きや列挙は「(中略)」で省いています。

右の列に「※」が付いた行は、2027年5月20日に施行(法律の決まりが効力を持ち始めること)される改正で、条文の中の引用が替わるものです。

表1:薬機法が製品の区分について定義している語
用語定義(条文の文言)定義を置いている条文
医薬品日本薬局方に収められている物(第1号)、人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(第2号)、人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(第3号)。第2号・第3号には除外の括弧書きがある第2条第1項
医薬部外品第2条第2項第1号イからハまでに掲げる目的のために使用される物、同項第2号の生物の防除の目的のために使用される物、および同項第3号として厚生労働大臣が指定するものであつて、人体に対する作用が緩和なもの第2条第2項
化粧品人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの(ただし書きによる除外あり)第2条第3項
医療機器人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるもの第2条第4項
高度管理医療機器医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合(中略)において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第5項
管理医療機器高度管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第6項
一般医療機器高度管理医療機器及び管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第7項
特定保守管理医療機器医療機器のうち、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第8項
再生医療等製品第2条第9項第1号・第2号に掲げる物(医薬部外品及び化粧品を除く。)であつて、政令で定めるもの。第1号は人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの、第2号は人又は動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子を含有させたもの第2条第9項
生物由来製品人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第10項
特定生物由来製品生物由来製品のうち、販売し、貸与し、又は授与した後において当該生物由来製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なものであつて、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第11項
体外診断用医薬品専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないもの第2条第14項
指定薬物中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(中略)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(中略)として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第15項
希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品・先駆的医薬品・先駆的医療機器・先駆的再生医療等製品・特定用途医薬品・特定用途医療機器・特定用途再生医療等製品この法律で「希少疾病用医薬品」とは、第七十七条の二第一項の規定による指定を受けた医薬品を、「希少疾病用医療機器」とは、同項の規定による指定を受けた医療機器を、(中略)「先駆的医薬品」とは、同条第二項の規定による指定を受けた医薬品を、(中略)「特定用途医薬品」とは、同条第三項の規定による指定を受けた医薬品を、(中略)をいう第2条第16項(9語を1項でまとめて定義)
特定医薬品医薬品のうち、次に掲げる医薬品以外の医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)。第1号は第4条第5項第3号に規定する要指導医薬品、第2号は同項第4号に規定する一般用医薬品、第3号は薬局開設者が当該薬局における設備及び器具をもつて製造し、当該薬局において直接需要者に販売し、又は授与する医薬品(中略)、第4号はその他製造販売又は販売の状況を把握する必要がないものとして厚生労働省令で定める医薬品第2条第17項 ※2027年5月20日施行の改正後は、第1号・第2号の引用が「第四条第九項第三号」「第四条第九項第四号」に替わる

全15行。定義の欄は、e-Gov 法令検索(国が法令の条文を公開しているサイト)で、薬機法の2026年5月21日施行版から写しました。版ID(施行日ごとの条文を指す識別子)は、表7にまとめています。括弧書きや列挙の一部は、(中略)で省いています。医薬部外品の欄は、第2条第2項第1号イからハまでの目的の列挙を、条番号での参照にとどめました。第16項は1つの項で9つの語を定義しているため、1行にしています。「※」は、2027年5月20日施行版(未施行)の同じ項と照合した結果です。省いた部分を含む原文は、右列の条を e-Gov で開くと読めます。

例

冒頭の広報担当者が「医薬部外品」(医薬品よりも作用がおだやかな製品。薬用化粧品など)の意味を確かめる場面で考えます。表1の「医薬部外品」の行を見ると、右の列は第2条第2項です。中の列の末尾には、人体に対する作用が緩和なもの(体への作用がおだやかなもの)とあります。省いた部分を含む全文は、e-Gov 法令検索で第2条第2項を開くと読めます(開き方は7.の節)。

並んだ語は、違いを比べて読む

第5項から第7項までの3つの語は、医療機器を、副作用や機能の障害が起きた場合に人の生命と健康に影響を与えるおそれの程度で分けた区分です。3つとも、厚生労働大臣が薬事審議会(厚生労働省に置かれた、専門家の審議会)の意見を聴いて指定するものです。

例

表1で「高度管理医療機器」「管理医療機器」「一般医療機器」の3行を並べて読みます。違いは、人の生命及び健康への影響の書き方にあります。順に、重大な影響を与えるおそれがあるもの、影響を与えるおそれがあるもの、影響を与えるおそれがほとんどないもの、です。

定義の末尾が「政令で定めるもの」や「厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの」で終わる語もあります。こうした語は、範囲の線引きを、政令(内閣が定める命令)や大臣の指定に委ねています。省令(大臣が定める命令)に委ねている号もあります。どの項・号がそうなっているかは、次の箱にまとめました。

第2条には、定義の範囲を政令・省令・指定に委ねている項があります。

  • 「政令で定めるもの」で終わる項:第4項の「医療機器」、第9項の「再生医療等製品」
  • 「厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの」で終わる項:第5項から第8項まで、第10項、第11項、第15項
  • 「厚生労働大臣が指定するもの」と書かれた号:第2項第3号
  • 第77条の2の規定による指定を受けたもの:第16項の9語
  • 「厚生労働省令で定める医薬品」と書かれた号:第17項第4号

各区分の定義の中身は、区分ごとに別のページで詳しく扱っています。第2条第1項の3つの型は「医薬品」の定義3類型、第2項・第3項は医薬部外品と化粧品、第4項から第8項までは「医療機器」の定義とクラス分類です。第9項は「再生医療等製品」(人や動物の細胞に培養などの加工をして作る製品など)で扱っています。5つの区分が薬機法全体のどこに置かれているかは『1-1 薬機法は、何のために何を扱う法律?』にあります。

2. 薬局や製造販売など、事業・場所・手続を表す語は、どこで定義されていますか?

薬機法第2条の第12項・第13項・第18項と、第4条です。第1条・第1条の3・第1条の4・第72条の5の括弧書きにも置かれています。

このページで挙げた括弧書き(条文の中で、かっこに入れて書き添えた部分)の定義は、いずれもその語が使われる条に置かれています。

事業・場所・手続を表す語の定義は、2つの場所に分かれています。1つは、第2条のような定義規定です。たとえば「製造販売」(製造または輸入した医薬品等を、販売・貸与・授与することなど)は、第2条第13項にあります。もう1つは、その語が出てくる条の括弧書きで、「以下「○○」という。」と定める形です。

後の形にあたるのは、たとえば次の語です。第1条の「医薬品等」、第1条の3の「保健所を設置する市」、第1条の4の「薬局開設者」、第2条第1項第2号の「機械器具等」と「プログラム」です。条見出しが「定義」でない条にも定義があるため、第2条だけを見ても見つからない語があります。表2は、事業・場所・手続を表す語を、定義規定のものも括弧書きのものも合わせて、条の順に並べたものです。

表2:薬機法が事業・場所・手続について定義している語
用語定義(条文の文言)定義を置いている条文(適用範囲)
医薬品等医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品第1条(括弧書き。以下同じ)
保健所を設置する市地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項の政令で定める市第1条の3(括弧書き。以下同じ)
薬局開設者第4条第1項の許可を受けた者第1条の4(括弧書き。以下同じ)
機械器具等機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム及びこれを記録した記録媒体第2条第1項第2号(括弧書き。以下同じ)
プログラム電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたもの第2条第1項第2号(括弧書き。以下同じ)
薬局薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所(その開設者が併せ行う医薬品の販売業に必要な場所を含む。)。ただし、病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所を除く第2条第12項
製造販売その製造をし、又は輸入をした医薬品(原薬たる医薬品を除く。)、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品を、それぞれ販売し、貸与し、若しくは授与し、又は医療機器プログラムを電気通信回線を通じて提供すること第2条第13項
製造等製造(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を除く。)第2条第13項(括弧書き。以下同じ)
医療機器プログラム医療機器のうちプログラムであるもの第2条第13項(括弧書き。以下同じ)
精神毒性中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)第2条第15項(括弧書き。以下同じ)
治験第14条第3項、第23条の2の5第3項又は第23条の25第3項(中略)の規定により提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施第2条第18項
特定要指導医薬品その適正な使用のために薬剤師の対面による販売又は授与が行われることが特に必要な要指導医薬品として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定する要指導医薬品第4条第3項第4号ロ(括弧書き。以下同じ) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第3項第6号ロ
登録販売者第36条の8第2項の登録を受けた者第4条第5項第1号(この条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第1号
薬局医薬品要指導医薬品及び一般用医薬品以外の医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)第4条第5項第2号(この条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第2号
要指導医薬品第4条第5項第3号イからホまでに掲げる医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて(中略)厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第4条第5項第3号(この条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第3号
対面等薬剤師の対面又は映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法その他の方法により薬剤若しくは医薬品の適正な使用を確保することが可能であると認められる方法として厚生労働省令で定めるもの第4条第5項第3号(括弧書き。以下同じ) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第3号
一般用医薬品医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)第4条第5項第4号(この条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第4号
特定違法広告第66条第1項又は第68条の規定に違反する広告第72条の5第2項(括弧書き。次条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第72条の6第2項(括弧書き。次条において)

全18行。薬機法の2026年5月21日施行版(版IDは表7)から写し、列挙や引用条文の一部を(中略)で省いています。第4条第5項の柱書きは、「この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。」です。この項は、2027年5月20日施行の改正で第4条第9項に繰り下がります。同じ日に、第2条第17項第1号・第2号の引用も替わります。「第四条第五項第三号」「第四条第五項第四号」が、「第四条第九項第三号」「第四条第九項第四号」になります。「※」の行は、2027年5月20日施行版(未施行)の条文と照合した結果です。

例

表2の1行目の「医薬品等」は、第1条の括弧書きで定められた語です。医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の5つを、まとめて呼ぶ語です。第2条の中を探しても、この語の定義は見つかりません。

右の列のかっこは、定義が効く範囲

括弧書きの定義には、効く範囲が書かれているものがあります。表2の右の列には、条・項・号とあわせて、その範囲を書きました。

  • 以下同じ:それより後の条文でも、同じ意味で使います。
  • この条において:その条の中で使う語の意味として定めています。第4条第5項の柱書き(各号の前に置かれた本文)が、この形です。
  • 次条において:次の条の中で使う語の意味として定めています。第72条の5第2項の括弧書きが、この形です。

例

表2の「登録販売者」「薬局医薬品」「要指導医薬品」「一般用医薬品」の4行は、右の列に「この条において」とあります。第4条第5項の柱書きが、そう範囲を限っているためです。同じ第4条第5項の中でも、第3号の括弧書きに置かれた「対面等」は「以下同じ」で、範囲の書き方が違います。

「物」には、プログラムも含まれる

第2条の最後の第19項は、語を定義する形ではなく、別の形で語の範囲に触れています。この法律にいう「物」には、プログラムを含む、という規定です。プログラムは、表2のとおり、電子計算機(コンピュータ)に対する指令を、1つの結果を得られるように組み合わせたものと定義されています。

例

ふだん「物」と聞くと、手に取れる品物を思い浮かべます。薬機法では第19項があるため、コンピュータで動くプログラムも、形は無いものの、この法律にいう「物」に含まれます。

原文で確かめる(第2条第19項)

番号が動く定義:第72条の5第2項

表2の最後の行の「特定違法広告」は、第72条の5第2項の括弧書きに置かれています。第72条の5は、違反広告に係る措置命令(違反の中止などを命じる役所の命令)等を定めた条です。

特定違法広告は、第66条第1項または第68条の規定に違反する広告を指す語です。第66条第1項と第68条は、どちらも第十章「医薬品等の広告」に置かれた規定です。第2項は、特定違法広告の送信を防ぐための要請について定めた項です(原文は、この節の終わりの開閉できる箱にあります)。

この規定は、2027年5月20日に施行される改正で、第72条の6へ繰り下がります(番号が1つ後ろへずれます)。空いた第72条の5には、別の規定が入ります。この法律などに違反する行為があった場合に、業務の運営の改善に必要な措置を命ずることができる、と定める規定です。

直感的なポイント

条番号は、建物の住所に似ています。番号はそのままでも、住人が入れ替わることがあります。

例

ある会社の社内資料に、特定違法広告の定義は第72条の5第2項、とだけ書かれていたとします。改正の施行日(2027年5月20日)より前なら、その番号で定義に行き着きます。施行日以後に第72条の5を開くと、業務運営の改善命令の規定に当たります。定義の括弧書きは、第72条の6第2項に移っています。

原文で確かめる(第72条の5第2項と、番号が動くことの注記)

この条文は、令和7年法律第37号により 2027年5月20日 から 第72条の6 へ繰り下がります。空いた番号には別の規定が入ります(第72条の5 は業務運営の改善命令になります)。2027年以降に条番号だけを引くと、別の規定に当たります。

この施行日は e-Gov 法令検索に確定した施行日として記録されているものです(施行期日を定める政令の番号は未確認)。これに対し 2028年5月20日 施行分は e-Gov 上も予定日で、政令で確定します。

照合した版:2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037。未施行)。

空いた第72条の5に入る規定は、現行の第72条の4と同じく「第七十二条から前条までに規定するもののほか」で始まります。この法律又はこれに基づく命令の規定に違反する行為があった場合に、「その業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる」と定める規定です。

措置命令そのものは第72条の5 措置命令、条番号が動く改正は『8-6 2025年の薬機法改正は、いつから、どの条が変わる?』と条文索引で扱っています。だれがこれらの規定の名宛人(その条文で義務や禁止の対象になる人)になるかは、『1-6 規制されるのは誰?』にあります。

3. 薬機法には、「広告」の定義がありますか?

定義規定はありません。第2条の定義に「広告」は無く、広告の決まりを置く第66条・第68条も、この語を定義しないまま使っています。

医療法は、第6条の5第1項の括弧書きで、同じ節の中に限った「広告」の定義を置いています。

第66条と第68条は、どちらも第十章「医薬品等の広告」に置かれています。

第72条の5第2項の「特定違法広告」も、「広告」そのものの定義ではありません。第66条第1項又は第68条の規定に違反する広告を指す語で、括弧書きは「次条において」と範囲を限っています(2.の節)。

定義が無くても、基準はある

定義規定が無いことは、何が広告にあたるかの基準が無いことを意味しません。薬機法で、どの表示が広告にあたるかの基準は、通知(国の役所が、法律の運用のしかたを自治体などに示す文書)の側に示されています。その内容は『2-1 そもそも薬機法の「広告」とは?』で扱っています。

例

健康食品の会社の営業担当者が、手元の資料が薬機法の広告にあたるのかを知りたくて、第2条を開いたとします。第2条には「広告」の定義が無いので、定義規定を読んでも答えは書かれていません。何が広告にあたるかは、通知が示している基準の側を見ることになります。

医療法の「広告」は、範囲を限った定義

医療法は、これと異なる形をとっています。第6条の5第1項の括弧書きで、「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」を、以下この節では単に「広告」という、と定めています。

括弧書きは「以下この節において」と範囲を限っています。この節は、第二章「医療に関する選択の支援等」の第二節「医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告」です。第6条の5から第6条の8までが置かれています。

例

あるクリニックの受付担当者が、医療法の「広告」の定義を見つけて、それを薬機法の「広告」の意味として読もうとした場面を考えます。医療法の括弧書きは「この節において」と、効く範囲を限っています。そのため、この定義を、そのまま薬機法の「広告」の意味として使うことはできません。

表3は、3つの法律の「広告」「表示」の定義規定を並べたものです。景品表示法は、第2条第4項で「表示」を定義しています(4.の節)。

表3:3つの法律における「広告」「表示」の定義規定
法律・用語定義規定の有無と内容条文
薬機法「広告」定義規定は置かれていない。第2条の定義(第1項から第19項まで)に「広告」は含まれない第66条・第68条は語を定義せずに用いる
医療法「広告」「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」を、以下この節において単に「広告」という第6条の5第1項(括弧書き。第二章第二節の範囲)
景品表示法「表示」顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であつて、内閣総理大臣が指定するもの第2条第4項

全3行。薬機法の行は、2026年5月21日施行版の第2条を通読し、条文全文を「という。」の定義括弧で確認した結果です。医療法は2026年6月5日施行版、景品表示法は2026年5月21日施行版から写しました(版IDは表7)。

医療法の側の枠組みは医療広告規制はなぜ限定列挙なのか、同じ表示物が複数の法律で見られる場合の整理は『7-10 1つの広告や表示に、どの法律がかかり得る?』にあります。

4. 景品表示法は、どの語を条文で定義していますか?

第2条は「事業者」「事業者団体」「景品類」(取引に付けて提供するおまけや賞品など)「表示」の4語を定義しています。第8条は、課徴金(違反で得た売上などをもとに、国が納めさせるお金)に関する5つの語を定義しています。

第7条第2項の括弧書きにも、「措置命令」(違反の中止などを命じる役所の命令)の定義があります。

中心になる定義規定の第2条は、第一章「総則」に置かれています。

第3項の「景品類」は、お客を引きつける手段として、取引に付けて相手に提供する物品や金銭などの経済上の利益(おまけや賞品など)です。この第3項と、第4項の「表示」は、末尾が「内閣総理大臣が指定するものをいう」で終わります。範囲の線引きを、内閣総理大臣の指定に委ねている形です。その指定は、第3条第2項により、告示(国の機関が決めた事項を、広く知らせる形式)で行うものとされています。

「表示」の定義を、分けて読みます。まず、事業者が、お客を引きつける手段として行うものです。次に、自分が供給する商品やサービス(条文の語では「役務」)の内容や取引条件などについてのものです。そのうえで、広告その他の表示のうち、内閣総理大臣が指定するものです。広告だけでなく、「その他の表示」まで含む書き方です。

例

化粧品を扱うA社の担当者が、商品の説明文が景品表示法の「表示」にあたるかを調べる場面で考えます。定義は第2条第4項にあり、末尾は「内閣総理大臣が指定するもの」です。そのため、条文の定義に加えて、第3条第2項による告示の指定まで見ることになります。

第2条の外にも、定義がある

第2条のほかに、第二章の第二節・第三節にも、括弧書きや項の柱書きで置かれた定義があります。表4は、第7条の「措置命令」(第2項)と第8条の5つの語を、第2条の語とあわせて並べたものです。

表4:景品表示法が定義している語(第2条・第7条第2項・第8条)
用語定義(条文の文言)定義を置いている条文
事業者商業、工業、金融業その他の事業を行う者。当該事業を行う者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項及び第三十六条の規定の適用については、これを当該事業者とみなす第2条第1項
事業者団体事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体(中略)第2条第2項
景品類顧客を誘引するための手段として、その方法が直接的であるか間接的であるかを問わず、くじの方法によるかどうかを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引(中略)に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であつて、内閣総理大臣が指定するもの第2条第3項
表示顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であつて、内閣総理大臣が指定するもの第2条第4項
措置命令前項の規定による命令第7条第2項(括弧書き。以下同じ)
課徴金対象行為第5条の規定に違反する行為(同条第3号に該当する表示に係るものを除く。)第8条第1項(括弧書き。以下同じ)
課徴金対象期間課徴金対象行為をした期間(中略。当該期間が三年を超えるときは、当該期間の末日から遡つて三年間とする。)第8条第2項
課徴金納付命令第一項の規定による命令第8条第3項(括弧書き。以下同じ)
基準日前項に規定する課徴金対象行為に係る事案について、次に掲げる行為が行われた日のうち最も早い日第8条第6項
報告徴収等第25条第1項の規定による報告の徴収、帳簿書類その他の物件の提出の命令、立入検査又は質問第8条第6項第1号(括弧書き。第12条第4項において同じ)

全10行。本表は、第2条・第7条第2項・第8条に置かれた定義に限っています。景品表示法の2026年5月21日施行版(版IDは表7)から写し、列挙や条件の一部を(中略)で省きました。定義の欄の「次項」「前項」「第一項」は、条文の文言のままです。「事業者」の欄の「次項」は第2条第2項、「措置命令」の欄の「前項」は第7条第1項を指します。「課徴金納付命令」の欄の「第一項」は第8条第1項、「基準日」の欄の「前項」は第8条第5項を指します。「次に掲げる行為」は、第8条第6項各号を指します。

定義の中には、範囲を限る書き方が入っているものがあります。

例

表4の「課徴金対象期間」の行には、(中略)のあとに「当該期間が三年を超えるときは、当該期間の末日から遡つて三年間とする」とあります。期間の長さに三年の上限を置く書き方です。どこまでを「当該期間」と数えるかの条件は、(中略)で省いた部分にあります。全文は、e-Gov 法令検索で第8条第2項を開いて確かめます(開き方は7.の節)。

効く範囲の書き方にも、違いがあります。「措置命令」の行は「以下同じ」ですが、「報告徴収等」(報告を求めることや立入検査などをまとめた語)の行は、第12条第4項において同じ、と別の条に広げています。

「優良誤認」「有利誤認」は、条文に無い呼び名

「優良誤認」「有利誤認」は、第5条の第1号と第2号が定める不当な表示を指す呼び名です。第5条は、各号で不当な表示の内容を定めています。第1号は品質、規格その他の内容について、第2号は価格その他の取引条件についての表示です。ただ、第5条を含めて、条文本文にこの2つの語は置かれていません。第1号と第2号がそれぞれ何を定めているかは、『7-1 優良誤認と有利誤認は、どこが違う?』で扱っています。

第5条第3号は「内閣総理大臣が指定するもの」と定め、第6条第2項により、その指定は告示によって行うものとされています。第3号に基づく告示のひとつは、『2-7 体験談・口コミは誰の表示になる?』で扱っています。

5. 医療法は、どの語を条文で定義していますか?

「医療提供施設」「病院」「診療所」「介護老人保健施設」「介護医療院」「助産所」「オンライン診療」「オンライン診療受診施設」の8語です。第二章第二節に限った「広告」の定義もあります。

定義は、第一章「総則」の第1条の2第2項・第1条の5・第1条の6・第2条・第2条の2と、第二章の第6条の5第1項に置かれています。

医療法の定義は、第一章「総則」に条ごとに置かれています。これらの条には、条見出しが付いていません。「この法律において、「○○」とは」の形で定義されている語は、2026年6月5日施行版では7語です。

これに、括弧書きの2語を加えたものが表5です。第1条の2第2項の「医療提供施設」と、第二章に置かれた第6条の5第1項の「広告」です。

表5:医療法が定義している語
用語定義(条文の文言)定義を置いている条文
医療提供施設病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設第1条の2第2項(括弧書き。以下同じ)
病院医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するもの(同項には「病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。」との一文が続く)第1条の5第1項
診療所医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの(オンライン診療受診施設であるものを除く。)又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するもの第1条の5第2項
介護老人保健施設介護保険法(平成9年法律第123号)の規定による介護老人保健施設第1条の6第1項
介護医療院介護保険法の規定による介護医療院第1条の6第2項
助産所助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く。)を行う場所第2条第1項
オンライン診療医師又は歯科医師の使用に係る電子計算機(中略)と患者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用し、映像及び音声の送受信により、医師又は歯科医師及び遠隔の地にある患者が相手の状態を相互に認識しながら通話することが可能な方法による診療第2条の2第1項
オンライン診療受診施設当該施設の設置者が、業として、オンライン診療を行う医師又は歯科医師の勤務する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院に対して、その行うオンライン診療を患者が受ける場所として提供する施設第2条の2第2項
広告(第二章第二節に限る)広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示第6条の5第1項(括弧書き。この節において)

全9行。医療法の2026年6月5日施行版(版IDは表7)から写し、括弧書きの一部を(中略)で省いています。第1条の2、第1条の5、第1条の6、第2条、第2条の2、第6条の5には条見出しが付いていません。「診療所」の定義が除外語として使っている「オンライン診療受診施設」は、同じ表の第2条の2第2項の行にあります。

例

医療機関で働き始めた受付担当者が、「病院」と「診療所」は何が違うのかと疑問に思った場面で考えます。表5では、どちらも、医師や歯科医師が医業や歯科医業を行う場所です。条文は、「公衆又は特定多数人のため」(広く一般の人や、決まった多くの人のため)に行う場所と書いています。違いは、入院させる施設の有無と、患者の数です。病院は、二十人以上の患者を入院させる施設を持つものです。診療所は、入院させる施設を持たないもの(オンライン診療受診施設であるものを除く)か、十九人以下の患者を入院させる施設を持つものです。

定義が、別の法律に置かれている語

「医療提供施設」の定義は、薬機法からも参照されています。薬機法第1条の5第2項は、医療提供施設について「医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の二第二項に規定する医療提供施設をいう。」という括弧書きを置いています。

このように、ひとつの語の定義が別の法律に置かれていることがあります。その場合は、定義を置いている法律の条まで辿って読むことになります。

例

薬機法を読んでいて「医療提供施設」の語に出会ったとします。この語の中身は、医療法第1条の2第2項まで辿ると読めます。病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設です(表5)。

一方、医療法は「医業」の語を第1条の5第1項・第2項、第6条の5第1項ほか複数の条で使っていますが、医業の定義規定は置いていません(6.の節)。

医療機関の側に及ぶ広告の規律は『7-6 医療広告は、なぜ「書いてよいこと」を並べる形なのか?』と限定解除の4要件、再生医療等の提供を行う医療機関の側のルールは『5-5 エクソソームなどを使う自由診療で、医療機関が守るルールは?』で扱っています。

6. よく使われるのに、3つの法律の条文に定義が無い語には何がありますか?

「広告」(薬機法)、「優良誤認」「有利誤認」、「健康食品」、「医業」などです。条文に語そのものが出てこないものもあります。

このページでは、3つの法律の条文全文を語で検索して、語が出てくるか、定義があるかを確かめています。

条文に定義規定が無い語は、大きく2つの型に分かれます。

  • 条文で使われているが、定義規定が置かれていない語:薬機法の「広告」、医療法の「医業」
  • 条文本文に語そのものが出てこない語:景品表示法の条文では、「優良誤認」「有利誤認」とステルスマーケティング(広告であることを隠した宣伝を指す呼び名)。3つの法律すべての条文では、「健康食品」「サプリメント」。

表6は、この2つを分けて、確かめ方とともに示したものです。

表6:条文に定義規定が置かれていない語と、その確かめ方
語条文での扱い確かめ方
広告(薬機法)第66条第1項・第68条ほかで用いられているが、第2条の定義(第1項から第19項まで)に含まれず、定義規定は置かれていない薬機法2026年5月21日施行版の第2条を通読し、条文全文を「広告」で検索
優良誤認・有利誤認景品表示法の条文本文に語が現れない。内容は第5条第1号・第2号に置かれている景品表示法2026年5月21日施行版の条文全文を各語で検索(該当0件)
ステルスマーケティング景品表示法の条文本文に語が現れない。第5条第3号は内閣総理大臣が指定するものと定め、その指定は第6条第2項により告示で行われる同上(該当0件)
健康食品薬機法・景品表示法・医療法のいずれの条文本文にも現れない3法の各施行日版の条文全文を検索(該当0件)
サプリメント薬機法・景品表示法・医療法のいずれの条文本文にも現れない同上(該当0件)
医業医療法第1条の5第1項・第2項、第6条の5第1項ほか複数の条で用いられているが、定義規定は置かれていない医療法2026年6月5日施行版の条文全文を「医業」で検索(第1条の5・第6条の5・第6条の6・第6条の8・第10条・第16条・第23条の25・第29条・第30条の4に出現。定義の括弧は無し)

全6行。「条文本文に現れない」は、e-Gov 法令検索から取得した各法の施行日版(版IDは表7)の全文を、語で検索した結果です。政令・省令・告示・通知は検索の対象にしていません。

例

健康食品を扱う会社の広報担当者が、「健康食品」の法律上の定義を探す場面で考えます。薬機法・景品表示法・医療法の条文全文を「健康食品」で検索しても、該当は0件です(表6)。ただし、この検索の対象は3つの法律の条文だけで、政令・省令・告示・通知は検索の対象にしていません。

定義が無いことと、基準が無いことは別

条文に定義が置かれていない語についても、行政の通知・ガイドライン・告示が基準を示している場合があります。薬機法の「広告」がその例で、広告にあたるかどうかの基準は、通知の側にあります(3.の節、『2-1 そもそも薬機法の「広告」とは?』)。

景品表示法第5条第3号の指定は告示で行われ、その内容は『2-7 体験談・口コミは誰の表示になる?』で扱っています。当サイトも、第5条第1号・第2号を扱うページの表題に「優良誤認」「有利誤認」の呼び名を使っています(『7-1 優良誤認と有利誤認は、どこが違う?』)。

このページでは、定義規定がある語は、条・項・号で示しています。定義規定が無い語は、基準を示している通知・告示の名称と発出日・番号を挙げるページへのリンクで示しています。定義規定がある語は表1から表5までに、定義規定が無い語は表6に、分けて載せています。

7. 定義の条文を、自分で原文に当たって確かめるには、どこを開けばよいですか?

e-Gov 法令検索(国が法令の条文を公開しているサイト)です。施行日を指定する形のURLで開くと、その施行日の版の条文を確かめられます。

このページが写した版の版ID(施行日ごとの条文を指す識別子)と施行日は、表7にまとめています。

このページは、e-Gov 法令検索(デジタル庁)から条文を取得しました。法令には、それぞれ法令ID(法令ごとに付いた番号)があり、URLにもこの番号が入ります。

同じ法令でも、改正で条文が変わります。そのため、どの施行日の条文かを指定して開く形のURLもあります。このページは、この2つの形のURLから条文を写しました。このページでは、施行日ごとの条文を指す識別子を「版ID」と呼んでいます。表7は、このページが写した法令の法令IDと版です。

URLの形を正確に書くと、次の2つです。ひとつは「https://laws.e-gov.go.jp/law/」に法令IDを続けた形、もうひとつはその後ろに「施行日8桁_改正法令ID」をスラッシュで区切って続けた形です。版IDは、法令ID・施行日8桁・改正法令IDを、アンダースコアでつないだものです。

表7:本ページが写した法令の法令IDと版
法令名(法令番号)法令ID写した版(版ID・施行日)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)335AC0000000145335AC0000000145_20260521_505AC0000000063(2026年5月21日施行)
同上(2027年5月20日施行版・未施行)335AC0000000145335AC0000000145_20270520_507AC0000000037(2027年5月20日施行)
不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)337AC0000000134337AC0000000134_20260521_504AC0000000048(2026年5月21日施行)
医療法(昭和23年法律第205号)323AC0000000205323AC0000000205_20260605_508AC0000000031(2026年6月5日施行)

全4行。いずれも2026年9月8日に取得した版です。

例

薬機法の2027年5月20日施行版(まだ施行されていない版)を開く場面で考えます。表7の2行目のとおり、法令IDは 335AC0000000145、版IDは 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037 です。版を指定する形のURLでe-Gov 法令検索を開くと、表2の「特定違法広告」の定義の括弧書きが、第72条の5第2項ではなく第72条の6第2項に置かれています。空いた第72条の5には、業務の運営の改善に必要な措置を命ずる規定が入っています。

このように、定義の内容が同じでも、条番号だけを控えていると、施行日をまたいだときに別の規定を指すことがあります。条文を確かめるときは、条番号とあわせて、どの施行日の版かを見ることになります。

条番号から解説ページを引くには条文索引、施行日ごとに変わった条文を追うには改正の時間軸を使えます。条・項・号の数え方や通知の探し方は『1-10 法令や通知の原文は、どこで読める?』で扱っています。

現行と食い違う古い記述の更新は古い理解の一覧、表現とその根拠の対応は『8-4 広告の表現の範囲は、どの資料のどこに書いてある?』にあります。

理解の確認

薬機法の用語を調べるとき、条見出しが「定義」の条だけを読んでも足りないのはなぜですか?

定義は、語が最初に出てくる条の括弧書きで「以下「○○」という。」と置かれることがあるからです。第1条の「医薬品等」、第1条の3の「保健所を設置する市」、第1条の4の「薬局開設者」、第2条第1項第2号の「機械器具等」と「プログラム」が、その形です。括弧書きの定義は、語が使われる場所に付いています。そのため、定義規定を集めた条を通読しても出てきません。語そのもので条文全文を検索すると、この形の定義も拾えます。

根拠:薬機法第1条・第1条の3・第1条の4・第2条第1項第2号(e-Gov 法令検索 2026年5月21日施行版 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063。法令確認日 2026-09-08)

薬機法に「広告」の定義規定が無いことは、何が広告にあたるかの基準が無いことを意味しますか?

意味しません。第2条の定義(第1項から第19項まで)に「広告」は無く、第66条・第68条も語を定義せずに使っています。しかし、何が広告にあたるかの基準は、行政の通知の側に示されています。定義規定の有無は、語の意味を法律のどこに書いたかという問題で、基準があるかどうかとは別です。医療法は、第6条の5第1項の括弧書きに「広告」の定義を置いています。ただ、その括弧書きも「この節において」と効く範囲を限っているので、そのまま薬機法の「広告」の意味として使うことはできません。

根拠:薬機法第2条・第66条・第68条、医療法第6条の5第1項(e-Gov 法令検索 薬機法 2026年5月21日施行版 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063/医療法 2026年6月5日施行版 323AC0000000205_20260605_508AC0000000031。法令確認日 2026-09-08)

定義や規定の中身が変わっていなくても、条番号だけを控えておくと、後で別の規定を指してしまうことがあるのはなぜですか?

条が繰り下がったあと、空いた番号に別の規定が入ることがあるからです。「特定違法広告」の括弧書きを置いた違反広告に係る措置命令の規定は、2027年5月20日施行版では第72条の5から第72条の6へ移ります。空いた第72条の5には、業務の運営の改善に必要な措置を命ずる規定が入ります。同じ日に、第4条第5項の4語も第4条第9項へ繰り下がり、それを引用している第2条第17項第1号・第2号の引用先も書き替わります。条文を確かめるときは、条番号とあわせて、どの施行日の版かを見ることになります。

根拠:薬機法第72条の5第2項・第4条第5項・第2条第17項(e-Gov 法令検索 2026年5月21日施行版 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063 と 2027年5月20日施行版 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037(未施行)の照合。法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第1条・第1条の3・第1条の4・第1条の5・第2条・第4条・第66条・第68条・第72条の4・第72条の5 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。2026年5月21日施行版、版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)
  • 薬機法 2027年5月20日施行版条文(令和7年法律第37号による条番号繰下げ後、版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037。未施行)第2条・第4条・第72条の5・第72条の6 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第2条・第3条・第5条・第6条・第7条・第8条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。2026年5月21日施行版、版ID 337AC0000000134_20260521_504AC0000000048)
  • 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の2・第1条の5・第1条の6・第2条・第2条の2・第6条の5 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。2026年6月5日施行版、版ID 323AC0000000205_20260605_508AC0000000031)
  • e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)