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法令用語集 — 薬機法・景品表示法・医療法の用語と、定義を置いている条文

語の意味は、その語を使っている条文の側ではなく、定義規定に置かれています。薬機法では第2条と第4条、景品表示法では第2条・第7条・第8条、医療法では第1条の2・第1条の5・第1条の6・第2条・第2条の2と第6条の5がその位置にあたります。一方で「広告」(薬機法)、「優良誤認」、「健康食品」のように、実務で使われながら定義規定が置かれていない語もあります。このページは、3つの法律が現に定義している語を条の順に並べ、定義規定が無い語については無いと書いた一覧です。

30秒でわかる要点

  • 薬機法の定義は第2条と第4条に集まっています。ただし第1条の「医薬品等」、第1条の4の「薬局開設者」のように、語が出てくる条の括弧書きに置かれた定義もあります。条見出しが「定義」の条だけを見ても、見つからない語があります。
  • 薬機法に「広告」の定義規定はありません。「広告」を定義しているのは医療法第6条の5第1項の括弧書きで、範囲は第二章第二節に限られます。景品表示法は第2条第4項で「表示」を定義しています。
  • 定義には効く範囲があり、条番号は動きます。第4条第5項の4語は「この条において」、第72条の5第2項の「特定違法広告」は「次条において」と限られ、前者は2027年5月20日施行の改正で第4条第9項に繰り下がります。

薬機法が扱う製品の区分を指す語は、どの条文が定義しているのか

薬機法第2条です。製品の区分を指す語は、第1項から第11項までと、第14項から第17項までに置かれています。

第2条は第一章「総則」に置かれ、条見出しは「定義」です。第19項まであります。

製品の区分を指す語は、すべて第2条に置かれています。第2条は第一章「総則」に置かれ、条見出しは「定義」、第1項から第19項まであります。このうち製品の区分にあたるのは、第1項から第11項までと、第14項から第17項までです。

残りの第12項・第13項・第18項・第19項と、第2条以外の条に括弧書きで置かれた語は、次節で扱います。

表1:薬機法が製品の区分について定義している語
用語定義(条文の文言)定義を置いている条文
医薬品日本薬局方に収められている物(第1号)、人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(第2号)、人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(第3号)。第2号・第3号には除外の括弧書きがある第2条第1項
医薬部外品第2条第2項第1号イからハまでに掲げる目的のために使用される物、同項第2号の生物の防除の目的のために使用される物、および同項第3号として厚生労働大臣が指定するものであつて、人体に対する作用が緩和なもの第2条第2項
化粧品人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの(ただし書きによる除外あり)第2条第3項
医療機器人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるもの第2条第4項
高度管理医療機器医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合(中略)において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第5項
管理医療機器高度管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第6項
一般医療機器高度管理医療機器及び管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第7項
特定保守管理医療機器医療機器のうち、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第8項
再生医療等製品第2条第9項第1号・第2号に掲げる物(医薬部外品及び化粧品を除く。)であつて、政令で定めるもの。第1号は人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの、第2号は人又は動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子を含有させたもの第2条第9項
生物由来製品人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第10項
特定生物由来製品生物由来製品のうち、販売し、貸与し、又は授与した後において当該生物由来製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なものであつて、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第11項
体外診断用医薬品専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないもの第2条第14項
指定薬物中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(中略)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(中略)として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第2条第15項
希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品・先駆的医薬品・先駆的医療機器・先駆的再生医療等製品・特定用途医薬品・特定用途医療機器・特定用途再生医療等製品この法律で「希少疾病用医薬品」とは、第七十七条の二第一項の規定による指定を受けた医薬品を、「希少疾病用医療機器」とは、同項の規定による指定を受けた医療機器を、(中略)「先駆的医薬品」とは、同条第二項の規定による指定を受けた医薬品を、(中略)「特定用途医薬品」とは、同条第三項の規定による指定を受けた医薬品を、(中略)をいう第2条第16項(9語を1項でまとめて定義)
特定医薬品医薬品のうち、次に掲げる医薬品以外の医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)。第1号は第4条第5項第3号に規定する要指導医薬品、第2号は同項第4号に規定する一般用医薬品、第3号は薬局開設者が当該薬局における設備及び器具をもつて製造し、当該薬局において直接需要者に販売し、又は授与する医薬品(中略)、第4号はその他製造販売又は販売の状況を把握する必要がないものとして厚生労働省令で定める医薬品第2条第17項 ※2027年5月20日施行の改正後は、第1号・第2号の引用が「第四条第九項第三号」「第四条第九項第四号」に替わる

全15行。定義の欄は、e-Gov 法令検索の薬機法 2026年5月21日施行版(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)の条文から写し、括弧書きや列挙の一部を(中略)で省いています。医薬部外品の欄は、第2条第2項第1号イからハまでの目的の列挙を条番号での参照にとどめました。第16項は1つの項で9つの語を定義しているため1行にしています。「※」は、2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037。未施行)の同項を照合した結果です。省いた部分を含む原文は、右列の条を e-Gov で開くと読めます。

各語の定義がどう当てはめられているかは、区分ごとに別のページで扱っています。第2条第1項の3類型は「医薬品」の定義3類型、第2項・第3項は医薬部外品と化粧品、第4項から第8項までは「医療機器」の定義とクラス分類、第9項は「再生医療等製品」です。5つの区分が薬機法全体のどこに置かれているかは薬機法とは何を規制する法律かで扱っています。

第2条には、定義の範囲を政令・省令・指定に委ねている項があります。第4項の「医療機器」と第9項の「再生医療等製品」は「政令で定めるもの」で終わります。第5項から第8項まで、第10項、第11項、第15項は「厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの」で終わります。

第2項第3号は「厚生労働大臣が指定するもの」、第16項の9語は第77条の2の規定による指定を受けたもの、第17項第4号は「厚生労働省令で定める医薬品」と書かれています。

事業・場所・手続を指す語は、どこで定義されているのか

薬機法第2条の第12項・第13項・第18項と第4条です。第1条・第1条の3・第1条の4・第72条の5の括弧書きにも置かれています。

本ページが挙げた括弧書きの定義は、いずれもその語が使われる条に置かれています。

事業・場所・手続の語は、2か所に分かれて置かれています。ひとつは第2条の定義規定、もうひとつは、その語が出てくる条の括弧書きで「以下「○○」という。」と定める形です。第1条の「医薬品等」、第1条の3の「保健所を設置する市」、第1条の4の「薬局開設者」、第2条第1項第2号の「機械器具等」と「プログラム」が後者にあたります。

条見出しが「定義」でない条にも定義が置かれているため、第2条だけを見ても見つからない語があります。第2条の末尾には、定義とは別の形で語の範囲に触れる規定も置かれています。

括弧書きの定義には、効く範囲が書かれているものがあります。第4条第5項の柱書きは「この条において」と限り、第72条の5第2項の括弧書きは「次条において」と限っています。表2の右列には、条・項・号とあわせてその範囲を書きました。

表2:薬機法が事業・場所・手続について定義している語
用語定義(条文の文言)定義を置いている条文(適用範囲)
医薬品等医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品第1条(括弧書き。以下同じ)
保健所を設置する市地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項の政令で定める市第1条の3(括弧書き。以下同じ)
薬局開設者第4条第1項の許可を受けた者第1条の4(括弧書き。以下同じ)
機械器具等機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム及びこれを記録した記録媒体第2条第1項第2号(括弧書き。以下同じ)
プログラム電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたもの第2条第1項第2号(括弧書き。以下同じ)
薬局薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所(その開設者が併せ行う医薬品の販売業に必要な場所を含む。)。ただし、病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所を除く第2条第12項
製造販売その製造をし、又は輸入をした医薬品(原薬たる医薬品を除く。)、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品を、それぞれ販売し、貸与し、若しくは授与し、又は医療機器プログラムを電気通信回線を通じて提供すること第2条第13項
製造等製造(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を除く。)第2条第13項(括弧書き。以下同じ)
医療機器プログラム医療機器のうちプログラムであるもの第2条第13項(括弧書き。以下同じ)
精神毒性中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)第2条第15項(括弧書き。以下同じ)
治験第14条第3項、第23条の2の5第3項又は第23条の25第3項(中略)の規定により提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施第2条第18項
特定要指導医薬品その適正な使用のために薬剤師の対面による販売又は授与が行われることが特に必要な要指導医薬品として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定する要指導医薬品第4条第3項第4号ロ(括弧書き。以下同じ) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第3項第6号ロ
登録販売者第36条の8第2項の登録を受けた者第4条第5項第1号(この条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第1号
薬局医薬品要指導医薬品及び一般用医薬品以外の医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)第4条第5項第2号(この条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第2号
要指導医薬品第4条第5項第3号イからホまでに掲げる医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて(中略)厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの第4条第5項第3号(この条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第3号
対面等薬剤師の対面又は映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法その他の方法により薬剤若しくは医薬品の適正な使用を確保することが可能であると認められる方法として厚生労働省令で定めるもの第4条第5項第3号(括弧書き。以下同じ) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第3号
一般用医薬品医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)第4条第5項第4号(この条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第4条第9項第4号
特定違法広告第66条第1項又は第68条の規定に違反する広告第72条の5第2項(括弧書き。次条において) ※2027年5月20日施行の改正後は第72条の6第2項(括弧書き。次条において)

全18行。薬機法 2026年5月21日施行版(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)から写し、列挙や引用条文の一部を(中略)で省いています。第4条第5項の柱書きは「この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。」で、この項は2027年5月20日施行の改正で第4条第9項に繰り下がります(同日、第2条第17項第1号・第2号の引用も「第四条第五項第三号」「第四条第五項第四号」から「第四条第九項第三号」「第四条第九項第四号」に替わります)。「※」の行は、e-Gov 法令検索の2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037。未施行)の条文と照合した結果です。

条番号が動く定義:第72条の5第2項

表2の最後の行の「特定違法広告」は、違反広告に係る措置命令の条の第2項に、括弧書きで置かれています。

この条文は、令和7年法律第37号により 2027年5月20日 から 第72条の6 へ繰り下がります。空いた番号には別の規定が入ります(第72条の5 は業務運営の改善命令になります)。2027年以降に条番号だけを引くと、別の規定に当たります。

この施行日は e-Gov 法令検索に確定した施行日として記録されているものです(施行期日を定める政令の番号は未確認)。これに対し 2028年5月20日 施行分は e-Gov 上も予定日で、政令で確定します。

2027年5月20日施行版(版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037。未施行)では、この規定は第72条の6に置かれています。空いた第72条の5には、別の規定が入ります。

入る規定は、現行の第72条の4と同じく「第七十二条から前条までに規定するもののほか」で始まります。この法律又はこれに基づく命令の規定に違反する行為があった場合に「その業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる」と定める規定です。

条番号は建物の住所に似ていて、番号はそのままで住人が入れ替わることがあります。2027年5月20日以後に第72条の5を引くと、そこにあるのは違反広告に係る措置命令ではなく、この業務運営の改善命令です。

措置命令そのものは第72条の5 措置命令、条番号が動く改正は改正の時間軸条文索引で扱っています。誰がこれらの規定の名宛人になるかは規制されるのは誰かにあります。

薬機法に「広告」の定義規定はあるのか

置かれていません。第2条の定義に「広告」は無く、第66条・第68条は語を定義せずに用いています。

医療法は第6条の5第1項の括弧書きで、同節に限った「広告」の定義を置いています。

薬機法に「広告」の定義規定は置かれていません。第2条は第1項から第19項まで語を定義していますが、その中に「広告」はありません。第十章「医薬品等の広告」に置かれた第66条と第68条も、「広告」の語を定義せずに用いています。

第72条の5第2項は「特定違法広告」を定義していますが、これは第66条第1項又は第68条の規定に違反する広告を指す語です。括弧書きは「次条において」と範囲を限っており、「広告」そのものの定義ではありません。

医療法は、これと異なる形をとっています。

括弧書きは「以下この節において」と範囲を限っています。この節は第二章「医療に関する選択の支援等」の第二節「医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告」で、第6条の5から第6条の8までが置かれています。

表3:3つの法律における「広告」「表示」の定義規定
法律・用語定義規定の有無と内容条文
薬機法「広告」定義規定は置かれていない。第2条の定義(第1項から第19項まで)に「広告」は含まれない第66条・第68条は語を定義せずに用いる
医療法「広告」「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」を、以下この節において単に「広告」という第6条の5第1項(括弧書き。第二章第二節の範囲)
景品表示法「表示」顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であつて、内閣総理大臣が指定するもの第2条第4項

全3行。薬機法の行は、2026年5月21日施行版(版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)の第2条を通読し、条文全文を「という。」の定義括弧で確認した結果です。医療法は2026年6月5日施行版(版ID 323AC0000000205_20260605_508AC0000000031)、景品表示法は2026年5月21日施行版(版ID 337AC0000000134_20260521_504AC0000000048)から写しました。

薬機法で、どの表示が広告にあたるかの基準は通知の側に示されています。その内容はそもそも「広告」とは — 薬機法における広告該当性の3要件で扱っています。医療法の側の枠組みは医療広告規制はなぜ限定列挙なのか、同じ表示物が複数の法律で見られる場合の整理はどの法律で見るかにあります。

景品表示法は、どの語を条文で定義しているのか

第2条が「事業者」「事業者団体」「景品類」「表示」の4語を、第8条が課徴金に関する5つの語を定義しています。

第7条第2項の括弧書きにも「措置命令」の定義があります。「景品類」と「表示」は、末尾が内閣総理大臣の指定に委ねられています。

景品表示法の定義規定は、第一章「総則」の第2条です。第1項から第4項までに4つの語が置かれています。このうち第3項の「景品類」と第4項の「表示」は、末尾が「内閣総理大臣が指定するものをいう」で終わります。その指定は、第3条第2項により告示で行うものとされています。

定義は第2条だけではありません。第二節と第三節にも、括弧書きや項の柱書きで置かれた定義があります。第7条第2項の「措置命令」と、第8条の5つの語がそれにあたります。

表4:景品表示法が定義している語(第2条・第7条第2項・第8条)
用語定義(条文の文言)定義を置いている条文
事業者商業、工業、金融業その他の事業を行う者。当該事業を行う者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項及び第三十六条の規定の適用については、これを当該事業者とみなす第2条第1項
事業者団体事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体(中略)第2条第2項
景品類顧客を誘引するための手段として、その方法が直接的であるか間接的であるかを問わず、くじの方法によるかどうかを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引(中略)に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であつて、内閣総理大臣が指定するもの第2条第3項
表示顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であつて、内閣総理大臣が指定するもの第2条第4項
措置命令前項の規定による命令第7条第2項(括弧書き。以下同じ)
課徴金対象行為第5条の規定に違反する行為(同条第3号に該当する表示に係るものを除く。)第8条第1項(括弧書き。以下同じ)
課徴金対象期間課徴金対象行為をした期間(中略。当該期間が三年を超えるときは、当該期間の末日から遡つて三年間とする。)第8条第2項
課徴金納付命令第一項の規定による命令第8条第3項(括弧書き。以下同じ)
基準日前項に規定する課徴金対象行為に係る事案について、次に掲げる行為が行われた日のうち最も早い日第8条第6項
報告徴収等第25条第1項の規定による報告の徴収、帳簿書類その他の物件の提出の命令、立入検査又は質問第8条第6項第1号(括弧書き。第12条第4項において同じ)

全10行。本表は第2条・第7条第2項・第8条に置かれた定義に限っています。景品表示法 2026年5月21日施行版(版ID 337AC0000000134_20260521_504AC0000000048)から写し、列挙や条件の一部を(中略)で省きました。定義の欄の「次項」「前項」「第一項」は条文の文言のままです。「事業者」の欄の「次項」は第2条第2項、「措置命令」の欄の「前項」は第7条第1項、「課徴金納付命令」の欄の「第一項」は第8条第1項、「基準日」の欄の「前項」は第8条第5項、「次に掲げる行為」は第8条第6項各号を指します。

第5条は各号で不当な表示の内容を定めていますが、この条を含めて条文本文に「優良誤認」「有利誤認」の語は置かれていません。第1号と第2号がそれぞれ何を定めているかは優良誤認と有利誤認 — 景品表示法第5条第1号と第2号は、条文のどこが違うのかで扱っています。

第5条第3号は「内閣総理大臣が指定するもの」と定め、第6条第2項により、その指定は告示によって行うものとされています。第3号に基づく告示のひとつは体験談・口コミは誰の表示かで扱っています。

医療法は、どの語を条文で定義しているのか

医療法の定義は第一章「総則」にあります。第1条の2第2項・第1条の5・第1条の6・第2条・第2条の2と、第二章の第6条の5第1項です。

病院と診療所の別は、入院させるための施設の有無と患者の数で書かれています。

医療法の定義は、第一章「総則」に条ごとに置かれています。条見出しは付いていません。「この法律において、「○○」とは」の形で定義されている語は、2026年6月5日施行版では7語です。

これに括弧書きの2語、すなわち第1条の2第2項の「医療提供施設」と、第二章に置かれた第6条の5第1項の「広告」を加えたものが表5です。

表5:医療法が定義している語
用語定義(条文の文言)定義を置いている条文
医療提供施設病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設第1条の2第2項(括弧書き。以下同じ)
病院医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するもの(同項には「病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。」との一文が続く)第1条の5第1項
診療所医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの(オンライン診療受診施設であるものを除く。)又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するもの第1条の5第2項
介護老人保健施設介護保険法(平成9年法律第123号)の規定による介護老人保健施設第1条の6第1項
介護医療院介護保険法の規定による介護医療院第1条の6第2項
助産所助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く。)を行う場所第2条第1項
オンライン診療医師又は歯科医師の使用に係る電子計算機(中略)と患者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用し、映像及び音声の送受信により、医師又は歯科医師及び遠隔の地にある患者が相手の状態を相互に認識しながら通話することが可能な方法による診療第2条の2第1項
オンライン診療受診施設当該施設の設置者が、業として、オンライン診療を行う医師又は歯科医師の勤務する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院に対して、その行うオンライン診療を患者が受ける場所として提供する施設第2条の2第2項
広告(第二章第二節に限る)広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示第6条の5第1項(括弧書き。この節において)

全9行。医療法 2026年6月5日施行版(版ID 323AC0000000205_20260605_508AC0000000031)から写し、括弧書きの一部を(中略)で省いています。第1条の2、第1条の5、第1条の6、第2条、第2条の2、第6条の5には条見出しが付いていません。「診療所」の定義が除外語として使っている「オンライン診療受診施設」は、同じ表の第2条の2第2項の行にあります。

「医療提供施設」の定義は、薬機法からも参照されています。薬機法第1条の5第2項は、医療提供施設について「医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の二第二項に規定する医療提供施設をいう。」という括弧書きを置いています。ひとつの語の定義が別の法律に置かれている場合、その法律の条まで辿ることになります。

一方、医療法は「医業」の語を第1条の5第1項・第2項、第6条の5第1項ほか複数の条で用いていますが、医業の定義規定は置いていません。

医療機関の側に及ぶ広告の規律は医療広告規制はなぜ限定列挙なのか限定解除の4要件、再生医療等の提供を行う医療機関側のルールは医療機関側のルールで扱っています。

実務で使われるが、条文に定義が置かれていない語には何があるか

「広告」(薬機法)、「優良誤認」「有利誤認」、「健康食品」、「医業」などです。条文に語自体が無いものもあります。

本ページでは、3つの法律の条文全文を語で検索して有無を確かめています。

条文に定義規定が無い語は、2つの型に分かれます。ひとつは、条文で用いられているが定義規定が置かれていない語。もうひとつは、条文本文に語そのものが現れない語です。表6は、その別を分けて示したものです。

表6:条文に定義規定が置かれていない語と、その確かめ方
条文での扱い確かめ方
広告(薬機法)第66条第1項・第68条ほかで用いられているが、第2条の定義(第1項から第19項まで)に含まれず、定義規定は置かれていない薬機法2026年5月21日施行版の第2条を通読し、条文全文を「広告」で検索
優良誤認・有利誤認景品表示法の条文本文に語が現れない。内容は第5条第1号・第2号に置かれている景品表示法2026年5月21日施行版の条文全文を各語で検索(該当0件)
ステルスマーケティング景品表示法の条文本文に語が現れない。第5条第3号は内閣総理大臣が指定するものと定め、その指定は第6条第2項により告示で行われる同上(該当0件)
健康食品薬機法・景品表示法・医療法のいずれの条文本文にも現れない3法の各施行日版の条文全文を検索(該当0件)
サプリメント薬機法・景品表示法・医療法のいずれの条文本文にも現れない同上(該当0件)
医業医療法第1条の5第1項・第2項、第6条の5第1項ほか複数の条で用いられているが、定義規定は置かれていない医療法2026年6月5日施行版の条文全文を「医業」で検索(第1条の5・第6条の5・第6条の6・第6条の8・第10条・第16条・第23条の25・第29条・第30条の4に出現。定義の括弧は無し)

全6行。「条文本文に現れない」は、e-Gov 法令検索から取得した各法の施行日版の全文(薬機法 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063、景品表示法 337AC0000000134_20260521_504AC0000000048、医療法 323AC0000000205_20260605_508AC0000000031)を語で検索した結果です。政令・省令・告示・通知は検索の対象にしていません。

定義が無いことと、基準が無いことは別

条文に定義が置かれていない語についても、行政の通知・ガイドライン・告示が基準を示している場合があります。薬機法の「広告」がその例で、該当性の基準は通知の側にあります(そもそも「広告」とは)。

景品表示法第5条第3号の指定は告示で行われ、その内容は体験談・口コミは誰の表示かで扱っています。当サイトも第5条第1号・第2号を扱うページの表題に「優良誤認」「有利誤認」の呼称を用いています(優良誤認と有利誤認)。

要点

本ページでは、定義規定がある語は条・項・号で示し、定義規定が無い語については、基準を示している通知・告示の名称と発出日・番号を挙げるページへのリンクで示しています。表1から表5までの右列に条・項が入っているかどうかが、その別にあたります。

定義の条文を、自分で原典に当たって確かめるにはどこを開くのか

e-Gov 法令検索です。本ページは、法令IDを含むURLと、施行日別の版を指すURLの2つの形から条文を写しました。

本ページが写した版の版IDと施行日は、各表の注記に書いています。

本ページは、e-Gov 法令検索(デジタル庁)から条文を取得しました。用いたURLは2つの形です。ひとつは「https://laws.e-gov.go.jp/law/」に法令IDを続けた形、もうひとつはその後ろに「施行日8桁_改正法令ID」をスラッシュで区切って続けた形です。本ページが「版ID」と書いているのは、法令ID・施行日8桁・改正法令IDをアンダースコアでつないだ、施行日別の条文を指す識別子です。

表7:本ページが写した法令の法令IDと版
法令名(法令番号)法令ID写した版(版ID・施行日)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)335AC0000000145335AC0000000145_20260521_505AC0000000063(2026年5月21日施行)
同上(2027年5月20日施行版・未施行)335AC0000000145335AC0000000145_20270520_507AC0000000037(2027年5月20日施行)
不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)337AC0000000134337AC0000000134_20260521_504AC0000000048(2026年5月21日施行)
医療法(昭和23年法律第205号)323AC0000000205323AC0000000205_20260605_508AC0000000031(2026年6月5日施行)

全4行。いずれも2026年9月8日に取得した版です。

施行日を指定した版のURLは、たとえば薬機法の2027年5月20日施行版がe-Gov 法令検索で開きます。この版では、表2に挙げた「特定違法広告」の定義の括弧書きが、第72条の5第2項ではなく第72条の6第2項に置かれています。空いた第72条の5には、業務の運営の改善に必要な措置を命ずる規定が入っています。

2027年5月20日以後に第72条の5を引くと、違反広告に係る措置命令ではなく、その業務運営の改善命令に当たります。定義の内容が同じでも、条番号だけを控えていると、施行日をまたいだときに別の規定を指すことになります。

条番号から解説ページを引くには条文索引、施行日ごとに変わった条文を追うには改正の時間軸、条・項・号の数え方や通知の探し方は法令・通知の読み方で扱っています。

現行と食い違う古い記述の更新は古い理解の一覧、表現とその根拠の対応は表現と根拠の対照表にあります。

理解の確認

薬機法の用語を調べるとき、条見出しが「定義」の条だけを読んでも足りないのはなぜか。

定義は、語が最初に出てくる条の括弧書きで「以下「○○」という。」と置かれることがあるからです。第1条の「医薬品等」、第1条の3の「保健所を設置する市」、第1条の4の「薬局開設者」、第2条第1項第2号の「機械器具等」と「プログラム」がその形です。括弧書きの定義は語の使われる場所に付いているので、定義規定を集めた条を通読しても現れません。語そのもので条文全文を検索すると、この形の定義も拾えます。

根拠:薬機法第1条・第1条の3・第1条の4・第2条第1項第2号(e-Gov 法令検索 2026年5月21日施行版 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063。法令確認日 2026-09-08)

薬機法に「広告」の定義規定が置かれていないことは、何が広告にあたるかの基準が無いことを意味するか。

意味しません。第2条の定義(第1項から第19項まで)に「広告」は無く、第66条・第68条も語を定義せずに用いていますが、何が広告にあたるかの基準は行政の通知の側に示されています。定義規定の有無は、語の意味を法律のどこに書いたかという問題であって、基準があるかどうかとは別です。医療法は第6条の5第1項の括弧書きに「広告」の定義を置いていますが、その括弧書きも「この節において」と効く範囲を限っているので、そのまま薬機法の「広告」の意味として使うことはできません。

根拠:薬機法第2条・第66条・第68条、医療法第6条の5第1項(e-Gov 法令検索 薬機法 2026年5月21日施行版 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063/医療法 2026年6月5日施行版 323AC0000000205_20260605_508AC0000000031。法令確認日 2026-09-08)

定義や規定の内容が変わっていなくても、条番号だけを控えておくと後で別の規定を指してしまうことがあるのはなぜか。

条が繰り下がったあと、空いた番号に別の規定が入ることがあるからです。「特定違法広告」の括弧書きを置いた違反広告に係る措置命令は、2027年5月20日施行版では第72条の5から第72条の6へ移り、空いた第72条の5には業務の運営の改善に必要な措置を命ずる規定が入ります。同じ日に第4条第5項の4語も第4条第9項へ繰り下がり、それを引用している第2条第17項第1号・第2号の引用先も書き替わります。条文を確かめるときは、条番号とあわせて、どの施行日の版かを見ることになります。

根拠:薬機法第72条の5第2項・第4条第5項・第2条第17項(e-Gov 法令検索 2026年5月21日施行版 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063 と 2027年5月20日施行版 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037(未施行)の照合。法令確認日 2026-09-08)

次に読む

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第1条・第1条の3・第1条の4・第1条の5・第2条・第4条・第66条・第68条・第72条の4・第72条の5 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。2026年5月21日施行版、版ID 335AC0000000145_20260521_505AC0000000063)
  • 薬機法 2027年5月20日施行版条文(令和7年法律第37号による条番号繰下げ後、版ID 335AC0000000145_20270520_507AC0000000037。未施行)第2条・第4条・第72条の5・第72条の6 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)
  • 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第2条・第3条・第5条・第6条・第7条・第8条 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。2026年5月21日施行版、版ID 337AC0000000134_20260521_504AC0000000048)
  • 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の2・第1条の5・第1条の6・第2条・第2条の2・第6条の5 e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認。2026年6月5日施行版、版ID 323AC0000000205_20260605_508AC0000000031)
  • e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov 法令検索(2026-09-08 確認)